ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

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最近忙しくて投稿できませんでした……す、すいません。言い訳ですね( ̄▽ ̄;)
つっても、他の作品も投稿しなくては……。


第41話≪初めてのデート≫

 退院から数日が経過し、俺は木綿季とデートの為、黒のジーパンに黒のVネックTシャツにジャケットを羽織り、真っ黒装備で、とある公園のベンチに座り時間を潰していた。

 あの後俺たちは、種族を決めALOにダイブしたのだが、今後のアップデートの為メンテナンス期間に入るという事なのでログアウトしたのだった。 もちろん、ALO内でユイを展開するのに成功した。 今は思考錯誤して、ユイが仮想世界から、現実世界を見る為のカメラを製作中である。

 その時、パタパタと足音を鳴らし、待ち合わせの人物が到着した。 白のワンピースにふんわりとしたコートを羽織り、下はブウランにブーツ、肩には小さめのショルダーバックが下げられている。 そして、長い黒髪はストレートに流してある。

 木綿季は、俺の視線に気づき、頬を僅かに朱色に染める。

 木綿季は、俺の隣に座り、

 

「……和人、見すぎだよ」

 

 ……かなり凝視してたらしい……。 変態じゃないからね。

 

「お、おう。 すまん。 木綿季の私服姿は、始めて見るからな」

 

 木綿季は、そうだったね。と頷いた。

 

「SAOではほぼ戦闘服で、病院では患者着だったしね」

 

「そうだな。 木綿季が白って新鮮だよ。 よく似合ってる、可愛いよ」

 

 木綿季は、僅かに目を丸くする。

 

「……か、和人が素直に褒めた」

 

「もう、唐変朴は卒業したしな。……てか、今はハッキリ言えるしな。 お前の事が好きって」

 

 ……かなり恥ずかしいだが……。 公共の広場だし。

 木綿季は、可愛くもじもじしながら、

 

「ぼ、ボクも、和人の事大好きです」

 

「……木綿季さん。 恥ずかしいなら言わなくていいですよ」

 

「だ、だって、和人に負けた感じがして」

 

「……いや、何にだよ」

 

 俺は、「よし!」と言って、両手で両膝を叩いた。

 俺は立ち上がり、

 

「んじゃ、行くか」

 

「OK!」

 

 木綿季も立ち上がり、駐輪場に止めたバイクの元まで歩き出す。 目的地は、近場に建設されたデパートだ。

 まあそういう事なので、後ろに座った木綿季がヘルメットを被り、俺も被った所でエンジンをかけ、駐輪所から出た。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~某デパート入口~

 

 俺たちはデパートの二重ドアを潜り、デパート内部へ入った。

 案内図を見るとデパート内部は、グランドモール、ファミリーモール、ペットモール、アクティブモールという4つのモールがあるらしい。

 

「「……でかい……」」

 

 これが、俺たちの第一声だった。……これは、厳選して回らないとアレだな。 つーか、同じ店?在りすぎだろ……。

 木綿季は悪戯な笑みを浮かべながら、

 

「ファミリーモールにも行ってみる? 将来の予行練習として」

 

「……いや、俺らの歳じゃマズイからね」

 

 主婦の方から、好奇心の目で見られる可能性も否めない。……もしかしたら、『嘘っ、あの歳で父親と母親なの!?』的な声が聞こえてきそうだ。

 

「……行くとしたら大学生になってからだな」

 

 木綿季は思案顔をした。

 

「てことは、学生結婚ってこと?」

 

「そうなるのかな。 まあ、式は挙げられないと思うけど」

 

 大学生になれば、俺たち個人で籍を入れる事も可能だろう。 その前に、両親に挨拶しなくちゃいけないんだけど。 まあでも、俺の予想だとすんなりクリアできる感じなんだよなぁ。

 

「結婚するまでは我慢してくれ」

 

「う、うーん……。 そういうことならいっか」

 

 ……ファミリーモールに行く気だったのね。 てか、俺たちの将来設計が既に完成してる。 実は、俺たち四人で話し合った結果、進学する大学も決定してるのだ。 それは――――東京大学である。

 つーか、俺たち四人は、二人暮らしの案が出ていたりする。 駄目もとで両家の両親に話した所、OKが出たりもした。『まだ学生なのにいいのかよっ!』的な感じだったけどさ。 まあ、SAOの経験があるから、家事等の心配はないだろう。

 

「んじゃ、グランドモールを回ろうぜ」

 

「ん、りょうかい」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 グランドモールを物色していると、とある指輪店を発見した。 店の看板によると、指輪を銀色の細いチェーンに通して、ネックレスにする事もできるらしい。 取り外しも可能だそうだ。

 

「入ってみるか?」

 

「う、うん。 場違いじゃないよね」

 

「気にすんな。 こっちは客なんだし、問題ないだろ」

 

 そういう事なので、木綿季の右手を引いてドアを開け店内に入る。 その時、扉のベルが、カランカラン、と響いた。

 やはりというべきか、店内は二十~三十代のお客さんばかりだ。 十代の俺たちは、少し場違いな感じもする。 まあ俺は気にしないけど。

 一通り指輪等を見たけど、一番高いので五十万円台だ。 てか、店の奥には、一〇〇万代の宝石が眠っているのだろう。 んで、一番安いのが一万円台である。

 周りを、木綿季と回っていたら、シルバーの指輪が目に入った。 値段も、約一万円と手が伸びる範囲である。 ちなみに、親に木綿季と出かけて来る旨を伝えたら、五万円程貰ったのだ。 何でも、この金で楽しんで来い。という事らしい。

 

「ん、これにしよっか」

 

「値段も手頃だしな」

 

 指輪が決まった所で、俺は「すいません」と言って近場の店員を呼び、シルバーリングを欲しい旨を伝える。 店員さんの話によると、指輪の裏側にイニシャルを刻む事が可能だそうだ。なので、『K、K』『Y、K』と彫り込んでもらう事にした。

 俺たちが椅子に座り雑談していた時、店員さんがジュエリートレイに指輪を乗せ、此方にやって来た。 どうやら、イニシャルの彫り込みが完了したらしい。

 

「では、こちらで宜しいでしょうか?」

 

 俺たちは指輪を手に持ち、

 

「はい、これで大丈夫です」

 

「俺も大丈夫です」

 

 俺はこの後に追加注文として、銀色の細いチェーンに指輪を通してもらう事にした。 これから、SAO帰還者の学校が始まるのに、左手薬指に指輪を嵌めていくのはマズイ。 なので、首から下げるネックレスにするって事である。 首から下げて隠せば、バレる心配はないだろう。……まあ、親友たちには隠し事は不可能だと思うけど……。

 俺たちは会計窓口まで移動し、

 

「シルバーリング二点で、二万円ちょうどです」

 

 店員さんにそう言われ、俺は左ポケットから長財布を取り出し、その中から二万円を取り出し、それを店員さんに渡す。

 

「それでは、ちょうど頂きます」

 

 そして、金と交換するように指輪が入った小箱を受け取り、店員さんの「またのご来店をお待ちしています」という声を背に店を出た。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「わぁ、綺麗だね」

 

 木綿季は右手で、ネックレス状になった指輪を小箱の中から取り出した。

 んでまぁ、木綿季がつけて欲しいという事だったので、俺は木綿季の首にネックレスを掛けた。 まあ、俺も木綿季にやってもらった。 てか、周りの人が徐々に離れて行ったんだけど何で?

 

「ボク、一生大切にするね」

 

「俺も一生大切にするよ」

 

 俺は、指輪を触りながらそう言った。

 木綿季は、子猫を連想させる笑みを浮かべながら、

 

「でもでも、いつか本物が欲しいな」

 

「お、おう。 本物はもう少し待ってくれ。 必ず用意するから」

 

「期待してますっ!」

 

 木綿季さん。 抱き着いたら俺の理性がガリガリ削れていくんですが……。 てか、木綿季のこれ、小さい時からの癖なんだよなぁ……。

 この後は、小腹が空いたという事で、一階にあるパフェ店へ向かった。 此処は、このデパートでは、結構話題になってる店らしい。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 一階にあるパフェ店に入った俺たちは、看板メニューからクレープを選んでいた。……それにしてもこの店、カップルの割合多くないか。

 これはあれだな。 俗にいうリア充ってやつだ。

 

「……うん、爆発しろ」

 

「……和人。 今の発言で、世の男の子の大半を敵に回したよ……」

 

「いや、何でだよ。 てか、この店リア充だらけだし、爆発しろ。でいいだろ」

 

 木綿季は、「……もう、ブーメラン発言だよ」と言って、肩を落としていたが。 てか、俺って間違った発言をしたのか? んでまぁ、俺たちが注文したクレープは『ミルクチョコレートパフェ』と『ミルクイチゴパフェ』を注文し、向かい合わせになるように窓際の席に着いた。

 ちなみに、俺がチョコで、木綿季はイチゴだ。

 

「和人。 ボク、チョコ食べてみたいな」

 

「いいぞ」

 

 俺がパフェを、木綿季も目の前に移動させようとしたが――、

 

「むぅ。 食べさせてくれないの?」

 

 木綿季さん、頬を膨らませないで。 こいつは表情がコロコロ変わるよな。 可愛いけどさ。

 俺は息を吐いてから、右手で持っていたスプーンでチョコパフェを掬い、

 

「ほれ。 あーん」

 

「ん、あーん」

 

 パフェが乗ったスプーンを口許へ持っていくと、パクリと食べた。

 表情を見るからに、お気に召したようだ。

 

「うん、美味しい。 和人もイチゴ食べる?」

 

「うーん……うん、頂くよ」

 

 俺は一瞬迷ったが、木綿季の申し出を受ける事にした。

 木綿季は、スプーンでパフェ掬い、俺の口許へ持ってくる。

 

「はい、あーん」

 

「おう、あーん」

 

 パクリと食べると、イチゴパフェが口の中で蕩けた。 うん、旨いな。

 ともあれ、このように食べさせ合いをしながら、お互いのパフェを完食した。

 それから、会計をして店を後にした。 もちろん、金は俺が出したぞ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 店を出て、休憩所にあるベンチで一休み。

 

「何か、家族連れが多いよな」

 

 そう、先程から多いのだ。

 そんな俺の疑問に、木綿季が応えてくれる。

 

「今日が日曜日だからじゃないかな?」

 

 俺は、なるほど。と頷いた。

 そんな時だった。近場から子供の、「うわああぁぁん!」と泣き声が聞こえた。 何事だ?と思い、俺たちの目線の先には男の子が迷子になっているのが映る。

 俺たちは、その子の元まで歩み寄る。

 

「どうしたの?お母さんとお父さんは?」

 

 木綿季が、そう聞くと子供は頷いた。どうやら迷子らしい。

 ともあれ、俺が名前を聞く。

 

「名前、教えてくれるか?」

 

「う、うん。 大川龍哉(おおかわ たつや)

 

 子供の名前は龍哉と言うらしい。 なんつーか、最近の子供の名前ってカッコよくないか?

 

「龍哉か、良い名前だ。 俺の名前は桐ケ谷和人」

 

「ボクは、紺野木綿季」

 

「……和人兄ちゃんと、木綿季姉ちゃん。でいいのかな?」

 

 お、おう。 俺が兄ちゃんと呼ばれる日が来るとは……。 てか、木綿季はお姉ちゃんって言われて、もの凄く嬉しそうだ。 まあ、木綿季はずっと妹だった事もあると思うけどさ。

 ともあれ、まずは迷子センターに行き、事情を説明してから探索?開始である。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「木綿季姉ちゃん! あれ見てあれ!」

 

「大きい恐竜のプラモデルだね!」

 

 今、俺たちは龍哉の希望でおもちゃ屋に居る。 いやいや、両親探しはどうしたのよ? ただ、俺たちは遊んでるだけじゃん。

 

「和人兄ちゃん。 このケースの中に入ってる鉄砲って何なの?」

 

 そう言って、龍哉はショーケースを指差す。

 

「これはエアガンだな」

 

「エアガン?」

 

「そう、エアガン。 隣にあるBB弾を、空気で飛ばす鉄砲みたいもんだ。 龍哉は、まだ危ないから使ったらいけないぞ」

 

 龍哉は、再びエアガンに目を落とす。

 

「そっか、わかった。 和人兄ちゃんの言う通りにする」

 

「ん、それでいい。 ちゃんと年齢が達したら買っていいからな。 でも、危ない事は禁止な」

 

 その時、龍哉は大好きである物を見つけた。

 一直線に向かった先には、某ガンダムのプラモデルの箱だ。 ちなみに、HG1/144サイズである。

 

「兄ちゃん兄ちゃん! これ欲しい!」

 

「ん、それ欲しいのか?」

 

「うん!」

 

 金銭的余裕はあるんだが、木綿季の許可がないと。

 ともあれ、隣に居る木綿季に聞いてみよう。

 

「どうすっか?」

 

「うーん、いいんじゃないかな。 龍哉君の親御さんもこれ位なら許してくれるよ」

 

「そだな。 んじゃ、OKという事で」

 

 俺が、龍哉に「買うから持って来い」って言うと――、

 

「兄ちゃんは、対するガンプラね!」

 

 ……まああれだ。 俺も買う事が決定してるらしい。 そして龍哉は、俺の分まで持って来てくれた。 ま、帰ったら早速作る事にしますか。

 その二つを会計し、買い物袋に入れられたそれを俺と龍哉で持っていたら、『迷子の大川龍哉さん。 只今、迷子センターで親御さんが待っていますので、至急お越しください。 繰り返します――』というアナウンスが店内に流れたのだ。

 という事なので、俺たちは龍哉を連れて迷子センターへ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「桐ケ谷さん、紺野さん。 本当にありがとうございます!」

 

「龍哉を遊んで下さり、本当にありがとうございました」

 

 そう言った、大川両親に頭を下げられ、

 

「あ、頭を上げて下さい」

 

「ぼ、ボクたちは、龍哉君と遊んでただけなんですから」

 

 俺と木綿季がそう言うと、大川両親は頭を上げてくれた。

 

「それに、この子の為にプラモデルを買って戴いて……」

 

「今、お金を払います。 商品の倍の値段で構わないでしょうか?」

 

「ちょ、お金いいですって。 俺たちが好きでやった事なんで」

 

「た、大切に使ってくれれば問題ないですし」

 

 俺たちがそう言うと、渋々引き下がってくれた。 一学生にはちょっと……。て感じでしたし。

 ともあれ、無事に両親も見つかって一安心だ。

 

「本当にありがとうございました」

 

「このお礼は一生忘れません」

 

 ……いや、大川両親さん。 言い過ぎですよ、それ。

 すると、父親に手を引かれた龍哉が、

 

「和人お兄ちゃん、木綿季お姉ちゃん。 お母さんとお父さんを見つけてくれてありがとう」

 

「気にすんな。 次回からは迷子にならないように気を付けるんだぞ」

 

「今度からは、一人で行動しちゃダメだからね」

 

「うん!」

 

 龍哉は元気良く頷いた。 ともあれ、この件は一件落着である。

 それから、大川両親に別れの挨拶を告げ、俺たちはデパートを後にした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 夕焼け空の下、俺は木綿季と共に歩道を歩いていた。

 

「今日は楽しかったね」

 

「そうだな。 まあ、迷子は予想外だったけど」

 

「でも、良い経験になったよね。 子供ができたらあんな感じなのかな?」

 

「うーん、どうだろうな。 てか、そこまで将来設計が完成してんのか」

 

 まあ、さっきも思ったけど。 でもまあ、近い未来になりそうな気もする。 木綿季も「もちろん!」と頷き、俺も苦笑しながら「そうなるように頑張るよ」と言って頷いた。

 そして、今日という日は、俺たちの思い出の一ページに刻まれたのだった――。




某ガンダムは、ストフリとディスティニーですね。
てか、和人君。リア充発言は完全にブーメランだよ……。

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