東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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玉の緒の刀 VIII 『情報』

あの後、牛若丸とは別れて旅を続けている。

あれから時は過ぎ、今では目的の母親に会ったそうだ。祝福すべき出来事だ。

今では『源義経(みなもとのよしつね)』として、兄弟である『源頼朝(みなもとのよりとも)』と軍を率いているらしい。

彼らの時代だ。今は彼らの時代なのだ。

 

俺は、そんな情報を聞いて、心が踊るような気分だ。久しぶりに諏訪へ行ってみようか。

そう言うことで、諏訪へと来た。

 

零「ん~久しいな」

美鈴「本当に定期的に帰りますよね」

零「んまぁ、帰ってくるって約束したしな」

 

俺達は今、階段を上っている。

すぐに見えた建物、『諏訪大社』だ。

 

諏訪子「んあッ!?れ、零!?か、か、帰ってくるなら言ってくれれば……もっと準備出来たのに…」

零「いや、いつもこのぐらいには来てるだろ。何で毎回同じ反応なん?」

諏訪子「あーうー………あ、どうもお久しぶりです。お弟子さん達」

美鈴「お久しぶりです」

青蛾「ヤッホー」

芳香「あーうー」

 

青蛾は軽いし、芳香は挨拶じゃねぇ。ただ諏訪子の真似しただけだ。

 

神奈子「おや、零じゃあないか。久しいな」

零「……?」

 

神奈子の後ろに誰かいる?

もしや…

 

零「神奈子、その子は次の巫女かい?」

神奈子「ん?あぁ、そうだ。ほら椿、諏訪子が恋した男性だよ」

諏訪子「んなッ!?」

椿「はじめまして……」

零「ん、初めまして」

 

照れたのか、俺が嫌なのか直ぐに神奈子の後ろに隠れた。

 

神奈子「ハッハッハ、この子は人見知りだからねぇ。さ、中に入ろう」

零「そうだな」

 

そして、神社の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「久しぶりに呑む酒もウマイ」

諏訪子「もっと呑め。そして酔え。そして私を勢いで襲え」

零「遠慮しておく」

諏訪子「くぅ……」

零「っていうか、お前が酔ってるやん」

 

明らかに焦点が合ってない。ベロベロに酔ってるなこりゃあ。

 

神奈子「そってしておけ」

零「おう。そうする」

神奈子「そういや、今は源頼朝だとか義経だとかが有名だよなぁ」

零「義経な。懐かしいね」

神奈子「知り合いかい?」

零「色々あってね」

 

今彼は何をしているのだろう。

 

神奈子「……だとしたら、言いづらいが悲報がある」

零「……何だ?」

神奈子「今、彼は追われる身になっている」

零「何故?」

神奈子「天皇の仕業さ。天皇が戦に強い義経を、良い地位につけた。そして、頼朝にはなし」

 

なるほど、やりやがった。

腹の底が煮えたつような怒り、それは信じなかった兄へのものだった。

 

零「……今日はもう寝るよ」

神奈子「……そうかい。じゃあ私も寝るか」

 

そうして、夜を越えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「みんな、もう準備は出来たか?」

青蛾「勿論」

零「じゃあ行くぜ。義経のもとに。『ナビゲーター』。場所は……『東北』?」

美鈴「相当逃げたのですね…」

 

俺は、今すぐにでも彼を助けたいと思った。そして、兄を殴ってやりたいとも思ったのだ。

 

零「『瞬間移動』ッ!!」


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