ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

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約二週間ぶりの投稿です(^_^;)


第37話≪骸骨の狩り手≫

 第五十五層 血盟騎士団ギルド本部

 

「偵察隊が、全滅したのか――!?」

 

 二週間ぶりに全線に復帰した俺たちを待っていたのは、衝撃的な知らせだった。

 ギルド本部の塔の最上階、幹部会議で使われている硝子張りの会議室がある。 半円形の大きな机の中央にはヒースクリフのローブ姿があり、左右にはギルドの幹部連が着席している。

 ヒースクリフは両手を組み合わせ、眉間に深い谷を刻んでゆっくり頷いた。

 

「昨日のことだ。 七十五層迷宮区のマッピング自体は、時間が掛かったが何とか犠牲者を出さず終了した。 だがボス戦はかなりの苦戦が予想された……」

 

 それは俺も考えていた。

 何故なら、今まで攻略してきたフロアの内、二十五層と五十層のボスモンスターは抜きん出た巨体と戦闘力を誇り、攻略に於いて多大な犠牲を出したからだ。

 

「……そこで、我々は五ギルド合同パーティー二十人を偵察隊として送り込んだ。 偵察は慎重を期して行われた。 十人が後衛としてボス部屋入口で待機し……最初の十人が部屋の中央に到着して、ボスが出現した瞬間、入り口の扉が閉じてしまったのだ。 ここから先は後衛の十人の報告になる。 扉は五分以上開かなかった。 鍵開けスキルや直接の打撃等、何をしても無駄だったらしい。 ようやく扉が開いた時――」

 

 ヒースクリフの口許が固く引き結ばれた。 一瞬目を閉じ、言葉を続ける。

 

「部屋の中には、何も無かったそうだ。 十人の姿も、ボスも消えていた。 転移脱出した形跡も無かった。 彼らは帰ってこなかった……。 念の為、はじまりの街最大の施設《黒鉄宮》まで、血盟騎士団メンバーの一人に彼らの名簿を確認しに行かせたが……」

 

 その先は言葉に出さず、首を左右に振った。

 

「……十……人も……」

 

 ユウキは絞り出すように呟いた。

 そして俺は、合点がいったように頷いた。

 

「結晶無効化空間か……?」

 

 俺の問いにヒースクリフは小さく首肯した。

 

「そうとしか考えられない。 アスナ君たちの報告では七十四層もそうだったということから、おそらく今後全てのボス部屋が結晶無効化空間と思っていいだろう」

 

 脱出不可能となれば、思わぬアクシデントで死亡する者が出る可能性が飛躍的に高まる。 だが、ボスを倒さなければクリアも有り得ない。

 

「いよいよ本格的なデスゲームになってきたか……」

 

「だからと言って攻略を諦めることはできない」

 

 ヒースクリフは目を閉じると、囁くような、だがきっぱりとした声で言った。

 

「結晶による脱出が不可能な上に、今回はボス出現と同時に背後の退路も断たれてしまう構造らしい。 ならば統制の取れる範囲で可能な限り大部隊をもって当たるしかない。 休暇中の君たちを召喚するのは本意ではなかったが、了解してくれ給え」

 

 俺は肩を竦めて答えた。

 

「協力はさせて貰いますよ。 だが、俺にとってはユウキの安全が最優先です。 もし危険な状況になったら、パーティー全体よりも彼女を守ります」

 

 ヒースクリフは微かな笑み浮かべた。

 

「アスナ君たちもそう言ってたよ。 そうなった場合、お互いと守るとね。――何かを守ろうとする人間は強いものだ。 君たち勇戦を期待するよ。 攻略開始は三時間後。 予定人数は、君たちを入れて三十五人。 七十五層コリニア転移門前に午後一時集合だ。 では解散」

 

 それだけ言うと、ヒースクリフとその配下の男たちは一斉に立ち上がり、部屋を出て行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「あ、キリト君もちゃんと来たのね」

 

「団長からの、直接の招集ですからね。 流石に、寝てる訳にはいきませんし」

 

「うーん、でもね。 グランザムに来る途中では、行きたくない。って呟いてたよ」

 

 アスナに続き、ラン、ユウキだ。 てか、俺ってこんなに評価が低かったのね……。ちょっぴり、ショックだ。

 今俺たちが居る場所は、血盟騎士団本部の一室だ。 そこで、アスナとランは鋼鉄(こうてつ)の長机に腰掛け、俺とユウキは部屋に入った所である。 それから、俺たちも長机に腰を掛ける。

 

「クォーター・ポイントのボスだしな。 来ない訳には行かないだろ。……おそらく、激戦が予想されるしな」

 

「……ボス部屋に入ったら最後、ボスを倒すまで脱出できないんだもんね」

 

「……こんな事言ったら不謹慎ですが、犠牲者をゼロにするのは――」

 

 確かに、ランの言う通り犠牲者をゼロで攻略。というのは、かなり難しいかもしれない。

 結晶無効化空間の上、ボスを消滅させるまで出口まで退避する事もできないのだ。

 

「……でも、団長の言う通り、攻略を諦める訳にはいかないもんね」

 

 アスナの言う通りである。SAOから脱出する為には、攻略は不可欠だ。

 そして、攻略組トッププレイヤーと呼ばれているのは、ヒースクリフを合わせて俺たち四人。 この五人がボス戦に参加しなければ、SAOのクリアは有り得ない。

 

「……それに、ボクたちには時間が残されてないのかもしれないよ」

 

「……俺たちの体の衰弱か……」

 

 現実世界での俺たちの体は、病院のベットの上で様々なコードに繋がれ、どうにか生かされている状況であるなら、何年も無事に続くとは思えない。

 そう、俺たちには時間が残されてないのかもしれない。――SAOでも、現実世界でも。

 

「……それでも、私たちは望みを捨てたくありません」

 

「生き延びて、四人一緒に現実世界で会うって約束したでしょ。 私たちを引っ張る君たちが弱気になってどうするのよ」

 

「「……ごめん」」

 

 アスナの言う通りである。攻略組最強と呼ばれている俺たちが弱気になってしまえば、全体の指揮が落ちるのは目に見えている。

 だが、アスナとランの瞳が慈愛に満ちた。

 

「でも、今だけはただの女の子と男の子なっても構いませんよ」

 

「そうですね。 この場には私たちしか居ませんし」

 

 この言葉を皮切りに、俺たちの口からは、弱みや不安事が漏出していく。

 これを聞いた、アスナとランは『大丈夫、私たちがついてますから』と言って、俺たちを優しく包んでくれた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 七十五層の主街区コリニアの転移門前には、一見してハイレベルと判るプレイヤーたちが集結していた。

 俺たち四人が転移門から出て歩み寄って行くと、皆ぴたりと口を閉ざし緊張した表情で目礼を送ってきた。中にはギルド式の敬礼をしている連中まで居る。

 それもそのはずだ。 俺とユウキはユニークスキルホルダーであり、アスナとランは剣を極めし者なのだから。

 取り敢えず、途中で立ち止まり、俺たちはペコリ頭を下げる。

 

「よう!」

 

 肩を叩かれて振り返ると、刀使いのクラインの姿があった。 その横には、両手斧で武装したエギルの姿もある。

 

「なんだ……お前らも参加するのか」

 

「なんだってことはないだろう! 今回はえらい苦戦しそうだって言うから、商売を投げ出して加勢に来たんじゃねぇか。 この無理無欲の精神を理解できないとはなぁ……」

 

 憤慨したように野太い声を出して主張しているエギルの右腕を、俺はポンと叩き、

 

「無欲の精神はよーく解った。 じゃあお前は、戦利品の分配から除外していいのな」

 

 そう言ってやると、途端に頭に手をやり、眉を八の字に寄せた。

 

「いや、そ、それはだなぁ……」

 

 情けなく口籠るその語尾に、俺、ユウキ、ラン、アスナ、クラインの朗らかな笑い声が重なった。 笑いは集まったプレイヤーたちにも伝染し、皆の緊張が徐々に解れていくようだった。

 そして午後一時になり、転移門から新たな人影が数人出現した。

 真紅の長衣に十字盾を携えたヒースクリフと、血盟騎士団の精鋭たちである。 彼らを目にすると、プレイヤーたちの間に再び緊張が走った。

 ヒースクリフは、プレイヤーの集団を二つに割りながら、真っ直ぐに俺たち四人の元に歩いて来た。 威圧されたようにクラインとエギルが数歩下がる中、俺たち四人は涼しい顔でそれを受け流す。

 立ち止まったヒースクリフは、俺たち四人を見て軽く頷きかけると、集団に向き直って言葉を発した。

 

「欠員はないようだな。 よく集まってくれた。 状況はすでに知っていると思う。 厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている。――解放の日のために!」

 

 ヒースクリフの力強い叫びに、プレイヤーたちは一斉に声を上げた。 ヒースクリフは俺たちに、微かな笑みを浮かべ言った。

 

「頼りにしているよ。 君たち四人の力を」

 

 俺たちが無言で頷くと、ヒースクリフは再び集団を振り返り、軽く片手を上げた。

 

「では、出発しよう。 目標のボスモンスタールーム直前の場所までコリドーを開く」

 

 ヒースクリフは、腰のポーチから濃紺色の結晶を取り出すと、結晶を握った右手を掲げると『コリドー・オープン』と発声する。 クリスタルは砕け散り、ヒースクリフの前に青く揺らめく光の渦が出現した。

 

「では皆、ついてきてくれたまえ」

 

 俺たちをぐるりと見回すと、ヒースクリフは紅衣の裾を翻し、青い光の中に足を踏み入れる。 その姿は瞬時に眩い閃光に包まれ、消滅する。 間を置かず、KoBメンバー、攻略組プレイヤー、俺たちと続く。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 軽い眩暈にも似た転移感覚の後、目の前は既に迷宮区だった。 広い回廊だ。 壁際には太い柱が列をなし、その先には巨大な扉が見て取れる。

 七十五層迷宮区は、僅かに透明感のある黒曜石のような素材で組み上げられていた。 荒削りだった下層の迷宮区とは違い、鏡のように磨き上げられた黒い石が直線的に敷き詰められている。 空気は冷たく湿り、薄い(もや)がゆっくりと床の上を棚引いている。

 

「……なんか……嫌な感じだね……」

 

「……今までのボスとは、何かが違う感じがするわ」

 

「……先程の予想が当たりそうで、嫌な気分です」

 

「……ああ、そうだな」

 

 ユウキたちの言葉に、俺も肯定する。

 今日に至るまで、俺たちは七十四層にも及ぶ迷宮区を攻略し、ボスモンスターを倒した来たが、それだけ経験を積むと、ボスの棲家を見ただけで主な力量が何となく解るのだ。

 周囲では、三十人のプレイヤーたちが固まってメニューウインドウを開き、装備やアイテムを確認しているが、彼らの表情も硬い。

 俺たち四人は一本の柱の陰に寄ると、

 

「――――約束しよう。 絶対生き残るって」

 

「――――うん、約束だよ」

 

「――――はい、約束です」

 

「――――私も約束する」

 

 俺、ユウキ、ラン、アスナの順で言い、右腕を突き出し掌を重ねる。 正に、円陣を組む時のようだ。 そして、掌を下げた後、俺たちも最終確認をして皆の場所へ戻った。

 十字盾をオブジェクト化させたヒースクリフが鎧を鳴らし、口を開く。

 

「皆、準備はいいかな。 今回、ボスの攻撃パターンに関しては情報が無い。 基本的にはKoBが前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限りパターンを身切り、柔軟に反撃をして欲しい」

 

 攻略組の全員は無言で頷く。

 

「では――行こうか」

 

 ヒースクリフが黒曜石の大扉に歩み寄り、中央に右手を掛け、全員に緊張が走る。

 俺は、並んで立っているエギルとクラインの肩を背後から叩き、振り向いた二人に向かって声を掛けた。

 

「死ぬなよ」

 

「へっ、お前こそ」

 

「今日の戦利品で一儲けするまでは、くたばる気はないぜ」

 

 エギルとクラインとが言い返した直後、大扉がゆっくり動き出した。 プレイヤーたちは一斉に抜剣する。

 俺も背から《エリュシデータ》、《ダークリパルサー》を引き抜いた。その隣では、ユウキたちも抜剣し、剣を構える。 そして、俺たち四人は視線を送り、頷きかける。

 最後に、十字盾の裏側から長剣を音高く引き抜いたヒースクリフが、右手を高く掲げ叫んだ。

 

「――戦闘、開始!」

 

 完全に開ききった扉の中へ走り出し、全員が続く。

 内部は、かなり広いドーム状の部屋だった。 全員が部屋に走り込み、陣形を作って立ち止まった直後――背後で轟音を立てて大扉が閉まった。

 最早開けることは不可能だ。 ボスが死ぬか、俺たちが全滅するまでは。

 数秒の沈黙が続き、広い周囲に注意を払うがボスは出現しない。 限界まで張り詰めた神経を焦らすように、一秒、また一秒と時間が経過していく。

 

「おい――」

 

 誰かが、長い沈黙に耐え切れず声を上げた、その時――、

 

「上よ!」

 

 隣で、アスナが叫んだ。その声とほぼ同時に、全員頭上を見上げる。

 それは、ドームの天頂部に貼りついていた。 巨大で途轍もなく大きく長い。 例えるなら、あれは――百足だ。

 見た瞬間そう思った。 全長は十メートル程、複数の体節に区切られたその体は、虫というより人間に近い背骨のようだ。 灰白色の円筒形をした体節一つ一つからは、骨剝き出しの鋭い脚が伸び、その体を追って視線を動かしていくと、徐々に太くなる先端に凶悪な形をした頭蓋骨があった。 流線型に歪んだその骨には二対四つの鋭く吊りあがった眼窩(がんか)がある。 大きく前方に突き出した顎の骨には鋭い牙が並び、頭骨の両脇からは鎌状に尖った巨大な骨の腕が突き出している。

 視線を集中させると、イエローのカーソルと共に、モンスターの名前が表示される。《The Skullreaper》――骸骨の狩り手。

 こいつは、無数の脚を蠢かせながら、不意に全ての足を大きく広げ――俺たちの真上に落下してきた。

 

「固まるな! 距離を取れ!」

 

 ヒースクリフが鋭い叫び声を上げ、凍り付いた空気を切り裂いた。 我に返ったように全員が動き、俺たちも落下予測地点から慌てて跳び退く。

 だが、落ちてくる骸骨の狩り手のちょうど真下にいた三人の動きが、僅かに遅れた。 どちらに移動していいのかと迷うように、足を止めて上を見上げている。

 

「こっちだ!」

 

 俺が慌てて叫ぶと、呪縛の解けた三人が走り出す――。

 だが、その背後に、骸骨の狩り手が地響きを立てて落下して瞬間、床全体が大きく震えた。足場を取られた三人がたたらを踏む。

 そして、三人に向かって巨大な大鎌が横薙ぎに振り下ろされた。 三人が背後から同時に切り飛ばされ、宙を吹き飛ぶ間にも、HPバーが猛烈な勢いで減少していく――黄色の注意域から、赤の危険域と――そして、あっけなくゼロになった。

 空中にあった三人の体が、立て続けに無数の結晶を撒き散らしながら破砕(はさい)し、消滅音が重なって響く。

 

「……一撃で……死亡……だと」

 

 俺は絞り出すように呟いた。

 SAOでは数値的なレベルさえ高ければそれだけで死ににくくなる。 特に、今日のパーティーは高レベルプレイヤーだけが集まっている為、例えボスの攻撃といえど、数発の連撃技なら持ちこたえられる――はずだったのだ。 それが、たった一撃で――。

 

「こんなの……無茶苦茶だわ……」

 

 掠れた声でアスナが呟く。

 一瞬にして三人の命を奪った骸骨の狩り手は、上体を高く持ち上げて雄叫びを上げると、猛烈な勢いで新たなプレイヤーの一団目掛けて突進した。

 

「わぁああ――!!」

 

 その方向にいたプレイヤーたちが恐怖で悲鳴を上げ、再び大鎌が高く振り上げられる。 その真下に飛び込んだ人影があった。 ヒースクリフだ。 ヒースクリフは巨大な盾を掲げ、大鎌を迎撃し、凄まじい衝撃音。 火花が飛び散る。

 ――だが、鎌は二本あった。 左側の腕でヒースクリフを攻撃しつつも、右の鎌を振り上げ、凍りついたプレイヤーの一団に突き立てようとする。

 

「くそっ……!」

 

 俺は飛び出していた。 瞬時に距離を詰め、大鎌の落下地点に移動し、左右の剣を交差させ大鎌を受け止め、凄まじい衝撃。 だが――大鎌は止まらない。

 火花を散らしながら剣を押しのけ、大鎌が迫ってくる。

 

 ――重すぎる。

 

 その時、新たな剣が空気を切り裂き、下から大鎌に命中した。 勢いが緩んだその隙に、俺は全身の力を振り絞って大鎌を押し返す。

 真横にはユウキが立ち、俺を見て言った。

 

「二人同時に受ければ――いけるよ! ボクとキリトならできるよ!」

 

「ああ、頼む!」

 

 俺は頷いた。

 横薙ぎに繰り出されてきた大鎌に向かって、俺とユウキは同時に右斜め斬り降ろし攻撃を放ち、完璧にシンクロした三本の剣が、光の帯を引いて鎌に命中する。 今度は、敵の大鎌を弾き返した。 俺は声を振り絞って叫んだ。

 

「鎌は俺たちが食い止める! 皆は側面から攻撃してくれ!」

 

「姉ちゃん! アスナ!」

 

「「了解!」」

 

 これだけで何が言いたいか伝わるとは、流石俺たちって所だ。

 その声に、全員の呪縛が解けたようだった。

 俺たちは雄叫びを上げ、武器を構えてスカルリーパーの体に向かって突撃する。 ようやく数発の攻撃が敵の体に食い込み、ようやく初めてボスのHPバーが僅かに減少した。

 だが、直後、複数の悲鳴が上がった。 大鎌を迎撃する隙を縫って視線を向けると、スカルリーパーの尾の先についた長い槍状の骨に数人が薙ぎ払われ、倒れるが見えた。

 

「くっ……」

 

 歯嚙みをするが、俺とユウキにも、少し離れて左の大鎌を捌いているヒースクリフにも、これ以上の余裕は無い。

 

「キリトっ……!」

 

 ユウキの声に、ちらりと視線を向ける。

 

『――向こうに気を取られると、ボクたちやられちゃうよ!』

 

『――……ああ、わかった!――左斬り上げで受ける!』

 

『――了解!』

 

 俺とユウキは瞳を見交わすだけで意思を疎通し、完璧に同期した動きで大鎌を弾き返した。 まるで思考がダイレクトに接続されたような一体感。 息もつかせぬペースで繰り出される敵の攻撃を、瞬時に同じ技で反応し、受け止める。

 時折、繰り出される強攻撃を受ける余波で、僅かにHPが減少していくが、俺たちはそれすらもすでに意識していなかった。

 戦いは一時間以上の激戦の果てに、決着がついた――。




キリト君たち、仲良いですねぇ。羨ましいです(^O^)

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