「ん、あぁ……もうこんな時間か……」
読書を止め、ふと顔をあげるとすでに辺りは暗くなっていた。
下のを方を見るとやっと今宴会が盛り上がってきたところだ。
隣で本を読んでいた朱鷺子はすでに本の留守番を全て橙矢に任せ、その中に入って行っていた。
読んでいた本を本の山に戻すと寝転がる。
どうせ本を読んだところでこの暗さだから読めないのだ。
「…………………暇だ」
と急に空が明るくなる。
「……あ?」
どうやら犬猿の中である永遠亭のお姫様と不死の人間が蓬莱人同士仲良く弾幕ごっこをしているようだ。
……………てかいたんだな。
巻き込まれても嫌なので屋根から下りて縁側に本を置いて、腰をかける。
先程より人と遭遇する確率は高くなるが仕方ない誤って弾幕が本に当たるよりかはマシだ。
「あーうるさいわね毎度毎度」
「あぁまったくだ」
こっちはうるさくておちおち落ち着いて本が読め――――ん?
知らぬ間に誰かと会話していたことに気付く。
「………またあんたか霊夢……」
「またって何よまたって」
「で、この先に何か用か?」
「別に、酔い醒ましにふらふらしてたら貴方がいてね」
「あーなんかこのくだり見たことあるわ」
「そうね。二回目よ。でも酔い醒ましって事は本当よ」
「何でここに来るんだよ」
「ここは博麗神社なんだから私が何処にいてもおかしくないじゃない」
なんかこのような台詞も何処かで聞いたことがある気がする。
「あんたも少しは宴会に参加しなさいよ。暇なんでしょう?」
「………あぁ暇だが行く気は無いな」
「理由、聞いてもいいかしら」
「面倒事に巻き込まれたくない」
「なるほどねぇ。だったら私なんてどうなのよ。いっつも面倒事に巻き込まれるわよ」
「知らねぇよ」
「ほんっと自分の事をしか考えてないわよね貴方って」
「そんな褒めてもらっても」
「褒めてない」
「……………とにかく俺は行かねぇぞ。さっきだって馬鹿犬に少量だが酒飲まされてるし、いまいち気が乗らねぇんだ」
「何?貴方天狗の奴等とも顔見知りなの?」
「顔見知り………そんなとこだな」
「気を付けた方がいいわよ。特に鴉天狗なんかあることないこと新聞に載せるから」
「多分そろそろ出るだろうよ……」
「え、まさか取材されたの?」
「…あぁ、つい四日前に」
「あら……あのブン屋も情報入るのが早いわね」
「迷惑だ。霊夢から言っといてくれよ」
「嫌よ。めんどくさいし」
ヒラヒラと手を振って断る。
「あっそ。まぁ元から期待して無かったけどな」
「………少しくらい期待してくれたっていいのに……」
「あ?何か言ったか?」
何やらボソッと呟いたような気がしたがよく聞こえなかった。
「………何も言ってないわよ。それよりほら、貴方も行きましょ」
橙矢の手を取って立たせるよう促す。
「………なんで俺も行くことになってんだよ……」
「良いでしょ、ほら」
もうどうにでもなれ、と為すがままに連れていかれた。
始めは話しかけられてはいたものの徐々にその頻度は少なくなり、完全に話しかけられなくなったときに輪の中から出て、神社の裏側へ移動する。
そしてまた一人になると目を閉じる。
その時、近くの草むらからガサッと音がした。
何かと思い目を開けると草むらから出てきたのは橙矢と同僚である妖精メイドだった。
別にそれだけでは、多少驚いたがそれより気になる事があった。
「――――!どうしたんだよそれ……!」
妖精メイドは全身傷だらけで大量の血を流していた。
倒れそうになる妖精メイドを抱き抱える
「す、すみません……実は………」
それからここまでにどういう経緯があったかを話してもらった。
なんと地下に封じてあったドラキュラが拘束を解き、次々に妖精メイド達を襲っていったらしい。
それでこの妖精メイドは致命傷を負いながらも命からがらその事を伝えにきた、らしい。
「っくそ……今お嬢様に伝えるのは状況的に不味いか…!お前の怪我も心配だしな……。一先ず俺の家で手当てする。それからだ」
すぐに本を朱鷺子に押し付け、妖精メイドを担いでその場から走り去った。
「……よし、これでいいだろ」
事前に里で買っておいた治療用具を殆ど今回の治療で使い果たした。
それほど深い傷だった。
「すみません…ありがとうございます……」
「……気にすんな。仕方無いさ。…さてと」
頭をポンポンと軽く叩いてから立ち上がる。
「ッ!もしかして今から行く気ですか!?」
妖精メイドが橙矢の執事服の袖を掴む。
「だとしたらなんだ?」
「止めてください!死ぬ気ですか!?」
「………死ぬ気はねぇよ……ただ紅魔館に行くだけだ。まだ生きてる妖精メイドもいるかもしれないからな」
「だとしてもあの化け物に見つかったら貴方も……!」
「大丈夫だ。俺の事なんざどうだっていい。それよりも妖精メイドの方が心配だ」
家の戸を開けてもう一度振り返る。
「安心しろ。夜が明けるには全て終わらせてやるから」
そう言い残すと戸を閉めて駆け出した。
――真っ直ぐ、紅魔館へ向けて。
―――博麗神社―――
「あれ?」
霊夢が何かに気付いたように辺りを見渡す。
その様子にレミリアが気付く。
「どうかしたの霊夢?」
「いや、さっきまであんたのところの執事がいたのに急にいなくなってね」
「執事……あぁ橙矢の事ね。あいつは気配を消すのがうまいからまた一人になったんじゃない?」
「……何よ、せっかく引っ張って来たのに……」
「?引っ張って来た?」
「え?あ、いや、なんでもないわ。それより飲みましょ?」
「?変な霊夢……まぁいいわ」
レミリアが酒を飲むのを横目で見ると一言。
「何処に行ったのよ……」
「……何か変な空気だな……」
紅魔館の門をくぐった感想だった。
……まぁいつも通りだが。
何時までもこうしてる訳にもいかずゆっくりと館の扉を開ける。
するとギィィと重い音がした。
中へ入ると思わず顔をしかめる。
血の匂いがしたのだ。
嗅覚を頼りに匂いの原因を確かめる。
とにかく匂いが濃い方へ駆け出す。
「まずは妖精メイドの安否確認だな……」
何時もと変わらない廊下を駆けて行く。
一応地下室へ行ってみる。
――――――――――――――――――
ドラキュラが封じてあった部屋へ着くと目を見開いた。
鎖は無惨にも引きちぎられ、銀の格子も破られており機能を果たしてない。
―――それよりも悲惨だったのが足元に広がっている血の海とそれに埋もれている恐らく妖精メイドのものであろう肉の塊が落ちていた。
「………………」
辛うじて残っていた千切られたメイド服を拾い上げる。
「………………………」
何故か悲しむ事が出来なかった。
同僚が死んでいるというのに。
それよりも橙矢の中で何かが沸々と沸いてきた。
「…………ふざけんな…………」
そう言った瞬間足を壊れるギリギリまで強化させ、走り出す。
―――その後館内を走り回り、妖精メイド達を見つけたが、どのメイドも手遅れの状態だった。
その度橙矢の中の憤りが膨らんでいく。
そしてついに――――。
「あとは……ここだけだな」
食堂の扉を蹴り破り、中へ入る。
すると奥から誰かのうめき声が聞こえた。
「ッ!誰かいるのか!?」
声のする方へ足を進める。
食堂の一番端に位置してある机の裏側を見ると一人の妖精メイドが震えて座り込んでいた。
大量の血は浴びているようだが傷らしき傷は無かった。
「し、東雲さん………?」
「あぁ俺だ。東雲橙矢だ。………大丈夫か?」
ゆっくりと抱き起こして立ち上がらせる。
「ともかく紅魔館から出よう。話はそれからだ」
「あの……他の人達は……?」
「一通り見てきたが見るたび死体ばっかりだ」
妖精メイドが顔を真っ青にして橙矢を見上げる。
「そんな……」
「残念ながら事実だ」
妖精メイドを担ぐと食堂を出る。
「しっかり掴まってろよ…!」
「ま、待ってください!」
急にメイドが声をあげる。
「どうしたんだよ」
「あの……実は妖精メイドしか知らない部屋があるんですけど……知ってますか?」
「いや、初耳だ」
「でしたらそこへ向かいましょう!そこならまだあの化け物に襲われてないかもしれないです!」
妖精メイドは橙矢から下りて先導する。
「…………あぁ」
返事をする橙矢の瞳はすでに希望を捨てていた。
その部屋はフランの部屋のすぐ隣の壁に隠してあった。
橙矢と妖精メイドは扉を開けた瞬間同時に硬直した。
部屋の中には五人くらいだろうか、くらいの妖精メイドがいた。
いや、そこまではいいのだ。
それよりもここにいてはいけないものがいた。
そいつは今妖精メイド達の肉を貪り散らしている。
血が吹き出て部屋を真っ赤に染めている。
グチュグチュ、と生肉が千切れる音が響く。
「……ハァ……ハァ………」
急に冷や汗が出てきて呼吸が苦しくなる。
――ちょっと待て、吸血鬼であるドラキュラは血しか取り込まないんじゃないのか?
なんで肉まで食ってるだよ………。
「し、東雲さん……」
妖精メイドが橙矢の手を握ってくる。
「………あぁ、わかってる………」
無理矢理脳を冷静にさせて、ドラキュラにバレないようにゆっくりと扉を閉める。
が、
「――――――――――ッ!!」
視界からドラキュラが消える寸前、ドラキュラがこちらを見てきた。
舌打ちして叩きつけるように扉を閉めると足を強化し、そこから駆け出す。
妖精メイドは橙矢の急な行動に驚いたものの橙矢の手にしがみついていた。
「ッ!東雲さん!どうしたんですか!?」
「奴に見つかった!全力で逃げるから後ろを見ててくれ!」
玄関を目指しながら足を動かす。
「!わかりました…!」
橙矢にしがみつきながら後ろをみ――――。
目の前に化け物が迫っていた。
「え――――ッし、東雲さ――」
瞬間橙矢と共に壁に叩き付けられた。
「グ……ッ!」
橙矢は何とか立ち上がり妖精メイドを……。
………あれ?……何処にもいない……。
「いやぁ!東雲さん!」
「ッ!!」
すぐに妖精メイドの悲鳴がする方へ顔を向ける。
丁度今ドラキュラが妖精メイドに向けて得物である長い爪を降りおろ―――――。
「アアアアァァァァァッ!!」
強化してたままの足で間に割り込み、刀を抜いて受け止める。
ギィィンッ!と金属が擦れる音がする。
「グ…………。よぉ吸血鬼ドラキュラァ………。こっちの世界では元気に……してたか……!」
鍔迫り合いながら声をかけてみる。
しかし改めて間近でみるとより一層恐怖を感じる。
「…………………」
「何か言ったらどうだよ……!」
挑発的に言うと目の前の吸血鬼は口を開いた。
「………………邪魔だ」
刹那、横から重い衝撃を喰らう。
「――――ゴハッ!」
吹っ飛び、地を転がる。
「ッ!」
体勢が万全じゃないまま地を蹴ってドラキュラに迫る。
「……………鬱陶しいぞ」
顔面を掴まれ、壁を叩きつけられる。
「…………!」
意識が飛びそうになるが何とか耐える。
まだだ…!と思い、力を入れて………。
グジュル、と嫌な音が耳に届いた。
「……………………………ぇ」
ドラキュラの爪が橙矢を貫いた音、ではなく妖精メイドを貫いた音だった。
「あ……え………………?」
……待て。
今あいつが貫いたのはなんだ?
妖精メイド?
嘘だ。嘘だ嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。
「あ、あ……ぁ……あああぁぁ」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だだ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
「アアアアァァァァァァァァァァ!!!」
ドラキュラを蹴り飛ばす。
廊下の端まで吹き飛ばし、倒れそうになる妖精メイドを抱き止める。
「……しののめ……さん…」
「大丈夫だ。今から治療してやる。それまで待ってろ!」
治療室は確か……!
―――それよりも早くその妖精メイドが霞取られた。
「え?」
「しの……のめ……さ……」
霞取ったドラキュラが妖精メイドの首筋に牙を突き立てる。
それから肉を引きちぎり、貪る。
「……………………」
橙矢は何故かそれを止めることが出来なかった………。
しばらくして満足したのかドラキュラが立ち上がり、こちらを睨んできた。
……それを別にもう恐怖は感じなかった。
………それよりも今橙矢の心を支配してるの………………。
瞬間ドラキュラは顔面を掴まれ、先程と同じ様に壁に叩き付けられた。
引き離そうとするが強力的な握力によって無効にされる。
「何……!?」
「痛いか?そんなはずないよな。だって……お前はこれ以上の事をしてたもんなァ!」
余っている拳をドラキュラの顔面に叩きつける。
「………ッ!」
「まだ終わんねぇぞ!!」
両肩を掴んで引き寄せ、膝蹴りを喰らわせ、浮いたところを地に叩きつける。
ドラキュラはすぐに爪を振り上げて橙矢を裂こうとするがそれを抜いた刀に阻まれ、止められた。
その腕を掴むと自身の腕を強化させて、関節を曲がる方とは逆の方に折った。
「ッァ!き、貴様………ッ!」
無理矢理ドラキュラは橙矢を突飛ばし、折れた腕で橙矢を殴り付けた。
「カハッ…!」
吹き飛んで壁に激突する。
「ゲホッ!ガハッ!」
「貴様……よくも我が腕を折ってくれたな……」
「……そりゃどう……もォ!」
地に這うように走り出し、一瞬で懐に潜る。
「ラアァ!」
下から刀を振り上げ、腹から頭まで一直線に斬り上げる。
「ぬぅ!」
後ろへ跳び、距離を取る。と同時に距離を詰める。
刀先で突き、そこから降り下ろしてその勢いで身体を横に倒して縦に回転し、頭の上からまた降り下ろす。
この一覧の流れを全て躱される。
――――だがそれも予想範囲内!
地に倒れこんだ橙矢は足を強化して足を払う。
「………ッ!小癪な…!」
倒れる前に翼をはためかせて空中に留まる。
そんなドラキュラへ刀を投げつける。
「何ッ!?」
これには反応出来ずに肩口に突き刺さる。
橙矢はドラキュラ向けて跳び、刀を掴むとそのまま下に無理矢理降り下ろす。
肉がブチッと千切れる音がするが今さら気にする事でもない。
「グォ……」
刀を掴んだまま空中で半回転して回し蹴りを喰らわせる。
吹っ飛んだことによって刀がドラキュラの身体を斬りつけた。
「ッ!調子に乗るなァ!」
ドラキュラがバッ!と手を広げると弾幕が廊下にばらまく。
「滅茶苦茶だな!」
廊下では分が悪い。
そう考えた橙矢は近くにあるフランの部屋へ飛び込む。
ここならかなり広い分動きやすいはずだ。
「自ら袋の鼠となるか!愉快だな!」
「うるせぇ……!」
ドラキュラが部屋へ入ってきた瞬間橙矢は一気に懐に潜り、強化した拳を振り上げ、顎に入れる。
「――――ッ!」
この速度には付いていけなかったのかまともに喰らい、高い天井に叩き付けられる。
がすぐに弾幕を放ってくる。
それらを避けて、或いは刀でいなす。
「てめぇの弾幕は簡単だなァおい!かつての吸血鬼ドラキュラ公の名が聞いて呆れる!」
「言ってくれるな…ッ!」
弾幕を撃ち切り突撃してくる。
落下してきた運動エネルギーを活かして爪を振るう。
橙矢は右足を軸にして回し蹴りを爪、ではなく腕に向けて放った。
「な……ッ!?」
左足を腕に引っかけ、右足を振り上げ、顔面に蹴りを入れた。
その勢いで上下が反転し、橙矢が上となる。
そのままドラキュラを床に叩きつける。
「マウントポジション……覚悟しろ…!」
拳を最大まで強化させる。
肉体が耐えきれず限界を超えて拳から血が吹き出るが知ったことか。
「消えろォ!!」
――――降り下ろす瞬間ドラキュラの口が歪んだ。
「それは貴様だァ!」
直後―――横から強い衝撃が橙矢を襲った。
「―――――!!」
突然の衝撃に対応が出来ず吹っ飛び、扉をぶち破る。
「クソ……」
刀を右手から左手持ちに変える。
先ほどの強化のせいで拳が砕けていた。
「…………どうした?先程の威勢はここまでか?」
顔をあげるとすぐ目の前に吸血鬼がいた。
あわてて刀を横に構える。
それが功を奏したのか刀に重い衝撃が走る。
衝撃を殺しきれずにまた吹っ飛ぶ。
床を何度も跳ねて玄関まで転がる。
「グ……ァ………」
身体の節々が痛む。
一気に形勢逆転された。
「………一時撤退だな………」
このままではあの吸血鬼を殺すどころか逆にこっちが殺されてしまう。
「クソッ!」
これ以上戦闘が続けられない自分に苛立ちながら紅魔館の扉を開け、外へ出る。
「殺す……今度は殺してやる……」
弾幕でボロボロになった身体に鞭を打って足を強化してドラキュラがくる前に森の中に紛れ込んだ。