半年以上も放置した上に今後の更新はディープインパクトに挑むアドマイヤジャパンみたいな心境(ようするにこれ以上ない絶望)でお願いします。
いやマジで。
「へいチーズ豚丼お待ち」
「待ってました!」
俺はブバラ達にチーズ豚丼を運び、そこに置くとブバラは箸を器用に使いバクバクとそれを食べ始めた。
二次試験の後、ブバラ達が約束通り材料のグレードスタンプを持ってきたので俺はその約束を果たすことにした。なんで態々? と思うかもしれないがそのデカ豚を上手く捌いて塩干しにして保存食を作りたかったからだ。確かに俺の身体は毒に耐性があるから腐った肉程度じゃ身体は壊さないし、寄生虫がいたとしてもどうとでもなる。
それでも作りたい理由はトリックタワーに持ち込めるからだ。食料がない時、仲間割れが起きる……そんな時俺の肉を分けてやれば仲直り必須、万事解決、いい感じーっ! って訳だ。本来であれば寄生虫のいない牛肉にしたかったんだが、ないもんは仕方ねえ。世の中にはポークジャーキーなんてものがあるから大丈夫だろ。
「ふーん、そこまで旨いのかしら?」
「何なら食ってみるか? 材料を持ってくれれば料理するぜ」
「いや遠慮しておくわ」
「じゃあ失礼するぜ。これからの試験に備えて俺も休みたいしな」
実際には豚肉の保存食を作るんだけどな。
「ふむ……ならワシと一汗かいてから休憩せんか?」
一汗ぇ〜?
「あんたを相手にするとめちゃくちゃ疲れそうだしやだ」
「ボール取りゲームなんじゃがボールをお主が取ったら合格にしてやっても良いぞ」
ほぼ原作通りやないか! しかしこの勧誘は魅力的なんだよな。もし合格出来たら少なくともイルミとかヒソカとかと一緒に試験やらないで済むという最大のメリットがある。あいつらと一緒にいると気が狂うし、何よりもストレスの元だ!
「いいぜ、やろうよ」
だから掌を返すかのようにあっさりとイエスと答えてしまった。
「決まりじゃな。それじゃ移動するから付いてこい」
その邪悪なる笑みを浮かべ、早速自分の迂闊さと馬鹿さを呪い、後悔した。具体的には何であの時ゴンを呼ばなかったのかとか、この爺が本気を出したら絶対に取れないことを思い出しながら俺は廊下を歩く。
「なんじゃ、そんなに考えこんで」
「あんたからボールを取る作戦を考えているんだよ」
俺が無言で歩いているとネテロが話しかけて来たので素直に答えておいた。
「そうかそうか、じゃが若者は深く考えるよりも短絡的に攻めた方が良い結果を生む。例えそれが望まぬ結果であってもな」
絶対に取らせないくせして何言いやがる。くそっ、こうなったら油断している隙を突いてやるしかねえ。念の動きを見れば俺が念能力者だということはネテロでなくとも念能力者であれば誰でもわかる。
わからなかったらこの爺はとっくにくたばっているか、念能力者相手に能力なしで戦っていた化け物かのどちらだ。残念ながらこの爺はどっちでもないので俺が念能力者だということを理解している。
だがその念の使い方は人それぞれであり、能力の中身を知るには俺みたいに元々知識のある人間か、特質系の発を使うしかない。
ネテロは俺みたいに転生者ではない上に強化系の発の使い手であり特質系を使うには程遠い存在だ。だからまず俺の念能力の中身がバレることはない。カードゲームで例えると手札の枚数が念能力者であるかどうかの確認で、手札の内容が能力の中身だ。
「そんな挑発に乗るほど俺は馬鹿じゃねえよ」
「ほ、言うのう。流石はゾルディック家の後継者じゃな」
「俺のことを知っているのか?」
もちろんネテロがゾルディック家を知っているということは知っているがこう言って置かないとネテロに怪しまれる。
「キルア・ゾルディック。12歳、男性。ゴン・フリークスとともに試験受験者最年少であり、一次試験ではトップでクリア。二次試験でハプニングを引き起こし、試験内容が変更になるがこれをクリアする。今のお主の経歴はそんなものかの」
ハプニングってあれはメンチが原因だろうが。俺の経歴に加えるんじゃねえよ。
「そう言うことを言ってんじゃねえよ。何でゾルディック家を知ってんだ?」
「あの家と少し交流があるんじゃよ。もちろん銀髪のゾルディック家の子供は当主となることも知っているぞ」
「それだけ聞ければ十分だ」
「ふむ、この交流については聞かないのか?」
「大体察しがつくからいい」
「そうかそうか。それより着いたぞ」
カラカラを笑いながらネテロがそこを開けると体育館のような風景がそこにあった。
「ルールは簡単。ワシがボールを持つからお主はそれを奪え。そうすればお主の勝ちじゃ」
ネテロがそう言ってバスケットボールくらいの大きさのボールを持ち、回す。……やっぱり念能力者相手だと攻撃はしないとか言わないんだな。こんな子供相手でも容赦しないとか大人気ないぞ!
「時間制限は?」
「ワシが止めというまで時間制限はなし。とは言っても最低でも8時間くらいは相手してやるから安心せい」
逆に言えば原作キルアよりも強い俺相手に8時間も逃げ切れる自信があるってことかよ! 化け物め!
「それじゃ行くぜっ!」
とは言え、俺だってプライドがある。前世ニートとは言えこっちは前世の反省を生かして特訓して来たんだ。原作キルアがこの時点で使えなかった念能力もある。
ゴンが居ないのは意表を突くという意味では少し惜しいがこの爺の前じゃ戦力にならねえ。なにせ俺が念能力を使える以上この爺も念能力を使ってくることは明らかだ。念能力を使えないゴンは置いてきぼりにされてしまうのがオチだ。
「速いのう。それだけに惜しい。素直過ぎるのう」
ネテロは俺の攻撃を横に避け、逃げる。確かに今の攻撃はスピードを重視した直線攻撃だ。だがボールを当てることは重視しておらず別のところにある。
それは緩急。
緩急は攻撃のパンチ等のスピードを速めたり遅めたりすることで相手のペースを乱すことだ。ゾルディック家に伝わる暗殺術の中にも緩急を付けることを前提とした技があるからどれだけ緩急が重要かわかるだろ?
「なるほどなるほど。そう来たか」
もう気づくのかよ? いくら何でも対応早すぎじゃねえけぇ? ……いかんいかんこの爺のチート振りに訛ってしまった。
「ならこれはどうだ?」
ネテロが僅かに宙に浮いたところを見計らって変化系と具現化系の発を使い、ネテロの足元に油とパチンコの玉のように小さい氷の玉を作る。
これをすると摩擦力を極限に減らすことで体勢を崩させることが可能だ。料理と足を滑らせるということしか使えないが上手く行けば接近戦では無敵になり得る。地味でかつ使用用途も限られているがある意味では最強の切り札とも言える。
「ぬっ!?」
流石のネテロと言えどもこれには反応出来ない。行けるっ!
「惜しかったな。発想自体は間違いじゃなかったの」
その瞬間轟音が鳴り響く
ネテロがあの程度のことで反応出来ないなんてことはなく普通に床を踏み抜き、無理やり元の体勢に戻した。俺が特質系だったら摩擦係数を0にしてネテロを滑らせるような発を作ってやったのに惜しい。
「惜しいのはあんただよっ!」
一気に加速し、ボールに迫る。ネテロは床を文字どおり踏み抜いたせいで足元がめちゃくちゃになり、反応が遅れる。その結果、俺はボールまで後数センチまで迫ることが出来た。
「♠︎」
ボールがネテロの掌から離れ、後数センチまで迫った俺からも徐々に離れていく。
「何いっ!?」
そしてある人物まで辿り着く。その人物は俺が一番知っている奴だった。
「キルア、僕抜きで面白そうなことやっているじゃない♣︎」
「ヒィィィソゥゥゥゥォォォォカァァァァァァッ!!!」
俺は絶叫して、目の前が真っ暗になった。
残念! キルアの地獄はここで始まってしまった!
「今年は豊作じゃのう。ホッホッホッ」
笑っている場合じゃねえよ、クソ爺! 目の前が暗くなっても聞こえるんだからな!
次回予告(嘘)
ヒソカ「やらないか?」
ネテロ「よかろう。」
二人に火花が飛び散り今にも激戦を繰り広げそうな雰囲気!
キルア「げえっ! ヒソカぁっ!」
ヒソカ「会長とやってきたけど消化不良だからやらないか❤︎」
こっそりと逃げ出すも無駄に終わるキルア!
次回、第11話 おホモだち×高め合い×絶叫
続くぅっ!
*嘘です
最終的に主人公の強さはどのくらいになるのがいいのか?
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最強
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強キャラ(ネテロクラス)
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原作超え
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原作と同格