ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
ええ、ホント申し訳ない。
ひ、久しぶりのSAOリメイク投稿だから、かなり不安です……。
で、でも、頑張って書きました。
追記。
現実の名前が出てきますが、それはわざとなのでご了承ください<m(__)m>
ボクとアスナと姉ちゃんはテーブルの椅子に座り、アスナのホームで今回の事を話し合っていた。
それは、――キリトの事だ。
「……ボクたち、またキリトに助けられたね……」
あの時、キリトが覚悟を決めて斬り込まなかったら、討伐隊は死を覚悟で狂気した
ボクたちも、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たせれてたと思う。
「……キリト君の行動がなければ、あの場は血で血を洗う戦いになってたわ」
「……私たち、キリトさんに助けられてばかりですね」
アスナと姉ちゃんも、ボクと同じ事を思ってたんだ。
アスナたちが言うように、ボクたちはキリトに助けられてばかりだ。――そう。 SAO開始当初からだ。
「なら、話は簡単じゃないでしょうか。――いえ、既に決まってる事かもしれません」
姉ちゃんが何を言おうとしてるのか、ボクとアスナはすぐに分かった。
やっぱり、親友と双子の姉ちゃんだからかな?
「私たちは、キリト君の味方ですからね」
「うんうん、ボクもキリトの味方だよ。――世界に否定されてもね」
アスナが言ってから、ボクがこう言った。
といっても、キリトを探し出さない事には何も始まらないや……。 どうしよう……。
「ユウキ。 フレンド登録でキリトさんの名前はあるかしら?」
姉ちゃんが真剣な眼差しでボクに聞く。
……でも、キリトの事だし。 フレンド登録解除してるよね……。きっと。
ボクは左手を振ってからストレージを表示し、登録された名前をスクロールさせ、フレンドの中からキリトの名前を探す。
――そして、ボクは手を止めた。
「あ、あった!」
何であったんだろう? い、いや、今はそういう事は置いといて――。
ボクはフレンド追跡で、キリトが居る場所を緑色の点で表示させた。
「ユウキちゃん、キリト君がいる場所を記憶しないと」
確かにアスナの言う通り、すぐに記憶しないと。 いつ解除されるかわからないから。
そして、キリトが居る場所は、今の最前線である第74層の安全エリアだ。
この安全エリアの場所は目にした事がない。ということは、キリトは危険を顧みず、ソロで攻略してると言う事だ。
……安全マージンを取ってるとはいえ、最前線でソロは危険すぎるよ。
ボクは、勢いよく椅子から立ち上がった。
「姉ちゃん。 ボク、キリトの処に行く。 放っておけないよ」
姉ちゃんは、柔らかな笑みを浮かべた。
「そうね。 ユウキ、行って来なさい。 好きな人を迎えに」
「うん、わかった!……って、え!? なんでわかったの!?」
驚いてるボクを見て、アスナと姉ちゃんは苦笑した。
「ユウキちゃん。 キリト君と居る時、乙女の顔をしてるもの。『ホントに好きなんだなぁ』って、わかるくらいよ」
「その前に、公開告白をしたじゃないですか」
「ということは、攻略組に知れ渡るのは時間の問題ということでしょうか?」
「いえ、シュミットさんが広めなければ、バレることはないかと」
「あー、それもそうですね」
ボクは顔を真っ赤に染める。
んもー、姉ちゃんもアスナも言いたい放題言ってくれちゃって!
ボク、キリトのことが好きだもん! 愛してるもん!…………あれ、何か凄い事を言ったような……。
と、とにかく、早くキリトを迎えに行かないと。
「姉ちゃん、アスナ。 行ってくるね!」
「ええ、行ってらっしゃい」
「気をつけてね」
姉ちゃんとアスナにそう言われ、ボクは玄関を出て、第74層迷宮区へ向かった。
また、ボクが玄関を出る時、アスナと姉ちゃんが、
『キリト君、一人で抱え込みすぎよ。 私たち、そんなに頼りないんでしょうか?』
『おそらく、私たちに迷惑をかけないようにしてるんです。……私は、どんどん迷惑をかけて欲しいんですけど』
『そうですね。 私も同じくです』
『――キリトさん。 帰ってきたらお説教ですね』
『――ですが、物理は止めましょうよ』
という会話が聞こえてきた。
……キリト。 帰って来て早々大変かも……。 で、でも、これがアスナと姉ちゃんの愛情表現と考えれば。 うん、これなら大丈夫そう。
――ボクも姉ちゃんもアスナも、君の帰りを待ってるんだよ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
俺は、
つまり、死と隣り合わせの迷宮区を、ソロで攻略する事である。 だが、二刀流は使わない事に決めてる。 こんな俺が、リズが丹精込めて打ってくれた剣を使う訳にはいかないからだ。
だが、ふと考え耽ていたら、脳裏に浮かんだのは、幼馴染の顔と友人の顔だった――。
俺は頭を左右に振り、
「……ったく。 何を考えてるんだか……後、アレをやっておくか……」
俺が言うアレとは、幼馴染と友人とのフレンド解除だ。 討伐作戦後に解除しようと思ったのだが、繋がりを切る踏ん切りがつかなかったのだ。――だが、それも今日で終わりだ。
俺は左手を振ってからストレージを表示し、フレンド登録欄からユウキたちの名前を解除していく。 これでユウキたちは、俺をフレンド追跡する事も不可能だ。
立ち上がり安全地帯から出てようとした時、紫の装備を基調とした女性プレイヤーが内部に入って来た。
そう、今正しくフレンドを解除したユウキだ。
……ってことはあれか。 俺がフレンド登録を解除するのが遅すぎたから、見つかったって言う事か……。 何とも間抜けなミスである。――だがそれだけ、ユウキたちとの繋がりを切るのに躊躇いがあったのだ。
そして俺は、久しぶりに見る幼馴染の顔を見て、――嬉しくもあり、すぐにこの場から離れたいとも思った。
「……和人。 やっと見つけたよ」
俺は口籠った。 ユウキに返す言葉が見つからないのだ。
俺は数秒考え込んでから、
「……木綿季。 SAOでは、リアルネームは御法度だぞ」
ユウキは、てへへ、っと笑った。
その笑顔は眩しくて、太陽の陽だまりのようだ。
「ごめんって和人。って、ボクはどうなるのさ。 木綿季もユウキも同じだよ」
「……本名をアバターネームにするのが悪いぞ」
「うーん、そうなんだけど。 てか、ボクは、MMORPGのこと全然わかってなかったからね」
そう言って、ユウキは首を傾げた。
『何で教えてくれなかったのさ』、と言いたい表情だ。 いや、小さい頃に教えた記憶があるんだが……。
「まあいいや。 一緒に帰ろう、和人」
俺は顔を俯けた。
「……いや、俺は帰れない。――俺は殺人者だ。 そんな奴が、お前たちと一緒に居ていいはずがないんだ」
ユウキは、バカなんだから。と言って俺の両手を包み込んだ。 それはとても温かく、ユウキの体温が感じられるようだった。
仮想世界でも、今この瞬間はその垣根を取り払ったみたいに――。
「ボクとアスナ、姉ちゃんは、一生君の味方だよ。――世界が君を否定しても、ボクたちは味方であり続けるよ」
ユウキは、それにね。と言葉を続ける。
「あの時、和人が斬り込まなかったら、討伐部隊はほぼ全滅。 あの場も、血の海になってたんだよね」
俺は顔を上げ、声を震わせる。
「……そうだな。 でも、俺は人を――」
俺の言葉が途切れたのは、ユウキが優しく抱きしめたからだ。
そんな俺は、動揺が隠せない。
「もう、意地っ張りなんだからっ。 ボクたちは決めたんだよ。 和人の背中を支えようって。――レンさんとの約束でもあるしね。 ただ、支えてくれる人が増えるだけだよ」
ユウキは俺から離れて、ニッコリと笑った。
「だから、皆の所に帰ろう」
俺はユウキが差し出した右手を、恐る恐る手を伸ばし握り返した。
ユウキは、ん、よし!と言って、優しく握り返してくれる。……幼馴染なのに、今のユウキは、俺の姉ちゃんに見えるよ……。
「……わかった。 これからも隣に居てくれ」
「これからもずっと一緒。 絶対に破らないって約束して」
「……ああ、約束だ」
そして、俺とユウキは安全地帯を出て、ホームへ帰る為、迷宮区に足を踏み入れた。
その帰り道では、迷宮区に人が居ない事もあって、二刀流と黒麟剣のユニークスキルを解禁。 上位、最上位剣技で、Mobを紙切れのように蹴散らしていった。
そう、俺たちはSAOの世界で、
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
今、俺は第61層《セルムブルグ》にあるアスナのホームのリビングで正座をしていた。
俺の前に立っているのは、ちょこっと?怒ってるアスナとラン。 隣で、俺を見守るようにユウキが立っている。 ちなみに、俺たち全員は武装を解除してる。
あの時、第50層のホームに帰ろうとしたのだが、ユウキに連行されたのだ。 何でも、『アスナと姉ちゃんに顔を見せないと』という事だったのだが。
「(……いや、これって顔を見せるだけで終わらないでしょ。……つか、無言の二人が怖いです……)」
「キリト君。 まず最初に、お帰りなさい」
「ええ。 ホント心配したんですからね」
俺は、ユウキたちにこんなにも心配をけかてたのか……。 かなり申し訳ない気持ちに襲われる。
また、こんな俺に繋がりをくれた彼女たちに、かなりの感謝の気持ちもある。――だが、再びこれを言わなければならないと思った。
「……アスナ、ラン。 俺は――」
一呼吸置き、アスナとランが話し始める。
「仕方がなかった。で片付けちゃうのはダメなのかもしれないけど。 あの場はキリト君の判断が正しかった。 私たち攻略組がこうしていられるのも、キリト君のお陰なんだよ」
「それに、キリトさんの十字架は、私たちも背負います。 分け与えるという言い方は変かもしれませんが、私たちはキリトさんの背負うものを軽くしてあげたいんです」
「キリト君は、私とランさんをもっと頼ってね。 たくさん迷惑をかけていいんだから。 だって、私たちは友達でしょ」
俺の目元に涙の滴が溜まっていく。 堪える力を弱めると、大粒の涙が流れ落ちそうだ。
だが、ランさんや。 罪を背負うのは俺だけで十分だ。 俺が墓場まで、この十字架を背負って行く。
「……今まで心配させてすまなかった……。 これからは、皆を頼るようにする」
「ホントのホントね? 今度一人で抱え込もうとしたら、ランさんと私の物理が落ちるからね」
「ゲンコツでは済みませんからね、キリトさん」
アスナとランにそう言われ、俺はコクコクと頷く事しかできなかった。
そして、その声音はとても優しい。
「よし! この件は、一件落着だね。 今後もキリトは、ボクと行動を共にすること。――離れ離れは許しません」
俺は苦笑してしまった。
後半のユウキの口調は、ランに似せたからだ。
「ああ、あの時約束したからな。 てか、お前がお姉さん口調とか、やっぱ似合わないな」
「な!? それはボクが子供っぽいっていうこと」
「……いや、俺らまだ中学生で子供だろ……」
だが、これに異を唱えたのはアスナだ。
ちなみに、既に周囲の警戒は済んでいるので、この会話を聞かれる事はない。
「私は、ピチピチの
「……アスナ。 それ、リアル情報だぞ。 てか、そこは張り合わなくても……」
仮想世界では、
アスナは左手人差し指を唇に当てて、
「うーん、ユウキちゃんたちにならいいかなって。 それにほら、現実世界で会う時に便利でしょ」
はいはい!と言い、右手を挙げたのはユウキだ。
「じゃあ、ボクの本名からだね。 ボクの名前は、紺野木綿季っていうんだ」
「私は結城明日奈。 改めてよろしくね、木綿季ちゃん」
アスナも、本名がアバターネームだったとは。
……てか、何でリアル情報を普通に言ってるんだよ……。 いや、俺もさっき言ってしまったような気もするけどさ……。
「私は、紺野藍子です。 木綿季とは双子の姉ですね」
「……俺の本名は、桐ケ谷和人だ」
アスナは頷き、
「キリト君は本名をもじっただけんだ。……何か、安直のような気がする」
「な!? アスナは、本名がアバターネームじゃないか!」
「わ、私はいいのよ! MMOが初めてだったんだから」
俺とアスナの仲裁に入ったのは、ランだ。
ちなみにランは、漢字の《藍》の読みを変えただけだ。
「まあまあ。 二人とも落ち着いてください」
「「……はい。ごめんなさい」」
俺とアスナはしゅんとした。
――そして俺は、この空間が大好きなんだと実感させられた。 それからユウキが、ぷっ!と噴き出し笑いをし、俺たちは笑い合ったのだった――。
なんつーか、ご都合主義満載だね……。てか、ユウキちゃん。キリト君の処まで、無双したんですね(笑)
やっぱ久しぶりの投稿は、文章が……。的な感じになってしまう。
そして、キリト君立ち直るの早いっ!まあ、かなり無理もしてたんですけどね。
ちなみに、あの後にキリト君はお説教を受けました(笑)
てか、青い悪魔も、簡単に倒せそう……。
ではでは、次回もよろしく!!