ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

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まず初めに……。すんませんでした――――っっッッ!(ジャンピング土下座)m(__)m
ええ、ホント申し訳ない。

ひ、久しぶりのSAOリメイク投稿だから、かなり不安です……。
で、でも、頑張って書きました。

追記。

現実の名前が出てきますが、それはわざとなのでご了承ください<m(__)m>


第25話≪皆の笑顔≫

 笑う棺桶(ラフィン・コフィン)討伐作戦を終え、数週間が経過した。

 ボクとアスナと姉ちゃんはテーブルの椅子に座り、アスナのホームで今回の事を話し合っていた。

 それは、――キリトの事だ。

 

「……ボクたち、またキリトに助けられたね……」

 

 あの時、キリトが覚悟を決めて斬り込まなかったら、討伐隊は死を覚悟で狂気した笑う棺桶(ラフィン・コフィン)メンバーたちに殺されていただろう。

 ボクたちも、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たせれてたと思う。

 

「……キリト君の行動がなければ、あの場は血で血を洗う戦いになってたわ」

 

「……私たち、キリトさんに助けられてばかりですね」

 

 アスナと姉ちゃんも、ボクと同じ事を思ってたんだ。

 アスナたちが言うように、ボクたちはキリトに助けられてばかりだ。――そう。 SAO開始当初からだ。

 

「なら、話は簡単じゃないでしょうか。――いえ、既に決まってる事かもしれません」

 

 姉ちゃんが何を言おうとしてるのか、ボクとアスナはすぐに分かった。

 やっぱり、親友と双子の姉ちゃんだからかな?

 

「私たちは、キリト君の味方ですからね」

 

「うんうん、ボクもキリトの味方だよ。――世界に否定されてもね」

 

 アスナが言ってから、ボクがこう言った。

 といっても、キリトを探し出さない事には何も始まらないや……。 どうしよう……。

 

「ユウキ。 フレンド登録でキリトさんの名前はあるかしら?」

 

 姉ちゃんが真剣な眼差しでボクに聞く。

 ……でも、キリトの事だし。 フレンド登録解除してるよね……。きっと。

 ボクは左手を振ってからストレージを表示し、登録された名前をスクロールさせ、フレンドの中からキリトの名前を探す。

 ――そして、ボクは手を止めた。

 

「あ、あった!」

 

 何であったんだろう? い、いや、今はそういう事は置いといて――。

 ボクはフレンド追跡で、キリトが居る場所を緑色の点で表示させた。

 

「ユウキちゃん、キリト君がいる場所を記憶しないと」

 

 確かにアスナの言う通り、すぐに記憶しないと。 いつ解除されるかわからないから。

 そして、キリトが居る場所は、今の最前線である第74層の安全エリアだ。

 この安全エリアの場所は目にした事がない。ということは、キリトは危険を顧みず、ソロで攻略してると言う事だ。

 ……安全マージンを取ってるとはいえ、最前線でソロは危険すぎるよ。

 ボクは、勢いよく椅子から立ち上がった。

 

「姉ちゃん。 ボク、キリトの処に行く。 放っておけないよ」

 

 姉ちゃんは、柔らかな笑みを浮かべた。

 

「そうね。 ユウキ、行って来なさい。 好きな人を迎えに」

 

「うん、わかった!……って、え!? なんでわかったの!?」

 

 驚いてるボクを見て、アスナと姉ちゃんは苦笑した。

 

「ユウキちゃん。 キリト君と居る時、乙女の顔をしてるもの。『ホントに好きなんだなぁ』って、わかるくらいよ」

 

「その前に、公開告白をしたじゃないですか」

 

「ということは、攻略組に知れ渡るのは時間の問題ということでしょうか?」

 

「いえ、シュミットさんが広めなければ、バレることはないかと」

 

「あー、それもそうですね」

 

 ボクは顔を真っ赤に染める。

 んもー、姉ちゃんもアスナも言いたい放題言ってくれちゃって!

 ボク、キリトのことが好きだもん! 愛してるもん!…………あれ、何か凄い事を言ったような……。

 と、とにかく、早くキリトを迎えに行かないと。

 

「姉ちゃん、アスナ。 行ってくるね!」

 

「ええ、行ってらっしゃい」

 

「気をつけてね」

 

 姉ちゃんとアスナにそう言われ、ボクは玄関を出て、第74層迷宮区へ向かった。

 また、ボクが玄関を出る時、アスナと姉ちゃんが、

 

『キリト君、一人で抱え込みすぎよ。 私たち、そんなに頼りないんでしょうか?』

 

『おそらく、私たちに迷惑をかけないようにしてるんです。……私は、どんどん迷惑をかけて欲しいんですけど』

 

『そうですね。 私も同じくです』

 

『――キリトさん。 帰ってきたらお説教ですね』

 

『――ですが、物理は止めましょうよ』

 

 という会話が聞こえてきた。

 ……キリト。 帰って来て早々大変かも……。 で、でも、これがアスナと姉ちゃんの愛情表現と考えれば。 うん、これなら大丈夫そう。

 ――ボクも姉ちゃんもアスナも、君の帰りを待ってるんだよ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 俺は、最前線(第74層)迷宮区に籠りマッピングに没頭していた。 そう、殺人者の俺にできる事は、攻略組の皆が(トラップ)や未知のMobに殺されないように常に最新のマップデータを提供する事。

 つまり、死と隣り合わせの迷宮区を、ソロで攻略する事である。 だが、二刀流は使わない事に決めてる。 こんな俺が、リズが丹精込めて打ってくれた剣を使う訳にはいかないからだ。

 だが、ふと考え耽ていたら、脳裏に浮かんだのは、幼馴染の顔と友人の顔だった――。

 俺は頭を左右に振り、

 

「……ったく。 何を考えてるんだか……後、アレをやっておくか……」

 

 俺が言うアレとは、幼馴染と友人とのフレンド解除だ。 討伐作戦後に解除しようと思ったのだが、繋がりを切る踏ん切りがつかなかったのだ。――だが、それも今日で終わりだ。

 俺は左手を振ってからストレージを表示し、フレンド登録欄からユウキたちの名前を解除していく。 これでユウキたちは、俺をフレンド追跡する事も不可能だ。

 立ち上がり安全地帯から出てようとした時、紫の装備を基調とした女性プレイヤーが内部に入って来た。

 そう、今正しくフレンドを解除したユウキだ。

 ……ってことはあれか。 俺がフレンド登録を解除するのが遅すぎたから、見つかったって言う事か……。 何とも間抜けなミスである。――だがそれだけ、ユウキたちとの繋がりを切るのに躊躇いがあったのだ。

 そして俺は、久しぶりに見る幼馴染の顔を見て、――嬉しくもあり、すぐにこの場から離れたいとも思った。

 

「……和人。 やっと見つけたよ」

 

 俺は口籠った。 ユウキに返す言葉が見つからないのだ。

 俺は数秒考え込んでから、

 

「……木綿季。 SAOでは、リアルネームは御法度だぞ」

 

 ユウキは、てへへ、っと笑った。

 その笑顔は眩しくて、太陽の陽だまりのようだ。

 

「ごめんって和人。って、ボクはどうなるのさ。 木綿季もユウキも同じだよ」

 

「……本名をアバターネームにするのが悪いぞ」

 

「うーん、そうなんだけど。 てか、ボクは、MMORPGのこと全然わかってなかったからね」

 

 そう言って、ユウキは首を傾げた。

 『何で教えてくれなかったのさ』、と言いたい表情だ。 いや、小さい頃に教えた記憶があるんだが……。

 

「まあいいや。 一緒に帰ろう、和人」

 

 俺は顔を俯けた。

 

「……いや、俺は帰れない。――俺は殺人者だ。 そんな奴が、お前たちと一緒に居ていいはずがないんだ」

 

 ユウキは、バカなんだから。と言って俺の両手を包み込んだ。 それはとても温かく、ユウキの体温が感じられるようだった。

 仮想世界でも、今この瞬間はその垣根を取り払ったみたいに――。

 

「ボクとアスナ、姉ちゃんは、一生君の味方だよ。――世界が君を否定しても、ボクたちは味方であり続けるよ」

 

 ユウキは、それにね。と言葉を続ける。

 

「あの時、和人が斬り込まなかったら、討伐部隊はほぼ全滅。 あの場も、血の海になってたんだよね」

 

 俺は顔を上げ、声を震わせる。

 

「……そうだな。 でも、俺は人を――」

 

 俺の言葉が途切れたのは、ユウキが優しく抱きしめたからだ。

 そんな俺は、動揺が隠せない。

 

「もう、意地っ張りなんだからっ。 ボクたちは決めたんだよ。 和人の背中を支えようって。――レンさんとの約束でもあるしね。 ただ、支えてくれる人が増えるだけだよ」

 

 ユウキは俺から離れて、ニッコリと笑った。

 

「だから、皆の所に帰ろう」

 

 俺はユウキが差し出した右手を、恐る恐る手を伸ばし握り返した。

 ユウキは、ん、よし!と言って、優しく握り返してくれる。……幼馴染なのに、今のユウキは、俺の姉ちゃんに見えるよ……。

 

「……わかった。 これからも隣に居てくれ」

 

「これからもずっと一緒。 絶対に破らないって約束して」

 

「……ああ、約束だ」

 

 そして、俺とユウキは安全地帯を出て、ホームへ帰る為、迷宮区に足を踏み入れた。

 その帰り道では、迷宮区に人が居ない事もあって、二刀流と黒麟剣のユニークスキルを解禁。 上位、最上位剣技で、Mobを紙切れのように蹴散らしていった。

 そう、俺たちはSAOの世界で、不確定要素(イレギュラー)になりつつあったのだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 今、俺は第61層《セルムブルグ》にあるアスナのホームのリビングで正座をしていた。

 俺の前に立っているのは、ちょこっと?怒ってるアスナとラン。 隣で、俺を見守るようにユウキが立っている。 ちなみに、俺たち全員は武装を解除してる。

 あの時、第50層のホームに帰ろうとしたのだが、ユウキに連行されたのだ。 何でも、『アスナと姉ちゃんに顔を見せないと』という事だったのだが。

 

「(……いや、これって顔を見せるだけで終わらないでしょ。……つか、無言の二人が怖いです……)」

 

「キリト君。 まず最初に、お帰りなさい」

 

「ええ。 ホント心配したんですからね」

 

 俺は、ユウキたちにこんなにも心配をけかてたのか……。 かなり申し訳ない気持ちに襲われる。

 また、こんな俺に繋がりをくれた彼女たちに、かなりの感謝の気持ちもある。――だが、再びこれを言わなければならないと思った。

 

「……アスナ、ラン。 俺は――」

 

 一呼吸置き、アスナとランが話し始める。

 

「仕方がなかった。で片付けちゃうのはダメなのかもしれないけど。 あの場はキリト君の判断が正しかった。 私たち攻略組がこうしていられるのも、キリト君のお陰なんだよ」

 

「それに、キリトさんの十字架は、私たちも背負います。 分け与えるという言い方は変かもしれませんが、私たちはキリトさんの背負うものを軽くしてあげたいんです」

 

「キリト君は、私とランさんをもっと頼ってね。 たくさん迷惑をかけていいんだから。 だって、私たちは友達でしょ」

 

 俺の目元に涙の滴が溜まっていく。 堪える力を弱めると、大粒の涙が流れ落ちそうだ。

 だが、ランさんや。 罪を背負うのは俺だけで十分だ。 俺が墓場まで、この十字架を背負って行く。

 

「……今まで心配させてすまなかった……。 これからは、皆を頼るようにする」

 

「ホントのホントね? 今度一人で抱え込もうとしたら、ランさんと私の物理が落ちるからね」

 

「ゲンコツでは済みませんからね、キリトさん」

 

 アスナとランにそう言われ、俺はコクコクと頷く事しかできなかった。

 そして、その声音はとても優しい。

 

「よし! この件は、一件落着だね。 今後もキリトは、ボクと行動を共にすること。――離れ離れは許しません」

 

 俺は苦笑してしまった。

 後半のユウキの口調は、ランに似せたからだ。

 

「ああ、あの時約束したからな。 てか、お前がお姉さん口調とか、やっぱ似合わないな」

 

「な!? それはボクが子供っぽいっていうこと」

 

「……いや、俺らまだ中学生で子供だろ……」

 

 だが、これに異を唱えたのはアスナだ。

 ちなみに、既に周囲の警戒は済んでいるので、この会話を聞かれる事はない。

 

「私は、ピチピチのJK(女子高生)だからね! この中では、一番年上なんですからっ」

 

「……アスナ。 それ、リアル情報だぞ。 てか、そこは張り合わなくても……」

 

 仮想世界では、現実(リアル)情報を伏せておくことが暗黙のルールだ。

 アスナは左手人差し指を唇に当てて、

 

「うーん、ユウキちゃんたちにならいいかなって。 それにほら、現実世界で会う時に便利でしょ」

 

 はいはい!と言い、右手を挙げたのはユウキだ。

 

「じゃあ、ボクの本名からだね。 ボクの名前は、紺野木綿季っていうんだ」

 

「私は結城明日奈。 改めてよろしくね、木綿季ちゃん」

 

 アスナも、本名がアバターネームだったとは。

 ……てか、何でリアル情報を普通に言ってるんだよ……。 いや、俺もさっき言ってしまったような気もするけどさ……。

 

「私は、紺野藍子です。 木綿季とは双子の姉ですね」

 

「……俺の本名は、桐ケ谷和人だ」

 

 アスナは頷き、

 

「キリト君は本名をもじっただけんだ。……何か、安直のような気がする」

 

「な!? アスナは、本名がアバターネームじゃないか!」

 

「わ、私はいいのよ! MMOが初めてだったんだから」

 

 俺とアスナの仲裁に入ったのは、ランだ。

 ちなみにランは、漢字の《藍》の読みを変えただけだ。

 

「まあまあ。 二人とも落ち着いてください」

 

「「……はい。ごめんなさい」」

 

 俺とアスナはしゅんとした。

 ――そして俺は、この空間が大好きなんだと実感させられた。 それからユウキが、ぷっ!と噴き出し笑いをし、俺たちは笑い合ったのだった――。




なんつーか、ご都合主義満載だね……。てか、ユウキちゃん。キリト君の処まで、無双したんですね(笑)
やっぱ久しぶりの投稿は、文章が……。的な感じになってしまう。
そして、キリト君立ち直るの早いっ!まあ、かなり無理もしてたんですけどね。
ちなみに、あの後にキリト君はお説教を受けました(笑)

てか、青い悪魔も、簡単に倒せそう……。

ではでは、次回もよろしく!!

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