中盤は善が全く出てこないという暴挙。
しかしあのキャラが再登場。
ゆっくりお楽しみください。
皆さんどうも!こんにちは。
私の名前は
偉大で優秀なお師匠様の元で、仙人目指して日夜修業中です。
目標はまだまだ遠いけど、千里の道も一歩から!!
毎日どんどん修業して、がんばって行きます。
……うん、別に底なし沼にダイブした訳じゃないよな……
けど、もう戻れないんだよな……だ、大丈夫、うん、そう……たぶん、きっと……
俺は間違ってない……ハズ……
どうしよう、自信無くなってきた……
「あら~?私の修業が不満?」
「そんな事ありませんよ!!ははは!!」
さ、さぁ!気を取り直して今日も修業です!!
「ぜ~ん」
「ん、どうした?」
昼下がりの午後、居間で善が師匠と芳香、更には自分の分の洗濯物を畳んでいる。
そんな善に芳香が先から何度もくっ付いてくる。
「呼んだだけだ~」
「ん、そうか……」
嬉しそうな芳香の頭を撫で、て再び善が洗濯物を畳み始める。
尚も後ろから芳香はくっついて満足そうにほほ笑む。
「あ、その服」
善が今しがた畳もうとした服をみて芳香が小さく声を上げる。
それは緑のワンピース、善が芳香にプレゼントした物だった。
「そう言えば前、外で着てたよな。
あー、その、似合ってたぞ?
お前やっぱりもっとおしゃれした方がいいんじゃないか?」
照れくさそうに自身の頬を掻く善、当然だが女の子に服をプレゼントした経験など無かった。
「そっか、じゃまた今度一緒にどっか連れてってくれ」
芳香がにんまりと笑った。
「おう、時間が出来たらな」
あの時とはもう違う、今の善にはたくさんの時間がある。
この約束はきっと守れるだろう。
「二人とも仲がずいぶん良いのね」
スルリと壁から顔を出し師匠が話す。
「そうですか、別に普通ですよ?
な、芳香?」
「外で目立たない服が有ってよかったわ。
因みに私もこんなの買ってみたの!」
そして壁から、師匠が全身を出す。
「うえ……」
その恰好を見て、善が固まる。
師匠の恰好は、セーラー服にスカートという学生スタイルだった。
本来師匠はすさまじく魅力的なのだが……
「どう?かわいいでしょ?」
「かわいいというか……
兎に角学生には見えません……こう、行った事は無いんですが、制服で接待してくれる夜の蝶的な人にみえまぁあああああああああ!!!」
ギリギリギリィ!!
「なにか、とてつもなく失礼な声が聞こえた気がするのだけど?」
笑顔を顔に張り付けたまま師匠が、善の頭を両手で押さえつける!!
頭蓋骨あたりから、悲鳴が聞こえる!!
「痛い!!放して!!放してください!!ダメです!ダメですって!!
歪んじゃう!!頭歪んじゃいますぅううう!!!
ほ、惚れそうです!!師匠の美しさに、あどけなさが加わって惚れてしまいそうです!!
登校初日で、クラスのマドンナ確定だなぁあああ!
あぁあああ!!本当にかわいいなぁああ!!!
こんな娘のいる、学校生活送りたかったなぁああああ!!!」
「あん。褒めても何も出ないわよ?」
善の言葉にくすくす笑いながら師匠が手を離す。
離されはしたが未だに、頭部が痛む善。
「芳香ぁ、俺の頭大丈夫か?歪んでたりしないか?」
頭痛を押さえて芳香に頭を向ける。
「あ!大変だ!!頭に歯型が付いてるぞ!!
こんなにくっきり……大丈夫なのか?」
頭部に傷を見つけた芳香が驚く。
「いや、十中八九それ付けたのお前だろ!!
昨日だってさんざん噛みつきやがって!!」
「う、あー?覚えてないなー?なんのことだ?
キョンシーだから記憶がー、キョンシーだから仕方ないなー」
善の追及に対して芳香がそっぽを向いて、わざとらしく視線を逸らした。
「コイツ……!嘘つくな!!お前結構頭いいだろ!!
この前、ペラペラ夕飯の内容覚えてたのはビックリしたわ!!」
口笛を吹く芳香に善が迫る。
その様子を師匠はじっと見ている。
善の言葉の通り偶に芳香は変に記憶力が良い時が有る。
この前、善の記憶を消した時もそうで有った様に、師匠自身予測していない部分が芳香には有るのかもしれない。
(善と一緒に居させたせいかしら?
始めは只の護衛の積りだったけど、手足の関節の部分や……そう、この前の時もそう。
芳香は善の一緒にいる事で確実に変化してるわ……興味深いわね)
横目でチラリと二人を見ていた。
「所で師匠、外の世界に迎えに来てくれた時ってお金どうしたんですか?
こっちとは流通している通貨、違いますよね」
善の疑問は最もだった。
外の世界とこちらの世界では使用している通貨が違う。
しかし師匠は外で、食事をしたりさっきの様な服を買ったことに成る。
「ああ、簡単な事よ。
タヌキの親分さんから借りたわ、あの人少し前まで外に居たから外貨とか持ってたのよ。助かったわ~」
「へぇ、流石バァちゃん。頼りに成るな~」
心強い仲間の存在に善が小さく心躍らせる。
また今度会った時お礼を言わなくてはと、一人考える。
「そうそう、すっかり忘れてたわ。
はい。コレ、あなたにね」
何かを思い出した師匠は立ち上がると、隣の部屋から一枚の紙を持って来た。
チラリと見えた文面に善の頭が再び痛み出す。
「まさか……」
「はい、借用書。返しておいてね♥」
手渡されるののは、借金の明細書!!
結構な額の金額が書かれているのは一旦置いて置こう。
此処で問題なのが――!!
「なんで私名義何ですか!?
しかも利息が!!利息がやばい事に成ってるじゃないですか!!」
借金した人物欄の名前は『詩堂 善』!!
しかも利息は闇金も真っ青のハイレート!!
「返済期限いつだったかしら?」
「3日過ぎてますよ!!3日も!!
ヤバいやばい、やばい!!バァちゃん金にはシビアな所有るからなぁ……」
詩堂 善!!未成年にして初借金!!
「い、いや待て……拇印が押してあるけど俺の指じゃない……効力はないハズ……」
「命蓮寺の時覚えてる?折れた指一本回収したのよね」
僅かに見えた希望!!それをあっさり打ち砕く師匠の言葉!!
「うぁぁああああ!!!!なんで俺がこんな目にぃいいいい!!!
す、すぐに話をしなくちゃ!す、少し出かけて来ます!!」
バタバタと手早く準備して、善が家の外へと走り出した。
きっとマミゾウになんとか、待って貰えるように交渉しに行ったのだろう。
「気を付けていってきなさーい」
「帰りになにか買ってきてくれー」
その様子を師匠と芳香が手を振って見送る。
善が出て行った事を確認すると、居間の机の上に重箱を置く。
「さてと、やっと話が出来るわね。
針妙丸ちゃん?」
「ん……」
その箱に入っていたのは、小人の針妙丸だった。
何処か怯えた様な表情をしている。
「えっと、詩堂君のお師匠様だよ……ね?」
「ええ、そうよ。怯えなくても大丈夫よ?何もしないから。
今日はあなたに貸してもらいたいモノと見てもらいたいモノが有るの」
そう言って、師匠が針妙丸の小槌を取り出した。
「ッ!返して!それは小人にしか使えない――ううん、小人ですら完全には使いこなせない危険な道具だよ!!」
両手を伸ばすが師匠の手には当然届きはしない。
「けど、例外が有るのよね。私の弟子とか。
他にもきっと……」
「――ッ」
師匠の言葉に、針妙丸が黙り込む。
初めて善の会った時の宴会、どんな仕組みなのか善は小槌で一冊の本を呼び出してる。
「鬼……なら、きっと……」
すごすごと針妙丸が語りだす。
「もともとこの小槌は鬼の、道具だから……鬼なら使える――と思う。
試したことはないけど……」
この小槌のルーツ、それは針妙丸の先祖までさかのぼる。
暴れる鬼を退治して、鬼から奪った道具。
それこそが針妙丸の持つ小槌である。
「ふぅん……鬼の道具、ね」
師匠が顎に手を当て考え始める。
今回の様なケースは前にもあった。
フランの時だ、あの時善は妖力の結晶を取り込み悪魔の武器を使用している。
もともと、善の『抵抗する程度の能力』を混ぜた気は妖力と間違われやすい。
(抵抗する力がセーフティを外した、または妖力だと道具が誤認した可能性が高いわね……)
机上の空論かもしれないが、その仮説は師匠にとって朗報だった。
(妖怪の道具を使える仙人……いいわぁ、いろんな事が出来そう)
様々な想像が師匠の脳内で巡っていく。
気、意外に使える力が増えるのは単純にして強大なメリットだ。
デメリットが無ければの話だが……
「ありがとう、この小槌返すわね。
じゃ二つ目のお願い。
コレ、本物の小槌かしら?」
そう言って、師匠が二つ目の小槌を取り出す。
だがこの小槌は針妙丸の小槌とはデザインが大きく違った。
槌の面の一方が鬼の顔に成っており、頂きには鈴が付いている、更には松の掘り細工が側面にそして全体が金箔で染められている。
「初めて見るよ、こんな小槌……どこで手に入れたの?」
「何処だっていいでしょ?あなたはコレが本物かどうか、調べてくれるだけでいいの」
この小槌は、師匠を紫から助けた仙人の物だった。
去り際にこっそり師匠は仙人から小槌を盗んでいた。
「……たぶんで悪いけど、本物だよ……
只の道具じゃない、私の持ってる小槌と同じく妖怪――無いし少なくても妖力を持った存在が作った道具だよ」
長い間一族に伝わってきた小槌を受け継ぐ針妙丸だからわかる感覚。
妖怪の作った物には、普通と違うクセの様な物が出来る。
特に顕著なのが書物で妖怪が書いただけで妖魔本と呼ばれる本がある。
それにあやかるなら、この道具は『妖魔導具』とでも呼べるかもしれない。
「そう、本物なのね。ありがとう、それさえわかればもういいわ。
物騒だから、お墓の外まで送るわね。
芳香、お留守番お願い」
「分かったー」
笑顔を浮かべた師匠は針妙丸に小槌を返すと、墓場の外まで送って行った。
「ね、ねぇ……その道具使う積り?」
お椀の中の針妙丸が師匠に声を掛ける。
気になるのはやはり、見せられた小槌だ。
アノ道具は危険。それだけが針妙丸にはわかっていた。
「ええ、力が有るなら手にしますわ。
邪仙ですもの、私も、そして私の弟子のあの子も……」
ニタリと、邪悪な笑みを一瞬だけ師匠が浮かべた。
その顔をみた針妙丸は逃げる様に去って行った。
「とは言ったものの……どうしようかしら?」
墓場の真ん中で、小槌を適当に振り回す。
道具としての観点として、すでに師匠は小傘に見てもらっていた。
彼女曰く――『道具としての見た目は似せれるけど、複製するのは無理』らしい。
材料を見ると外に塗ってある金粉は、人の欲から出る金を流用した物だが要所要所にある金属器などは見た事すらない金属らしい。
「別の世界の道具かしら、平行世界かまたは――未来、とか」
「あぁ!!や~っと見つけた!やっぱりここかぁ!」
墓場に間延びした声が響いた。
師匠がその声の主の方を向く。
「あなたは……」
「へろぉ!邪仙さん、この前振りぃ」
ヘラヘラ笑って、頭にツギハギのうさぎ耳を付けたヨレヨレの白衣に身を包んだ女が立っていた。
間違いなく、あの時仙人が召喚した子の一人である。
「たしか、仙人様のお付きだったかしら?」
「半分せ~かい。私は、キョンシーさ」
そう言ってその女は、自身の白衣の腕をまくった。
ソコには、芳香の頭にある様な術式が入れ墨として彫り込まれていた。
「あら、ずいぶん個性的なキョンシーね?
制作者はあの仙人様かしら?」
「おっとっとぉ?質問は無しよ。
兎に角それ返してもらいたいんだけどなぁ?」
右手を師匠に向かって差し出す。
「へぇ、情報は渡さない積りね。
別にいいわ。けど、コレ正直言って気に入ってますの」
「返してほしければ取って見ろって事?」
師匠と、白衣のキョンシーの視線が交差する。
師匠が目を細め、白衣のキョンシーが牙をむく。
「追い返して差し上げますわ」
後ろに一歩バックステップを取った師匠が、指先に濃い紫色の光弾を無数に発射する。
「へぇ、先ずは小手調べかぁ」
白衣のキョンシーが両腕を高く掲げ、地面に向かって振りおろす。
その瞬間両腕が鳥の羽根に変化する。
両腕で風を掻き、空へ羽ばたく!!
師匠の放った光弾を簡単に飛び越えた。
「前はライオンの様な腕を使ってたけど……別の力も使えるのね」
「そぉうだよ。私、いや『私達』はご主人の傑作の一人ぃ。
『
よろしくね?」
空を悠々と羽ばたきながら、玉図が笑った。
羽を一部をばら撒くと同時に、急降下して師匠を狙う!!
「傑作?甘いわね、まだまだ」
その場を師匠も飛び上がり、空中で体を捻りつつ今度は半円型の気光弾を発射する!!
「本当にぃ?」
今度は玉図が腕を組むようにして、両手を自身の腋の下に持っていく。
そして、両腕をこすり合わせる様にして師匠に、灰色のトゲの様な物を複数投げる!!
半円型の気と、無数の刺が空中でお互いを消しあった。
「ハリネズミの力……ずいぶんマニアックね」
「残念コレはヤマアラシでした~」
目を細め静かに笑う師匠と、ヘラヘラと緊張感なく笑う玉図。
二人同時に笑いが止まる。
「ふふっ」
「あはッ!」
両人が体に力を纏う!!
師匠は濃い紫の様な気を――
玉図は金色の蜃気楼の様な力を――
墓場の中心で、二色の力がお互いを牽制し合う!!
「止めておきましょうか。不毛だもの」
先に言葉を発したのは師匠だった。
同時に自身の気を霧散させる。
「ありり?見逃してくれるのぉ?」
その態度に、玉図も警戒を解除する。
「ええ、あの仙人様には借りがあるモノ。
貴女を倒して恨みを買いたくはないのよね。
はい、コレ」
そう言って師匠が仙人から盗み出した小槌を返す。
「ふんふん。本物だね!
じゃ、交渉材料として持って来たコレは要らないカナ?
ま、持って帰るのも邪魔だし置いてくよ」
パチンと指を鳴らすと、墓の端に白い布でくるまれた何かが現れた。
玉図が近付き、布を取ると中から銀色の機械が現れた。
「コレは?」
「月の兎さん達が送り込んだ侵略兵器の足。
珍しい金属だから、山の上に放置してあるのを一本へし折って持って来た。
ちなみの小槌に使ってるのと同じ金属」
「へぇ、いただいておこうかしらね」
師匠がソレに触れた瞬間術式が展開され、地面に吸い込まれる様に消えていった。
後ろを振り返った時、もうすでに玉図の姿は無かった。
「さようなら、邪仙さん。またいつか会えるのを楽しみにしてるよ」
声だけが、何処かからか聞こえた。
その日の夜。
「あー、ひどい目に遭った……なんというか、はぁ……」
食事の席で善がため息を付く。
その恰好は、ボロボロだった。
「辛気臭いわね、やめなさいよ」
横目で善を見ながら師匠がつぶやく。
「あ、すいません……」
「ねぇ、善。あなたキョンシーに興味ない?」
師匠の言葉に、善が反応する。
隠しているつもりだろうが、横目で芳香も善の言葉に注目しているのが師匠にはわかっていた。
「実は少しあります。
外で芳香がケガしたとき、応急処置位しか出来ないので……」
「善……私の事を思って――」
善の言葉に芳香が胸を打たれたような顔をする。
「…………」
師匠としては「キョンシーを作る気は無いか」という意図で質問したのだが、正しく理解されなかった様だ。
(まぁいいわ。善は芳香と一緒に居るだけで満足だものね)
何時か善が「芳香をください」というのではないかと一瞬おもって、思わず口元が緩む師匠。
その時一体芳香はどんな顔をするだろう?
そして自分はどんな顔をして、善に言葉を返すのだろう?
「なんか、師匠が黒い笑みを浮かべてる……」
「あら?お師匠様のご尊顔に向かってなんてことを言うのかしら?
お仕置きね」
「すいませんでした!!師匠の顔はいつも魅力的です!!」
「まぁ、うれしい。お礼にお仕置きの量を増やしてあげるわね」
「なんでですか!?止めてくださいよ!!師匠!!」
外伝~立ちふさがるモノ~
炎が燃える。人、一人どころか山一つ消し炭に変える様な炎の柱が――
「やられたな、今回の地獄長も考えたな……」
その真ん中で、一人の仙人が立っていた。
仙人の逃れられない宿命、100年に一度の死神の襲来だ。
「触れれば大火傷……では済まないな。
しかも、酸素をどんどん消費してる……下手に手を出したらバックファイアでドカンか……
炎はあくまで手段で狙いは窒息か。
小槌と玉図の無いタイミングを狙ったか」
そう呟いた瞬間、仙人の横を何かが通り抜ける。
黒いローブで顔は見えないが、手にはかぎ爪を装備している。
獰猛なうなり声が、フードの下から聞こえてくる。
おそらく、死神。それかもっと恐ろしいナニカ。
「なるほど。監視も居るのね」
唸るような声を上げ、かぎ爪を振りかぶりナニカが跳躍する!!
「たっだいま~」
玉図が炎の柱を見ている軍服姿で背中にライフルを背負った少女に声を掛ける。
彼女も、少し前に師匠たちに姿を見せた人形だ。
「玉図、首尾は?」
「この通りぃ。
お、久しぶりの死神じゃん。いーなー、遊んでもらえて……」
退屈そうに持ち帰った小槌を振り回す。
「ふぅ、暑かった……」
その時後ろに、仙人が降り立つ。
着ていたマントや、狐の仮面が焦げてなくなっている。
「主様、ご無事で!」
「おっかえーりん!&ただいま~。
ほい、コレ」
二人が仙人に挨拶する。
玉図が小槌を投げ渡す。
「ありがとう、玉図。
少し焦ったよ、何処でなくしたか、心当たりが無くてね」
「いやいや~」
遠慮気味に笑った時、仙人の懐から電話の音がした。
「あ、すまない。ちょっとでるよ」
裾に手を突っ込み、黒電話の受話器が出てくる。
顔が笑顔に成った為、玉図は相手が誰だかわかった。
仙人が急にデレっとした声に変る。
「はぁ~い。ドしたのかなぁ?パパでちゅよ~
お話し、したくなったのかなぁ?何を――
え”!?ベットの下の本……!?」
雲行が悪く成ったと、玉図が思った。
「いや、違うんだ!本当に愛してるのは、君たちだけで――けど、興味がある的な――
帰ったらちゃんと説明するから、ママには――
ええ!?もう見つけた!?実家に帰ってる途中!?」
仙人は受話器を取り落とした、袖口からコードでぶらぶらと揺れる。
一息つくと仙人がキリリと表情を直す。
「二人とも、私にはやるべきことが出来た。
各自解散!!自由行動!!」
それだけ言い放つと、小槌を腰にすえ、背中からガラスに走るヒビの様な形の羽根を展開して超高速で飛び去って行った!!
「大変だねぇ」
玉図はヘラヘラと楽しそうに見ていた。
出来ればあまり出したくないオリキャラシリーズ。
玉図は謎の仙人のキョンシー。
非常に俗っぽい性格で忠誠心が薄い。
動物の能力を使える。
基本それだけ、たぶんもう出ない。
因みに完良が思った以上の人気で驚いてます。
オリキャラが愛されるのはうれしいですね。