ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

14 / 41
ども!!

舞翼です!!

ええ、久しぶりにロスト・ソングのマルチプレイをしたら、はまってしまいまして……。
作者は悪くない!ゲームが悪いんやー。
すいません。言い訳ですね。

まあ、書き上げましたので投稿しましたです。
今回から、SAOで一番難しい圏内事件だよ。(自分だけかもしれんが)
上手く書けたかな(震え声)
後、運命の出会いの順番を変えました。

誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。


第14話≪圏内事件≫

二〇二四年。 四月。 第五十七層。

 

アインクラッドの四季は現実と同期している為、夏は毎日暑いし、冬は毎日寒い。

今日はポカポカと暖かく、柔らかな日差しが空気を満たし、そよ風がとても気持ちいい。

ここまでパラメータが好条件に設定される日は、年間通して五日もない。

そして、今俺たちは、主街区の外れの芝生に横になっていた。

此処は俺が見付けた場所であり、横になれば、桜の花弁の舞を見る事が出来る。

所謂、花見っていう奴だ。

 

「姉ちゃんたちも、誘ってみない?」

 

「了解だ。――じゃあ、俺はアスナに送るわ」

 

「ボクは、姉ちゃんだね」

 

俺とユウキは、副団長様たちにメッセージを送った。

俺がアスナに送った内容は、『花見しようぜ。』、という文章だ。

そして数分後、返信が返ってきた。

内容はこうだ。『キリト君。 初めてのメッセージが、“花見しようぜ”、だけって……。 もっと何か書こうよ。……今日は攻略が休みだから、行くけど。』

 

「おし、OKだ」

 

「姉ちゃんもOKだって。 というか、飾り気のないメッセージ送ったんでしょ?」

 

「……何で分かったんだ」

 

「だって、ボクとメッセージをやり取りする時、そうだからさ」

 

俺がメッセージをやり取りする時の文章は、『了解した』、『分かった』、という業務的文章だ。

いや、だって、書く事なくね。

 

「他の女の子には、ちゃんとした文章で送らないとダメだよ」

 

「……おう、了解した」

 

横になって桜の舞を見ていたら、此方に歩み寄って来る足音が聞こえてきた。

 

「あ、こんな所に居た」

 

「お久しぶりです」

 

今俺たちに声を掛けたのは、血盟騎士団副団長様たちだ。

俺とユウキは上体を起こした。

 

「おう、久しぶり」

 

「久しぶりだね。 姉ちゃん、アスナ」

 

アスナとランは桜の木を見上げて、言った。

因みに、アスナは血盟騎士団のユニフォームを、ランは青を基調にした装備だ。

これは、ランが入団する時に出した、装備は自由にするという条件だそうだ。

 

「それにしても、街の外れに桜の木があるなんてね」

 

「ですね。 SAOでお花見が出来るなんて、嬉しいですね」

 

アスナは俺の隣に、ランはユウキの隣に横になった。

俺とユウキもそれに倣い、横になった。

四人が並んで横になっていたら、規則正しい寝息が聞こえてきた。

――もしかして、俺以外寝ちゃったの?

俺は再び上体を起こし左右を見渡すと、女子三人は気持ち良さそうに寝ていた。

俺は大きく溜息を吐いた。

 

「……無防備すぎだろ。 俺を信用してくれてるのは嬉しいけど」

 

今この場所は《圏内》であるため、プレイヤーを傷付ける事は不可能だ。

武器で斬りかかっても、衝撃音と共に障壁に阻まれるだけで、HPが減る事はない。

無論、アイテムを盗む事など論外である。

つまり、圏内では、一切の直接的犯罪行為は犯せない。

だが、これには抜け道が存在するのだ。

それは、プレイヤーが熟睡している時である。

寝ている相手の指を動かし、《完全決着モード》のデュエルを申し込み、寝首を掻く。

実際にこうした行為が、≪殺人者(レッド)≫によって起きてるのだ。

 

「よし、ガードした報酬として、何か奢って貰おう」

 

俺は長期戦に備え、アイテムストレージから飲み物を取り出すと、芝生へ座った。

てか、この場所に攻略組切ってのトッププレーヤーが集まるとか、シュールな光景だな。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

女子三人はほぼ同時刻に眼を覚まし、上体を起こしてから大きく伸びをした。

 

「……う~ん、おはよう」

 

「……ふあ~、よく寝た」

 

「……おはようございます」

 

上から、アスナ、ユウキ、ランである。

俺は三人の顔を見て、笑顔で言った。

 

「おう、おはよう。 良く寝たぞ」

 

三人は羞恥で顔を赤く染めたが、溜息を吐いた。

 

「……友達なんだし、いいわ」

 

「……ボクは久しぶりに見られた」

 

「……私は初めてです。 まあ、幼馴染なので許します」

 

「お、おう。 じゃあ、報酬としてメシを奢ってくれよ。 五十七層の主街区に、NPCレストランにしてはイケる店があるから、そこ行こうぜ」

 

四人は立ち上がり、転移門広場へ歩き出した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

《ソードアート・オンライン》というデスゲームが開始されてから一年と五ヶ月が経過していた。

フロアも約六割が踏破され、現在の最前線は五十九層だ。

そして、中層以上のフロアはささやかながら、《生活を楽しむ余裕》が生まれている。

第五十七層主街区《マーテン》にも、そんな雰囲気は濃く存在していた。

此処は大規模な街で、必然的に攻略組のベースキャンプかつ観光地となっている。

夕刻になれば、前線からプレイヤーが降り立ったり、或いは下層から晩ご飯を食べに来たり、大いに賑わう事になる。

四人が大通りを歩いていたら、ほぼ視線を集めていた。

まあ、こうなるのも仕方がない。

攻略組最強と言われる二人組と、血盟騎士団の高嶺の花が一緒に歩いているのだから。

因みに、四人とも二つ名持ちだ。

 

「……視線が凄いんだが」

 

「……うん、そうだね」

 

「……ええ、そうね。 こんなに視線を集めるのは初めてだわ」

 

「……私たちはアインクラッドで有名ですから、仕方がないかと」

 

上から、俺、ユウキ、アスナ、ランである。

うん、帰りたくなってきた……。

だが、この店を薦めたのは俺だ。

ここで帰ったら失礼な行為だろう。

約五分歩いた所で、道の右側にやや大きめのレストランが現れた。

 

「ここだ。 お薦めは、肉より魚だ」

 

ドアを俺が押し開け入り口を潜ると、後ろに三人が続いた。

NPCレストランの中でも、幾つもの視線が集中した。

 

「(俺たちって、どんだけ有名なんだよ……)」

 

と、俺は心の中で呟いた。

俺は奥の窓際のテーブル目指して歩き、俺とアスナはユウキ、ランと向かい合わせになるように腰を下ろした。

てか、ここまで来るだけで疲労が途轍もない。

取り敢えず、食前酒から前菜、メイン料理、デザートまで注文し、一息入れた。

 

「今日は助かったわ」

 

「ありがとうございます」

 

「ボクもありがとね」

 

「気にしなくていいぞ。 友達を守るのは当然だ。――それに、大切な人はもう失いたくない」

 

後半は、誰にも聞こえないボリュームで呟いたが、三人に聞こえていたらしい。

発生しかけた微妙な雰囲気を、サラダを持ってきたNPCが払拭してくれた。

俺は、色とりどりの謎の野菜に謎のスパイスをかけ、フォークで頬張った。

 

「何時も思うけど、何か足んないんだよな」

 

俺の問いに、三人は思案した。

すると、アスナがハッとした。

 

「そうだわ。 マヨネーズよ! 今度マヨネーズ作るわ」

 

「そうだ! 一緒に作ろうね」

 

「ええ、私も参加します。 私、料理スキル結構高いんですよ」

 

「ユウキが料理スキルを取得したは知ってたが、アスナとランが取得してるのは意外だ。 今度、何か作ってくれよ」

 

三人が作る料理は、メチャクチャ旨いだろう。

考えただけで涎が出そうだ。

その時だった。 外から悲鳴が聞こえのは。

 

「……きゃあああぁぁぁ!!」

 

四人は椅子が倒れる程勢いよく立ち上がり、急いで悲鳴の上がった場所へ向かった。

そこで信じられないものを眼にした。

教会中央の窓から一本のロープが垂れ、ロープで首を吊るす形でぶら下がっている男性プレイヤー。

分厚いフルプレート・アーマーを身に纏い、大型のヘルメットを被っている。

そして、男の胸を深々と貫いている一本の黒い短槍。

男は、槍の柄を両手で掴み、口を動かしていた。

その間にも、胸の傷口からは、赤いライトエフェクト光が噴き出ている。 あれは、《貫通継続ダメージ》。

俺は一瞬の驚愕から覚めると、叫んだ。

 

「早く抜け!!」

 

男がちらりと俺を見た。

両手が動き、槍を引き抜こうとするが、食い込んだ槍が抜ける事はなかった。

だが、この場所は《圏内》であり、あの槍によるダメージ発生は有り得ないのだ。

逡巡する俺の耳に、アスナの鋭い声が届いた。

 

「私とランさんは二階に行くわ。 二人は下で受け止めて」

 

「「了解!!」」

 

俺たち四人は二手に別れ、駆け出した。

その途中で、男が何かを見ているのに気付いた。 己のHPバーだ。

男が何かを叫んだ瞬間、無数のポリゴン片となって散った。

この場所(圏内)でプレイヤーがダメージを受け、HPを減少させる方法は一つしかない。

《完全決着モード》のデュエルを受諾し、死に至るまで戦う事だ。

何処かに、【WINNER/名前/試合時間】という形式のシステムウインドウが出現するはずだ。

それを見れば、男を殺したプレイヤーが誰なのか、即座に分かるのだ。

俺は周りを見渡し、《デュエル勝利者宣言メッセージ》を探したんだが――。

 

「……ないぞ……」

 

「……うん、ボクも見付けられなかった……。 でも、まだ望みはあるよ」

 

俺は、ユウキが言った事を即座に理解した。

 

「アスナ、ラン! そっちはどうだ!」

 

俺は、二階の窓から外を見ているアスナとランに声を掛けた。

 

「ダメだわ! システムウインドウは見つからなかった!」

 

「教会の中には、誰もいませんでした!!」

 

ユウキ静かに呟いた。

 

「……三十秒経ったね」

 

三十秒。 それが、システムウインドウが消滅するまでの時間だ。

三十秒経ってしまったということは、人物特定が不可能になってしまった。

 

「……ああ」

 

俺とユウキは人垣をすり抜け、教会の階段を上がり二階へ向かった。

俺たちに気付いたアスナとランが、此方を振り向いた。

 

「ランさんも言ったけど、教会の中には誰も居なかったわ」

 

「それに、隠蔽付きのマントで隠れてる可能性はないと思います。 居たら、私たちの索敵にかかりますからね」

 

暫し沈黙した後、ユウキが口を開いた。

 

「どういうことなんだろ? 圏内でダメージを与えるのは不可能だよね」

 

俺は頷いた。

 

「ああ、ユウキの言う通り、圏内でダメージを与える事は不可能だ。 出来るとすれば、デュエルを申し込んで、受諾されるしかないからな。――このままにして置くのはマズイな」

 

「だね。 調べて、対抗手段を公表しないと」

 

「そうね。 この事件は圏内で起きてるもの」

 

「ええ、私たちで調べましょうか。 攻略は、この際仕方ないです」

 

上から、俺、ユウキ、アスナ、ランだ。

第一層以来、四人が再び集まり、一緒に行動する事が決まった。




圏内事件は難しいですな。
まあ、自分でもっと難しくしてるような気もするが。
今回出したのは、皆主要キャラやからね(^_^;)
アスナさんたちとは、第一層の時にフレンド登録してますぜー(笑)
後、場所等は、ユウキちゃんが送りますたです(^O^)

次回は早く投稿できるように頑張る!!
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。