テンプレはH×Hの世界でも通用する   作:ディア

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遅れました。


第12話 最終試験前×面接×推測

 あれからしばらく経過して最終試験。ボールが灰になってしまい試験を続けることになった俺は一部変更点はあったもののほぼ原作通り三次試験のトリックタワーを攻略し、四次もイルミやヒソカに会うことなく合格した。……つまらないとか言うんじゃねえぞ! 物足りないとか絶対にないからな! 難易度がベリーイージーモードからヘルモードに変わるのはゴメンだ。

 

 

 

「気を楽にして座って良いぞ」

 

 そして最終試験の面接。すれ違いにピエロのねっとりとした視線を感じながらもその部屋に入り、座る。

 

「どうも。しかし会長さん、身体の方は大丈夫なのか?」

 

「ふぉふぉふぉ。念を入れて気合いでガードしたからの。あれくらいのことは軽傷で済む」

 

 いや軽傷って。あんた大火傷していたじゃないか。それを数日間で治すって念云々関係なく人外だよ。ヒソカもだけど。

 

「とはいえちーっとばかしムチャしたせいか、まだ完治しておらん。こんなことワシの人生でも滅多にない」

 

 滅多にって……100歳以上生きているくらいだから一度くらいはそんな事はあるのか? つーか、どこが完治していないんだよ? 治療が出来ないヒソカですら無事なんだぞ。少なくとも二人は三次試験の時にはピンピンしていたしな。

 

「間違いなくお主、いやお前は」

 

 ネテロが手を広げ前に付き出すと笑みを浮かべながら告げた。

 

「ワシが見てきた中でも5本の指に入れるほど強くなると確信しているぜ」

 

 5本の指、つまりあのインセクトキングには勝てねえってことか。いやネテロが全盛期だったらそのインセクトキングに勝っていたのかもしれないが、それでも俺は強キャラ止まりだろうな。

 

「そいつはどうも。会長さん、あんたを快く思わない連中が俺に依頼してあんたを殺すことになったら、殺す依頼があった事だけ伝えるぜ」

 

「何故じゃ?」

 

「あんたを暗殺するのは無理だ。殺したとしてもよくて相討ち、俺だって死ぬのはゴメンだ。可愛い妹達のために死ぬわけにはいかねえしな」

 

「なるほどのう。ところでお主、ハンター試験を受けた理由は何じゃ?」

 

 ここで、原作を変える為に来ました。なんて言っても通じないだろうし、信じて貰ったとしても面倒だ。

 

「ハンターの資格を取れば変われると思ったからだ」

 

 だからギリギリスレスレのところで言葉を濁し、そう志望動機を語る。嘘は言ってない。変わるのは自分よりも原作の方だ。

 

「今年の受験者で気になる者と戦いたい者は誰だか教えてくれんか?」

 

「気になるのは特になし。逆に戦いたくないのは三人いる。44番、301番、405番だ」

 

「何故?」

 

「気にならないのは単純にそいつらがどんな奴らかってのをわかっているからだ。戦いたくない前者二人は手札を見せたくないし、405番は同世代だからだよ」

 

「そうかわかった。では行って良いぞ」

 

 これでいいよな? この面接って最終試験の対戦相手を決める為にやるんだよな。俺のセリフが変わったことでどう対戦相手が変わるか半分期待半分不安に思う。もっとも最終試験を筆記試験だと思い込んでいる奴らはのんびりと余裕綽々に待っている俺を見て恨めしそうな顔をしていた。

 

 

 

 しかしアルカとカルトは何をしているんだろうか? 俺が帰ったら「お兄ちゃんお帰りー!」って言って飛び付いてくれたら感激のあまり昇天してしまいそうだ。

 

 

 

 そんなことを考えているとゴンが目の前に現れた。……いや気配で察していたけど、ドラクエ的な? まあとにかくゴンが俺に近寄って右手を上げる。

 

「あ、キルア。面接はどんな質問だったの?」

 

「別にどうしたもこうしたもねえよ。ふつーも普通! 普通過ぎて拍子抜けしちまったぜ」

 

 これまでの行動も原作通りで拍子抜けしてしまう……訳ねえだろ! そんな考え方していたらとっくに原作崩壊させる為に行動起こしているよ。既に壊れているけど。

 

「やっぱり志望動機とか?」

 

「ま、そんなところだな。肩の力抜いていけよゴン」

 

「うん。ありがとキルア」

 

「おう。ゴン、一緒に出来れば合格しような」

 

 俺がそう呟き、ゴンを見守る。……まあゴンは原作通りにいけば真っ先に合格出来ると思うから心配はしていない。問題は俺の方だ。俺の頭の中に針仕込まれていねえだろうな? 仕込まれた記憶はないが一応念の為だ。円を使い、もう一度確認するがそこには何にもない。円が苦手なだけなのか、あるいは円にそんな能力がないのかはともかく、俺なりに頭を探る。イルミの針は洒落にならん。

 

 

 

「どうしたの? そんなに頭を掻いて♣️」

 

「ヒソカか。てめえに話すことじゃねえよ」

 

「そうかい♠️ でも気になるよなぁ……その頭◇」

 

「近寄るなって。お前はただでさえ気味悪いんだからドアップしたら尚更だ」

 

 この後の展開、腐女子ならヒソカが俺にキスをしてイチャイチャするんだろうがそこまでヒソカも腐ってなかったらしく大人しく引き下がる。

 

「ところでキルア♥️ この後の試験の前に神経衰弱やらない? あれ楽しいんだよね♣️」

 

「やらねえよ。何が悲しゅうて試験前にそんなに疲れることをやらなきゃいけねえんだよ。兄貴と殺ってこいよ」

 

「いつイルミが来ていること気がついたの?」

 

最初(ハナ)っから。イルミが来ていることくらいわかるさ」

 

 これは嘘ではない。産まれたときから既にイルミが来ることは知っていた。原作知識を使うってのはこういうことを言うんだよ! 

 

「まあ、そう言うことだからイルミに下手くそな変装止めろって言っといてくれないか?」

 

「キルアからは言わないのかい?」

 

 面と向かって言えるか! アホったれ! 

 

「俺から言うよりもヒソカから告げた方が互いに良い展開になるから言わねえよ」

 

 よし! 我ながら見事な言い訳だ! 

 

「ふ~ん♥️ もし面と向かって言えないなんて理由だったら殺してあげようかと思ったのに♠️」

 

 その言葉に俺は絶句した。俺を殺したらイルミは当然、シルバが飛んで来る……こいつにとってメリットしかねえじゃねえか!? デメリットを強いていうなら熟さずに殺したことを後悔するくらいじゃないのか? もっともヒソカにとってはそれが重要な要素なんだがな。

 

「お前の口から殺すなんて言葉が出てくるなんて珍しいこともあるもんだな」

 

「会長さんと真剣でやり合えなかったからね♣️」

 

 あらら不機嫌だなこりゃ。とっとと逃げるか。だらだらと話さずすぐに終わる会話にしよう。

 

「ところでヒソカ、最終試験はどんなものが出るか予測出来るのか?」

 

「一対一のデスマッチだと良いよね◇」

 

「んな訳あるか!」

 

 しまった。ヒソカのぶっ飛んだ発想に思わず突っ込んでしまったよ。

 

「あれ♣️ 試験内容をキルアは知っているの?」

 

「この面子で一対一のデスマッチをしたら半分くらい死ぬってことだぞ。そんなことをすると思うか?」

 

「でも5年くらい前から合格者って平均二、三人くらいで6人以上いなかったと思うけど♠️ それってデスマッチが原因なんじゃないかな♥️」

 

「少なくとも去年はてめえが原因なんじゃないのか? 試験官ぶっ殺したって話聞いたぜ」

 

「なんにせよ今年こそは合格者を増やしたいから受験者は一回戦って勝ったら合格なんじゃないかな?」

 

 ……! 鋭いな。デスマッチ以外ほとんど核心突いてやがる。

 

「それにしたってデスマッチはねえだろ。半分の奴らが死ぬんだぜ」

 

 大事な事だから何回も言わせてもらうぞ! 

 

「この中で半分ハンターになれば十分多いくらいだと思うけどね♣️」

 

 世の中には理不尽なことがあるように不可思議なこともある。かっこよく言ってみたが前者はヒソカの存在や性格。後者は今のヒソカの発言の感想だ。それだけ複雑な感情があるんだよ。こいつには。

 

「まあ、どちらにせよ。最終試験までのお楽しみだねキルア♥️」

 

 ケツの穴が閉まってしまうほど背筋に悪寒を感じ、とっとと逃げた。やべえ。言っていることがめちゃくちゃ過ぎて訳わかんねえ。アルカ、カルト……マジで帰ったら俺を癒してくれ!




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最終的に主人公の強さはどのくらいになるのがいいのか?

  • 最強
  • 強キャラ(ネテロクラス)
  • 原作超え
  • 原作と同格

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