東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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はい、今回は前回出てきたロキさんの紹介をさせて頂きます。

―道化師のトリックスター―
名前:ロキ

能力:トリックを起こす程度の能力

種族:神

・補足説明
神々の中でも屈指のトリックスター。悪戯好きの神様。神の身でありながら神々の敵であるヨトゥンの血を引いている。何故幻想郷に現れたかは不明。いつも何を考えているか分からずそれがかえって不気味と神群の中でも少しハブられる存在。位としてはロキ単体としてはあまり高くないが彼が属している北欧神話は上位に座している。


【挿絵表示】


お気付きの方は分かるようにディバゲのロキ要素を少し……いえ、かなり取り入れて描かせて頂きました。

ではではどうぞ。


第九十三話 道化師

 

 

 

妹紅が目を開けたときにはすでに日が落ちていた頃だった。

「…………ッ橙矢!」

「妹紅!起きたのか!」

「慧音…?橙矢は……!」

すると慧音は妹紅を宥めるように肩を押さえる。

「一旦落ち着け。私が阿礼乙女を避難させた後に妹紅のところに戻ってきたんだが……妹紅しかいなくてな」

「何……!?」

「だからどうしようもないんだ。手掛かりがない奴をどう探せというんだ?」

「……………」

「あいつが心配なのは分かるが少しは冷静になれ。お前は熱中することにはとことん熱くなるからな」

「う…………悪い」

妹紅と慧音はかなりの永い付き合いだ。それ故に互いの事は人一倍分かっている。

「………けど橙矢がどうしてあんな事をしでかすかが分からなくて……」

「まぁ確かにそこはどう意見だ。だが理由はある程度つくが」

「えッ!?」

「新郷神奈のことだろうな」

「あ………」

「あいつはとにかく新郷神奈を外界に帰そうとしていた。だがそれは叶わなかったんだろ?………その矛先は間違いなく私達……いや、幻想郷全土に向いている。だとしたら合点がいくだろ?」

「………………いや、たったそれだけの為になんで……」

「あいつにとってはそれほど新郷神奈の存在が大きかったんだろうな」

「ッ…………確かにな」

「嫉妬してるのか?」

「………まさか」

口を尖らせて拗ねているあたり概ね当たっているのだろう。

そんな妹紅を可愛らしく思いながら慧音はクスリと笑みを溢した。

「………何笑ってるんだよ」

「いやぁ、妹紅の初々しい表情を見れて嬉しいんだよ」

すると妹紅は顔を真っ赤に染めて顔を逸らした。

「馬鹿ッ!何言ってるんだよ!」

「良いではないか良いではないかー」

「何処ぞのおっさんか!」

疲れたのかため息を吐くと妹紅は寝かされている布団に倒れ込む。

「とりあえず橙矢が何処にいったかが問題だ」

「そうだな。…………かなり大掛かりな捜査になりそうだ」

「……………………橙矢」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………お前がロキだと?」

「うんそうだよ☆」

屈託のない笑みで返す道化師。

「………神々の敵であるヨトゥンの血を引きながらも神になった神々の中でも屈指のトリックスター」

「そうそう。よくボクの事を知ってるね。普通だと頭の上にハテナマークがつくはずなんだけど」

「今の時代ある程度の知識が無くちゃ生きていけなくてな」

「なるほどなるほど。それは良いことを聞いた」

何やら納得したように頷く。

「………………何を企んでいる?」

「それはボクの台詞だよ東雲クン♪どうして君はこの世界を壊そうとする?いつかの破壊神じゃないんだよ?」

「………別になんだっていいだろ」

「へぇ…………女絡みか」

刹那、ロキの首もとに刀が突き付けた。

「殺すぞ…………!」

「おいおい、そんな怒ることないじゃんか」

どうどうと宥めようとするがそんなもので落ち着く橙矢ではない。

「人を馬鹿にする態度は未だに健在だな」

「仕方無いだろう?無意識なんだから」

「だったら尚更だ」

「まぁまぁそうカッカするなよ。別に誰もお前と敵対するとは言ってないだろう?」

「…………………」

「そんなにボクの事が信用ならないかい?」

「ロキはよく嘘をつくことで有名でな」

「そんな伝承が………」

「テメェの事だろうが」

「自分の伝承の事なんか調べるわけないだろ?」

「…………まぁな」

「さて、時に東雲クン。トリックスターから提案だ」

不意にロキが高い声を出す。

「キミがやろうとしていること。ボクも手伝ってあげよう」

「……………何?」

「あれ?聞こえなかったかい?ボクがキミの手伝いをしてあげるって」

「…………何を企んでいやがる」

「ボクはただ単に楽しみたいだけさ。それ以上の事もそれ以下の事も望んでないよ」

「………………」

「いつまで疑っているんだい?そろそろ信じてくれよ」

ロキは呆れながらため息をつくが橙矢は油断なく刀を構えていた。

「…………もし不審な動きをしたらいつでも殺してもいいよ☆」

「…………………どうしても手伝いたいらしいな」

「それはもちろん。神サマを殺した人間だからね。色々と観察したいんだよ」

「………自分と同じ種族の殺した奴によくそんなこと言えるな」

「まさかボクがあんなやつらに仲間意識を持ってるとでも?冗談よしてくれよ」

「……………何だ、アンタシヴァとは大違いだな」

「当たり前だ。ボクはただの壊したがりとは違う」

「………………チッ。手伝う手伝わないは勝手にしろ。だがな、邪魔だけしたら殺すからな」

刀を鞘に納めると一瞬だけだが殺気を放つ。

「オーケーオーケー。了解した」

それをロキは受け流して承諾した。

 

 

 





少し短めになってしまいました……。

では次回までバイバイです!

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