東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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もう二月になるのか
正月が一週間くらい前に思えます

あぁ、受験生か……
嫌だ……


諏訪信仰の蛙 V 『一騎』

諏訪子「この日がやっと、来たか…」

 

諏訪子は一騎討ちをする会場に立っていた

向こう側から大和の神達が来ている

そう、今日が御社宮司(ミシャグジ)建御名方(タテミナカタ)の一騎討ちの日だ

 

建御名方「お前が御社宮司か」

 

建御名方が前に出る

 

諏訪子「そうだ。私の名は御社宮司!!またの名を洩矢諏訪子!!」

神奈子「我が名は建御名方!!またの名を八坂神奈子!!」

二人「「いざ、参らん!!」」

 

諏訪子と神奈子の一騎討ちが始まる

 

須佐之男「ほう、チャクラか…」

 

諏訪子はチャクラを、神奈子は御柱(おんばしら)を出した

互いに、一歩も譲らぬ戦い

一つのミスも犯してはならぬ戦い

その戦いを見守る神々

 

零「頑張れ、諏訪子ッ!!」

須佐之男「建御名方!!何をしている?遅い、遅いぞォ!」

 

神奈子「クッ!はぁあッ!!」

諏訪子「ウグッ!オラァッ!!」

 

互角、だろうか

いや、少し神奈子とやらが押されている

いいぞ、諏訪子

須佐之男の顔を見る

何をにやついている?

 

零「…『ディア』アイツの考えを読む」

 

………これはッ!?

 

零「『ナビゲーター』ッッ!!」

 

辺りを確認する

ソコかッ!?クッ!!間に合わん!!

 

諏訪子「ッッ!!??」

 

すると、いきなり諏訪子に目眩が襲った

 

神奈子「ドンラアアアッ!!」

 

神奈子の御柱をくらう

 

諏訪子「グハァ!?」

神奈子「お前は中々の勇者だった。挑発することもなく、本気で我が力に挑んできた。お前のような戦士は久しぶりに戦った。感謝するぞ。そして、お前はここで死ぬ運命なのだ」

 

すると、会場の外から…

 

神ども「ギャアアアアアアアッッ!!」

 

大和の神の叫び声が聞こえた

砂埃の向こうには、死んだ神と零が立っていた

 

零「スサノオォォォオオオオオオオオッッッ!!!!」

 

いくら須佐之男でも、この威圧に恐怖する

 

零「言ったよなぁ…ズルをするなと……言ったよなぁぁああああッッ!!」

須佐之男「ふ、ふん…知らぬ。そこの祟り神が負けるのは絶対の確信を持っていた。そんなこと、この須佐之男がするわけがなかろうが。無いことを真実にしようなど出来ぬのだ。見苦しい悪あがきを見せて、滑稽だな」

零「『こいつ、何故分かったのだ』っと、完全一致で思っている」

須佐之男「なッ!?」

 

須佐之男は驚いた、本当に完全一致で思っていたからだ

 

零「いいか?俺は心を読めるんだ!!んなことわかんだよ!!神奈子とやら!!諏訪子の首筋を見てみろ!!何がある!!」

 

神奈子は諏訪子の首筋を見る

 

神奈子「こ、これはッ!?」

 

首筋には痺れの毒が塗られた矢があった

それは小さく、針のような物だった

さっき、零が殺した神を見る。吹き矢を持っていた

 

神奈子「針が…刺さっている!」

須佐之男「建御名方!!貴様ァァァアアッ!!」

 

須佐之男は持っていた剣で神奈子に急接近した

そして、剣を振りかざす

 

ガキィィィイン…

 

零「お前はこの戦いに関わった全ての者を侮辱した」

 

そこには、青い鉄のような…否、ダイヤモンドのような物に包まれた手で、須佐之男の剣を掴む零が居た

 

須佐之男「ッ!?この手!!まさかッ!!」

 

零の手を見た須佐之御は突然笑いだす

 

須佐之男「ついに見つけたぞォ!!お前を()()()()()()!!」

 

探していた?

そう、口走ったのだ

 

須佐之男「お前を倒せば、俺が最高神だァ!!天照(アマテラス)なんか屁でもないぞ!!」

零「気でも違ったか。須佐之男よ。今の姿、愚かに見えるぞ」

須佐之男「何億と探し求めた物が目の前じゃあ誰でも狂うぞォ!!」

零「部下に嫌われてちゃあ、上司失格だな」

 

そう言うと須佐之男の後ろから…

神奈子が御柱で殴りかかった

 

須佐之男「グヘアッ!!??」

神奈子「侮辱しやがって…お前のことを尊敬していた私を殴り殺してやりたいわッ!!」

須佐之男「き、貴様ァ…ガハァ!!」

 

吐血

愚かで、無様である

 

神奈子「死ねぇぇぇぇぇええッ!!」

 

神奈子が須佐之男を、御柱で殴ろうとする

だが…

 

須佐之男「己の柱など、我が剣で絶ち斬ってやろうぞッ!!」

 

御柱は斬られてしまった

 

神奈子「なッ!?」

須佐之男「オラアッ!!」

 

神奈子が斬られる

 

神奈子「ウガァアッ!!」

須佐之男「フハハハハハハ!!裏切った罪は苦しみながら償え!!」

 

両腕を斬られてしまった

 

須佐之男「安心しろ!!後でちゃんと、首を飛ばしてやるよ!!」

零「オラアァアッ!!!」

 

須佐之男に攻撃しようとした、が…

そこに須佐之男は居なかった

 

須佐之男「そこには誰も居ないぞ…」

零「ッ!!」

 

背後をとられた

 

須佐之男「死ねぇ!!」

 

剣を振りかざそうとする

零にはスローモーションに見えた

永琳達の研究を思い出した

生き物は死ぬ際、物事がスローに見えるとか

俺は死ぬのだろうか

地面に着いた雨のように、なくなるのだろうか

この命、無くなるのだろうか

雨のように無くなるか…

水を掴んでも、切っても、地面に行く運命のように、人生が終わるのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君はやはり、何も出来ないものだ」

 

ふと、声がした気がした

何も出来ないか…前に聞いた気がするな、この言葉

何処で聞いたんだろう

 

「水は斬れないが、水が斬ることはできる」

 

斬ることが?

 

「君が、細胞を操るように、水も操れば良いさ」

「一滴一滴の雫が石を削るだろう?それと同じように…

 

             相手ヲ貫ケバ良イノサ」

 

恐ろしい、考えだ

ふと須佐之男を見た

そして、神奈子と諏訪子を見た

こいつなら、良いか

 

スローモーションが普通の速度となった

 

ジャキィィィン……

 

須佐之男「……な……んだ…と…」

 

須佐之男の剣を斬ったのである

そう、水で

 

零「この水、どっから取ったと思う?」

 

零はさっき殺した神を見る

須佐之男もその神を見る

そこには、干からびた神が居たのだ

 

須佐之男「な……」

零「さぁ、初めての弓矢。当たるかな~」

 

須佐之男は零を見た

そこには、水で創った弓矢を放った零が居た

このスピードでは避けることが出来ない

ヤマタノオロチを倒し、手に入れた剣で跳ね返そうとするが…

矢はいとも容易く剣を削ったのである

そして…須佐之男の眉間を貫いたのだ

 

水威矢と名付けよう

 

零は須佐之男を倒すことに成功したのだ

 

零「神奈子!!直ぐに治す!!」

 

零は神奈子の両腕を拾い、くっ付ける

 

零「『治癒の細胞』」

 

神奈子の両腕はちゃんと治ったのだ

 

零「これで大丈夫だ、神奈子………?神奈子?」

 

気絶している

 

零「ふう、仕方がない。神奈子と諏訪子を神社まで運ぶか」

 

そう呟いて、この場を去った




零が聞いたあの声、一体誰なんでしょう
その答えは、零の正体に関係しているかもしれません

次回も、お楽しみに

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