ダンジョンに運だけで挑むのは間違っていると思う 作:ウリクス
なるべく気力が続く限り更新は早めにしたいと思います
ダンまちはの知識はアニメが殆どです。
今更ですが、魔石の表現は原作の様に討伐したモンスターの胸から抉り出すのではなくアニメ仕様の討伐すると肉体が消失して魔石だけが残る設定にしています
原作組はご注意下さい。
~ダンジョン一階層~
「……意外と……明るい……」
俺が生まれて初めてダンジョンに来た時の感想がこれである。
ふと天井を見てみると光の粒みたいなのがダンジョンを照らしている。……これなら松明も要らないな……
「……」
確認をしよう。モンスターとはダンジョンから生まれる化け物で、壁や天井から湧いて出てくる。
個体の体には魔石と呼ばれる核が存在している。モンスターを討伐した際、モンスターは灰の様に蒸散し魔石のみを残して消える。冒険者の飯の種だ
例外として、討伐したモンスター体の一部が魔石と一緒に落ちる事がある。コレをドロップアイテムと言う。これも冒険者の飯の種だ。でも人によってはドロップアイテムを武器、防具、装飾品に使ったりする。
「……」
しかし何も起きないな。結構歩いているのだが…………!?
((キィィィン…))「来るかッ!!」
敵(1~4階層)
コボルト
犬頭
平均の魔石額
400ヴァリス
ドロップアイテム
コボルトの爪
ゴブリン
ダンジョン最弱
平均魔石額
300ヴァリス
ドロップアイテム
ゴブリンの牙
『グルルルルル……』
T字路前方右の影からコボルト一体確認!よし、行こう!!
「……」
右手で左側に差してある小剣の柄を握り、シャキン!!と勢い良く鞘の革と剣の鋼鉄の擦れる音を響かせカットラスを抜刀する。
「……」
戦闘の基本その1!
相手の動きを見る事。相手がどんな攻撃をしてくるか見極め、そして時には見た目によって相手がどんな攻撃かを予想する!
コボルトの場合、鋭い爪と犬の頭の牙を使って噛みついてくると予測!
「……」
戦闘の基本その2!!
何時隙があるかを見極める。
予備動作は?
どのくらい隙ができる?
何処を攻撃すればいい?
「当たるかそんな遅い攻撃!!」
コボルトが腕を振り上げたと同時に後ろに一歩下がる、下がったと同時に腕が降り降ろされ空を切り体勢を崩しよろめき前屈みになる
コイツの場合は腕を振り上げた時と腕を振り下ろした直後。そう、今がその時!!
戦闘の基本その3!!!
攻撃をするときは何処を攻撃すれば致命傷を与えられるか、何処を攻撃すれば有効かを見極めること!!!
「首から上もらったああああああああああああ!!!!」
大きく踏み込み横に回り込む。そしてよろめいたコボルトの首に小剣の刃を合わせるように振り上げ、躊躇い無く振り下ろすッ!!!!
「……」
首から上を失った瞬間コボルトは真っ黒な灰のようになり魔石を残して消えていった……
「……ハァ……」
戦闘終了!……よし!勝った!!何だイケるじゃないか!!
これも村に居た頃の『アレ』の成果だよ
~村に居た頃のアレ~
「……」
思い出話をしよう。今から約1年と10ヶ月前、ユージュアル村にある離れの山麓にて、俺と同い年の仲間と一緒に鋸を持って奴と対峙していた……。そして潜んでいた仲間の一人が背後から奴に襲い掛かった。それと同時に周りにいた仲間も四方八方から襲い掛かり奴を取り押さえる。
「今だアーク!!鹿の角を切れ!!!」
奴……そう、鹿の角をとるために山に入り浸っていた時だ。最近離れの山で大きい角が生えた鹿をよく見かけるようになったと言う事で若い男衆全員で鹿の角を集めようって事になったんだ。
鹿の角は大きさによって薬にもなったり、インテリアにもなったりするから、村の収入源の一つだ。
勿論、切り終えた鹿はちゃんと山へ帰すよ。この作業は俺が村を出るまで定期的に行われていたから生き物との対峙の心得はあったんだ。……モンスターには足元にも及ばないがな……
~そして現在、ダンジョンにて~
「……これが魔石……小さい……」
思った以上に小さかった……拾った魔石は布の小袋に入れる。後でギルドによって換金するからだ。
『ゲギャギャギャギャ』
((キィィィン…))「次はゴブリンか」
T字路突き当りの左奥からゴブリン確認!
基本を忘れるな……奴は手に持っているナイフを使ってくる。でも早さも力もコボルトの方が上、その上カットラスの方が断然リーチは長いし低身長のゴブリンと人間じゃ体格も腕の長さも違う!圧倒的にこっちが有利!!
「はあああああああ!!」
切りかかってくるゴブリンに右手を突き出し腹を串刺しにする。突き刺した腕から重さが無くなり、魔石を残し消えていった。
「……更に小さい……」
言うてダンジョン一の最弱モンスターだしなぁ。……情報が正しければ、第4階層までこれ以外のモンスターは出て来ない筈だ。
「……?……」
ん?何か忘れているような……まだとても大切な物を……まぁいいや。止まっていても仕方ない……奥に進もう。
~第3階層~
「少し疲れた……」
三階層に降りた所で地面に座り込む。第二階層は道中にゴブリンとコボルトに何回か遭遇しただけだった。どれも一対一だったからさっきと同じ方法で討伐した。
「……ハァ……ハァ……」
無茶はしない、アテナ様とヘファイストス様との約束だ。破るつもりはない。
「……ハァ……」
それにしても不思議だ今日ダンジョンに潜る前に後ろを向いて辺りを見回してもだ~れも居ないんだわ。だから今少なくても1~3階層に居るのは俺だけだと思う。いや、でも俺が二階層を降り時には誰かがダンジョンに潜ってくるかもしれない・
((キィィィン…キィィィン…))「共振が二回!?」
デプスアミュレットが共振を二回!?こんな事今まで無かった。……まさかッ!……
『グルルルルルルル』
『ヴヴウウウ』
「コボルトが二体!?ッ!気づかれた!!」
前方の十字路交差点付近にてコボルト二体を確認
戦闘の基本その4!!!!
多対一の時は余程の自信がない限り、必ず確固撃破を心掛けろ。
ソロプレイヤー最大の壁ッ!!多対一。
「死ねオラァッ!!!」
右手に持っていた小剣を手前のコボルト。つまりコボルトAに投げつける、剣はヒュンヒュンと音を立てながら縦に回転して手前のコボルトAの頭に直撃して刺さった剣と魔石を残して消えた。
しかしそんな物は目もくれず左手で右側の鞘に入っている剣を抜き右手に持ち替え全力で踏み込む。
「ウォォオオオオオォォォォッ!」
コボルトBが腕を振り上げると同時に、懐へ潜り込んで腹部に剣を突き刺す。そして足をかけ蹴り飛ばして剣を引き抜く。コボルトBは仰向けにのまま倒れて魔石を残し灰になって消えた。
「……何だ?…」
……何だ?今のは……コボルトBを討伐した瞬間……こう、閃いたッ!!みたいな感じの感覚は……。
「…………」
……思った通り複数戦は思った以上にキツイ。取り敢えず剣と魔石を回収しないと……次モンスターが来たら割と危ない……
「…………ん?」
二体目のコボルトから魔石もう一つ、何か落ちていた。
「……」
取り敢えず剣と魔石を回収して二体目のコボルトがいた場所に近づく。
「……魔石と、これがドロップアイテムか……」
……情報が正しければこれがコボルトの牙だ。コボルトの魔石よりかは売れるな。
「……まだまだいけるよ、行こう!」
最悪回復薬を使うし、逃げればいいんだ……
「行こう……」
十字路をまっすぐ進む事にした。行き止まりだったらまた引き返せばいい。
(((キィィィン…キィィィン…キィィィン…)))「……嘘だろおい……」
『ゲッゲッゲッ?』
『グゲゲゲゲ……』
『ギャギャギャ!』
……三体、しかもその奥は四階層の階段……幸い気づかれてはいないが……なんとかして通過したい。
「……やってみるか……」
作戦……って程じゃないが一つ試してみたいことがあった。先ずは鞘から二本とも抜き出して、地面に刺す。一本はゴブリンに投げつけ、二本目で戦う。
「……ッ!!!」
物陰から出てきて小剣をゴブリンに投げつける。しかし、俺の期待した予想を裏切る事になった。
投げた小剣は回転しながら真っすぐとゴブリン達に向かっていくのだが……そう、ゴブリンAとゴブリンBの間を通って階段付近に刺さってしまった……要するに外れたんだ……
このタイミングで外すか俺……あ、気づかれた……ですよねぇ
「……ッ!!!」
四階層に続く階段付近でゴブリン三体を確認
「先ずはテメェだああああああああああッ!!!」
先ずは手前のゴブリンA。奴がナイフこちらに向ける前に首から上を横薙ぎで切り飛ばす。切り飛ばされたゴブリンAを確認する事無くゴブリンBに向かう。
「オラァッ!!!」
切りかかってきたゴブリンBの攻撃を避けて脳天目掛けて剣を振り下ろす。作り話みたいにスパッ!とはいかずそのまま地面に叩きつけられる様に倒れた。どちらかと言えば叩き切ると言う表現に近かったと思う。どの道ゴブリンBはそのまま動かなくなり、魔石を残して消えていった。
「……?……」
アレ?三匹目のゴブリンCは……ん?
「……!?あの野郎!!!逃がすかッ!」
背を向けて別の道に逃げようとしていた。
「……ッ!!!」
俺は反射的に手に持っていた小剣をゴブリンCに投げつけた。投げた剣は見事な放射線を描きながらゴブリンCの背中に深々と刺さり、魔石を残して灰のように消えた。……今のは完全に偶然である。
「……次で最後だ……」
魔石と剣を回収して、第四階層に向かう事にした。
~第四階層~
第四階層に足を踏み入れる。……何故は分からないけど……なんか途端に不安になってきた
「……深追いしすぎたかな……」
最初のダンジョン探索で、こんな低いステータスで……ここまで来たのは正直無謀だった気がする。来てしまったものは仕方がない。第四階層は入り口周辺だけにしよう……
((キィィィン…))「……ッ!!」
敵の反応!……居ない……何処にいる!?何処かへ隠れているのか……
『ペタ……ペタペタ』
ん?何だこの音は……ッ!!!?
「ッ!!」
俺の背後から突然、衝撃とズン……ッっと如何にも重いのが降ってきたと言わんばかりの音と砂煙が舞っている。早い話、第3階層の道をコイツが完全に塞いでしまっているのだ。
「……!!」
しまった。……コイツ、二階層と三階層に全く現れなかったから完全にコイツの事を忘れてた……
ダンジョン・リザード
2~4階層
デカいヤモリ
平均魔石額
500ヴァリス
ドロップアイテム
ダンジョン・リザードの皮
「ええと……ええと……」
相手の動きを見極めろって……コイツ、さっきから俺の事を睨んでばっかりで攻撃手段が全く予想つかねぇ。……と思ったら何事も無かったかのように壁に張り付こうとしていた。
「ああ!!、逃げんじゃ無ぇよテメェ!!」
コイツ、散々逃げ道を塞いでおいて壁に張り付いてどっか行こうとしていた事に無性に腹が立った。剣を一本取り出してヤモリ目掛けて投げつける。投げた剣は背中に刺さり真っ白な腹を出して倒れる。
「ハアァ!!!」
もう一本の剣を取り出し、全力で剣を振り上げヤモリの腹に突き立てる。……ヤモリはそのまま動かなくなり魔石とドロップアイテムであるダンジョン・リザードの皮を残して消えた……
「……はぁ……全部回収して帰ろう……」
……こうして俺の初めてのダンジョン探索は第四階層の入り口で終わった。
ダンジョンを脱出する際、後ろでモンスターが壁から発生する瞬間を目撃した訳だけど、全部スルーして一直線で出口に向かった。
((キィィィン…))「今は反応しなくて良い。無視だ無視」
~オラリオ 北東部 ヘファイストスホーム~
「アテナ様にヘファイストス様、ただいま戻りました。」
「あら、お帰りアーク君。遅かったわね」
「……オカエリ……」
アテナ様がま~た生気のない顔でいらっしゃる。こりゃ相当……
「……アーク君も帰ってきた事だし、今日の勉強は終了ね。いい、アテナ?貴女も眷属を持っている以上、次の
「……ハイ……」
「じゃ、アーク君のステイタス更新をしてあげなさい。私はファミリアの様子を見てくるから。」
ヘファイストス様曰く、ファミリアのステイタス情報は非常に大切で誰彼構わず教える物では無いと。だからいくら傘下の身とは言え他のファミリアのステイタスを勝手に見るつもりはない。との事
「お願いします」
ベッドの上に背を向けて寝転がる。手順は眷属になった時と全く同じだ。
「それで、今日はどうだったの?」
「第四階層の入り口までです。」
「……それって凄いの?ショボいの?」
「……ヘファイストス様に聞いてくれ……」
などとやり取りをしていたら。無事ステイタスを更新する事ができた。
アークボルト=ルティエンス
アテナ・ファミリア
[力]:I 0 →I 26
[耐久]:I 0 →I 20
[器用]:I 0 →I 36
[敏捷]:I 0 →I 28
[魔力]:I 0 →I 18
[運]:I 0 →I 24
スキル
運命体現 [ラック・アルファ]
基本アビリティに[運]を追加する。
[魔力][運]以外の基本アビリティの熟練度が上がりにくくなる
「おお!上がった上がった!!」
初陣で4階層まで
―――いや、もしかしたら俺の中にある冒険者の才能が目覚めたとか!?
そして何故か魔法使ってないのに魔力が上がった。
まさかまさか、魔法の才能まで眠っているというのか俺は!?
「で、一番下は……ん?」
こ……幸、運?
アークボルト=ルティエンス
アテナ・ファミリア
(両手:
体:革の鎧一式
装飾:デプスアミュレット(魔道具)
迷宮のモンスターが近くにいる時。身に着けている者に対して敵意、悪意を持つ人物が近くにいる時、
共振したり赤く光ったりして危険を知らせる。
共振する数が多ければ多いほど敵の数が多い
赤く発行する光の強さが強いほど危険な相手が近くに居る。
[力]:I 0 →I 26
[耐久]:I 0 →I 20
[器用]:I 0 →I 36
[敏捷]:I 0 →I 28
[魔力]:I 0 →I 18
[運]: I 0 →I 24
スキル
運命体現 [ラック・アルファ]
基本アビリティに[運]を追加する。
[魔力][運]以外の基本アビリティの熟練度が上がりにくくなる
戦闘の表現って難しいな。
おまけにコボルトをあっさり倒しているような気がする……