るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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久しぶりに3人で行動するチームるーちゃん。
学園生活部の出番は少なめなので買い物を楽しむみんなを見たい人はアニメを見返したり、単行本2巻を見るといいのですよ。向こうではきーさんは不在ですが。



第32話 えんそく きかん編

めぐみカーをモールまで運搬したるーちゃん。比較的動けるくるみさんとめぐみを遠足班に編入させて、ゆきの案内で彼女達にはショッピングを楽しんでもらうことにしました。一応護衛にラ・ネージュをつけていますし、くるみさんも健在なのでるーちゃんがいなくても大丈夫でしょう。

ショッピング担当から外れたるーちゃんですが、やらなければならないことはたくさんあります。ゾン子さんもリーダーさんもモールで拾った生存者さんもダウンしていてとても自力で動ける状態ではないため(リーダーさん以外の二人にいたっては意識すらない)こいつらをがっこうまで運ばなければなりません。お仕事その1です。

それに、全員乗っていると思われていためぐみカーにはみくちゃんが乗っていなかったため、一旦駅に戻って捜索する必要もありそうです。リーダーさんが、「みくはたぶんもう駄目だ」なんて言ってましたけど、るーちゃんは自分の目で確認しておく派なのです。お仕事その2です。

更にはるーちゃんカー2号は自分で乗って行ってしまうため、遠足班が帰ってくる用の車も用意しておかなければなりません。お仕事その3です。流石のるーちゃんでも完全廃車モードのめぐみカーを修理するよりはその辺の事故車両修理するほうを選びます。すること多いのでなるべく時間はかけたくないのです。

 

まずはその3から片付けていくことにしたるーちゃん。その辺の事故車両を適当にいくつか見繕ってくると、猛スピードで車を改造していきます。るーちゃんの作業速度は255。ゆきでも安全に帰ってこれるレベルの超堅牢な車両を仕上げることなど一瞬あれば十分です。車体のあちこちにデフォルメ学園生活部を描いてご機嫌取りも忘れません。(前面装甲は相変わらずりーねー)

一応まだモヒカンとかいるかもしれないので、いざというときには前面装甲を発射して攻撃できる素敵ウェポンも搭載です。使用するとデフォルメりーねーが前方へと盛大にぶっ飛んでロストしてしまいますが、安全のためには致し方無しです。毎回アレな扱いのデフォルメりーねーですが、一応わざとやってるわけではないとはるーちゃんの談。

そんなこんなで作業をとんとん進め、しっかりと学園生活部の帰還手段を用意し終えたるーちゃんは、続けて行動不能組の学校への送迎を行います。ついでに帰路で駅に寄ってみくちゃんを見つけられればるーちゃんのお仕事は完了です。

先に調達していた荷物と、ぐったりしている生存者さんたちを詰め込んで、るーちゃんカー2号がいざ出発です。一応安全運転で行こうというリーダーさんの要望があったため、るーちゃんは右へ左へぶっ飛んでいくような危ない運転はしません。障害物は全てぶち破って一直線に進みます。あんまり曲がったりしないから酔わないんじゃないかなというるーちゃんなりの優しい配慮です。「そういうことじゃねぇ!」って騒いでる人がいるような気がしないでもないですが、破壊音が煩くてるーちゃんには聞こえないのですよ。あーあー。

 

 

「めぐねえ、こっちこっち!」

「ゆきちゃんちょっと待って、お店の中で走っちゃだめよ~」

「わんわんわんわんわんわんわん(お姉さんと一緒で嬉しいのはわかるが、一応ぬいぐるみではなく生物ゆえ振り回さないでいただきたい)」

合流した遠足班は、というかゆきは元気そうで良かった。どうやらモヒカン軍団に追い回されたのはあたし達だけだったらしい。

「りーさん、ゆきを走り回らせてて大丈夫なのか?モールの中にもあいつらがいるんじゃ・・・?」

「ラ・ネージュが殲滅してたから大丈夫だと思うけど」

あの鳥が掃除してたのか。まぁ、買い物中までずっと気を張ってても疲れるし・・・油断しすぎない程度にあたしも楽しむか。

「ゆきー、めぐねえー、待てー!あたしも混ぜろー!」

「元気だねぇ、まったく・・・」

 

 

駅前広場ではどこもかしこもべこべこに凹んだるーちゃんカー2号が黒煙を吐き出して停止していました。いくらなんでも酷使が過ぎたようです。いつの間にか復活をとげたらしいゾン子さんが駅篭城組の遺産と思われるバスへとせっせと荷物を積み替えています。

「だから安全運転で行こうと言ったんだ・・・」

いけるんじゃないかなと思った。反省はしてるけど後悔はしていない。

お前らも荷物を運べとでも言いたげなゾン子さんがギーギー言ってますが、ぶーたれるーちゃんと死にかけリーダーさんは全く動きません。やるき0です。意識不明の生存者さんの運搬すらゾン子さん任せです。よほどつまみ喰いしてやろうかと思ったゾン子さんですが、後が怖いので一応自制したようです。暴君るーちゃんの厳しいしつけの賜物です。

いつまでも不貞腐れていても先に進めないのでるーちゃんは駅近辺の探索です。みくちゃんは血溜りからは消えていましたが、体力があるほうではなかったはずなのでたぶんその辺にいるはずです。ときどきふらっと出てくるあいつらを一本背負いで投げ飛ばしながらぶらついていきます。投げ技255のるーちゃんから逃れられるものなどいません。哀れな通行人たちは片っ端から投げられ、地面に叩きつけられていきます。致命的な威力にしていないあたりはるーちゃんなりのやさしさです。次から次へと死なない程度に退治してしまいます。

ひとしきりぶん投げきって一息ついたるーちゃん。しばらく満足げな表情でのんびりしていましたが、ふと目的が散歩でも柔道大会でもなくみくちゃんの捜索だったことを思い出しました。いつまでもリーダーさんたちを放置しているわけにもいかないので、るーちゃんフルスピードで捜索開始です。最早当然のように発生する分身255体を総投入、オールるーちゃん総進撃というやつです。情け容赦ない人海戦術を展開したるーちゃんに発見できないものなどありません。しばらくすると、遠目に一体のあいつらを伴って進むみくちゃんを確認しました。一瞬突撃して合流しようかと考えたるーちゃんですが、分身を収容しつつしばしみくちゃんを観察するようです。

しばらくみくちゃんを観察したるーちゃんは、くるりと二人に背を向けると駅に向かって帰っていきます。よく見た結果回収はしないし声もかけないという結論に達したようです。さらばみくちゃん、とるーちゃんは去っていくのでした。

 

 

「・・・・・・んぅ」

私、何してたんだっけ? 未だに寝ぼけた頭で考える。確か、小さい子に振り回されてて、太郎丸探してて・・・・・・

「そうだ、太郎丸・・・あうっ!」

飛び起きた拍子に誰かに頭をぶつけてしまった、痛い。そのまま寝ていた座席に逆戻りである。見たところ、私が寝かされていたのはバスの中みたいだ。そのまま視線を上げると、さっきぶつかってしまった人も痛そうに頭を押さえている。前方から「おーい、なにやってんだ?」と問われるとそちらを向いて問題ないとジェスチャーをしていたから、すごく痛かったというわけではないみたいだけど・・・。

「すみません。あの・・・大丈夫ですか?」

声をかけるとその人は、大丈夫だということを強調するようなサムズアップをし、ぶつけた頭を押さえている手を放した。今まで手で隠れていたその顔が露になる。

でも、その顔は、その顔は・・・

「ギギギギギッ」

「・・・・・・・・・・・・きゅう」

遠のいていく意識の中、倒れた私を覗き込んでいたその姿はまぎれもなく、あいつらだった・・・・・・。

 

 

ひっそりと一つの別れを終えて駅前へと戻ってきたるーちゃん。ゾン子さんたちはすっかり荷物を積み替え終えて、バスの中で休息をとっていました。どういう風の吹き回しか、ゾン子さんは無駄にこまめに生存者さんの様子を見ているようです。食べるなよとリーダーさんが釘を刺しているので、純粋に心配しているのでしょう。原因は不明ですが同属認定しているようです。るーちゃんの予想では制服しか見てないとみた。

さてさてるーちゃんのお仕事はあと一つ、無事にがっこうまで帰るだけです。

 

「・・・・・・で、だ。問題は誰がこのバスを運転するのかということだ」

現在るーちゃん達はバス内会議の真っ最中。議題はリーダーさんが言ったとおり、バスの運転を誰がするのかということです。

ここは当然るーちゃんですよー、といいたいところだったのですが、超が付くほど暴力的な運転を行う(もしくは超が付くほどのスピード違反を行う、あるいはその両方)るーちゃんが運転を担当することに反対票が2票も入ってしまったのです(生存者さんは意識不明ゆえ棄権扱い)。たとえ分身したとしても一票分としか扱われない以上多数決というルールはるーちゃんの天敵です。りーねーが不在の時点で勝ち目はありません。

こうなってしまうと運転は残りの二人に任せるしかなさそうです。体力255(比較として並べるならみくちゃんの体力は7)を誇るるーちゃんですが、することが無くなれば休憩くらいします。モールで調達したお菓子をぱくつきながらぐでっとしています。これぞいわゆるたれるーちゃん。既に時代はパンダではなく熊です。 ・・・・・・いや、熊じゃないですよ。がおー。

「ゾン子さんは・・・無理だよなぁ」

「グオオッ」

身振り手振りだけでできるわけねーだろ無免許だよ、と伝えることができるあたりゾン子さんの表現力の高さも中々のものです。その無駄に高めた表現スキルを運転に振ってれば解決したのですが、現実はゲームのようにはいきません。

「俺が頑張るしかないか・・・」

運転してると酔わないっていいますし、案外リーダーさんならどうにかなるかもしれません。るーちゃんが期待のまなざしを向けています。ゾン子さんも応援しています。がんばれリーダーさん。

「よし、学校へ帰るとするか―」

 

48秒後、瓦礫の山へと突っこんだバスを持ち上げて学校目指して走るるーちゃんの姿が目撃されたとか、されなかったとか・・・。




長く続いたえんそくも終わりですね。後は少しぐだぐだエピソードを消化したら体育祭の予定です。

学園生活部の帰り道
「・・・この車が、るーちゃんが用意したやつよね?」
「車体にあたし達が書いてあるし、そうだろ」
「あ、ちゃんと太郎丸も書いてあるよー」
「ア、鳥ハ一羽モ描カレテナイ・・・」
「じゃあ、帰りは私が運転して帰るわ・・・みんな乗って。さて、エンジンエンジン―」
めぐみがエンジンをかけた直後、前面装甲が猛烈な勢いで発射されていきました。何か操作を誤ったようです。
「ああっ、デフォルメりーさんが!? ・・・ってうわぁっ!泣くなよりーさん」
「どうせ私なんてどうせ私なんてどうせ私なんて・・・」


モヒカンズの行く道
「前方からバケモンが来るぞ、ものすごい数だ!」
「後ろからも来るぞ、囲まれてやがる!」
王様が飛んでいった方向へと進軍していたモヒカン残党軍ですが、不可解な集団行動をするあいつらに包囲されつつありました。
「ヒャッハー、何匹いようがぶっ殺しちまえば関係ねぇーっ!」
なんて言いながら突撃するものもいるようですが、どこからともなく矢やナイフが飛んできて武器を叩き落とされ、やつらの餌食となっていきます。
「誰だ、誰が撃ってきてやがる!」
「どこにいやがるんだグハッ!?」
「ああ!ジャン・ルイがやられた!」
包囲網は狭まっていき、一人、また一人と化け物の仲間入りを果たしていきます。増える一方のあいつらに襲撃者を見つけることすらままなりません。

「ひ、ヒィィッ、・・・た、助けてくれっ、ギャアアアーッ!」
やがて最後の一人も群れに飲み込まれ、付近には呻き声と咀嚼音だけが残されました。
・・・いや、もう二人。大型のトレーラーから惨劇を眺める者がいるようです。
「お見事でした、これでまた一つの集団がクラウドの仲間入りを果たしましたよ」
「勘違いをするな、手っ取り早い手段として協力しているだけで、私はお前のクラウドになど興味はない。生存者の殲滅こそが私の役割だということを忘れるな」
「ええ、わかっていますよ」
「・・・おや、通信か。ちょっと失礼する」
「はい、私はかれらを収容しておきますよ」


「これだから壊れた人間とは恐ろしい・・・壊れた通信機で何と話すというんですかねぇ」

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