テンプレはH×Hの世界でも通用する   作:ディア

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前回のあらすじ

キルア「弁当( ゚Д゚)ウマー」
ヒソカ「やらないか?」カラアゲヒョイパクー
キルア「冗談じゃない! こんなところに居られるか! 俺はここから逃げるぞ!」


第15話 試験終了×拉致×エピローグ

 ゴンVSクラピカの試合を見ることなく、別室で待機することに決めた俺は弁当で現れた副作用を確かめていた。

 

 

 

 性転換……股間に棒と玉二つあり、穴は尻の穴と棒の穴だけだ。問題ない。

 媚薬効果……ヒソカに現れた副作用だが、俺は何一つ異常がない。女の顔や身体を思い浮かべてもいつも通りの反応だ。男? 調べるまでもないだろ。

 筋肉膨張……どこからどうみても少年。ゴンさん体型じゃない。

 

 結論。副作用は現れなかった。

 

 

 

「俺じゃなくヒソカが副作用を引き受けたのか」

 

 だとすれば納得出来る。天敵とも言えるあいつに副作用を引き受けたのであれば俺に副作用が及ぶことはない。その代わり本来の作用もなさそうだけど。

 

「でもマズイよな?」

 

 ヒソカをあのままにしておくと何かしら問題を起こす。絶対に起こす。俺が脳をフル回転させて考えに考え抜いた最悪の状況を予想したものよりも更に最悪な状況を作り出す。そういったことに関してはヒソカを信頼している。非常に嫌な信頼関係だよ。

 

「あー、スッキリした♥️」

 

 ……ちょっと待て。何故こいつがここにいる? 

 

「ヒソカ、試合は?」

 

「もう終わったよ。僕の試合もね◆」

 

「そっちじゃない。クラピカとゴンの試合を見なくてもいいのか?」

 

「キルアが出ていった後、クラピカが棄権したからすぐに僕の試合になったよ♣️」

 

 こいつの対戦相手って……ああ。ネテロもどきか。原作じゃ俺ことキルアに殺されてしまったアイツだ。御愁傷様としか言い様がない。

 

「それですぐに終わらせたのか?」

 

「いいや、二度とハンター試験を受けられない身体にしておいた。僕の機嫌悪かったしね♠️」

 

 二度と……それは、原作通り殺された方がまだマシだったかもしれない。流石ヒソカ。俺には予想出来ないことを普通にしでかす。

 

「それより、さっきの弁当って興奮剤だよね◆ そうでなきゃ僕があんなに積極的にアピールするわけないもん♣️」

 

 アピールってことは好意を持っていること自体は否定していない。つまりゲイなのか? クソっ、こんな奴と会わなきゃよかった! 

 

「これだけは言える……ノーだ!」

 

「♠️」

 

 その質問に答えるとトランプの嵐が舞う。

 

「危ねえじゃねえか! いい加減放出系になれよ!」

 

 何度もいうが、放出系=短気でありこれは原作でもヒソカが言っていることだ。俺が言ったことじゃない。

 

「僕のトランプは他人を黙らせる為にあるんだよ♥️」

 

 遂に開き直ったヒソカ。まだ副作用があるようだ。しかしヒソカの言うとおり興奮剤の効果でもあるのか? いや他人に食わせたのはこれが初めてだ。他人が食うと副作用がいくつも出てくると考えていいだろう。

 

「やるしかなさそうだな……」

 

 そしてヒソカと睨み合い、空気の密度が上昇して火花が飛び散る。万全な今のヒソカなら勝てないこともない。

 

「はいそこまでじゃ」

 

 そんな一触即発の雰囲気の最中、入って来たのはネテロ。ヒソカとネテロの二人相手に勝つにはどちらも集中を反らした上で全力を出さないと勝てない以上、俺は黙って殺気を納めた。

 

「会長さん、助かったぜ」

 

「うむ助かって何より。何せお主は儂の好敵手になる存在じゃからな」

 

 ……わぉ。結構評価高いな。そこまで評価されるようなことしたっけか? 純粋な戦闘ならまだヒソカやイルミ達の方が上でネテロに勝てる要素がまるでないんだが。

 

「そういえばゴンは?」

 

「ゴン……ああ、お主と同い年のツンツン頭か。あやつはトイレに行ったぞい」

 

「となれば大きい方か」

 

 何故今になってゴンのことを話しているのだろうか俺にはさっぱりだが、フラグ臭く感じていた。

 

 いや、推理物だとゴンの行動が被害者か加害者のそれっぽい感じがするんだよ。HUNTER×HUNTERは推理物っぽいがそうではないバトル漫画だからそう言うことはないと思うが、それでも不安になる。俺の世界は現実で推理物にもなるしバトル漫画にもなり得るからな。

 

 

 

「あーすっきりした」

 

 そんな心配をなくすかの如く、ゴンが普通に入ってきた。原作に比べてほぼ無傷で済んだか。ちなみに原作だとゴンは三日間眠りにつくハメになる怪我を負う。死亡キャラ以外で俺がいたことによる原作改変の影響を一番受けたのはゴンかもしれない。ヒソカ? あんな禁則事項(き○○○)は原作レイプの塊だろ。あいつは例えるなら爆弾の周りでもお構い無しに花火をして喜ぶような奴だから。

 

「よっ、合格おめゴン」

 

「あはは……内容に不満あるけど合格は合格だもんね」

 

 ゴンはヒソカ程ではないにしても目的の為なら手段を選ばないんだよな。見かけの割に結構エグい手を使ってくるし。

 

「それじゃ合格記念にこれやるよ」

 

 俺はそう言って手元にあったチケットをゴンに渡す。

 

「このチケットって……」

 

「俺の家、観光地なんだよね。そのチケットがあれば無料でそこまで行けるぜ」

 

「ありがとうキルア!」

 

 その瞬間おぞましく粘着質なオーラが俺を襲い、鳥肌を立たせた。

 

「へえ◆ 僕にはないの♥️」

 

「ヒソカ、俺の後ろに立つなよ! さぶイボが立つじゃねえか!」

 

 どんなに気を抜いてもその事を克服すれば平気になるが、どんな拷問や訓練を受けてもこいつ独特の寒気は克服出来ない。ヒソカマジで疫病神か何かだろ。

 

「てめえは兄貴から貰っておけよ。そのくらいなら出来るだろ?」

 

「奪えってことだね♣️ イルミに言っておくよ、キルアにイルミのアレ奪うように依頼されたって♠️」

 

「誤解を招くような言い方を止めろ! それに依頼をしてすらねえ!」

 

「ふふっ、照れない照れない◆」

 

 うがぁっ! どうしてこいつはこうなんだよ! マジで邪魔でしかないから貯めた金を使ってイルミとヒソカを殺すようにしてもらおうか? 

 

 

 数時間後、そこにはネテロもどき以外の最終受験者全員がそこに揃った。

 

「ふむ。誰かさんのせいで予定よりもちと早く終わってしまったがハンター試験はこれで終わりじゃ」

 

 ネテロがそう言って俺のことを見るが、無視しておいた。……ひょっとしてあのローカルルール皆使ったのか? そうだとしたら結構えげつないな。あのローカルルールのおかげで受験者は無限ループから助かったとも言えるけど。

 

 しかしヒソカをどうやって置き去りにしてやろうか。最善の手段、と言うよりも理想としてはイルミとヒソカが互いにガチ勝負をして相討ちになってくれると非常にありがたい。思わず実行したくなるくらいだが、果たしてイルミがヒソカと相討ちしてくれるだろうか? いやない。あいつはそんなタマではなく生粋の暗殺者だ。相討ちなんて真似はせず確実に逃げるか仕留めるかの二択だろうな。

 

 そうなってくると俺が取れる手段としては天空闘技場にヒソカを滞在させ続けるしかない。原作通りの展開とも言えるがそれはやむを得ない。やむを得ないったらやむを得ない。あいつを原作通りの動きに従わせるには予め俺がそこにいくことを知らせるのが一番だ。それでも原作通りに従うかは話は別だがしないよりかマシ。

 

 となればゾルディック家に帰る用事は報告だけだ。無駄に長居する必要はない。……待てよ? そう言えば今気づいたんだが俺が無事ならクラピカとレオリオが来る動機ないよな? あいつらは原作のキルアが無事じゃないから安否確認をしに来ただけだ。そのキルアが無事なら来る動機も薄くなる。やっちまったか? 

 

 などと考えているとネテロの話が終わり豆秘書がハンターライセンスについての講話をしていた。

 

「という訳ですので再発行は出来ませんので紛失にはお気をつけて下さい」

 

 紛失か。紛失したら確かに面倒だよな。どのくらい面倒かというと野生のヒソカと遭遇するくらいには面倒だ。

 

 でだ……これからどうするかだよな。イルミの奴は、奴はぁぁぁっ!? 

 

「ギタラクルって言ったか? 何の用だ?」

 

「キル、実の兄にそれはないんじゃない?」

 

 ギタラクルが針を外し、イルミの顔に戻る。

 

「イルミ……」

 

「さて帰るよ、もう用事は済んだでしょ?」

 

「えっ?」

 

 イルミがすかさず俺の手首を握り、ぐいぐい引っ張っていく。

 

「おいこらイルミ、勝手なことを言うんじゃねえ!」

 

「父さんとの約束でしょ。それを守らなきゃ」

 

 イルミが針を突き出し俺の頭を刺す……あっ、やべえ。くそったれ! アルカのことを忘れないようにしねえと! アルカは可愛いアルカは可愛いアルカは可愛いアルカは可愛い……

 

 

 

 こうして俺は原作通り、ゾルディック家に帰宅することになった。原作と違うのはイルミに拉致されたこととアルカのことを覚えていたこと、そしてハンター試験に合格したことだ。




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最終的に主人公の強さはどのくらいになるのがいいのか?

  • 最強
  • 強キャラ(ネテロクラス)
  • 原作超え
  • 原作と同格

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