東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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空の雲は輝いて
空の雲は輝いて l 『歴史』


零「着いたか…」

妹子「そうですな」

 

俺は船を降り、隋の人々に歓迎をされた。

 

女「ようこそ!!我が隋へ!」

青蛾「久しぶりね」

女「おお!!青蛾じゃあないか。久しいな!!」

零「青蛾、彼女は?」

青蛾「この娘は『宮古芳香』よ。私の親しい友人よ。芳香ちゃん。この人は『神田零』よ」

芳香「よろしくお願いしますね。零さん」

零「ああ、宜しくな。芳香」

芳香「え!?あ…」

青蛾「いきなり名前で呼び捨てってスゴいわね…」

零「…?すまない、嫌だったか?」

芳香「い、いや。なんの問題もないぞー!!」

零「そ、そうか…」

 

変わった娘だ。まぁ、俺もだが。

しかし、いい雰囲気の国だ。

楽しそうというか、我が国より発展してるって言うかな…。

 

零「さ、隋の王に挨拶をしに行こう」

芳香「あぁ、それなんだけど…」

青蛾「今の王様は、虫の妖怪に呪いを掛けられてて…」

零「呪い?」

青蛾「そう、呪い。どんな呪いかは王様自身が口止めしてるから、貴方には言えないわ」

零「そうか…」

芳香「その為、会うこともできないのよ」

零「ふむ…分かった。妹子には伝えておく。取り合えず、隋の技術を勉強させてもらいたい」

芳香「分かったわ!!案内するから!!」

零「ありがとう。みんな!!この娘が案内するらしいから、ついてってくれ」

 

そう言うと、妹子を含めた遣隋使は芳香についていった。

さて、俺は観光でもしようかな。

 

青蛾「フフ…」

零「どうした?」

青蛾「あの娘、可愛いでしょう?」

零「そうだな」

青蛾「もう可愛くて可愛くて仕方がないわ!!」

零「そ、そうか…」

 

そういう趣味か?

別に、止めはしないが…

 

青蛾「違うわよ」

零「アッハイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「この『餃子』ってのが美味しいな…『拉麺』って言うのもな」

青蛾「毎回毎回思うけど、沢山に食べるわねぇ」

零「いや、普通だよ。寧ろ少なくて逆におかしい。俺は『脳を100%活用できる』んだ。でもその為には栄養も摂る必要がある。100%に値する栄養がこれだけだったら、少なく感じないか?」

青蛾「そう考えれば…あなた少食ね」

零「少食どころじゃあない。普通の人間じゃあ米を三十粒食べて腹一杯って言ってるようなもんだぜ?」

青蛾「死んじゃうわ」

零「栄養失調でな。過労死や老化はない。俺って不老だから」

青蛾「あら、私と永く過ごせるじゃない」

零「お断りだ」

 

席を立って代金を払い、店の外を出た。

そして、最初に目に入って来た光景は、さっきの言葉に怒ってプンプンしている青蛾……の奥にいるチンピラに囲まれている少女の姿。

 

チンピラ1「嬢ちゃん。チョイと内のとこ来ねぇか?いいことあるぜ」

チンピラ2「ヒヒッ、可愛い顔してんじゃあねぇか」

少女「……貴殿方、お強いですか?」

チンピラ3「そりゃあな。見た目でわかるだろ?この筋肉とか…ゲブッ!?」

 

チンピラは筋肉自慢を始めた瞬間、後方へと飛んでいった。

理由は、少女の拳だ。

 

少女「なんだ…弱いじゃあないですか」

チンピラ2「テメェ!!」

 

チンピラは右手のパンチを繰り広げる。しかし、予知していたかの如く、少女は右回転をし、右の拳で顔を殴る。

他のチンピラは勝てないのを悟ったのか、スタコラと逃げていった。

 

少女「お手合わせ、ありがとうございました」

 

少女は、その場で礼。

 

零「素晴らしい拳だ…」

少女「次は、貴方ですか?」

零「いや違う。別に相手になってやっても良いのだが、少し君に興味がわいてな。名前は?」

美鈴「私は…『紅美鈴(ホン・メイリン)』です」

零「そうか、俺は『神田零』だ。そして君……」

 

零は、少女の耳元で囁く。

 

――――――君…妖怪だろう?――――――

 

ズドオォォン……

 

零「おいおい、人の話は最後まで聞こうぜ?」

美鈴「貴方は……強いようだ!!」

 

美鈴が零に蹴りを入れようとして、零はそれを指で止めていた。

 

零「やれやれ…どうなっても…知らないからな?」


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