東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
紫「……うん、ある程度は話し合ったわね。それじゃあ皆を呼びましょうか」
零「あぁ、呼んでくる」
俺は納屋の戸を開け、青蛾達に呼び掛けた。
青蛾達はそれに気付き、納屋の方へと向かってくる。
美鈴「終わりましたか?」
零「あぁ、中に入ってくれ」
青蛾「お邪魔しまーす!!」
中に入れた。納屋は意外に広いのでみんな入る。あと二、三人は入れる。
立ててる蝋燭を円陣に囲むように座った。
青蛾「それで、どういう話になったわけ?」
紫「まず、私の理想郷を創るためには土地が必要。出来れば山奥が良い」
零「旅をしてきた俺達は土地には詳しい。だから候補を挙げた」
候補は二つ挙げた。
一つは北方領土のどれか。国後島とか良いかもな。
そして、白馬村の山。信州にある山に囲まれた村。大きいから半分にしてその理想郷を創ろうという魂胆だ。
零「妖怪と人間の共存する世界。しかし妖怪がいなきゃ意味がない。だから、全国から妖怪を集める。そして、その理想郷を創るわけだ」
紫「その理想郷の名前は『幻想郷』というの」
美鈴「幻想郷……」
美鈴がその名前を聞いて復唱した。
零「これは膨大な計画だ。治安を守る巫女や神主を幻想郷の主要人物に決めたり、しかしある程度悪さを働く妖怪や人間も必要だ」
青蛾「悪さを働く?またどうして」
案の定の質問が来た。
零「皆が善人で世界が長続きすると思うか?」
青蛾「えぇ、私はそう思うけど……」
零「いいか?善人であることは良いことだ。しかしだ、言い方を悪くすれば刺激がない人間だ」
美鈴「刺激がない?」
零「優しさに刺激があると思うか?無いな。人間は誰しも刺激を欲する。つまらないからだ。人生を退屈しないためにな。分かったか?」
皆は「なんとなくは理解した」と言うような顔で頷いた。
零「これは日本各地を廻って行う計画だ。そうだなぁ……この計画を『東方Project』と呼ぼう」
青蛾「東方ぷろ……何?」
紫「東方Projectよ。Projectの意味は計画って意味」
青蛾は納得したようなしていないような、そんな微妙なラインでの頷きを見せた。
そして更に、美鈴からの質問が来た。
美鈴「何故『東方』なのですか?日本全国なのに」
零「日が昇るのは東からだろう?日本は日が昇る国。つまり、世界の東方に存在する国って訳だ」
美鈴「あぁ、成る程!!」
こちらは凄く感心した上で理解した。
零「取りあえずだ。土地の確保だ」
紫「先に北方領土に行きましょうか」
零「そうだな」
美鈴「北方領土に行くのですか?懐かしいですねぇ~」
芳香「今度こそコロポックルを見るゾ~」
零「もう何回か見ただろう?」
いつもの雰囲気で、まるで観光をしに行くように話しをしているが、このプロジェクトはこの人生で最も最難関なものだろう。しかし、面白味も詰まっている筈。楽しみで仕方がない。
俺は湿った土を踏みながら、蝦夷の風を感じ、そう思うのである。
どうも薬売りです。コラボが終わったのでこっちも進めていこうと思った矢先、高校に入学したので投稿ペースが遅れる可能性が有ります。その時はお許しください。