テンプレはH×Hの世界でも通用する   作:ディア

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投稿おくれました。申し訳こざいません。なにせネタが集まらなかったのと家の事情で一時的にハーメルンに繋がらない環境になったのと私の誕生日(7月4日つまり今日)に出すかどうか躊躇ってしまい投稿出来ずにいました。

亀更新及び不定期更新な小説ですがこれからもよろしくお願いします。


第9話 豚丼×寿司×豚トロ

 一次試験はマラソン、二次試験は料理、三次試験はトリックタワー、四次試験はナンバープレートの奪い合い、そして最終試験が勝ち抜けトーナメント戦。

 

 

 

 俺ことキルアは原作では勝ち抜けトーナメントで一人殺して不合格になったんだよな。

 

 俺としては今回の試験で合格したい。合格したところでデメリットはほとんどない。むしろメリットの方が多い。G・I編の途中でハンター試験を受けなくても済むのが一番のメリットだ。

 

 

 

 合格するにはどうするかなんて考えるまでもない。原作に従うまでだ。流石にナンバープレートは運なので運任せしかない……もしその時点でヒソカやイルミがターゲットだったら他の奴らを狩る。あいつらに勝てる要素は……あると言えばあるがそれを使って次戦う時に対策されて打つ手なしとなりかねないので普通に狩りをするのがいい。

 

 問題はトリックタワーだ。外から直接降りても身体的には何一つ問題はない。しかしそれだとゴンやクラピカ、レオリオと仲良くなれない。それは原作補正が働かず俺がヒソカのように一人でトリックタワーを降りることになる等のクラピカとレオリオの二人組みが俺と一緒にならないことでも同じことだ。

 

 ゴンは同世代って事で仲良くしていけばいいがクラピカとレオリオに関してはハンター試験の後別れる為、友好度を上げられない。そうなればヨークシン編で色々と面倒だ。こればかりは原作補正で一緒になることを祈るしかない。

 

 

 

 しかし、そんなことを考えてどうにかなるわけでもない。俺は白いビッグレッドの如く早々と先頭に立ち、前走9馬身ぶっちぎりというものすごいレースを見せた芦毛の馬……とまでは行かなくともサトツの真横についていき、一次試験を通過した。

 

 

 

 そして目の前にはシャッターがあり、そこから男女二人が現れた。その二人が漫才をしながらも二次試験の説明をした。

 

「という訳で二次試験は料理よ! 私たちを満足させれば合格よ!」

 

 やっぱ料理か。

 

「最初の課題は豚の丸焼き!」

 

 豚の丸焼き。あのデカイ豚のことだな。もう一頭狩って俺も食べようかな。どうせこの後気球でゆっくり移動することになるし、それまでの間美味いもん食ってもバチは当たらねえだろ。

 

 

 

 そうと決まれば善は急げ。俺は試験用の豚と個人で楽しむ為の豚を狩った。

 

 試験用の豚と個人用の豚に共通して言えることだがどちらも血抜き作業は大切だ。しなければゲロマズ飯になる……つまりプレートの奪い合い程ではないにせよサバイバル能力も求められる。とは言えそんな能力はここにいる受験者が全員持っている。でなければここにいない。

 

 しかし奴らに料理センスはほとんどない。特にゴンやレオリオ、クラピカの料理センスは皆無と言っていいくらいだ。

 

 

 

 寿司と聞いてご飯に魚を突っ込むだけだぞ? あいつらどんなセンスしているんだ? 聞いたことないとはいえセンスなさすぎだろ? せめてマグロ丼とかネギトロ丼くらいにしておけよ。回転寿司でもあるんだし。

 

 

 

 閑話休題(それはともかく)、丸焼きを提出し、やることがなくなった俺が今作っているのは豚丼(とんどん)だ。豚丼(ぶたどん)と読む輩もいるようだが(豚だけに)とんでもない。豚丼(とんどん)と呼ぶ方が良いに決まっている。

 

 呼び方はどうあれ、俺は次の試験で混乱させる為に用意されたと思われる玉ねぎをフライパンで焼き、切り刻んだグレイトスタンプの肉を加え、そこにあった調味料を加える。そしていい匂いがしてきたところで寿司用に用意された酢飯、ではなく普通の白米に乗せ、玉ねぎ同様フェイク用のチーズとタバスコをかける。シンプルだがこれが美味い。

 

 

 

「頂きます!」

 

 そしてご飯と一緒にチーズとタバスコのかけられた豚肉を口の中に運ぶ。そして溢れ出す肉汁とチーズのトロみ、タバスコの辛味すべてがご飯に染み込みワイルドに俺の口の中を刺激する。こうしていると料理漫画の良さがよくわかる。

 

「……」

 

 俺が余程満足げに食べていたのを見ていたのか、人が集まりいかにも物欲しそうな目で見てきた。嫌な予感しかしない。

 

「俺もくれ!」

 

「材料は用意するから俺に寄越せ!」

 

「いや俺が食うんだ! 材料だけじゃなく金も払う!」

 

 何でこいつらはこんなに飢えてやがるんだ? ……さっき走ったからか。普通あんだけ走ったところに豚丼の匂いが来てそれをうまそうに食ってたら空腹にもなるか。原作トンパもこの作戦でいけば全員腹下すこともできたのにな。

 

「俺にそれを作ってくれればメンチが出す試験パスさせてもいいぞ!」

 

 おいコラ試験官。権力を使うな。

 

「作るのは構わないが作れるのは5人までだ。早いもの順に材料を持ってきた5人に食わせてやるよ」

 

「「「「「「うぉぉぉっ!!!」」」」」」

 

 受験者数十人と試験官一人がその場から消えた。どいつもこいつも馬鹿ばかりだ……

 

 

 

「さてバカも消えたことだし、私の課題を言うわよ!」

 

 メンチもそう思っていたらしくそこにいない受験者をほったらかしにして説明した。

 

「私の課題は寿司よ! ただし寿司は寿司でもチラシはダメ、握りの方ね!」

 

 やっぱり握り寿司か……まあ嫌がらせ目的なら温めたネタと冷たい酢飯を使って作った握り寿司を提出するのも悪くない。

 

「試験官さん、ちょっと良いか。巻きや軍艦はどうなる?」

 

 しかし嫌がらせても無意味だし、原作中誰もが合格できなかったものに挑戦するためにも質問してみた。

 

「私が認めるのは握りだけよ。それ以外は受け付けないわ」

 

 となれば河童巻き、干瓢巻きとかは出来ないのか……残念だ。

 

「へっへーん! 俺は寿司の材料を知っているぜ……」

 

 あれはお喋り忍者のハンゾーだったけか? 原作キルアやヒソカよりもゴンと同様に念の素質が高く評価されていた奴だ。余計なことを口にしたりと結構アホな面もあるが忍者らしい部分もある。

 

「寿司は魚を使った料理……」

 

「何ぃっ!? 魚だと!?」

 

「川だ! 川へ急げ!」

 

 やべっ!? 俺も急がねえと!! ヒソカが嫌がらせ目的で全部魚を狩りかねない……!!! 

 

「……待てよ」

 

 だが俺はふと思い出して足を止めた。別に巻物同様、寿司のネタは魚でなくともいい。寿司のネタはだいたい海水魚なわけで淡水魚のネタはほとんどない。ところがここら辺には川しかなく、ネタになりえない淡水魚しか手に入らない。よしんばその川の魚にネタがあったとしても俺はそれを覚えていない。故にメンチに提出しても不合格になる可能性が高い。

 

 

 

 どうせ寿司試験で不合格になるくらいなら合格する可能性の方に俺は賭ける。

 

 そう決意した俺は別の物にした。玉子は悪くない。しかし肝心の玉子がここにはなくそれを取りにいく間に試験が終わりかねない。なのでNoだ。俺の握りはアレしかない。その名も焼肉寿司だ。

 

 

 

 本当は玉子にしたかったんだが卵がないため断念した。ないものは仕方ないと割り切った。

 

 焼肉寿司は回らない寿司屋じゃ出ないが回る寿司屋なら出る。ジャポンじゃそういう店もあると言っておけばなんとかなる。カルフォルニアロールは流石にないけどな。いやカリフォルニアロールだっけか? ややこしすぎて混乱する。まあロールは名前の通り巻物だから回る寿司屋にあったとしても握りじゃないから拒否される。

 

 

 

 閑話休題

 

 

 

 とにかく焼肉寿司を作るしかない! そう決断した俺は先ほど余った脂のある部分をサーモンやマグロのように切って、それを焼いていく。牛肉なら生でも大丈夫なんだが豚肉だからしっかりと焼かなきゃいけない。中まで火を通し、出来上がったら握り寿司のサイズに握った酢飯にそれを乗せる。

 

 

 

「これが俺の寿司だ!」

 

 そしてそれを提出した。

 

「あんた寿司ってわかっている? 寿司は海鮮物をつかうものよ? それを豚肉でやるなんて言語道断よ。不合格!」

 

「ちょっと待った! 何で魚の代わりに肉を使っちゃいけないなんてそんなことが言えるんだ?」

 

 不合格を言い渡され、俺は即反論した。元ニートの俺とは思えないな。

 

「それがジャポンの民族料理だからよ」

 

「ジャポンには回転寿司っていう庶民でも食べられる寿司屋があるんだけど。そこにはこの寿司みたいに魚の代わりに肉を乗せる奴もある。それを見た事ないってことは……本場の寿司、食ったことないんでしょ?」

 

 

 

「食ったことないのか?」

 

「食ったことないのにどうやって審査するんだ?」

 

「食ったことないくせしてあんな偉そうだったのか?」

 

 周りがざわつき始めるとメンチが追い詰められ俺の思う展開になった。ヤフゥーっ! 行けるか? 行くんなら行ってしまえっ! 

 

「ごちゃごちゃうるさい! 確かに私はジャポンの店に入ったことはないけれどジャポン一の料理人の寿司なら食べたことはあるわ。だから私の中で寿司っていうのは肉を使わず魚を使う料理で肉を使ったあんたは不合格!!」

 

「横暴だ! 頑固抗議する!」

 

 俺が抗議すると周りがメンチに味方し始めた。

 

「坊主! 不合格なんだからとっとと諦めな!」

 

「そうだ、そうだ! 俺たちが合格するから安心して帰りな!」

 

 こいつら……

 

「黙れ! 大体てめえらは寿司の形すらも知らないくせに偉そうなこと言ってんじゃねーよ! なんなら今すぐにでも人肉の寿司を作ってもいいんだぞ? 食べられるように処理してやるから安心して永遠の眠りにつきやがれ!」

 

 俺は念能力を発動するはずもなく、純粋に爪を伸ばして奴に向かって心臓を奪おうとした。

 

「落ち着けよキルア。第一、もう一度作らなきゃ話にならないよ?」

 

 ゴンが俺を止め、俺はそっちを振り向くと俺の寿司がなくなっていた。

 

「俺の寿司が……ない?」

 

 メンチが咀嚼した様子は全くなく、俺の事を認めたというわけでもない。じゃあ一体誰がやったんだ? そう思い、周りを見渡す。

 

「キルア♠︎」

 

 そんな中、俺の肩を叩いた猛者がいた。こんな独特的な声は絶対に忘れない。

 

「君の作品、美味しかったよ♥︎」

 

「お前かぁぁぁぁっ!!!」

 

 俺の声は限りなく遠くへと響き渡った。

 

 

 

 ちなみにその後、俺はヒソカに無謀にも挑んだがヒソカのバンジーガムによってあっけなくやられてしまい、寿司を作ることもできなくなった。そして寿司試験は終了して他の試験に切り替わってしまいましたとさ。めでたくなしめでたくなし。

最終的に主人公の強さはどのくらいになるのがいいのか?

  • 最強
  • 強キャラ(ネテロクラス)
  • 原作超え
  • 原作と同格

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