そうして、一色いろはは本物を知る   作:達吉

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女子の心理描写をおっかなびっくり書いています。
モノローグでボケないキャラを語り部にすると、本人のセリフが激減するのね(困


■2話 一色さんのが染みたソレ

「サイアク!それって、まじストーカーじゃん!?」

 

 一通り話を終えて、真っ先に激おこ表明してくれたのは結衣先輩。

 

 ああ…クラスの女の子は誰もこの反応をしてくれなかったっけなぁ…。

 

 改めて、この場所はわたしにとって特別な空間だと実感した。溜め込んでいた不安も、吐き出してみるとずいぶん楽になったみたい。

 何より、このひと達はわたしを助けてくれる「味方」なのだ。彼らのテリトリーたる部室に逃げ込めた事で、保護されていると感じることによる安心感が、何よりも大きいんだろう。

 

「その、答え難い事かも知れないけれど…。、何か、おかしな事をされたりというのは?」

 

 気遣わしげな雪ノ下先輩が声を掛けてくれる。

 

 聞き辛くても大事なところをぼかさない、本当に芯の強いひとだと思う。やっぱり、ここに相談しに来たのは間違いじゃなかったんだ。

 

「いえ、今のところ直接というのはまだ…。なんか、見張られたりしてるだけみたいです」

 

「そう。それならよいのだけれど」

 

「…にしても雪ノ下、やけに親身だな」

 

 そう言えば、意外にも一番熱心に話を聞いてくれているのは雪ノ下先輩だった。先輩じゃないけど、失礼ながら、一番信じてもらえなさそうなイメージがあったかも…。

 

「それは…。まぁ、私も似たような経験が無い訳ではないし」

 

「なるほどな…」

 

 微かに憂いを含んだ表情の雪ノ下先輩はとても綺麗で、それこそストーカーの一人や二人が居たとしても、ちっともおかしくないと思える説得力がある。先輩も思わず納得したようだけど、一人だけ納得していないひとも居た。

 

「あ、あたしだってあるよ!」

 

「あのな由比ヶ浜。別に張り合うようなことじゃないんだ」

 

 無駄に優しげに諭すような先輩の物言いに、さらにムキーっとなる結衣先輩。

 

「ばっ、バカにすんなし! こないだもちゃんと、電車でお尻触られたし!」

 

 ドヤ顔でチカン被害を自慢する彼女に、二人は頭を抱える。

 

「ちゃんとってなんだよ…」

 

「それはそれで聞き捨てならない問題なのだけれど…まずは一色さんの方ね」

 

 

* * *

 

 

 では実際、どうしたらよいかという話の段になって。

 

「高校生の片思いが拗れただけなのだし、時間が解決する可能性はないのかしら」

 

 放っておけば卒業してもう会わないのだから、と雪ノ下先輩。

 下手に刺激しない方がよい、という考えも間違いじゃないと思う。しかし先輩は違う考えのようだ。

 

「思春期男子の闇は深いからな。あんま楽観視しないほうがいいんじゃないか。縦笛舐めるレベルなんてそれこそガキのお遊びだ。例え今はセーフでも、放っておけばエスカレートする可能性もある」

 

 先輩の顔からはいつものうさんくさい雰囲気が消えて、どちらかといえば凛々しい──と言えなくもない表情に切り替わっていた。

 

「あの…わたしの、その…自意識過剰とか、そういう風には、思わないんですか…?」

 

 どんだけ自分に自信があるんだ、と笑われるかもしれない。

 もし先輩にそう言われたら、その場で泣き出してしまう自信が今のわたしにはあったのだ。

 

 恐る恐る不安を口にしたわたしに、先輩は──

 

「お前のルックスとあざとさなら、むしろダース単位で発生していないとおかしい」

 

「酷いです先輩!?」

 

 はうぅ…。違う意味で泣きそう…。

 

 いやでも! それって逆に返すと、先輩も私のこと、可愛いとは思ってるってことだよね!

 そんな場合じゃないんだけど、やっぱり嬉しい。

 っやば、顔ニヤけてるかも!

 

「比企谷くん…」

 

「悪い。茶化すような状況でもないな。スマン」

 

 表情を隠すために下を向いていたら、ショックを受けていると勘違いして気遣われちゃった。

 えへへ、ラッキー☆

 あー、こういうのがあざといって言われるのかな…。

 

「それで、先生や親御さんには相談したのかしら」

 

「いえ、まだです。そういうのも含めて、信用できる人に相談したくて」

 

 そう自分で言って、少し驚いた。

 

 計算高い性格だと自覚があるし、基本的にあまり他人を信用していない。だから「信用している」という表現は、相手の好感度稼ぎ以外で使った覚えがない。

 

 なのに、今の言葉は自然と口から零れていた。

 

 奉仕部の先輩方には今までさんざんお世話になっているし、迷惑ばかり掛けている自覚もある。

 だけど、頼りになるのも、頼れるのも、わたしにはこのひと達しかいない。

 

 このひとしか、いない。

 

 先輩、怖いんです──

 先輩、一緒に居てください──

 先輩、いつもみたいに助けてください──

 

 言葉に出来ない気持ちの代わりに、知らずわたしは歩み寄り、彼の袖を掴んでいた。

 

 ああ、そっか。

 

 優しい先輩が、文句を言いつつもわたしを拒絶しない理由。

 これは縋りつく弱者の姿だ。本当は優しい彼が振り払えないのも当たり前。

 

 普段のわたしは、随分と恥知らずな真似をしていたんだなあ…。

 

 そう考えるとかなりみっともないな気がしたけど──。

 それでも今のわたしは、心の底から救いを求めている、正真正銘の弱者だった。

 

 体裁や恥じらいを捨てて、先輩の袖をきゅっと握り締める。

 

 彼は取り(すが)られた感触に何か言いたげだったけど、私の顔を見るとその口をつぐみ、やっぱり袖を払おうとはしなかった。

 

「…ねぇ、助けてあげよ? 断る理由ないでしょ、ゆきのん。ヒッキー」

 

「どう思う、比企谷くん?」

 

 二人の視線が一点に集まる。

 何だかんだで奉仕部の中心は先輩なのだ。

 そして、「まぁ」と彼は応えた。

 

「わりかし難しい問題だが、一色独りで抱え込むよりはマシか」

 

「ヒッキー!」

 

「確かに、当事者が冷静で居るのは難しい状況だし…。客観的な助言を与えるのは、奉仕部の目的にも沿っていると言えるわね」

 

 二人の先輩方の声も明るい。

 先輩がやるといっただけで、もう解決したような空気だ。

 

「わ、わたしのこと、また、たすけてくれますか?」

 

 自然、目頭が熱くなり、声に涙が混じる。

 

「大丈夫よ。貴女の依頼、ちゃんと受けるから」

 

 冬の雪のように冷ややかで涼しげな先輩の言葉は、けれども雪融けのような暖かみを内包していた。

 

「まっかせてー!」

 

 春の陽だまりのような先輩の笑顔には、不安が吹き飛ぶような朗らかさがあった。

 

「…ま、あんま心配すんな」

 

「ひぐっ…!」

 

 最近は真面目にしてると結構カッコいいとも思えてしまう先輩の声。

 

 弱っていた心にはちょっと酷だったみたい。

 顔を隠す前に、ポロッと涙が零れてしまった。

 

「ん」

 

 素っ気なく差し出されたハンカチは、無駄に可愛いワンちゃんのプリント。

 

 それがとどめとなって、わたしは弾かれたように先輩の胸に飛び込んでいた。

 

 

* * *

 

 

 ……よし、と。

 

 とりあえずこんなものかな。

 コンパクトを閉じて頬を軽くタップ。

 うし、オッケー。

 

 はー、やらかしちゃったなー。

 ウォータプルーフ? 何それ? ってくらい、アイラインがボロボロになっちゃった。

 

 わたしは基本ナチュラルメイク派だけど、あれだけ派手に泣くとさすがに厳しい。もちろん、死んでもその顔だけは先輩に見せないようにとお手洗いへ逃亡してきたわけ。

 

 崩れたメイク顔なんて、すっぴん以上の禁忌(タブー)なんですから。

 ともすればストーカー問題よりも重い、乙女のプライド問題。でもメイクを直して安心したら、まだ不安の種が顔を出し始めた。

 

 早く戻ろう、あの場所に。

 

 

 涙の後始末を終えて、奉仕部の部室へと向かう。

 すっかり冷え込んだ廊下は、胸の内の不安と一緒になって気を滅入らせようとするかのよう。小走りに廊下を進むと、薄暗い廊下に漏れる部室の明かりが見えた。

 

 ホッとして駆け寄ると、中から話し声が漏れ聞こえてくるのが分かった。近づくに連れ徐々に大きくなるその声は、なぜか非難めいた感情を含んでいるように感じた。どんな話をしているのか気になって、聞き耳を立ててみる。

 

 

「──仕方ないわ。だって比企谷くんみたいな目をした人が女子を拘束していたら、誰だって通報するもの。それが市民の義務というものでしょう」

 

「拘束されてたのは俺の方だっただろ。あいつ意外と力強くてビビったわ」

 

「でも、貴方は見える高さに両手を挙げていなかった」

 

「…満員電車のあのルールも、男の立場としてはおかしいと思うんですよ?」

 

「なら、貴方は自身の無罪をどのようにして証明してくるのかしら」

 

「悪魔の証明っての知ってるか? 一般に"ない"事を証明するのは困難であり──」

 

「でもいろはちゃん、ガチで抱きついてたじゃん。ひしーってカンジで! あれさ、あ、当たってたでしょ?」

 

「いやハナシ聞けよ。てか当たってたって何が」

 

「そ、そりゃその…む、胸とか…。きゃー! ヒッキーやらしー!」

 

「自己完結でおディスりになるんでしたら、どうぞ俺抜きでやってくれませんかね」

 

「ストーカー被害を訴えたらどさくさに紛れてセクハラされるなんて、不憫でならないわ。泣きっ面にハチマンとは正にこの事ね」

 

「それだと俺が蜂人間みたいだから。つかそもそも当たってなんか…」

 

「あの程度なら当たらないとでも? 一色さんのサイズで不足というのは世界的に見ても比較的慎ましやかな方である日本人女性全てに対して失礼極まりない発言じゃないかしら。無論、平均というくらいだから数値を上回る者も居れば下回る者も統計上同程度居る筈で、つまり今の発言は世の女性の半分を批判したと見なさざるを得ない訳だけど」

 

「ねえこれ何て魔女裁判? 逆転したくても発言チャンス無いんだけど。ずっとユキのターンなんですけど」

 

「──由比ヶ浜さん、何故そこで自分の胸を見るのかしら」

 

「うえっ、み、見てないし!?」

 

 えっ、今のちょっとホラーですよ!?

 

 あのね、今ね、結衣先輩がちらっと自分の胸元を見た瞬間、完全に死角だったはずの雪ノ下先輩が、急に振り向いたの。

 こわ…。なんであれに反応できるの…?

 

 っていうか──

 

 うーん、そっかー。当たってなかったかー。

 ちょっとテンパってたから、当てる事まで気が回らなかったなぁ。しっぱいしっぱい。

 

 まぁ、結衣先輩レベルに至るはともかく、わたしもまだまだ成長期ですし? 雪ノ下先輩にはすでに勝ってますし?

 

「──あら、戻ったようね」

 

 え"っ…ドア開けてないのに気付いた…?

 いま何に反応したの? わたしの心の声!?

 このひと怖い。ストーカーとは別方向で怖い。

 

 少し大きめに音を立ててドアを開け、いま来たばかりですアピール。

 

「お、お待たせしましたー。すいません、お見苦しいところを…」

 

 もう寄り添うといってもいいくらい、思い切り先輩の側に寄せた椅子によいしょっと座る。時間を置いて熱が冷めたせいか、先輩が少しだけ居心地悪そうにするのがちょっと可愛かった。

 

「先輩もゴメンなさい。制服、濡らしちゃって…」

 

 思い切り顔を埋めてたから、ワイシャツは濡れた上にクシャクシャ。自分の涙が先輩の胸元を濡らしていると思うと、これはかなり恥ずい…。

 

「あの、クリーニングしてお返ししますので…」

 

「その心配は無用よ。彼の服が多少濡れていたところで不都合はないわ。何しろ服以前に本人を気に留めている人が居ないのだから」

 

 先輩が何か言う前に雪ノ下先輩がピシャリと言い切った。やっぱりまだ胸の話を根に持っているのかも…。

 

「全くもってその通りだけど、今日はやけにトゲあるのな」

 

「仕方ないでしょう。外敵から花を身を守るためには必要なものだし」

 

「そこで自分を薔薇に例えちゃうハートの強さには感服するしかないわ」

 

 そう言えば、雪ノ下先輩って控えめな見た目のわりに、自己評価には遠慮しないんだよね。確かにこの人にケンソンされても、同じ女子としてはむしろイラつくかもしれない。ひょっとしたら以前、そういう揉め事の経験があるのかも。

 

「むしろ、一色さんのが染みたソレを不純な目的で再利用されないかが心配ね」

 

「わざと言葉省いて俺を変態に仕立てるのやめて下さいね」

 

「いっそ比企谷くんを焼却処分したほうが安心かしら」

 

「シャツじゃなくて俺が焼却されちゃうのかよ」

 

「だってリサイクルできるとは思えないし、仕方が無いでしょう」

 

 流れるような応酬に、結衣先輩はころころ笑う。

 これはなかなか、いつも以上に割って入りにくい空気。

 ま、わたしはそーいうの、遠慮しないけどね。

 

「先輩せんぱい、わたしの涙で濡れたシャツ、何に使うんですか?」

 

「正直、早いトコ脱いで洗濯したい。涙はともかくその他諸々がな…」

 

「あ、メイクでもついちゃった? あたしのクレンジングオイル貸そっか? すぐ落ちると思うよ」

 

「いや、そうじゃなくて、よだれとか鼻み──」

 

「ちょおちょおちょおぉー! 先輩何てこと言うんですか! 死んだ方が良いんじゃないですか!?」

 

 ヒド過ぎます。

 バカ正直な先輩も、男子の胸でマジ泣きしたわたしも。

 

「ヒッキーさいてー」

 

 えっとー、女子ルールに則ってちゃっかり裁く側に回ってますけど、最初に話振ったの結衣先輩ですからね?

 

「まったく…。先輩はデリカシーって言葉、知らないんですか?」

 

「知ってるに決まってるだろ。国語だけなら学年3位なめんな」

 

「実践が伴わない知識がいかに無用の長物であるかという、悪い見本ね…」

 

 先輩があんまり馬鹿なこと言うから、しんみりした空気までどっかいっちゃったじゃないですかー。

 

 ──あ、そっか。

 みんな気を遣ってくれてるのか。

 

 ちらっと先輩を盗み見ると、こちらを伺う視線と一瞬だけぶつかり、すぐに逸らされた。

 …ほんっと、あざといです。

 嬉しくて、恥ずかしくて、なんかわたしも目を逸らしちゃった。

 

 そんなわたしを見て、雪ノ下先輩が綺麗な笑顔で告げた。

 

「比企谷くん、一色さんはストレスで心が弱っているのだから、これ以上ショックを与えないように。具体的には顔を隠して口も開かないでね」

 

「ちょいと雪ノ下さん。俺の心ももう少しケアしてくれても良いん…です…よ……」

 

「あのね。ケアっていうのはベースが正常だという前提があって初めて──比企谷くん?」

 

 なにやら訝しげな雪ノ下先輩の声につられて、わたしは紅茶に落としていた視線を上げた。

 見れば、いつの間にか椅子から立ち上がった先輩が、なんともヘンテコなポーズで蠢き、こちらに何か伝えようと口をバクつかせている。

 

 先輩それ気持ちわるいです──じゃなくて。

 

 えっと…なになに…。

 このヘンテコダンスは…『そのまま会話を続けろ』ということ?

 

 ちらりと雪ノ下先輩を見る。

 彼女は鋭い視線で先輩を睨みつけ──ああこれアイコンタクトね──を交わして、何かを了解したご様子。

 

 すると彼はそのまま足音を殺し、扉の方へぬるりぬるりと近寄っていく。

 雪ノ下先輩は、こちらを向くと

 

「一色さん。紅茶、もう一杯いかがかしら」

 

 立てた人差し指を唇に当てながら、何のことはない会話を振ってきた。

 

「あ、ありがとうございますー」

 

 こちらも努めていつも通りの声で答えつつ、雪ノ下先輩と揃って、先輩が忍び寄る扉の方へと目を向ける。

 

 ま、まさか…。

 これ、そういうこと…?

 

「えっ? なになに、どしたの? ヒッキーどっか行くの?」

 

 あうちっ!

 

 ひとり状況についていけなかった結衣先輩が、扉へ向かう先輩に向って、良く通るその可愛らしい声を掛けちゃった!

 

「ちょっ由比っ──バカ!」

 

 瞬間、タタタッと廊下を駆けて行く、ひと一人分の足音。

 

 みんな固ったまま、足音の主が逃げていく音を聞いていた。

 先輩も、苦虫を噛み潰したような顔で動かなかった。

 

 

 すっかり足音も遠ざかり、それから最初に動いたのは雪ノ下先輩だった。

 

「ふぅ…。由比ヶ浜さん、貴女ね…」

 

 彼女はこめかみに手を当て、呆れ顔でため息をつく。

 

 ううん、そんなことよりも…。

 ほんとに、見張られてたんだ。

 

 ずっと気付かなかった自分が恨めしい。

 せっかく止まった震えが、また私の身体を覆いかけた。

 

 ──でも。

 そうだ、先輩。

 

 先輩は、彼──ううん、アイツが隠れているのを見抜いてくれた。

 わたし、やっぱりここに来て良かった。

 

 恐怖よりも、それを跳ね除けてくれた感謝と感動が上回ったのか、それ以上わたしの身体が震えることは無かった。ただしその代わり、ちょっぴり顔が赤くはなってるかも。

 

「先輩、助かりました…」

 

「いや、微妙にミスったわ。入り口に近寄ったはいいけど、そっから先を考えてなかった。今回は逃げてくれて良かったな」

 

 バツが悪そうな顔で、彼がこちらへと戻ってくる。

 失敗したって言ってるけど、追い払ってくれただけで十分だ。わたしにとっては優秀なナイトそのものだった。

 

 思わずさらに一歩分ほど、自分の椅子を彼の椅子へと近づけた。この距離は、さすがに近すぎるかな。

 

「相手を追いかけないの?」

 

 不満そうな雪ノ下先輩に対し、先輩は椅子にどへっと腰掛ける。

 

「やめておくわ。状況がよく見えない今、無暗に追い詰めたくない」

 

「成程。一理あるわね」

 

 先輩の言葉を聞いて、雪ノ下先輩はようやく身体の力を抜いたようで、

 

「まずは一旦、落ち着いて状況を整理しましょう」

 

 と、大きく息を吐き、それから落ち着いた様子で再び紅茶を入れ始めた。

 

 目まぐるしく移り変わった、一瞬の出来事。

 完全に置いてけぼりを食らった形の結衣先輩は

 

「ね、ねぇ、どゆこと? 今のなに? あたし何で怒られたの?」

 

 何か失敗した事だけはわかったらしく、眉を下げてしょんぼりしていた。




普通のJKって、何考えて生きてるのかなぁ…想像付かんです。
作者のDK時代はといえば…たぶん部活とゲームとエロいことしか考えてなかったでしょうね。

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