ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
舞翼です!!
ええ、久しぶりにロスト・ソングのマルチプレイをしたら、はまってしまいまして……。
作者は悪くない!ゲームが悪いんやー。
すいません。言い訳ですね。
まあ、書き上げましたので投稿しましたです。
今回から、SAOで一番難しい圏内事件だよ。(自分だけかもしれんが)
上手く書けたかな(震え声)
後、運命の出会いの順番を変えました。
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
二〇二四年。 四月。 第五十七層。
アインクラッドの四季は現実と同期している為、夏は毎日暑いし、冬は毎日寒い。
今日はポカポカと暖かく、柔らかな日差しが空気を満たし、そよ風がとても気持ちいい。
ここまでパラメータが好条件に設定される日は、年間通して五日もない。
そして、今俺たちは、主街区の外れの芝生に横になっていた。
此処は俺が見付けた場所であり、横になれば、桜の花弁の舞を見る事が出来る。
所謂、花見っていう奴だ。
「姉ちゃんたちも、誘ってみない?」
「了解だ。――じゃあ、俺はアスナに送るわ」
「ボクは、姉ちゃんだね」
俺とユウキは、副団長様たちにメッセージを送った。
俺がアスナに送った内容は、『花見しようぜ。』、という文章だ。
そして数分後、返信が返ってきた。
内容はこうだ。『キリト君。 初めてのメッセージが、“花見しようぜ”、だけって……。 もっと何か書こうよ。……今日は攻略が休みだから、行くけど。』
「おし、OKだ」
「姉ちゃんもOKだって。 というか、飾り気のないメッセージ送ったんでしょ?」
「……何で分かったんだ」
「だって、ボクとメッセージをやり取りする時、そうだからさ」
俺がメッセージをやり取りする時の文章は、『了解した』、『分かった』、という業務的文章だ。
いや、だって、書く事なくね。
「他の女の子には、ちゃんとした文章で送らないとダメだよ」
「……おう、了解した」
横になって桜の舞を見ていたら、此方に歩み寄って来る足音が聞こえてきた。
「あ、こんな所に居た」
「お久しぶりです」
今俺たちに声を掛けたのは、血盟騎士団副団長様たちだ。
俺とユウキは上体を起こした。
「おう、久しぶり」
「久しぶりだね。 姉ちゃん、アスナ」
アスナとランは桜の木を見上げて、言った。
因みに、アスナは血盟騎士団のユニフォームを、ランは青を基調にした装備だ。
これは、ランが入団する時に出した、装備は自由にするという条件だそうだ。
「それにしても、街の外れに桜の木があるなんてね」
「ですね。 SAOでお花見が出来るなんて、嬉しいですね」
アスナは俺の隣に、ランはユウキの隣に横になった。
俺とユウキもそれに倣い、横になった。
四人が並んで横になっていたら、規則正しい寝息が聞こえてきた。
――もしかして、俺以外寝ちゃったの?
俺は再び上体を起こし左右を見渡すと、女子三人は気持ち良さそうに寝ていた。
俺は大きく溜息を吐いた。
「……無防備すぎだろ。 俺を信用してくれてるのは嬉しいけど」
今この場所は《圏内》であるため、プレイヤーを傷付ける事は不可能だ。
武器で斬りかかっても、衝撃音と共に障壁に阻まれるだけで、HPが減る事はない。
無論、アイテムを盗む事など論外である。
つまり、圏内では、一切の直接的犯罪行為は犯せない。
だが、これには抜け道が存在するのだ。
それは、プレイヤーが熟睡している時である。
寝ている相手の指を動かし、《完全決着モード》のデュエルを申し込み、寝首を掻く。
実際にこうした行為が、≪
「よし、ガードした報酬として、何か奢って貰おう」
俺は長期戦に備え、アイテムストレージから飲み物を取り出すと、芝生へ座った。
てか、この場所に攻略組切ってのトッププレーヤーが集まるとか、シュールな光景だな。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
女子三人はほぼ同時刻に眼を覚まし、上体を起こしてから大きく伸びをした。
「……う~ん、おはよう」
「……ふあ~、よく寝た」
「……おはようございます」
上から、アスナ、ユウキ、ランである。
俺は三人の顔を見て、笑顔で言った。
「おう、おはよう。 良く寝たぞ」
三人は羞恥で顔を赤く染めたが、溜息を吐いた。
「……友達なんだし、いいわ」
「……ボクは久しぶりに見られた」
「……私は初めてです。 まあ、幼馴染なので許します」
「お、おう。 じゃあ、報酬としてメシを奢ってくれよ。 五十七層の主街区に、NPCレストランにしてはイケる店があるから、そこ行こうぜ」
四人は立ち上がり、転移門広場へ歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
《ソードアート・オンライン》というデスゲームが開始されてから一年と五ヶ月が経過していた。
フロアも約六割が踏破され、現在の最前線は五十九層だ。
そして、中層以上のフロアはささやかながら、《生活を楽しむ余裕》が生まれている。
第五十七層主街区《マーテン》にも、そんな雰囲気は濃く存在していた。
此処は大規模な街で、必然的に攻略組のベースキャンプかつ観光地となっている。
夕刻になれば、前線からプレイヤーが降り立ったり、或いは下層から晩ご飯を食べに来たり、大いに賑わう事になる。
四人が大通りを歩いていたら、ほぼ視線を集めていた。
まあ、こうなるのも仕方がない。
攻略組最強と言われる二人組と、血盟騎士団の高嶺の花が一緒に歩いているのだから。
因みに、四人とも二つ名持ちだ。
「……視線が凄いんだが」
「……うん、そうだね」
「……ええ、そうね。 こんなに視線を集めるのは初めてだわ」
「……私たちはアインクラッドで有名ですから、仕方がないかと」
上から、俺、ユウキ、アスナ、ランである。
うん、帰りたくなってきた……。
だが、この店を薦めたのは俺だ。
ここで帰ったら失礼な行為だろう。
約五分歩いた所で、道の右側にやや大きめのレストランが現れた。
「ここだ。 お薦めは、肉より魚だ」
ドアを俺が押し開け入り口を潜ると、後ろに三人が続いた。
NPCレストランの中でも、幾つもの視線が集中した。
「(俺たちって、どんだけ有名なんだよ……)」
と、俺は心の中で呟いた。
俺は奥の窓際のテーブル目指して歩き、俺とアスナはユウキ、ランと向かい合わせになるように腰を下ろした。
てか、ここまで来るだけで疲労が途轍もない。
取り敢えず、食前酒から前菜、メイン料理、デザートまで注文し、一息入れた。
「今日は助かったわ」
「ありがとうございます」
「ボクもありがとね」
「気にしなくていいぞ。 友達を守るのは当然だ。――それに、大切な人はもう失いたくない」
後半は、誰にも聞こえないボリュームで呟いたが、三人に聞こえていたらしい。
発生しかけた微妙な雰囲気を、サラダを持ってきたNPCが払拭してくれた。
俺は、色とりどりの謎の野菜に謎のスパイスをかけ、フォークで頬張った。
「何時も思うけど、何か足んないんだよな」
俺の問いに、三人は思案した。
すると、アスナがハッとした。
「そうだわ。 マヨネーズよ! 今度マヨネーズ作るわ」
「そうだ! 一緒に作ろうね」
「ええ、私も参加します。 私、料理スキル結構高いんですよ」
「ユウキが料理スキルを取得したは知ってたが、アスナとランが取得してるのは意外だ。 今度、何か作ってくれよ」
三人が作る料理は、メチャクチャ旨いだろう。
考えただけで涎が出そうだ。
その時だった。 外から悲鳴が聞こえのは。
「……きゃあああぁぁぁ!!」
四人は椅子が倒れる程勢いよく立ち上がり、急いで悲鳴の上がった場所へ向かった。
そこで信じられないものを眼にした。
教会中央の窓から一本のロープが垂れ、ロープで首を吊るす形でぶら下がっている男性プレイヤー。
分厚いフルプレート・アーマーを身に纏い、大型のヘルメットを被っている。
そして、男の胸を深々と貫いている一本の黒い短槍。
男は、槍の柄を両手で掴み、口を動かしていた。
その間にも、胸の傷口からは、赤いライトエフェクト光が噴き出ている。 あれは、《貫通継続ダメージ》。
俺は一瞬の驚愕から覚めると、叫んだ。
「早く抜け!!」
男がちらりと俺を見た。
両手が動き、槍を引き抜こうとするが、食い込んだ槍が抜ける事はなかった。
だが、この場所は《圏内》であり、あの槍によるダメージ発生は有り得ないのだ。
逡巡する俺の耳に、アスナの鋭い声が届いた。
「私とランさんは二階に行くわ。 二人は下で受け止めて」
「「了解!!」」
俺たち四人は二手に別れ、駆け出した。
その途中で、男が何かを見ているのに気付いた。 己のHPバーだ。
男が何かを叫んだ瞬間、無数のポリゴン片となって散った。
この
《完全決着モード》のデュエルを受諾し、死に至るまで戦う事だ。
何処かに、【WINNER/名前/試合時間】という形式のシステムウインドウが出現するはずだ。
それを見れば、男を殺したプレイヤーが誰なのか、即座に分かるのだ。
俺は周りを見渡し、《デュエル勝利者宣言メッセージ》を探したんだが――。
「……ないぞ……」
「……うん、ボクも見付けられなかった……。 でも、まだ望みはあるよ」
俺は、ユウキが言った事を即座に理解した。
「アスナ、ラン! そっちはどうだ!」
俺は、二階の窓から外を見ているアスナとランに声を掛けた。
「ダメだわ! システムウインドウは見つからなかった!」
「教会の中には、誰もいませんでした!!」
ユウキ静かに呟いた。
「……三十秒経ったね」
三十秒。 それが、システムウインドウが消滅するまでの時間だ。
三十秒経ってしまったということは、人物特定が不可能になってしまった。
「……ああ」
俺とユウキは人垣をすり抜け、教会の階段を上がり二階へ向かった。
俺たちに気付いたアスナとランが、此方を振り向いた。
「ランさんも言ったけど、教会の中には誰も居なかったわ」
「それに、隠蔽付きのマントで隠れてる可能性はないと思います。 居たら、私たちの索敵にかかりますからね」
暫し沈黙した後、ユウキが口を開いた。
「どういうことなんだろ? 圏内でダメージを与えるのは不可能だよね」
俺は頷いた。
「ああ、ユウキの言う通り、圏内でダメージを与える事は不可能だ。 出来るとすれば、デュエルを申し込んで、受諾されるしかないからな。――このままにして置くのはマズイな」
「だね。 調べて、対抗手段を公表しないと」
「そうね。 この事件は圏内で起きてるもの」
「ええ、私たちで調べましょうか。 攻略は、この際仕方ないです」
上から、俺、ユウキ、アスナ、ランだ。
第一層以来、四人が再び集まり、一緒に行動する事が決まった。
圏内事件は難しいですな。
まあ、自分でもっと難しくしてるような気もするが。
今回出したのは、皆主要キャラやからね(^_^;)
アスナさんたちとは、第一層の時にフレンド登録してますぜー(笑)
後、場所等は、ユウキちゃんが送りますたです(^O^)
次回は早く投稿できるように頑張る!!
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!