おかしい。
何がおかしいかというとこの状況だ。
確か俺はマンホールの下の下水道で睡眠をとっていた・・・・・・はずだ。白鳩に目をつけられたのでしばらく身を潜めようとして。
そこまではいい。うん、なんの問題もない。
周りにも気を配った。音が響きやすい場所に上から盗n・・・・・・拝借してきた有刺鉄線やらを使って警戒装置的なものを作って寝てた。
これで目が覚めた俺の周りに幼女達がいなければ何の問題も無かった。
何が起きたのか理解ができなく頭の仲が真っ白になった。そして俺は考えるのを止めた。
いややめないけど。
けど、仕掛けておいた罠が鳴らず、集団でここまで忍び込んだ?俺になにをするでもなく?
それよりなにより、幼女?
まったく・・・・・・わけがわからないよ。
どうしたものかと考えていると幼女の一人が目を覚ました。
「あ・・・・・・」
ょぅι゛ょと目があった!
「だれ?」
それはこっちのセリフだ。
「どうして、ここに」
それもこっちのセリフだ。
「お前らは、どうして、どうやってここに忍び込んだ」
「・・・・・・?」
首をかしげる幼女A、何を言っているんだコイツは、みたいな顔されても困る。
すると幼女Aを庇うように幼女Bが現れた。コイツは幼女というより童女か。
「・・・・・・ここは私たちの家、です・・・・・・あなたはどうして、ここに入って来たんです、か?」
なんか超ビビッてる。顔か?俺の顔が怖いとでも言うのか。
というより、俺の方がココに入って来た?
周りを見渡すと、成程俺が寝ていた場所じゃねぇなココ。
幼女のインパクトが強すぎたようだ。仕方なし。
しかし俺はそんなに寝相が悪かったか、そもそも寝相云々じゃないよな、と首をかしげていると他の幼女が目を覚まし始めた。
目を覚ました幼女達はこちらを警戒している。まあ、気がついたら見知らぬ男が自分たちのそばで寝てたら普通警戒するよな。俺の顔が怖いとかそんなんじゃないよな。
しかし静かだなこいつら。悲鳴の一つや二つはあげられると思っていたんだが。つかなんで子供がこんなトコにいんだ?
「・・・・・・あなたは、私たちが気持ち悪くないんですか?」
?
いきなりどうした。何を言っちゃてるんだこの童女は。
下水道暮らしで衛星云々て質問?
「私たちの赤い目が気持ち悪い、って言わないんですか?」
赤い目?
・・・・・・・・・・・・おおぅ、マジか。
なんで気がつかなっかたんだろ。寝起きだからか?
いや、けど全然匂いしないし。
あるぇぇ?
うん?けど目の色少し違うしな・・・・・・。
考えるより聞いたほうが早いな。
「なあ、お前らってさ・・・・・・何だ?」
「・・・・・・『呪われた子供たち』・・・・・・」
『呪われた子供たち』?
何それ?響きがカッコいいですね、どこの中二設定ですか。
「・・・・・・私たちは、『ガストレア』が体のなかにいる、んですよ」
『ガストレア』って何ぞ。
「・・・・・・・・・・・・ほんとに知らないんですか?」
知らぬ。
つかさっきからなんで俺喋ってないのに意思疎通できてんの。
コレが噂のサトラレといやつか。
・・・・・・言われたことないだけで、もしかしたら思ったことが顔に出やすいのかもしれないな俺は。
「・・・・・・きおくそーしつ、ですか?」
違う。
何かさっきから認識が違っているというかなんというか。
『ガストレア』という聞きなれない単語。
「なぁ、『喰種』って知ってるか?」
「・・・・・・?」
ははっ嘘っだぁー。
冗談でしょ?
その首を傾げているのは「何を意味のわからないことを言い出してるのコイツ」じゃなくて「いきなり何を言い出してるのコイツ」ってことですよね。
・・・・・・どっちも変わらないじゃないですか、やだー。
いやいや、落ち着け俺。流石にね、ないよね。
ほらアレだよ地下暮らしの喰種が食用で飼っている幼女なんだよ。
うん、かんぺきなすいりだ。
「その、喰種っていう、のは・・・・・・何ですか?」
ハハハハハナイスなジョークだガール。
「・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・mjd(マジで)?
「じゃ、っじゃじゃじゃあそのガストレアってやちゅのことについて教えてくれるんならぁ、おしえてやつよぉ?」
落ち着け落ち着け落ち着けぇ。
フゥーフゥーフゥウウー。
考え込んでいると何やら書類をあさり始める童女。
暫くすると無言で紙切れをこちらに突き出してくる童女、何か言ってから渡せよ。
キングクリムゾン!(5分経過)
要約すると『ガストレア』とは遺伝子情報を書き換えるウイルス、『ガストレアウイルス』によって変化した化け物である。浸食率が50%を超えると宿主は巨大化し変身する、変身したモノが『ガストレア』と成り鼠算識で増えていく、と。SNB(それなんてバイオハザード)?
色々とやばいウイルスだということは理解した。
全然聞いたことないなぁー。
「ガストレアは世界のきょうい、で、強いウイルス」
「・・・・・・・・・・・・私たち、『呪われた子供』は『ガストレアウイルス』と『免疫』をもってる、って長老が言ってた」
「・・・・・・ガストレアのこと、は教えたから。 次は『喰種』のこと、を教えてください」
喰種のことは人よりも強靭な体を持っていること、目が赤くなることだけを教えておいた。
自分から人と同じものが食べられないので人を食べてます、なんてことは言わない。
いや俺紳士だし、子供を怖がらせるように気をつけてるっていうね、俺ってばマジ紳士。