止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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そろそろ寒くなってきましたね。
私はこたつを出しました、あの温かさは犯罪的ですね。


欲を捨てろ!!妖怪寺の思惑!!

俺……じゃなかった、私は詩堂 善(しどう ぜん)

住職を嫌々……ではない、心から住職目指して頑張ってます!うん……そう、たぶん。

……あれ?なんか今おかしくなかったか?

 

 

 

寒さがますます増し、冬を嫌でも意識させ始める今日この頃……

日もまだ昇らず夜中の様に暗い部屋で、一人の男が布団の中で深い眠りに落ちていた。

そしてその部屋に向かう小さな人影が一つ。

 

トタトタ……トタトタ……

 

やがてその部屋の前で足を止める。

そして……

 

「おはよーございます!!!!」

大声を上げ部屋の中に入る!!

「うわわ!!……なんだよ……まだ夜だぞ?」

あまりの大声に目を覚ましたのは仙人志望の少年 詩堂 善!!

「何言ってるんですか?もう朝ですよ?寺の門の掃除を始めましょう?」

そう元気いっぱいに話すのはこの寺(・・・)での先輩 幽谷 響子

そう、ここはかの有名な妖怪寺。命蓮寺!!

何故ここに欲望まみれの仙人志望の善が居たのかというと、物語は少し前に遡る!!

 

 

 

「ねぇ、善?あなたが欲に流されやすい所が有るのは前から知ってたわ……私や芳香の事を日々ねぶるように、色欲に満ちたいやらしい視線で見て、脳内で何度も孕ませていたのも知ってるわ……

けど仙人としてそれは有るまじき行為なの……解るわね?」

正座する善の目の前に、師匠がすてふぁにぃ(春画)を出しながら説教を続けている。

「は、はい……わかります……」

震えながら善が何とか応える。

明らかに話が盛られている事や、師匠アンタ人の事言えるのか?などの突っ込みがあるが今はそれすら些細な事に過ぎない!!

真に重要なのは師匠がその手に持った道具だった!!

「そう……わかってくれるのね?うれしいわ」

そう言って右手に持った道具を開く。

 

 

 

「……じゃあ、去勢しましょうか?」

シャキシャキ!!シャキシャキシャキ!!

そう言った瞬間右手の鋏を激しく閉じたり開いたりさせる!!

「ヒッ!!やめてください!!お願いです!!取らないでください!!」

必死になって懇願する善!!自身のタマがかかってはこうなるのもうかがえる!!

しかし師匠はなおも鋏を動かしながらにじり寄ってくる!!

「だめよ~?私も実は心苦しいの……けど煩悩の元は捨てないといけないでしょ?」

凄まじく良い笑顔!!本当にこの人はうれしそうに笑う!!

「いやです!!コレは俺が生まれたときから一緒にいる相棒なんです!!コイツ等をこんな所で見捨てるなんてできません!!」

最早涙を流しながら必死に訴えかける!!

必死の説得が通じたのか師匠が鋏を止める。

「そうなの……流石に取るのはかわいそうね……ならちょっと煩悩を消す修行をしましょうか?」

何かを思いついたのかうれしそうに手を叩く。

「はぁ……煩悩を消すですか?」

また厄介な事を師匠が始めた、と思いながらも師匠の話を聞く。

師匠の弟子たる善には最初から拒否権などはないのだ。

「そうよぉ?あなた最近修行に真剣なのは良いけど、欲に塗れすぎてるもの……チョットの間お寺で修行してきなさい。肉体面ではなく精神面を鍛えるのも仙人には必要な修行のひとつよね?」

「はあ……お寺ですか?どこの寺ですか?」

「命蓮寺」

その結果話はトントン拍子に進み、翌日には寺で修行を受ける事になったのだ。

 

 

 

「ぎゃーてー、ぎゃーてー、はーらーぎゃーてー♪」

周囲が暗い中、響子がお経を口ずさみながら箒で寺のゴミを掃除し始める。

善も箒を渡され寺の正門の前を掃除している。

「……なんで子供って朝あんなに元気なんだ?」

師匠の元で早起きはしていたが、それよりも早い時間に起こされたためもう数えきれない数のあくびを善は噛み殺している。

しかしここには修行に来た身、やれと言われたことをしない訳にはいかない、箒を使い真っ赤な落ち葉を集めていく。

「善さん?終わりましたか?」

掃除の最中で響子が善の様子を見に来た。

「ああ、もうちょっとかかりますね……風が少しふくたび葉っぱが増えているので……」

そう話している間にも枯葉は地面を少しづつ染めていく。

「あらら……この季節はこうなんですよね、先輩が手伝ってあげましょう!!」

そう言って胸を張り、善とは反対の方から箒をかけ始める。

「あ、ありがとうございます……」

先輩という事で少し気がせいてるのかもしれない。

善が目を離した、すぐに後に響子の悲鳴が聞こえた!!

何事かと思い響子の方に走り出す善!!

響子が腰が抜けたのか、怯えた様子で座り込んでいる!!

そしてその目の前には……

「芳香じゃないか、どうしてこんな所に?」

驚き声を上げる善。

そう、そこにいたのは師匠の居る墓場を守っているハズの芳香だった。

「おー、善。おはよう」

何時もの様に挨拶をする芳香。

「いや、おはようは良いけど……なんでお前がここにいるんだ?墓の警護はどうしたんだ?」

善の言葉に芳香がしばらく考え答える。

「……アレ?どうしてここにいるんだ?というかここは何処だ?善もどうしてここにいるんだ?」

全く分からないと言ったように首をかしげる。

「しっかりしてくれよ……ここは命蓮寺だ、ほら俺が師匠にここでしばらく修行するように言われたんだ、昨日の事だぞ?もう忘れたのか?」

自分がここにいる理由を説明する。

その言葉に思い出したのか芳香が声を上げる。

「あー、そうだ。思い出した、善に会いに来たんだ」

にこっと笑いそう話す。

「俺に会いに来た?どういうことだ?」

「善が居なくて……アレ?なんだっけ?……そうだ会いたくなったんだ、夜から待ってたんだが会えなくて、やっと会えたな!」

そう言ってうれしそうに話す芳香。

しかし対照的に善の顔は厳しかった。

「昨日の夜って……俺がここに来てからずっとってことか?」

そう言って芳香の手を取る。

「おー、あったかい」

善の掌の体温に微笑む芳香。

「……冷たい……ずっと俺が出てくるのを待ってたのか?一人で?こんな寒い中を?」

すっかり冷たくなった芳香の手を握る善。

「会いたくなったからなー」

何でもないことの様に話す芳香。

「芳香……会いに来てくれた事は正直うれしいよ、けどもっと自分の事を大切にしろよ?風邪ひいても知らないぞ?」

「私は死体だから風邪はひかないぞ?」

あっけらかんと答える芳香。

しかし善はなおも厳しい表情を崩さない。

「死体だからって寒さを感じない訳じゃないだろう?妖怪が出て危ないかもしれないし……さっきも言ったけど自分を大切にするんだ。ほら、寒かっただろ?」

そう言って自分の着ていた上着を芳香にかぶせる。

「ありがとなー」

うれしそうに眼を細める芳香。

「はら、響子先輩。芳香は危険な妖怪じゃないですから……あ、気絶してる……」

すっかり目を回し倒れている響子、あまりの恐怖に意識を手放したらしい。

一瞬考えほっておくことにした。

今目を覚まされるのは色々と不味い。

「仕方ない……俺は先輩を介抱するから芳香は先に帰っててくれ。あ、会いたくなったらちゃんと昼に来てくれよ?師匠心配してるだろうしな」

芳香を返し、気絶した響子の介抱、さらには掃除の後に控えている朝食の準備などを考える。

「善、この子、脱がすのか?」

「ぶぶっ!!」

突然の芳香の言葉に噴き出す善。

「ちょ!?何言ってるんだよ?そんな事する訳なだろ?」

Q目の前に気絶した子が居ます、どうします?

A脱がす!!脱がします!!

……とはならない、というかしてはいけない!!

「まえ、善の本にそんな場面有ったぞ?」

実に不思議そうに首をかしげる芳香。

「あれは……そういう必要が有ったからで……今回はその必要はないんだ!!」

必死で誤魔化す善!!

半場無理やり芳香を納得させる!!

「……解った。じゃあ私は帰る、修行がんばれ」

そう言ってふらふらと歩きながら帰って行った。

 

 

 

「響子先輩!響子先輩起きてください!!」

掃除を終えた後、寺の縁側に寝かせておいた響子を揺さぶる善。

「あれ?妖怪は?どこ?」

辺りを見回し自身の状態を確認する。

「妖怪なんていませんよ?先輩急に倒れたんですよ?きっと張り切り過ぎたんですよ、睡眠はしっかりとってくださいね?」

善は妖怪などいなかったことにした。

流石に「あれは俺の師匠のキョンシーだぜぇ!!ビビったか?ビビったかよぉ?きょーこせんぱいよぉ!?」とは言えなかった。

「うーん、気を付けるね」

そう言った立ち上がった。

「さ、先輩。今日は朝ごはんも作らなくちゃいけないんでしょ?食器の場所とか、味付けの濃さとか教えてくださいよ?」

そう言って善は響子をともなって台所に向かって行った。

 

 

 

「ただいまー」

芳香が善の師匠の住居まで帰ってくる。

「あら、芳香お帰り、善の様子はどうだった?寒かったでしょ?いま、スープをあっためてあげるわ」

笑ながら芳香を出迎える。

「えーと、寺の子を脱がしてた?アレ?違う、掃除してた」

「そう、頑張ってるみたいね……必死に頼み込んだかいがあったわ」

そう言ってにっこりと笑う。

その顔には邪仙と呼ばれる彼女に似つかわしくない笑顔だった。

「なんで善を寺にいれたんだ?」

芳香が不思議そうに聴く。

「あら?まえ教えたでしょ?忘れちゃったの?」

そう言いながら釜戸に火を着けてスープを温め始める。

「善はね?本人が気が付いてないだけでスゴイ能力が有るの……私は普通のつまらない人に興味は無いの。そんな人が来ても弟子にしたりしないわ、良い所あなたのご飯ね。けど善は違う、私や物部様はもちろん場合によっては太子様すら超える逸材よ、今まで何度も私たちの目の前でその力の片鱗を見せてる、けど本人は全く気が付いてないのよ……

面白いでしょ?だから、私はあの子を手放さないのよ。

ああ、寺に入れた理由よね?精神面が弱いのはそうだけど妖怪の山に行かせたのと同じ様に他の人と影響させて成長させるのが目的なのよ、私達以外でどう成長するのかしらね?」

非常に楽しそうに話すが芳香は半分も理解できなかった。

 

 

 

時間は少し遡る。

場所は命蓮寺の一室。

「聖、本当に受け入れるのですか?邪仙の弟子ですよ?」

寅丸が確認の様にこの寺の住職 聖 白蓮に聴く。

「私も正直言うと反対だ、ご主人の宝塔が目的の賊かもしれない」

その言葉にナズーリンが賛同する。

「ええ、確かに私達とは立場的に敵対するのかもしれません、しかし私たちは何者も受け入れる事にしています、もし彼がよからぬ事をしようとしても私達でとめるのです……それこそが真の平和につながる筈ですから」

そう言ってにっこり笑う。

 




ひゃっほほほぉう!!響子ちゃん来たぜ!!
ロリ+イヌ耳!!こんな最強の組わせが有っただろうか!!
動物好きの俺歓喜!!
Q目の前に気絶した子が居ます、どうします?
Aロリなら連れて帰る!!え?BBA?ノータッチで!


何やってるんだ俺……
ストレスか……すいません

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