東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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玉の緒の刀 X 『友情』

零「………」

ユナ「なるほど……霊魂か…しかも擬態化するとは珍しい。よっぽど強い念だ」

義経「当たり前だ。零さんの命が狙われているんだ。そのままにはいかぬ」

 

こう思ってくれる人がいる。そう気付く。それは、美鈴達や諏訪子達、神子達や文達、そして永琳達。挙げると数多の数だった。

 

ユナ「まぁ、どうでも良い。どっちにしろ…死ね」

 

ユナは瞬間で俺の前へと出てきて渾身の一撃を食らわした筈だが、その拳という名のビームは刀によって遮られた。

美鈴達も目を覚ましたようだ。

 

ユナ「ッく!!……あんただけが、刃物を扱うなんてフェアじゃあないよなぁ!?」

零「………?」

義経「まさか!?零さん、構えてください!!」

 

言われた通りに構えるが、ユナはお構い無しに弁慶の死体の方へと向かった。

ユナは弁慶に触れる。軽く撫でる程度。

そしたら、空中に幾つもの武器が浮かんできた。あらゆる場所から出てくる。

 

義経「あれは弁慶の所有物です。武器を集めるにが趣味でした」

零「おかしくないか?アイツ、武器に触れていないのに能力が発動している」

義経「なにやら『特典』というもので、『生物を触れるだけで、それの所有物を扱える』らしいです。俺も、彼に触れられて刀を奪われていたのです」

 

『特典』……か。次から次へと問題が降りかかってくる。その一つ一つの問題を繙くのにどれだけの流れに乗らなければならぬのだろうか。苛まれるぜ。

徒花を見ている気分だ。憂鬱な気分。

 

ユナ「いくぞォッ!!」

零「……」

 

それらは一気に向かってくる。

勿論避けるが、限界が来るのは当たり前。何処かで防がなくてはならぬ。

……否、その必要性はない。

 

ユナ「当たれェェェェェ!!」

零「回りを見ねぇのが、あんたの悪いところ」

ユナ「あ?」

 

次の瞬間ッ!!ユナは吹っ飛ばされたッ!!美鈴の拳によってッ!!

勢いで零の方へ。そして………

 

零「ハァッ!!」

ユナ「ウグッ!?」

 

斬る。それだけである。

 

ユナ「ハァ……ガハッ!?…ハァ……まだだ…刀に触れたからな」

 

瞬間。義経である刀はユナの後ろの方へと刺さった。

 

ユナ「お前に刃物は効かない様なもんだからな」

零「よくわかっているじゃあないか」

ユナ「お前を殺すためにお前を知ってきた」

零「その努力は無駄になる」

ユナ「どうかな?」

零「……フッ…もうなっているか」

ユナ「あ?」

 

何かが勢いよく斬れる音。

ユナの背中が斬れたのだ。斬ったのは、義経である。

 

零「こいつは刀になるだけじゃあない。幽霊なんだから、人の形をするのは当然。なぁ、丸」

義経「えぇ、そうですよ」

ユナ「…ク、クソ……クソどもがぁぁぁぁぁぁッ!!!」

義経「秘技『百艘潰し』」

 

出鱈目に斬っているようで毎回致命傷を与えている。正に秘技である。

 

義経「テイヤァッ!!」

 

トドメ。ユナ・ネイティブはもう動く様子がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「いやぁ、終わったな」

義経「そうですねぇ」

 

ボロボロになりながらも朝日を眺める。

 

美鈴「強くなったんですねぇ」

義経「えぇ、それはもう。死んで霊になっても、力は死なん」

青蛾「貴方、あのユナ・ネイティブって人と知り合いみたいだったけど……」

零「まあな」

 

俺は空を見上げ、目を瞑る。

すると感じる。微かな風の流れを。

 

零「なぁ、義経。一緒に来るか?」

 

義経は少し驚いた。が、直ぐに笑顔になり……

 

義経「勿論です」

 

と、答えた。

 

零「よし、じゃあ行くか」

 

そして、旅は再開する。新しい仲間を加えて。


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