さてさて、最近家に帰る時間が遅くなってこれを書く時間が無くなってきていますo(;д;o)
それでも書いてしまう根性というか……何なんでしょう。自分でもよく分かりません。そんなものが人一倍あるんでしょう。
長話が過ぎましたね。すみません。
ではではどうぞ。
翌朝、どうにかしてミスティアに運んでもらった後二人は爆睡していた。
「んー……あー………寝てたか」
重たい身体を起こして欠伸をしてから服を脱ぎ捨てた。
「一旦洗わないとな……」
そう言いながら橙矢はひとつの服を手に取った。紅魔館で執事をしていたときの執事服だった。さすがにそのまま着るのはマズイと思い、上半身はシャツだけにしておいた。
「うわ、久々に着るな……」
懐かしさを噛み締めていると神奈が起きてきた。
「………あー、東雲さん。おはよー」
「おう、早速だがそろそろ出るぞ。昼前には神社に着いておきたい」
「………いきなりですね」
「そうでもしないと神社にいる巫女が仕事しないから」
「……………何か色々と疑問に思いますが………分かりました」
「じゃあ身支度をしといてくれ。準備ができ次第すぐに行く。俺はもう済ませたから外で待ってるからな」
「了解です」
もう一度欠伸をすると家の戸を開けて外へ出た。
―――――しばらくしてから家の中から神奈が出てきた。
「お待たせしました。準備が出来ました」
「忘れ物はないか?もう君がここへ戻ってくることはないぞ」
「えぇ、大丈夫です」
神奈が頷くのを確認すると家の戸を閉めた。
「よし、じゃ行きますか。それと神奈。ひとつ、昨日の事は気にするなよ」
「………はい」
歩き出すと隣に神奈が並ぶ。
二人は談笑しながら博麗神社へと向かっていった。
博麗神社に着いたのは丁度昼頃だった。家を出発したのが十時なので約二時間かかった事になる。
「やっと着いたな。あー長かった」
「途中で妖怪やらに出会わなくて良かったですね」
「あぁ、昼だからな。大方の妖怪は夜に活動が活発になるから」
「………そういえば東雲さん」
「ん?」
「……昨日西行寺さんとの会話で聞こえたのですが……退治屋というのは?」
「……………何だ聞いてたのか。お前はそれを聞いてどうする?」
「少し気になっただけです」
「………まぁ別にいいけどよ。……退治屋ってのは所謂汚れ役みたいなもんだ。ここの神社にいる巫女は大きな異変、外界では事件と言った方が自然か?それとこの世界にはスペルカードルールってのがあってな。簡単にいうと妖怪は好き勝手に人を襲ってはいけません、的な決まり事だ。結局そのルールは口約束みたいなもので当然破って人を襲う輩も出てくる。それを退治するのが俺の仕事だった」
「だった?つまりもうやってないのですか?」
「あぁ、そんな仕事こっちから辞めてやったよ。………けどその代わりに里を敵に回したがな」
「……東雲さんは後悔は……」
「してねぇよそんなの。里には行けないがここの世界の奴等には良くしてもらってるからな。ここの神社の巫女もその一人だ」
「では顔見知りなんですね?」
「んー、顔見知りとは少し違うな」
「違うんですか?だったら―――」
「あら、橙矢じゃない」
不意にそんな声が神社の中から聞こえた。
中から出てきたのは博麗神社の巫女、博麗霊夢。
「よ、一週間ぶりか?」
「詳しく言うと六日ぶりだけどね。それで今日は私に何か用かしら」
「実はな、数日前に外界から迷い混んだ人がいてなこいつを帰してほしいんだ」
神奈を指して存在を示す。
「えー、面倒ね」
「頼むよ。この通り頭下げるからさ」
と言いつつも一ミリも頭を下げていない。
霊夢は呆れながらも承諾した。
「分かったわよ。準備するから少しだけ待ってなさい」
「あいよ」
再び社の中へ入っていく霊夢を手を振りながら見送る。
「東雲さん、今のが巫女ですか?」
「逆に今のが巫女じゃなかったら誰が巫女だってんだよ。あと少しだけ待ってろ。すぐ帰れる」
「そうなんですか。……東雲さん短い間でしたけどありがとうございました」
「………礼を言われる筋合いなんてねぇよ。今回はただ単に気分が良かっただけだ」
「……けれど」
「あぁ言い忘れてた。外の世界に戻った時だけどな、なるべくここの世界にいた時の記憶を消すようにしろ」
「記憶を消すように?……分かりましたけど……」
「それならいい……っとそろそろだな」
そう言う橙矢の視線の先には祓い棒を持った霊夢が。
「さて、待たせたわね。準備が出来たわよ」
「待ちくたびれたわ………そういえばここに天子と椛が来なかったか?」
「来たけど追い返したわ。それよりこれでも最速で準備したんだけど」
「早くしてくれ」
「分かったわ………じゃあそこの人、私の前に立って」
「私ですか?……はい」
神奈が霊夢の前に立つと霊夢は何かを呟き始めた。
「―――――――――――――――」
「……長いな」
「黙ってて頂戴」
「すみません」
「ならよし。……――――」
再び詠唱する霊夢を横目に神奈に近付いていく。
「良かったな。これで帰れるぞ」
「……………」
「どした?」
「……いえ、何でもないです」
「ならいいが…。なんだ、何かやり残した事でもあるのか?」
「それもないです」
「んー、だったら何だよ」
「――――――結界解除」
霊夢がそう言うと同時に虚空に罅が入り、結界が裂けた。
「ほぉー、こんな風になるのか。けどこうしたら俺も出れるんじゃないのか?」
「平気よ。たとえあんたが出ようとしても」
不意に橙矢を背後に空間転移した。
「ゑ」
「はいどーん」
急に隙間目掛けて突き飛ばされた。目の前には外界の景色が。
「ば―――――ガァッ!?」
隙間に身を投じた途端急に火花が散り、橙矢を吹き飛ばした。
「どわッ!――――何なんだよ一体!!」
「何も力を持たない人間以外は弾かれる」
「…………だからって俺を使うな」
「良いじゃない。減るもんじゃないんだし」
「この野郎…………!」
「まぁいいわ。そこの貴方、出るなら早くしなさい」
「あ、はい……」
「……………じゃあな」
隙間へと向かう神奈に言葉をかけると少しだけ振り返った。
「…………………はい」
微笑んで踵を返すと隙間へ一歩を踏み出した。
―――同時に橙矢と同じ光景が繰り返された。
『――――――え?』
その声は三人同時に聞こえた。
当人の神奈も驚いていたがそれ以上に驚愕していたのは霊夢だった。
「お、おい大丈夫か!?」
慌てて駆け寄るが神奈は呆然としているだけだった。
「………あんた、ほんとに人間なの?」
呆然としている神奈に霊夢が寄ってくる。
「え、えぇ、人間、のはずなんですけど……」
霊夢はふと神奈の額に手を置くとさらに目を見開いた。
「あんた………神力が流れてるわ。神が持つ力をね」
「………ッ!?」
「……おいおい冗談キツいぞ霊夢」
「冗談にしては出来すぎよ」
「…………マジかよ」
「ところであんた、名前を教えてくれない?」
「………私ですか?……新郷神奈ですけど」
「―――――――――!!」
瞬間神奈目掛けて封魔針が投げ付けられた。
いきなりの急展開。自分でも想像出来ませんでした。
無意識って怖い。
では次回までバイバイです!