ダンジョンに騎士王(憑依)が現れるのは間違っているだろうか   作:ヨーグ=ルト

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なんとか年内に投稿できた……。

すいません、なんかスランプになってしまい上手く書くことが出来ませんでした。やる気も出ず、グダグダと書いては消し書いては消しの連続で、気がつけばいつの間にか12月に。年内には投稿しときたいなぁ、と思っていた所に現れたFGOの四章。一気にやる気が出て仕上げることができました。

引いた十連でフランケンシュタインが出た悲しみで書いたのもありますが。
フランよりモーさんが欲しい……。



五話

「ここが、バベルか」

 

 太陽が上空で燦燦と輝く下、俺とヘスティアは北西のメインストリートにあるギルドの入り口の前に立っていた。辺りは多くの人が賑わっており、その多くは武器や防具を身につけている見るからに冒険者という者達ばかりだ。その中には頭に獣耳が生えている獣人や耳の長いエルフもいて、ここが異世界ということを俺にひしひしと伝えてくる。昨日はそういった種族は見られなかったが、すでに異世界だと理解している俺に隙はなく、別にとりたてて驚くようなことはしなかった。

 

「アルトリア君、ボクはバイトがあるからもういかなくちゃいけないんだけど、一人で大丈夫かい?」

「大丈夫だって、子供じゃないんだから」

「いいかい、無理だと思ったらすぐに引き返すんだよ? 冒険者になったからって死んじゃったら元も子もないんだからねっ!」

「分かってる分かってる。それより大丈夫なのか? バイトの時間」

「へ? あ、や、ヤバい……! そ、それじゃあアルトリアくん、ボクはもう行くけど、今日は九時には帰ってくるんだよ! 絶対だからね!」

「はいはい」

 

 俺に言われて時計を見たヘスティアはあまり時間がなかったのか、焦った顔をしてバイト先に行く。途中でちらちらとこちらを見ながら。

 

 心配してくれるのは嬉しいのだが、俺だって子供じゃないのだからあんなに言わなくてもいいと思う。まぁいくら初期の状態からスキルと魔法があるとは言え、俺の見た目は中学生くらいの少女だ。他の冒険者と比べて頼りなく見えてしまうのも無理はないか。それもファミリアに入った時は顔を傷だらけにしていたことも、ヘスティアの俺を心配する心に拍車をかけているのかもしれない。

 

 ちなみにその傷は、今日ここに来る前にヘスティアの知り合いであるミアハさんという神様が主神であるファミリアでポーションを買って、飲む事で全て治った。もし、その時の様子を医者が見ていたのならひっくり返っていただろう。飲むだけで外傷が治るなんて、普通ありえないことである。

 

 とりあえず、今日は買ったポーション分を取り返すくらい稼がないといけないな、そう思いながら俺はギルドの中に足を進めた。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 ギルドの中は外見に違わぬ内装だった。床には塵ひとつ見当たらず、壁も傷などは特に見当たらない。手入れが行き届いているのか、ここを使う者達が皆気をつけているのかは分からないが、そこら中に傷が入っているよりかは好感が持てる。

 

 中を見回すと、次は受付であろうカウンターまで歩いて行く。カウンターの向こうには受付嬢であろう女性が立っており、明らかに俺の存在に気づいて来るのを待っている。そしてそのまま歩いて行き、カウンターの前に立つ。

 

「おはようございます。今日はどのようなご用件でしょうか」

 

 女性は笑顔で俺に声をかけてくる。その笑顔は俺のいた世界でも見たことのある、少しでも客にいい印象を与えようとする営業スマイルというやつだ。いつもなら気にしないところだが、向こうに居た時では絶対こないであろう格式高い所にいることもあり少し緊張している俺には、それを少しほぐしてくれるそれはありがたかった。

 

 その笑顔に心のなかで感謝をしつつ、受付の声に答える。

 

「えーと、冒険者登録をしに来たんですけど」

「はい、承りました。少々お待ち下さい」

 

 そう言うと女性は奥の方へ歩いて行き、姿を消す。おそらく登録に必要な事を書き込む書類でも取りに行ったのだろうと思い、帰ってくるのをこのあと行く予定のダンジョンで何階層まで行くかなんて事を考えながら待つ。

 数分程すると奥から再び女性が手に一枚の書類を持って歩いてくる。それが登録に必要な情報を書き込む物であると予想をつけるのは簡単だった。目の前まで歩いてきた女性は紙と一緒にペンを添えてこちらに差し出し、「こちらに必要事項を記入ください」と言い俺が紙に書くのを待っている。

 紙には名前と所属しているファミリアを書けということが記載されていた。隣にあるペンを手に取り自分の名前とヘスティア・ファミリアという名前を書き込む。日本語では通じないのではないか、と一瞬だけ不安になったが、別にそんなことはなく、いつもどおりに書き込んでも怪しまれなかった。

 必要事項を書き込んだ紙をペンと共に女性に差し出す。それを受け取り、紙を一通り見ると再び笑顔で「登録は終わりです」と声をかけてくる。

 

「これであなたは正式に冒険者となりました。あなたの担当アドバイザーは私、エイナ・チュールが務めさせてもらいます。これからよろしくお願いします、アルトリア・ペンドラゴンさん」

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

 そういい、組んだ手をお腹に当てて頭を下げてくる女性――エイナ・チュールを見て反射的に敬語を使い、こちらも頭を下げる。こうして、俺の冒険者登録は何事も無く終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

「よし、じゃあダンジョンに行くか」

 

 登録を済ませたため、もうここには用はない。そのため、次の目的であるダンジョンに向かうことにする。ギルドに入ってから冒険者登録を終わらせるまでにかかった時間はそう長くない。なので今からダンジョンに行っても、それなりに潜れるはずだ。そう考えてエイナさんに一言挨拶をしてギルドを出ていこうとする。

 

「あ、ペンドラゴンさん。ちょっと待ってくれるかな?」

 

 しかし、出ていこうと歩き出した途端に声をかけられる。無視するわけにもいかないので足を止めてエイナさんを見る。早いとこダンジョンに行きたい俺は、エイナさんを見る目には少し非難の色が浮かんでいる。それにエイナさんは苦笑しながら言う。

 

「ダンジョンに早く行きたいって顔だね。でもダメだよ、ダンジョンには危険がいっぱいあるんだから、知識がないのに潜るなんて自殺しに行くようなものだよ」

「……」

 

 知識どころか恩恵も無しの状態で、ダンジョンで目覚めてミノタウロスに追いかけられました。

 

 一瞬そんなことを言おうとしたが、寸前で飲み込む。なんというか凄く嫌な予感がしたのだ。たらり、と冷や汗を搔きながら、こちらの様子を不審に思ったエイナさんに笑顔をむけて誤魔化す。

 

「じゃあ、どうするん……ですか?」

「あはは、別に慣れないんだったら敬語なんて使わなくてもいいよ。これから長い付き合いになるんだから、そっちのほうが私も気が楽だしね」

「あ、そう。じゃあそうさせてもらうよ」

 

 敬語を使い慣れていない俺を見て、苦笑しながらエイナさんはそう言う。こちらとしてもそのほうが話しやすいので助かる。

 

 こほん、とエイナさんは気を取り直すように咳払いをして口を開く。

 

「さっきも言ったけど、ダンジョンになんの知識もなく潜るのは危険なんだよ。モンスターだって階層ごとに違うものが出てくるし、強さも下の階層に行くごとに強くなるんだから」

 

 だからね、とエイナさんは一拍置いて。

 

「一緒に勉強、しとこっか」

「――――ッ!?」

 

 笑顔でエイナさんは言う。それは彼女の端正な顔立ちと合わさり誰もが見とれるような物で、男が誘われたのならば断ろうとする者など一人としていないだろう。しかし、俺はこの笑顔を見た瞬間言いようもない悪寒に襲われた。俺の感が働いたのか【直感】が働いたのかは分からないが、頭のなかで警報をがんがん鳴らしている。

 

「え、と、その……」

「ん? どうしたのかな」

 

 警報にしたがって即座に逃げるべきか、それを無視して言うことを聞くべきか。頭のなかで2つの意見が鬩ぎ合う。目の前のエイナさんの顔に悪意は一つとしてなく、恐らくだが、完全に善意だけで誘っているのだろう。それを嫌な予感がしたから、という理由だけで断るというのも気が引ける。

 

「ご」

 

 気が引ける。

 

「ご?」

 

 とてもとても気が引けるのだが、

 

「ごめんなさぁ───い!」

 

 無理だった。

 

「え? あ、ちょっと!」

 

 悪寒に従い、その場から脱兎の如く逃げる。気が引けるとか思っておきながら流れるような動作に自分でも驚きを禁じ得ないが、一度走りだすともう止まることは出来ず、ギルドからあっという間に外に出る。後ろからエイナさんの声が聞こえてくるが振り返ることなく、その声を置き去りにして足を動かす。

 

 後日、また謝りに来ようと考えながらそのままダンジョンに向かっていった。

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

「よっ、と」

 

 軽い一言と共に手に身を屈め、緑色の怪物――ゴブリンの攻撃を難なく躱す。そして、ゴブリンが自分の腕を引き戻す前に懐に潜り込み、手に持つ剣を振るい胴体を切り裂く。その一撃に反応することも出来ずにゴブリンは上半身と下半身を切断され絶命する。

 

『ギイィィィッ!』

 

 自分の仲間を殺されて憤ったのか、殺されたゴブリンの後ろにいた二体のゴブリンが一斉に襲い掛かってくる。

 

 一体目は跳躍し、上から。もう一体はそのまま走り、俺を襲ってくる。それを見た瞬間、後ろに大きく跳躍して上からくるゴブリンと正面から来ていたゴブリンの攻撃を回避する。標的がいなくなり、二体のゴブリンの鋭い爪の攻撃は空振り、足を止めてしまう。その隙を見逃す訳もなく、俺は地を蹴り、一気に片方のゴブリンとの距離を詰めて剣を横薙ぎし、最初のゴブリンと同じように真っ二つにする。ゴブリンは防御することもできずにあっけなく死んでいった。

 

 そして、近くにいる最後のゴブリンは俺が背を向けているのを好機とみなし、背中を狙い勢いよく爪を振るう。

 

「痛った……っ!」

 

 その攻撃はうまく回避することが出来ず、背中に一撃をもらってしまい、衝撃が鎧を通して襲ってくるが、大した痛みではなく動きを止める程のものではない。

 

「っと、りゃぁッ!」

 

 大きな一声をあげて、左足を軸にして回し蹴りを放つ。その一撃には軽い【魔力放出】を使用しており、本来よりも強い威力が発揮される。その一撃を防御することできずにくらったゴブリンは後ろに大きく飛ばされていく。そして、そのまま壁にぶつかり、ずるずると寄りかかるような姿勢で座り込む。

 

 死んだか、と一瞬考えるが、座り込んでいるゴブリンはよろよろになりながらもなんとか立とうとしている。

 

 それを見て、再びこちらに襲い掛かってくる前に止めを刺すため、俺は手に持つ剣を振りかぶり、投げる。

 

 風を切り裂きながら剣は飛んでいき、あっという間にゴブリンの中心部に突き刺さる。立ち上がろうとしていたが、致命的な一撃をくらい、動くことは出来ずに絶命した。

 

 

 

 

 

「こんなもんか」

 

 ゴブリンの死体から約束された勝利の剣(エクスカリバー)を引き抜きながら、そう呟く。引き抜くと同時にゴブリンの体は次第に崩れていき、最終的に灰となる。恐らく、いや、間違いなく止めを刺すときに魔石を砕いてしまったのだろう。

 

 失敗したな、と少し反省する。

 

 現在ダンジョン四階層。ギルドから逃げるようにダンジョンに駆け込み、モンスターを倒して進んでいたら、いつの間にかこんな所まで来てしまっていた。本当なら二階層くらいでやめておこうかな、と思っていたのだが、興が乗ってしまい気づけば四階層まで降りていた。敵も一回層や二階層に比べると少しは強くなっているが、特に苦戦するほどではない。集団戦に慣れていないせいか、さっきは一撃をくらってしまったが。

 

「ま、あと二体もいるからいいだろ」

 

 ダンジョンから脱出する際に殺した犬から取れた石、どうやらあれは魔石といい、この世界でのかなり重要なアイテムだという。そのためダンジョンのモンスターから取れるこの魔石はギルドに行って換金してもらえる、冒険者の主な収入となっているらしい。ギルドに向かっている途中にヘスティアからこの話を聞いた時は惜しいことをしたな、という気持ちが一杯だった。なぜかというと、あの犬から取った石はダンジョンから出る際に鬱陶しくなり、道中で捨てたのだ。恐らくは、今頃誰かが拾っているか、モンスターが食べているのだろう。モンスターがあんな石ころを食べるかどうかは知らんけど。

 

 そんなことを考えながら、残る二体から魔石を取り出す。魔石を取られたゴブリンは魔石を砕かれたゴブリンと同じように灰になって消えていく。それを見た後、取り出した魔石を来るギルドに行く途中でヘスティアにもらった巾着袋の中に入れる。どうやらホームから出る時に俺が魔石を入れる物を持ってない事に気づき、出る直前で見つけた巾着袋を持ってきていたらしい。

 

「それにしても、やっぱりこの剣よく切れるな」

 

 脱出する時も思ったが、やはり約束された勝利の剣(エクスカリバー)はよく切れる。ゴブリンなんか紙を裂くように斬る。さすがは最強の聖剣といったところだろうか。まぁ、ゴブリンを斬った程度で分かった風にいうのはどうかと思うが、ここより下の階層のあの筋肉犬でさえ軽々と斬ったのだ、この辺りで切れない存在に出会うことはないだろう。

 

「……っと、次が来たか」

 

 歩いていると壁から音がなり、中からモンスターが出てくる。それは犬の頭をしているモンスター、コボルトだった。一体目が出ると、それに釣られるように後ろの壁もバキバキと音を鳴らしながら崩れていき、ゴブリンが生まれる。前方にはコボルト、後方にはゴブリン。

 

 次なる敵を前に、剣を構える。

 

「────その魔石、貰い受ける」

『ガアアァァァァァァッッ!』

『ギイイィィィィィィッッ!』

 

 決着が着くのには、数十秒ととかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

「これだけ取れればいいか」

 

 手に持つ魔石を巾着袋の中に入れる。中にはそれなりの数の魔石が入っており、倒してきたモンスターの数を物語っている。ゴブリンやコボルトが大半だったが、五階層に行ってからは影のモンスターが出てきた。そのモンスターだけは他のモンスターよりも強かったが、ミノタウロスと筋肉犬と比べるとかなり見劣りするため、特に苦戦はせずに倒せた。恐らくあれがこの階層で一番強いのではないだろうか。

 

 影のモンスターを倒してからも、奥に進みつつモンスターを倒していた俺だったが、何十体か倒し終わった後に現在の時刻が気になった。当然ながらダンジョンには時計というものが存在しない。そのため頼りになるのは自分の体内時計くらいなのだが、如何せんモンスターを倒すのに夢中になっていた俺はどれくらい時間が経っているのかが分からない。あまり遅くなってヘスティアを心配させるのも行けないと思い、今日のところはこれくらいで引き返すことにした。

 

 帰路についてしばらく歩き外に出ると、光が見えてくる――ことはなく、空は真っ暗でどう考えても夕方とかそういうレベルではない。

 

 何時だろう、と思い巨大な掛け時計を見る。長針は12指し、短針は11を指している。時刻は午後11時。とっぷりと日は暮れ、日にちが変わる一時間前である。

 

 自分ではそんなに潜っているつもりはなかったのだが、思いの外時間が経っていた事に少し驚く。勉強をしたりスポーツをしたりする時に集中していると時間が経つのが早く感じるが、ダンジョンにでもそれが出たのだろう。

 

 今度から気をつけなければいけないな、そう反省した瞬間俺の頭の中に電撃が走る。

 

『いいかい、アルトリアくん。今日は九時には帰るんだよ!』

 

 思い出されるのはギルドに入る前に言われた、ヘスティアの言葉。言われた時は適当に流していたのだが、あの時の様子からして本気で言っていたのは明白だった。それこそ破ったら激怒しそうなくらい……。

 

 現在の時刻、十一時。言われた時刻よりも二時間も過ぎている。

 

「……」

 

 俺は風と化した。

 

 

 

 

 ◾︎◾︎◾︎

 

 

 

「起きてませんように……」

 

 消えそうな声で、ヘスティアが眠っていることを祈りながらドアを出来るだけ音が鳴らないように開く。小さな音を立てながらドアは開いていき、そしてそれに比例するように中から光が差し込んでくる。入りたくない気持ちをなんとか押さえ込み、足を部屋の中へと進める。

 

「やあ、アルトリアくん。随分と遅い帰りだね?」

 

 中ではヘスティアがソファに座っており、俺が入ってきたのを確認すると同時にすごい笑顔でそう言ってくる。その笑顔はまさしく女神のようで、誰もが見惚れる素晴らしいものだろう。

 

 しかし、忘れてはいけない。

 

 笑うという行為は本来攻撃的なものであるということを。

 

 ヘスティアは自分の前の床を笑顔のまま指差す。どうやら座れという事らしく、大人しくそれに従い正座で座る。

 

「何か言うことはあるかい?」

「ち、ちょっと遅れちゃったっ」

 

 怒気を漂わせる女神の底冷えする声に、俺は頭の横に拳を当て、ウインクをしながら舌を少しだして誤魔化しの言葉を口にする。いわゆる『てへぺろ』というやつをしながら。それは怒りに染まった心を鎮めるという伝説のポーズ。そのあまりの可愛さにヘスティアの心も────

 

「バカモ───ン!! それでボクが許すとでも思っているのかぁ!?そんなもので誤魔化されるほどボクは甘くないぞ! 全くっ、今何時だと思ってるんだい!? 十一時だよ、十一時!ボクは九時には帰って来るように言ったはずなのに、君は一体全体何を聞いてたんだい!そもそもダンジョンに潜り始めて最初の日にそんなに長い間探索をするんじゃない!! ボクがどれだけ心配したと思ってるんだい!? 十時を過ぎた辺りからダンジョンに乗り込もうかと思ったくらいだよ! だいたい恩恵を貰ったと言っても最初の内は慎重に────!」

 

 鎮まる事はなく、寧ろ溜めていた怒りが一気に飛び出してくる。それはもう火山が噴火するかのように。ヘスティアの怒りは凄まじく、顔を真っ赤にしてそのツインテールもピーン、とまっすぐに逆立っている。まさしく怒髪天を衝くと言うやつだ。

 

 結局、ヘスティアの次々と飛び出してくる説教が終わるのは日を跨いでから三時間程たってからであり、それまで俺はずっと正座をしながらそれを聞き続けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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