ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
舞翼です!!
え~、まずは、一ヵ月も空白を作ってしまい申し訳ないです<(_ _)>
~黒の剣士と絶剣~の後日談も更新していたら遅くなってしまって。
てか、ロスト・ソングに嵌まらなければ……。まあ、ちょくちょくやってますが(汗)
なんか、うん、ごめんなさい……。
気を取り直して、書き上げました。
今回の話は、圏内事件の続きっすね。
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
証拠品のロープを回収し、俺たち四人は小部屋を出ると、教会出入り口へと戻った。
同じく証拠品である短槍は、小部屋に入る前にアイテムストレージに格納してある。
広場に出て、俺が野次馬たちに手を挙げてから大声で呼びかけた。
「すまない。 さっきの一件を最初から見ていた人、いたら話を聞かせてほしい!」
数秒後、おずおずという感じで、
「早速なんだが、話を聞かせてくれないか??」
そう言うと、俺の頭に軽いゲンコツが三つ降ってきた。
「いでッ!……あだッ!」
俺は頭を擦った。
「もう、キリト君は、この子怖い目にあったばかりなんだから」
「そうですよ、キリトさん。 デリカシーを考えましょうね」
「キリトは、少し気を使えるようにならないと」
「……はい。 ごめんなさい」
俺は身を縮めた。
俺に変わって、アスナが優しい口調で聞いた。
「ごめんね、怖い思いしたばっかりなのに。 私の友人が失礼なことをしちゃって。 あなたのお名前は?」
「あ、あの私《ヨルコ》っていいます」
そのか細い震える声に聞き覚えがあったので、思わず口を挟んでしまった。
「もしかして、さっきの最初の悲鳴も、君が?」
緩くウェーブする
そして、大きな瞳からは、涙が浮かんでいた。
「は……、はい。 私、さっき殺された人と、友達だったんです。 今日は、一緒にご飯を食べに来て、でもこの広場ではぐれちゃって。……それで……、そしたら……」
これ以上言葉に出来ず、ヨルコは両手で口許を覆う。
俺たち四人は顔を見合わせ、視線だけで会話をした。
「(おい、俺はどうすればいい?)」
「(そうですね。 キリトさんは、少し離れた所で待機しててください。 ヨルコさんが落ち着くまでは、私たち三人に任せてください)」
「(そうね。 それが良いわ)」
「(じゃあ、キリト。 ここはボクたちに任せてよ)」
「(なら、三人に任せるな。 ヨルコさんが落ち着いたら呼んでくれ)」
三人は、ヨルコを教会内部へ移動させた。
ヨルコとアスナが幾つかある長椅子の一つに座り、向かいの長椅子にランとユウキが着席した。
俺はやや離れた所へ立ち、ヨルコが落ち着くのを待った。
やがてヨルコが平静を取り戻し、消え入りそうな声で、「すみません」、と言った。
ユウキから手招きをうけ、俺はそれに頷いてから、教会内部へと移動をした。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
俺はユウキの隣に腰をかけ、耳を傾けた。
「あの人……。 名前は《カインズ》っていいます。 昔、同じギルドにいたことがあって……。 今でも、たまにパーティー組んだり、お食事をしたりしてました……。 今日はこの街まで晩ご飯を食べにきて……」
ヨルコは一度眼を瞑ってから、震えが残る声で続ける。
「……でも、あんまり人が多くて、広場で彼を見失っちゃって……。 周りを見回したら、いきなり教会の窓から……。――カインズが落ちてきて、宙づりに…… しかも、胸に、槍が……」
「その時、誰か見なかったか?」
俺の問いに、ヨルコは黙り込んだ。
そして、ゆっくりと頷いた。
「……一瞬、なんですが、カインズの後ろに、誰か立ってたような気が……、しました……」
ヨルコの証言によれば、犯人は、教会内部の小部屋に居たことになる。
そうなれば、カインズを窓から突き落し、何らかの方法で小部屋から脱出したという事になる。
そうなると、ハイディング付きの装備を使ったはずだが、俺たち四人の索敵から逃れる事は不可能だ。
いや、もし、アンチクリミナルコードを無効化するスキルが存在したら、この犯行は可能なのかもしれない。
俺は思考を止め、再びヨルコに聞いた。
「その人影に見覚えはあったか?」
ヨルコは、首を左右に振るだけだ。
俺の隣に座るユウキが、穏やかな声で質問した。
「……心当たりはあるかな……? カインズさんが、誰かに狙われる理由に……」
すると、ユウキの小さな頭に、軽くゲンコツが降ってきた。
次いで、とても優しい声で、
「こら、ユウキ。 それは聞きすぎよ」
「ご、ごめん。 姉ちゃん……」
まあ、ユウキの発言は配慮に欠ける問いであったが、聞かない訳にはいかない。
もし、カインズを恨んでいる人物に心当たりがあったなら、それは大きな手掛かりになるからだ。
しかし、ヨルコは首を左右に振った。
だが、カインズを殺した犯人は、≪
つまり、アインクラッド全土のオレンジプレイヤーが容疑者候補になる。
その中からの人物特定は不可能に近い。
三人も、俺と同じ結論へ至り、息を吐いた。
「今日は、私たちが宿まで送るわ。 まだ、危険があるかもしれないから」
「……ええ、よろしくお願いします」
ヨルコは頷き、椅子から立ち上がった。
四人も立ち上がり、下層の宿屋まで送り届けてから、転移門前まで戻った。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
第五十七層 ~転移門前広場~
「さて……次はどうする?」
俺がそう聞くと、三人が即答した。
「そうね。 まずは、手持ちの情報を検証しましょう。 特に、ロープと短槍ね。 出所が分かれば、そこから犯人が追えるかもしれないわ」
「そうですね。 これを検証すれば、何か分かるかもしれません」
「でもでも、検証するには、鑑定スキルが必要になるよ」
四人は腕を組んで、「うーん」、と唸った。
因みに、今の時刻は、19時過ぎだ。
「……リズは、鑑定スキル習得してたけど、今は忙しい時間帯だからね……」
「そうですね。 今の時刻は、装備のメンテナンスなどが殺到する時間帯ですから」
不意に、ユウキが声を上げた。
「あ、エギルさんが鑑定スキル習得してたんだっけ。 でも、今は雑貨屋さんも忙しい時間帯だ……」
ユウキの言葉は、どんどんと小さくなっていった。
「いや、エギルに頼もう。 あいつなら、OKしてくれるさ。 てか、メッセージ送っちゃったしな」
「「「はあ~」」」
え、何で溜息は吐いたの。
俺、泣いちゃうよ。
いや、まあ、俺が勝手に決めたことだけどさ。
「そういう事なら、行きましょうか」
「ええ、そうですね」
「OK。 行こうか。――ほら、キリトも早く!」
「お、おう」
俺は小走りで三人の背中を追った。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~第五十層 転移門前~
転移門から出て来た四人を出迎えたのは、
転移門が有効化されてから僅かな時間しか経過してないのに、すでに目抜き通りの商店街には無数のプレイヤーショップが開店し、
理由としては、店舗物件の代金が下層の街と比べてとても安く設定されているからだ。
俺の先導の下、目的の場所へ到着した。
「三人は、ここで待機しててくれ」
「「「ええ(うん)」」」
扉を押し開け、俺は此方に背を向けている店主に呼びかけた。
「うーっす。 来たぞー」
「……客じゃない奴に《いらっしゃいませ》は言わん」
エギルは、店内の客に呼びかけた。
「すまねぇ、今日はこれで閉店だ」
えーっ、と言う不満声に、エギルは頭を下げ謝罪しつつ全員を追い出し、店舗管理メニューから閉店操作を行った。
「あのなぁ、キリトよ。 商売人の
エギル言葉が途切れた理由は、美少女三人が店内に足を踏み入れたからだ。
「キリト君、遅いよ」
「す、すいません。 キリトさん。 アスナさんが痺れを切らしてしまって……」
「ボクは我慢できたよー」
上から、アスナ、ラン、ユウキである。
エギルは俺の肩を掴み、ぐいっと引き寄せた。
「お、おお、おい。 ど、どど、どうゆうことだよ?」
「いや、まあ、あれだ……」
「お久しぶりです、エギルさん。 急なお願いをして申し訳ありません。 どうしても、火急にお力を貸して頂きたくて……」
アスナは清楚な笑顔と共に頭を下げ、ユウキとランもぺこりと頭を下げた。
エギルは俺の肩から手を解き、ぴしっと立つと、「任せて下さい!!」と胸を叩き、お茶を出した。
まったく、男と言うのは単純な生き物だ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
二階の部屋で、事件の詳細を聞いたエギルは、両眼を細めた。
「圏内でHPがゼロになった、だとぉ?――デュエルじゃない、というのは確かなのか?」
エギルの問いに、俺はゆっくり頷いた。
「……あの状況で、誰も
「直前まで、ヨルコさんと歩いていたなら、《睡眠PK》の線も無いしね」
と、アスナが俺の言葉を補足した。
「第一、突発的デュエルにしては、遣り口が複雑すぎる。 事前に計画されたPKなのは確実と思っていい。 そこで……こいつだ」
俺はアイテムストレージを開き、格納していたロープを実体化させ、テーブルの上へ置いた。
エギルはロープを手に取り、開かれたウインドウから、《鑑定スキル》を選択した。
「残念ながら、ロープはNPCショップで売っている
「ロープには期待していなかったさ。 次が本命だ」
俺は、開いたままのストレージをタップし短槍を実体化させ、慎重にエギルに手渡した。
エギルは顔を顰めながら鑑定スキルを使い、口を開いた。
「……PCメイドだ」
PCメイド。 つまり、鍛冶スキルを習得したプレイヤーによって作成された武器ならば、必ず作成者の《銘》が記録される。
この武器を作成したプレイヤーに話を聞けば、何か手掛かりになるかもしれない。
「で、誰なんだ。 作成者は?」
エギルは、システムウインドウを見下ろしながら答えた。
「《グリムロック》……。 綴りは《Grimlock》。 聞いたことねぇな。 少なくても一線級の
エギルが知らない鍛冶屋を、俺たち四人が知っているはずもなく、部屋は沈黙に包まれた。
この沈黙を破るように、ユウキが口を開いた。
「でも、ボクたちで探すことは可能なはずだよ。 それに、中層の街で聞き込めば、《グリムロック》とパーティー組んだ人が見つかるかも」
「なるほどな。――武器の固有名は、何て言うんだ?」
エギルは再び視線を落した。
「えーと……《ギルティソーン》となっているな。 罪のイバラ、ってとこか」
俺は、エギルから短槍を受け取り、もう一つの事を試そうとした。
「これも試してみるか」
短槍の柄を握った左手を少しだけ上げ、右掌目掛けて振り落そうとしたその時。
――三つの手によって止められた。
……ん、三つ?
「キ~リ~ト~君。 何をしようとしたのかな?」
「うん、ボクも教えて欲しいな」
「ふふ、キリトさん。 それで悪戯したらいけませんよ」
……顔は笑っているのに、眼が笑っていないというのは、こういう事をいうのだろう。
メッチャ怖い。 てか、女の子怖い。
そして、エギルも顔を引き攣らせていた。
「……いや、でもな。 試してみないと……」
「「「ダメ(よ)」」」
「……あい、分かりました。 これは、ストレージに格納します」
俺は、渋々短槍をストレージに格納した。
すると、エギルがおずおずと声をかけてきた。
「き、キリトよ。 自分を大切にしろよ。 いいな?」
「……善処する」
――俺たちの調査は始まったばかりだ。
キリト君。ゲンコツ貰っちゃいましたね(三つも)。
軽くても、三つあったら痛いのかな?
後、これはハーレムじゃないですよ。(前にも言ったような気がするが)
ええ、キリ×ユウですね。これは、絶対です(・ω・´●)
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!