東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
まず、人目見た印象を話そう。
『美しい』。その言葉で良いだろう?もっと詳しくと言われても困る。
そうだな、強いて言うなら永琳と一位二位を争う程だ。流石、同じ……まぁいい。
質問されてる。なら、答えなくっちゃあなぁ。
零「やあ、お姫様」
??「誰なの?今は警備が厳重なはずよ?」
零「あれがか?量が多いだけで、厳重でもなんでもない」
??「…そうね」
ふむ、結構無愛想。と言うより、警戒かな?
青蛾「うわぁ…本当にきれいね!!」
美鈴「噂通りだ…」
零「うむ、同感だ」
と言う感じに、マジにきれいなわけだ。恐ろしい程。
??「あなたも求婚者?新しいわね。嫁を連れてくる人なんて。しかも夜中に」
そんなやつ居ねぇだろ。と、心の中で突っ込みつつ、俺は返事をした。
零「いや、生憎俺達は結婚している訳じゃないし、求婚しに来た訳でもない。何故来たか…分かるよな?」
??「……ふん。そうと思ったわ。やっぱりあなたは月び…「ただ興味だけで見に来た野次馬旅人だ」……へ?」
フフン。引っ掛かった。ちょいと悪戯をしてやろう。
零「それより『やっぱり』ってなんだ?え?何か思い当たる節でも?」
??「ググ……べ、別に、なにもないけど?」
零「へぇ、それより何か言いかけたよね?『月び』…何?」
??「うぐッ!!……焚き火と間違えたのよ!!『た』を『つ』と間違えたのよ!!」
零「仮にそうだとして、なんで今、焚き火なん?ン?」
??「ウガーー!!うるさいうるさい!!『月人』よ!!これでいい!?」
ハッハッハ!!もう終わりか!!……さて、本題に戻ろう。この切り替えの早さは異常だな。
零「よろしい。ならば、『八意永琳』を知っているか?」
??「ッ!!やっぱりあなたッ!!」
と、またまた警戒。なんだなんだ?トラウマかなんかか?
零「おいおい、月人が月人に『八意永琳を知っているか?』なんて聞かねえだろ?」
??「ン…それも…そうね……」
零「だろぉ?」
??「でも、何故永琳を知っているの?」
聞くと思ったぜベイベー。オラの米うまいべぇ?略して
零「それは……話が長くなるが……取り合えず、名前を言っておこう。俺は神田零。宜しく」
??「え!?ちょっと待って嘘でしょ!?」
ン?反応がおかしいぞ。普通の自己紹介は「へぇ、そんな名前なんだ。確かに美貌さ零ね」と返してくるはずなのだが……どう言うこっちゃ?
零「なんで初対面のお前に嘘をつかなきゃならねぇの?」
??「神田零って…妖怪から皆を助け、核兵器で自分ごと妖怪を殺して、更に永琳の恋人の『月の英雄』の神田零!?」
零「合ってるけど、月の英雄?なんだそりゃ?」
月の英雄?英雄になった覚えはないし、そもそも月に行った覚えはない。
青蛾「貴方、どんな人生歩んでいるのよ…」
と、ジト目の青蛾。
美鈴「す、すげー…」
話を素直に信じる可愛い弟子。
芳香「……ン?話聞いてなかったー」
それはそれで悲しいぜ芳香。
輝夜「わ、私は『蓬莱山輝夜』よ!!月の英雄……神田零様!!」
零「止めてその呼び方。怖いよ」
いきなりの変わりよう。さっきまでの警戒心は一体何処のゴミ箱に捨てた?そう思っていたら、こんな言葉が飛び込んできた。
輝夜「一緒に!!連れ出してください!!」
てね。流石にこの俺もビックリなんで、たった一文字でこの感情を表現できる不思議な文字を発するとしよう。
零「は?」
記号を入れたら二文字だった。