学校嫌いな彼と鮮烈な少女たち   作:勇忌煉

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第14話「俺とボクっ娘は同い年!?」

「今度はなんの用だよ?」

「ぼ、ボクに聞かれても……」

 

 今日も八神さんに呼び出されて八神家に来ている。前は姉さんのせいで大変だったよ。

 ちなみに今回はリナルディが一緒だ。いや、今回も、だったな。

 ていうかリナルディしかいない件について。八神さんはどこにいったんだよ。

 

「あ、そうだリナルディ」

「なんでしゅかっ!?」

「――ごはぁ!?」

「イツキさーん!?」

 

 ちくしょう……! せ、セリフ噛んでんじゃねえぞコノヤロー……!

 まさか鼻血だけでなく吐血までしてしまうとは。ミウラ・リナルディ……恐るべし。

 

「だ、大丈夫ですかぁ!?」

「あ、ああ、つい萌えてしまっただけだ」

 

 大丈夫なわけねえだろ。

 

「そんなことよりもリナルディ」

「は、はい……!」

 

 恐れるな俺。ここで退いたら負けだぞ。

 

「――今日は水着じゃねえのか?」

「ふえぇ!?」

 

 あれはインパクトがありすぎた。初対面で水着姿を披露するなんて誰にでもできることじゃない。

 むしろよほどの露出狂か変態でないとできないだろう。

 

「あ、あれはその……!」

「なんだよ」

「はやてさんとリインさんに着せられて……!」

「………………は?」

 

 うわー……あの二人って変態だったのかぁ。

 

「……な、なんでまた?」

「そ、それは……女の子っぽいファッションとかなんとかでワンピースから始まって――」

「ごめん。長いと覚えられないからできれば一言で」

「――はやてさんとリインさんに着せられました……!」

 

 やっぱりあの二人は変態なのかもしれない。

 

「ん? 女の子っぽいファッション?」

「はい……」

「…………お前、普段の服装は?」

「ふぇ? こ、こんな感じですけど……」

「いや、こんな感じって……」

 

 どうりで男の娘と間違えてしまったわけだ。いや、初対面は水着だったけども。

 ボクっ娘は需要あるけど男の娘はあんまりないからなぁ。

 

「とりあえず――組み手でもするか」

「イツキさん、格闘技できるんですか……?」

「一応な」

 

 

 

 

 

 

 

「お前、結構やるんだな……」

「イツキさんこそ……」

 

 あれから数時間。休憩を挟みつつ俺とリナルディは組み手をしまくった。

 コイツ、結構強いぞ。もしかしたらアイちゃんにも引けをとらないかもしれない。

 それにしても疲れた。ここまで疲れたのは久しぶりだぞ。

 

「インターミドルには出てないんですか?」

「出ないよ。興味ねえし」

 

 俺は姉さんほど強者を求めてるわけじゃないからな。

 

「で、でも、それだけ強いなら――」

「出ねえし興味ねえつってんだろ」

「あ、あう……!」

 

 それに今年は姉さんのセコンドってやつをやる予定だしな。

 つまりあの人の戦い――ケンカを間近で見れるってわけだ。

 

「そうだリナルディ」

「はいぃ!?」

 

 そこまで大袈裟に驚かなくても……俺ちょっと傷ついた。

 

「お前って初等科か?」

「い、いえ……ちゅ、中等科1年ですっ!」

「……………………ふぁ、ふぁいっ?」

「えっと、ですからその…………中等科1年です!」

「嘘つけ!!」

「ふえぇっ!?」

 

 お前どっからどう見てもヴィヴィオとあんまり変わんねえんだけど!?

 それともあれか、男の娘もといボクっ娘だからそう見えてしまうというのか!?

 

「まあいいわ。一応そういうことにしといてやる」

「い、一応って……ボクは本当に――」

「一応そういうことにしといてやる」

「うぅ……」

 

 抗議しても無駄だ。

 

「んじゃ、俺は帰る」

「え? あ、あの――」

「待たない。めんどいし」

「め、めんどいって……」

 

 結局、今回も八神さん本人が現れることはなかった。いや、姉さんと来たときにはいたな。

 ていうかなんで俺が来るときに限って誰もいないんだ?

 もしかして色恋沙汰でも狙ってんのか? だとしたら年齢考えろってんだ……。

 まあ、一応リナルディが格闘戦技の実力者っていう収穫があったからいいけどさ。

 ひょっとしたらアイツ、姉さんとやり合える可能性があるかもしれないぞ。まだ可能性だけど。

 

 

 

 




《今回のNG》TAKE 71

「まあいいわ。一応そういうことにしといてやる」
「い、一応って……ボクは本当に――」
「一応そういうことにしといてやる」
「――本当に中等科なんです!!」
「……………………あれ?」

 なんかいつもより押しが強いんだけど……?



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