二種類のアンケートの内、片方はマイス君のお嫁さんについて。もう片方はまだ構想段階の『黄昏シリーズ』の主人公について、となっています。
回答は片方だけでも良いので、お気軽に参加してみてください! 接戦になりそうな雰囲気がしますので、あなたの一票が結果を左右する……かも?
※追記※
沢山の投票ありがとうございます!
まだ期間の途中ですが、少しばかりご連絡……といいますか、最初に書いておくべき注釈を書かせていただきます。
このアンケート『Q1』のほうは、「これまでマイス君といろんな子の絡みを書いてきたけど、読者の皆様は誰が良いと考えてるのかな?」という興味本位でやることを決めたものです。
それはあくまで「誰が良いか」という疑問であり、そのキャラを選んだ理由は書いてくださるのはとてもありがたいことなのですが、それ以外のキャラを「〇〇はダメ」などと貶めるような意見を求めてはおりません。作者個人としては「あっ、そう思っているんだな」と参考にできるのですが、他の沢山の読者の方々も見る場所である活動報告では、そのキャラクターを推している他の読者が嫌な思いをしてしまいます。
もちろん、恋愛感情の描写がどのキャラも足りているとは思っていません。ですので、一番投票が多く選ばれたキャラは、本編中でちゃんと気持ちが恋愛へと向かっていく描写をしていきます。作者の技量の問題で上手く丁寧に描写することができるかはわかりませんが、いきなり「結婚!」とはなりません。
なので、今回のアンケート『Q1』は、一番上に書いているとおり「『ロロナのアトリエ編』の印象、『ロロナのアトリエ・番外編』の印象、『トトリのアトリエ編』の印象……どれでも何でもいいです! ただ単に「見てみたい!」ってだけでも構いません!」……という方向でお願いします。
以上です。
上記の内容を読んだ上で「納得できない」「不満がある」という方は、ここでは無く作者に直接メールでお申し付けください。
長文、失礼しました。
これからも、アンケートのご回答よろしくお願いします。
***ロロナのアトリエ***
「さて! 今日みんなに集まってもらったのは他でもありません!」
「ふんすっ!」と気合十分でそう言ったのは、このアトリエの店主であるロロナ。そして、そのロロナに「みんな」と言われたのは僕たちなんだけど……。
「……集まったとは言っても」
「オレらとマイスだけなんだけどな」
そう言ったのは、ソファーに座っているリオネラさんのそばに浮かんでいるアラーニャとホロホロだ。
ふたりが言ってる事は事実で、ソファーに座ってるリオネラさんとそのそばにいるアラーニャとホロホロ、そして僕もリオネラさんと同じくソファーに座っていて、ロロナはそのソファーの正面あたりで両手を腰に当てて立っている。……以上だ。
……と、そのことに不満があるのか、ロロナは頬を膨らませる。
「うーっ、なんでー!? 他の人たちにも声かけるようにいったよね?」
ロロナの疑問にリオネラさんが「それは、その……」と答え始めた。
「えっと、フィリーちゃんは受付のお仕事があるから……クーデリアさんも同じで……」
「イクセルさんももうそろそろ昼のかき入れ
リオネラさんに続いて、僕が他のメンバーについて言ったところ、ステルクさんの話のところでロロナが「ええっ!?」と目を見開いてもの凄く驚いた。
「ええっ!? なんでステルクさん、病院で寝てるの!? 大丈夫なの!?」
ワタワタと慌てふためきながらもステルクさんのことを心配するロロナ。
……けど、話を聞けばすぐ落ち着くと思う。だって……
「少し前から『
「あ、あはははっ……な、なーるほどー…………というか、またジオさんに挑んでたんだね」
さっきまでの心配は何処へやら。以前に似たような状況を経験したことがあるのか、ロロナはすぐに理解して安心(?)していた。
でも、確かに「日常茶飯事」とまではいかないけど、ジオさんを見つけたステルクさんが戦いを挑んで返り討ちにあうということは時々あることだ。だからか、なんというか「あっ、また頑張ってるんだなぁ」程度にしか思わなくなってきている。
……ジオさんに負けた後のステルクさんは、僕に鍛練の相手を頼んできたりするんだけど、それだけが少しだけ面倒なんだ。
別に鍛練とか試合とかが嫌なわけじゃない。けど、想像すればわかるかもしれないけど、ジオさんに負けた後ってことでステルクさんが少し気が立っていることが多くて、そういう時以外にする手合わせよりも限界ギリギリまで
「そんなわけで、僕たち以外は来てないんだけど……結局、どういう用なの?」
僕がロロナに聞いてみると、ロロナは「あっ、それはね」と素早く切り替わり、僕らに声をかけた理由を喋りだす。
「実はね、トトリちゃんのことなんだけど」
「トトリちゃんの?」
そう聞き返しみると、少しうつむき気味に頷いたロロナ。
そんな様子や「トトリちゃんのこと」っていう言葉で、僕にはロロナが言いたいことが大体わかった気がした。
「ほら、探してたトトリちゃんのお母さん、亡くなってたんだよね? それで、今はまだトトリちゃんむこうにいるけど、こっちに来た時何かしてあげられないかなーって思って」
「ロロナちゃん……」
「やっぱり、そういう……」
予想通りといえば予想通りなんだけど、それはそれで少し困ってしまう。
というのも、こう言った話というのはやはり繊細なものだと思う。色々根掘り葉掘り聞いたりするのは当然失礼だし、逆に絶対に触れないように意識してしまい変に距離を取ったりしてしまっても「気を遣わせちゃってる」と思われてしまい、申し訳ない気持ちにさせてしまいかねない。
「特に何もしないでいつも通りにしておくのが一番じゃないかな?」
「だな。「いつも通り」ってのは面白みに欠けるかもしんねえけど、一番安心できるもんだと思うぜ?」
「そうね。それに、街に来るのは気持ちに整理がついた頃だと思うから、特別してあげられることもないんじゃないかしら?」
僕に続いてホロホロとアラーニャがそう言った。
ロロナはといえば、まだ納得していないみたいで腕を組んで悩み続けている。
「先生として何かしてあげられればいいんだけど……でも、ホロくんやラニャちゃんが言ってることもわかるんだよね……」
「ミミちゃんとケンカしてた時みたいに、わたしはいつも通りに……?」と、やっと考えがまとまりだした様子のロロナ。
っと、そこに……
「つーかよ、
「……えっ?」
ホロホロがポロッとこぼした一言に、ロロナが目を見開いてピシッと固まった。
「だってよ、アイツが街に来るのって『冒険者』として色々やらなきゃならねぇことがあるからだろ? で、今回、冒険者になった理由の「お母さんを探す」ってのが無くなったんだ。なら、『冒険者』辞めて『
「え…………ええぇえぇぇっ!?」
数秒間固まっていたロロナだったけど、復活と共に、両手で頭を抱えるようにして過去最大かもしれないくらいの絶叫をあげた。
「ちょっ……ホロホロ!?」
「あんたねぇ。ちょっとは後先考えてものをいいなさいよ」
ホロホロを
「でも、ホロホロの言ってることもわからなくはないんだよね」
「そ、そんなぁ!?」
「いや、あくまで一つの可能性としては、だよ?」
今にも泣き出しそうな表情でショックを受けるロロナをなだめつつ、僕はその辺りのことを考えてみる。
そもそも、トトリちゃんが『冒険者』になったのはホロホロが言ってたように「
そこに現れたのが、たまたま『アランヤ村』を訪れて……というか、行き倒れてたらしいロロナ。そしてそのロロナが見せた『錬金術』に可能性を見出しロロナに教えてもらい『錬金術士』となった。
『錬金術士』になったトトリちゃんは『ヒーリングサルヴ』といった傷薬や『フラム』といった爆弾など、初歩的な錬金術のアイテムを調合して、「これなら私でも冒険者になれる。お母さんを探しに行ける!」と『冒険者』になるために『アーランドの街』に行くこととなった……。
……と、この一連が街に来るまでの流れだったはずだ。全て人から聞いた話だということや、ツェツィさんがトトリちゃんが『冒険者』になることを反対したこととか途中にあった出来事を
そうなると、ホロホロの言ったように大元にある「
けど、それはトトリちゃんが
実際のところ、僕はトトリちゃんが『錬金術士』や『冒険者』を辞めてしまうとは思えなかった。なぜなら、『錬金術』で調合している時や色んな採取地を冒険している時のトトリちゃんが「お母さんを探すため」というだけでなく、それとは別に楽しんでいるように感じられていたから。なら、「なる理由」だったものが無くなったところで「辞める理由」にまでならないんじゃないかな?……というのが、僕の考えだ。
……もちろん、さっき言ったように「一つの可能性として」トトリちゃんが辞めてしまう可能性は残り続けているとは思うけどね。
「僕個人の考えだけど、トトリちゃんが『冒険者』や『錬金術士』を辞める理由は無いと思うし、安心してもいいんじゃないかな?」
「で、でも……」
それでもどこかそう思えてしまう要素があって不安が残っているんだろう。どっちにしろ「絶対」とは現時点では言い切れないことはロロナ自身もわかっているのかもしれない。
「はっ……!? そうだ!!」
不安そうに眉を力無くヘニャリとさせていたロロナだったけど、いきなり顔を上げて手をポンと叩いた。
「『錬金術』は楽しい! そう思ってもらえれば続けてくれるよね!?」
「え、ええっと、ロロナちゃんが言いたいことはわかるけど……具体的にはどうするの?」
「というか、ロロナの中ではトトリちゃんが辞めようとしてることが前提になっちゃってるんだね」
僕のほうから「そういう可能性もある」って言っておいてなんだけど、ずいぶんと後ろ向きというか……いや、それでも悲観しきっていないことを考えると、むしろ前向きなのかな?
……と、僕はそんなことを考えていたんだけど、ロロナは僕のツッコミは耳に入っていなかったのかリオネラさんに言われたことを考え出していた。
「うーん? 実際に何か調合して……でも、それじゃいつもと同じかぁ。他に何か……あっ、アレだ!」
「「アレ?」」
ロロナが言ったことに、僕とリオネラさんが首をかしげて聞き返した。すると、ロロナは「そうだよっ!」と元気よく応え、僕の手をガシッっと掴んできた。
「マイスくん!
「一緒に? ……って、ああ、そういうことか」
「そうっ! わたしとマイス君が一緒に調合すればとっても楽しいし、出来るものもきっと面白いもののはず。それならきっとトトリちゃんも喜ぶよ!」
「本当にそうかどうかはひとまず置いといてさ……なんだか、ドンドン最初の話からズレていってない?」
ちょっと先行きが心配になって、聞いてみたんだけど……またもやロロナは最後まで聞いてなくて、「よーし! ならさっそく準備っ準備!」と、アトリエ内のコンテナのほうへと足取り軽くスキップして行ってしまった。
「……んで、何のことなんだ?」
「「一緒に調合」とか言ってたけど……?」
さっきの僕とロロナの会話の内容がよくわからなかったんだろう。ホロホロとアラーニャが僕に聞いてきた。……少しだけ首をかしげているリオネラさんも、おそらくはふたりと同じ状態なんだと思う。
「前の話なんだけど、トトリちゃんとロロナ、トトリちゃんと僕とで、二人で一緒に一つの錬金釜を混ぜて調合したことがあって……ロロナが言ってたのは、そのことなんだと思うよ」
「えっと……それって、楽しいことなの?」
「微妙かな? だって、トトリちゃんとロロナが調合してた時は何でも『パイ』になっちゃって、ロロナは「先生はジャマだから手伝わないでください!」なんてトトリちゃんに言われてショック受けてたし……」
リオネラさんの問いかけに、僕はそう返した。もう二、三年前のことだけど、一緒に何かしたがって結果怒られてショックを受けていたロロナの姿はよく憶えている。なんというか、少しだけどっちが師匠なのかわからなかったなぁ、あの場面は……。
そういうことを思い出してみると、下手をするとむしろトトリちゃんをイライラさせてしまいかねないような気もしなくも無いような……?
「でも、まあ……」
僕は、鼻歌交じりにコンテナを
「あんなロロナを見てたら、難しいこととか色々考えてるのが馬鹿らしく思えちゃうような気もするんだけどね」
「うん、そうだね。なんていうか、こう……無意識に
「だな。つ-か、やっぱり何かしようとしなくて、いつも通りにしてりゃいいんじゃねえか?」
「でしょうね。……とは言っても、あんな楽しそうにしてるのを止める気にはならないけどね」
そう言って、僕とリオネラさんたちは顔を見合わせて笑った。
その様子に「どうしたんだろう?」と、コンテナを覗いていた顔をあげて振り返ってきたロロナだったけど、結局は何もわからなかったみたいで首をコテンッとかしげた後、またコンテナを漁りだした。
「……そういえば、ロロナちゃんとトトリちゃんだと『パイ』になって……マイスくんだとどうなったの?」
「僕がトトリちゃんと一緒に調合すると、調合しようとしたものが
「なんというか、いまさらだけど……」
「『錬金術』ってのは、本当に何でもありだな」
――――――――――――
その後、ロロナと一緒に「ぐーるぐーる」と『ヒーリングサルヴ』という傷薬を調合してみたんだけど……出来たのは、拳大の『種』だった。
僕とトトリちゃんがトトリちゃんと調合した時みたいになったのかと思ったんだけど、試しに
「……というか、この生ってる『パイ』の中から少し
その色や、調合に使った素材から考えて『ヒーリングサルヴ』っぽいんだけど……大丈夫なのかな?
「はむっはむ。……
僕が注意深く観察している横で、ためらいも無く
……一応、おいしいらしいけど……どんな味なんだろう? というか、そもそも本当においしいのかな?
前にホムちゃんから聞いたことがあるんだけど、昔ロロナが作ったっていう『エリキシル剤』という薬を使った『エリクパイ』は「エリキシルテイスト」……まあ、遠回しに言って
「……ね、ねえ、マイスくん」
震え気味の声で僕に耳打ちしてきたのはリオネラさんだった。
「どうしたの?」
「『ヒーリングサルヴ』って、「飲み薬」じゃなくて「塗り薬」だよね……? 食べても平気なの……!?」
「体に入れば同じ……じゃないよね、どう考えても」
口から体内に入れるのと、傷口に塗るのは根本的に違うだろう。
困ってしまって苦笑いをした後、僕はついため息をもらしてしまった……。
「うーん……これってトトリちゃんよりも、トトリちゃんのアトリエにいるちむちゃんたちの方が喜びそうかも? よーし! 今度こっちに来た時に見せてあげよーっと!」
……大丈夫かなぁ? いろんな意味で心配になった。