止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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レッツ投稿。
さて、今回は咲夜さんが――といっても大体の人はこの作品を読む上での注意はわかって言るとおもうのでそこまでは言いません。
ダメな人は、ブラウザバックよろしくお願いします。


冷酷!!悪魔の屋敷のメイド!!

私はリンジーノ・R・バイト。

紅魔館で執事長をさせて頂いております。

皆さまどうか、気安く『レジル』とお呼びください。

白いシャツに黒いジャケット、そして仕立ての良いズボン。

青と赤のネクタイを締めれば、それが私の戦闘服(仕事着)

太陽がのぼる前に私の仕事が始まります。

 

チリーン……!!

 

早速お嬢様のお呼びですね。

さぁて、今回は何をお望みですか?

 

 

 

 

 

…………名乗り口上はこれで良いですかね?

 

流石レジル!!バッチリよ!!

 

なんだかなぁ……

 

 

 

 

 

暗い廊下の中を一人の男が走り回る。

右、左、右、右、今度は左と迷路の様な廊下を必死の形相で走る。

足がもつれ、肺が酸素を求め叫ぶ。

だが今は休む余裕はない、逃げなくては!!一cmでも、一mmでも遠くへ逃げなくてはならない!!

追ってくる悪魔から、何としても逃げ延びなくてはならない!!

 

「は、フゥ!?」

曲がった角の先、壁にもたれかかる影を見て男が息を飲む。

 

「レ~ジル♪何処へ行こうとしてるのかな~?」

好奇心の強そうな活発な紅い瞳を、紅魔館の執事である善に向ける。

 

「ふ、フランお嬢様?こ、この後、私はそ、掃除のシフトが入っていまして……遊ぶのはその後にして頂けると、私、感謝感激シマス!!」

 

「え~?どうしよっかなぁ?」

震え縮困る善を見て、フランが楽しそうに嗤う。

この表現、善にとっては非常に見慣れた物、何か無茶を言う師匠の顔に非常に似ているのだ。

 

「ダァメ♥おねぇ様には言っておくから、このオモチャで私の部屋で遊びましょ?」

そう言って、何処からかトランプのスペードをイメージさせるグニャグニャに歪んだ杖とも剣とも槍ともつかない棒状の物を取り出す。

 

「何それ!?明らかにオモチャじゃないよ!?殺意の波動的なのがすごい伝わって来ますよ!?」

 

「大丈夫だって、コレはただのレーヴァテイン。怖くない怖くない」

 

「で、伝説上の武器ですよ!?ソレ!!」

怯える善を目の前に、ブンブンとレーヴァテインを素振りするフラン。

 

「さぁ、レジル?私とあそぼうね~?」

 

「う、うわぁああああ!!いやだぁああああああ!!!!」

フランを背にし、善が全力で走り出す!!

札を頭に張り付け、仙人としての能力を限界まで引き出す!!事実上の全能力使用状態である!!

 

「鬼ごっこがしたいの?良いよ!!付き合ってあげる!!アハハッハアハハ!!」

最強の捕食者が善を追う!!!

 

 

 

 

 

コン……コン……

紅魔館きっての有能。十六夜 咲夜がフランの幽閉されている地下へと足を踏み入れる。

その表情はいつもの様に、クールな表情だが内心は非常に穏やかではなかった。

この内心というのは今に始まった事ではなかった。

善がやってきて早くも10日が過ぎた。

仕事もきちんと覚え、戦力になるかならないかという所なのだが……

 

 

 

昨晩の事

夕食の時間となり、テーブルに紅魔館のメンバーが集う。

集うと言っても主であるレミリア、その友人のパチュリーの二人と、その給仕をする数人の妖精メイドと咲夜というのが良くある組み合わせだ。

だがその日は、何の気まぐれかフランも同じテーブルについていた。

そしてもう一人、少し前までいなかった人物がもう一人。

 

「ほう、良い味だ。使ってるワインが良いのか?香りと味に深みがある」

レミリアが皿からビーフシチューを掬い、味わう。

 

「確かにコレ。いいわね、咲夜また腕を上げたんじゃない?」

パチュリーもレミリアの言葉に賛同する。

シチューを浸したパンをかじり頬を緩ませる。

何時もなら、喜ぶべき二人からの称賛の言葉、しかし咲夜は気まずそうに口を開いた。

 

「あ、あの……コレは――」

 

「このシチュー作ったのレジルでしょ?」

ズズーっと皿を傾け、シチューを飲み干したフランが口を開いた。

 

そう、フランの言葉の通り今日の夕食のコックは新人の善だった。

通常、このタイミングで任される事は無いのだが善の料理が好評である事、さらに幻想郷では少し珍しい洋風の料理を作った経験がある事から、例外的に抜擢された。

調理するところは咲夜も見たが、まだ粗削りな部分や付け入るスキがある物の概ね、館の主に出しても問題の無い物が出来た。

 

「ほう、善が作ったのか……いい味だ。この調子でまた頼む。

っと、そうか……珍しくフランが地下から出てきたと思ったら目的は善の料理か」

面白そうに、頬を緩めてフランを見やる。

 

「別にいいでしょ?レジルがせっかく作ったんだし……」

レミリアの指摘に対してフランが気まずそうに、視線を逸らす。

 

「構わないさ、料理に釣られたとはいえ、妹が地下から出てきたんだ、喜ばしい事さ。

善、これからもよろしく頼むぞ?」

 

「ハイ、レミリアお嬢様」

レミリアが善に笑いかけ、善が深くお辞儀をした。

 

「な……」

このやり取りは咲夜にショックを与えた!!

基本『居ないよりマシ』程度の妖精メイド達は褒められる事はない!!

レミリアからのお褒めの言葉は自分の物。というイメージが付いてる咲夜にとって非常に嫉妬心が突かれる事態だったのだ!!

更に言うと『レジル執事長』という響きが有能っぽいのが気にくわない!!

 

「レジルー!!このシチューお代わり!!あとパンも!!」

空に成った皿を掲げ、フランが善を呼ぶ。

咲夜の名ではなく、善の名が呼ばれた部分にまたしても咲夜の嫉妬心が刺激される!!

 

「はい、お嬢様。……の前に、お顔がシチューまみれですよ?レディはもっとしっかりしませんと……」

そう言って、紙ナプキンを取り出しフランの口元をぬぐう。

 

「まったく、お前という奴は……もっと淑女らしい振る舞いを身に着けろと、いつも言ってるだろう?」

レミリアが楽しそうに口を開く。

口調こそ厳しいが、家族の団らんを楽しんでいるのが伝わってくる。

 

 

「おねぇ様だって、その口調無理やりやってるでしょ?いつもは『うー☆さくやープリンー』とか言ってるでしょ?」

 

「な!?言ってないわよ!!いつ私がそんな事言ったっていうの!?――――あ”」

フランの言葉が癪に障ったのか、テーブルを叩くとシチューの皿のスプーンに手が当たり、シチューが跳ね上がりレミリアの服を汚す。

 

「あーあ、おねぇ様ったら汚しちゃった!レディらしい振る舞いをした方がいいんじゃありませんこと?」

ヤケに芝居がかった口調で、不安がレミリアを挑発する。

一瞬後には、レミリアの服が変わっておりシミが無い服に成っていた、咲夜が何かしたのだろう。

フランの皿にも、新しいシチューと焼いたパンが置いてあった。

 

「フラン、アナタ……姉に逆らうとはいい度胸ね?」

 

「あは、久しぶりにヤル?おねぇ様」

レミリアとフランが同時に椅子から立ち上がる。

お互いが体から妖力を放出し始める。

妖力の奔流に、テーブルの上の食器がカタカタと揺れ始める。

パチュリーが慣れた様子で自身の周りに結界をはり、咲夜が二人から距離をとる。

一触即発のその時!!ゆっくりと善が動きだした!!

 

「お嬢様方。今はまだ食事中です、品の無い行為はお控えください」

構える二人の間に立ちふさがる!!

3者の視線が一瞬絡み合った。

 

「そう……ね。礼の欠く行為だったわ、食事を続けましょう。ほら、フランも」

 

「ですわね、おねぇ様」

 

「それでこそ、お二人です。本日はデザートもありますよ?

私特性のクリームブリュレです」

 

「本当!?」

 

「うー☆ブリュレー!!」

フランとレミリアが同時に目を輝かせる。

剣呑な空気が一瞬にして吹き飛ぶ。

 

「うーって……やっぱり、言うんじゃないですか……」

善の指摘に、レミリアが気まずそうに視線を逸らす。

微笑ましい空間!!その空気に咲夜は疎外感を感じていた!!

咲夜の心配はそれだけではない……

 

 

 

 

 

「さて、掃除をしようかしら」

何時もの様に、掃除道具を手にとり客間の扉を開く。

そして小さな違和感に気が付いた。

 

「あら……掃除がもう、してある?」

部屋がきれいだったのだ。

確かに昨日妖精メイドがここの掃除のシフトだったはずだが、ヤケにきれいすぎる。

 

「あれ?メイド長そこで何を?」

洗濯籠を抱えた、妖精メイドが咲夜に話しかける。

 

「掃除、の積りだったんだけど……思ったよりキレイで――」

 

「ああ、そこなら昨日D班の妖精の子達がやってましたよ」

昨日の事を思い出しながら、その妖精メイドが語る。

 

「貴女達が、此処を?」

 

「レジル執事長がそう言うの得意で、やり方を教えてもらったんですよ。

他の班の子達もやり方を教えてもらって、やってますよ」

その言葉にを聞いた瞬間隣の部屋へと時間を止めて移動する。

隣の遊戯室を開いて中を見るがこちらも、掃除がしてあった。

 

「あ、あの、妖怪!!」

居ないよりマシなハズの妖精メイド達が、戦力として使え始めている!!

『自身が紅魔館を支えている』というプライドに傷がついた!!

紅魔館的にはプラスなのだが……

更に……

 

「ねー、レジル執事長ってちょっと良くない?」

 

「あ!わかるー、影が有る所がいいよねー」

 

「妹様のガードさえなければ……夜、部屋で一緒に飲んだりするのにねー」

 

「うわー、肉食系!!」

 

「「「「あははっははははは」」」」

 

妖精たちの会話を廊下を挟んで聞いていた咲夜。

 

(よ、妖精たちにモテ始めた!!私なんか、むしろ恐れられているのに……!!)

仕事に続き、人望も持ってかれ始めた!!

 

「なんとか……何とかして、アイツに無実の罪を着せるとかで、アイツの人気を失墜なくては!!」

此処に咲夜の限りなく私怨に近い、計画が始まった!!

 

 

 

 

 

そして現在

(粗を探さなくては……あの、妖怪。妹様の部屋で何を?)

仕事の時間に成ってもちっとも出てこない善を探しに来ていた。

ここ数日から、フランと善が良く会っているのは知っていた。

最初はすぐにフランから逃げ出すと思ったが、何だかんだ言って地下に行っている様で咲夜の主のレミリアも黙認していて、半場公認となっている。

だが!!だが咲夜はそこが面白くなかった!!

 

(毎日、妹様に構ってもらえるとか……うらやま――死刑ね!!

今、この瞬間もあの男が、部屋の中でイチャラブしてるとか……

なんにせよ、あの男は早めに――)

そこまで考えて、視界の端で善が酷く怯えた様子でしゃがんでいるの気が付く。

 

「何をしているの?あなたのこの時間のシフトは掃除のハズでしょ?」

 

「あ、ああッ……つ、次は一体いつ!?何処から襲ってくるんだ!?」

ガタガタガタと酷く狼狽した様子で、ぶつぶつと呟き続ける!!

 

コーン、コーン……

 

「ひ、ヒィ!?き、来た!!」

善が必死になって頭を押さえ始める、必死にその足音を聞かない様にしているかの様だった。

そのリアクションの通り、靴音を立てながら廊下の奥からフランがゆっくりと歩いてくる。

 

「アハッ!!レジルみ~つけた!!次は何をして遊ぼうかな~?」

レーヴァテインを地面に引きずり、ゆっくりと歩を進める。

 

「お、俺に近寄るなぁアアアアアアアああああ!!!」

 

「うるさい」

 

「アベシ!!」

咲夜が善の額にナイフを投げると、倒れたっきり動かなくなった!!

 

「あ~あ、レジルまた寝ちゃった……」

倒れた善を見て、フランがつまらなそうにつぶやく。

 

「妹様?彼はこの後、掃除のシフトが入っています。

遊ぶのはまた後にしてください」

 

「えー?それじゃ、つまんない!!

他の使用人はすぐに壊れちゃうんだもん!!

フランのオモチャはレジルじゃなきゃ、務まらないの!!」

そう言って自身の物だ!!と主張する様に善を抱き上げ胸元に抱きしめる。

 

『死 刑 確 定』の単語がこの瞬間咲夜の脳裏によぎる!!

しかしなけなしの理性を総動員して、理的にふるまう。

 

「い、妹様?彼も仕事ですので……それに、仕事を怠けたせいで彼が解雇になると結果的に困るのは妹様では?」

 

「むぅ……それは……」

咲夜の指摘にフランが葛藤する。

善の顔をみて、さらに咲夜の顔を見る。

 

「わかった。けど、けどレジルが起きたら、またフランに会いに来るように言ってね」

 

「了解しました」

そう言って、善の額にさっき自分が突き刺したナイフを引き抜く。

傷を押さえていたナイフが無くなり、血が流れ始める。

 

「あ、もったいない」

そう言うや否や、善の額の傷跡に口を付け血を舐めとり始める。

 

「い、妹様!?おやめください!!」

 

「レジルの血って結構おいしいんだよ?おねぇ様はこの味を知ってるかな?」

唇に血をつけながらフランが顔を上げる。

自身の口元の血を舌で舐めとる顔が何処か艶めかしく美しくもあった。

 

「さ、さぁ……存じ上げかねます……」

コレ以上此処に居るのは不味いと、半場無理やり善を受け取り地下から出ていく。

 

 

 

 

 

「一体どうやってあそこまで妹様を……是非とも御教授をいただきたい物ね」

そう言って、自身に抱えられる善を見る。

額の傷がもう治りかけている、人間には不可能なスピードだ。

 

「………なんだか、イライラしてきた」

 

「仕事の時間よ!!起きなさい!!」

善の胸倉をつかむと顔面にビンタを何度も叩き込む!!

バシン!!バシン!!バシシン!!

 

叩きながら思うのはさっきの光景。

(さっきのアレ……私もお嬢さまにしてもらえないかしら……こう、ミスで自身にナイフを刺したって奴で――)

 

「キャッ!!」

 

「どうしたの咲夜?」

 

「手元が、滑って額にナイフが――」

 

「珍しいわね、貴女がそんなミスをするなんて?」

 

「すぐに顔を洗ってきま――」

 

「待て。偶には、直接お前の血を飲むのも悪くない、こっちに来て傷を見せろ」

 

「は、はい。お嬢様」

 

(的な感じで、お嬢様が私に――いけない!!いけない!!理性が!!)

善を叩きつつ妄想を爆発させるメイド長!!

顔はだらしなく、歪み鼻から大量の忠誠心(鼻血)が吹き出る!!

 

「お嬢様過激すぎですー!!」

バンバンバン!!

加速する妄想!!増加する忠誠心!!強化される善へのビンタ!!

 

「さ、咲夜さん!?なにしてるんですか!?」

通りかかった小悪魔が、咲夜を後ろから羽交い絞めにする!!

 

「え、ちょっと?何を――」

 

「それはこっちのセリフです!!咲夜さんこそ一体何をしているんですか!!」

小悪魔の必死の形相に、気が付き手に持っていた善を見ると……!!

 

「あ……ぐぅ……」

ぴくぴくと痙攣する善!!さらにその顔は両頬が真っ赤に腫れ、顔中血だらけ(半分は咲夜の忠誠心)そして咲夜の手に付く大量に血痕!!

更に気が付くと、周囲には数人のギャラリーが!!

 

「咲夜さん……血まみれに成っても殴るのを止めないとか――」

 

「ほら、最近焦りもあったんじゃない?」

 

「レジル執事長、良い人だったのに……」

 

「自身の立場があやぶまれる前に処理を……」

 

ざわざわと咲夜を非難気な眼で見る!!

しかししょうがない!!コレは客観的にどう見ても『咲夜がレジルを殺しに行っている』様にしか見えない!!

 

「咲夜あなた……」

気が付くとレミリアまでもが、咲夜を見ている!!

 

「ち、違うんです!!これは、その、えっと――」

 

「そうよね、今まで私は貴女だけに負担を掛け過ぎたのよね?大丈夫、休日をあげるから、3日位休みなさいね?」

震えながら、レミリアが咲夜に休みを提案する。

余りの恐怖に誰も咲夜に目を合わせない!!

*その後必死の弁明で説明できました。

 

 

 

 

 

その日の深夜

フランの居る部屋へと咲夜が近付く、ノックをしようとして部屋の中から聞こえる声に気が付く。

 

「ねぇ、レジル知ってる?咲夜の秘密」

 

「咲夜さんの秘密?お嬢様、あんまり人の秘密を言いふらすのは良くないですよ?」

フランを善がたしなめる。

どうやら今夜も、善が遊びに来ている様だった。

思いのほか紳士的な善の態度に、咲夜が少し胸がすく。

 

(そう言えばレジルは、何だかんだ言って紅魔館にプラスの人材なのよね……

私は、妖精たちは戦力外として切り捨てたけど、執事長はしっかり教えて全体の妖精の質を上げてる……

妹様の部分もそう……あんなに楽しそうなフラン様は久しぶり……

あの、妖怪はこの館をいい方向に導くのかもしれないわね……)

そう思い立ち去ろうとして、再び足を止める。

 

「えー、咲夜の胸の話なのに?実は咲夜の胸は――」

 

「ああ、PADでしょ?知ってますよ?」

その言葉を聞いてピキィンと咲夜の体が固まる!!

 

(一体どこで?いつ、私の秘密が!?)

咲夜の秘密!!それは胸部に装備品を付けていることだった!!

 

「えー!?レジル知ってたの!?なんで!?」

 

「簡単な話ですよ。いいですか!!

大なり小なり、人の胸にはサイズに関わらず『夢』とか『希望』が詰まってるんです!!

私は基本大きなサイズが好きですが、此処はあえて『サイズは関係ない!!』と言っておきます。

そう、大きいのが良いに越した事はないんですが……

あ、話を戻しましょうか。

どんな胸にも『生命の輝き』とでも呼べる物が有るんです!!小さくても、大きくても、確かな『輝き』が有るんです!!

けどね?けどね!!咲夜さんにはそれが無いんですよ!!

あの胸は……あの胸は冷たい作り物の胸――」

 

ガシィ!!

 

突如善の方が掴まれる!!

首に伝わるのは冷たい金属の感覚!!

 

「ずいぶん楽しそうな、話をしていますね?レジル執事長?」

 

「さ、咲夜メイド長……!!」

 

「フランお嬢様?今夜の遊び、私も参加していいですか?」

 

「う、うん、いいよ!!」

咲夜の威圧感に押され、フランが渇いた声を出す。

 

「じゃ、レジル執事長……始めましょうか!!」

空気中に突然出現するナイフが善を容赦なく狙う!!

 

「お、おおお!?」

 

「さぁ!!血だるまに成りましょうね!!執事長ぉっぉぉおおおおおお!!!」

 

「い、いやだぁああああ!!!!」

悪魔の館の地下には今夜も、血と悲鳴があふれている!!




巻末おまけコーナー

「さぁ、善。巻末おまけコーナー始まるわよ」

「師匠!?なんで此処に?ここは作者が暴走する場所じゃないんですか?」

「作者は、交番に向かって『幼稚園児の彼女ほぴぃいいい!!』とか言って突っ込んで捕まったわ」

「まじっすか……」

「嘘よ、そんな訳ないじゃない。
今回私がここに居るのは本編で出番が無いからよ!!」

「ええ……」

「作者から、手紙をもらっているわ。
『更新遅れて読者の皆様ごめんなさい、(善が)なんでもするから許してね』
だそうよ」

「何で私が!?」

「じゃぁ早速……」

「何で師匠が!?」



という事で茶番、師匠を書いていないので久しぶりに此処に。

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