止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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熱い……リアルに死にそう……あー、いろいろキツイっす……
今回、フランに対して独自解釈が強く成っています。
苦手な人はブラウザバック推奨。


狂気の衝動!!悪魔の妹!!

私はリンジーノ・R・バイト。

紅魔館で執事長をさせて頂いております。

皆さまどうか、気安く『レジル』とお呼びください。

白いシャツに黒いジャケット、そして仕立ての良いズボン。

青と赤のネクタイを締めれば、それが私の戦闘服(仕事着)

太陽がのぼる前に私の仕事が始まります。

 

チリーン……!!

 

早速お嬢様のお呼びですね。

さぁて、今回は何をお望みですか?

 

 

 

 

 

…………名乗り口上はこれで良いですかね?

 

流石レジル!!バッチリよ!!

 

はぁ……なんだか疲れるなぁ……

 

 

 

 

 

「そう言えばさー、レジルって何の妖怪なの?」

地下の部屋の一室にて、善が紅茶とケーキのセットをフランに出している時聞かれた。

大きなベットに寝転がり、両手を頬に当て足をバタバタと動かす。

その度に、背中の羽の結晶と絹糸の様な髪が揺れる。

 

「フランお嬢様、私は人間ですよ。なぜか良く間違われるんですがね?

そんな事よりお行儀が悪いですよ?しっかり座ってください」

善がフランに注意を促しつつ、用意の出来たお皿を近くのテーブルに置く。

子供っぽい外見の通り、ケーキを見た瞬間瞳がパァっと明るく成りその場で羽を羽ばたかせ飛んでくる。

 

「いっただきまーす……むぐ……むぐ……」

フォークを手早く手に取り、ケーキを食べ進めていく。

 

「そんなに慌てないで、誰も盗ったりしませんから」

そう言いながら善が、紅茶のお代わりを注ぐ。

 

「うーん……この紅茶、少しは美味しく成ったけどやっぱり咲夜にはかなわないね。

まだまだしゅぎょーが足らないよ?」

紅茶を一気に飲み干したフランが、カップをソーサーに戻しながら話す。

 

「うぐ!今回のは自信作だったのに……解りました。

これからも、精進させてもらいますね」

フランが食べ終わったのを見計らって、皿を片付け始める善。

そんな善にフランが再び言葉を投げかける。

 

「そんな事より、なんでレジルは正体を隠すの?ここは妖怪だらけの場所だよ?

ねぇ、私にだけこっそり教えてよ?」

善の首にふわりと、フランの腕が巻き付いた。

耳元でフランの吐息交じりの声が聞こえる。

 

「だーかーら……私は本当に人間ですよ!!

仙人として修業をしているので多少他の人とは違うでしょうか、結局の所まだ普通の人間です!!」

半場ムキになって否定する、人間として理解してもらえなという焦りも善なりに有ったのだ!!

振り払うように、フランに振り返る。

少し空中に浮いてフランが距離を取る。

 

「うっそだー!!普通の人間は紅魔館の時計塔から落ちてピンピンしてる訳ないじゃない!!」

怒ったように、羽を広げるフラン。

指を突きつけ、善の矛盾を指摘する!!

 

「アレ、イッパイイッパイなんですよ!?『もう一回やれ』って言われても絶対にしませんからね!!」

そう言って3日前の事を思い出す善。

 

 

 

 

 

フランに誘われ時計塔で月を見た後……

 

「さて、そろそろ戻りますかね。明日も朝から仕事が有るので」

月を見た後、善がその場で立ち上がる。

その言葉の通り、明日も使用人全員の食事と美鈴への朝食の差し入れの仕事が有る。

美鈴の事を考えると、後半は遠慮したいがそうもいかない。

 

「えー?」

 

「戻りますよ、フランお嬢様位の子はしっかり寝なきゃダメです!」

指を立て、フランに注意する。

それに対してフランは露骨に不機嫌な顔をする。

 

「私位って……一応495歳なんだけど?」

 

「へぇ、1000歳超えてない時点でまだまだですね」

通常なら驚く所なのだが、善のすぐ近くに1400年ほど生きている『師匠』が居るので大した驚きに成らない!!

それどころか『まだ、子供だな』とさえ思ってしまう!!

すっかり年齢に対する、感覚が壊れてしまっている!!

*ちなみに善は十代半ばである。

 

「さ、また明日も遊んであげますから」

 

「うーん……わかった!!約束だからね!!指切り、しよ?」

そう言って、フランが善に小指を差し出す。

懐かしさを感じながらも、善も同じく小指を差し出す。

そこに巻き付くのはフランの圧倒的な指の力!!

小指一本とは思えない、パワフルなパワー!!

 

「ゆーびきーり、げーんまーん、嘘ついたーら、針千本の~ます!!」

 

「痛い!!痛い痛い!!ぎりぎり言ってる!!指ぎりぎり言ってるから!!」

笑顔で指切りするフラン!!必死になって指を離そうとする善!!

全くかみ合わない両者の表情!!

 

「ゆ~び切った!!」

指を離された善の指は半分、紫に変色していた!!

あと少しでちぎれていたかもしれない!!

 

「お嬢様?もう少し力を抜いて頂けると嬉しいんですがねぇ?」

指を押さえながら、善がフランに尋ねる。

 

「えへへ、こんなの久しぶりだから思わず……ごめんね?」

 

「全く、今度から気を付けてくださいね?」

舌を出して謝るフランにすっかり毒気を抜かれた善が、あっさりとフランを許してしまう、ひょっとしたらこういう部分も悪魔なのかもしれない。

 

「さぁ、帰――」

バキッ!!!

その時善のもたれる手すりが、嫌な音を立てる!!

しまった!!と思った時はもう遅かった!!

善が夜の紅魔館の中庭へ自由落下を始める!!

 

「う、そぉおおおおお!!」

 

「あ、レジルおやすみー」

助けを求める善だが、フランは全く事態に気が付かない!!

ただ単に善が下りるのが面倒だから飛び降りた、程度にしか思っていなかった!!

しかしコレ、場合によっては一生お休みすることになる危機的状態!!

 

(どうする?どうする!?時計塔は大体18~20メートル位として、頭から落ちたら流石に死ぬ!!いや、下は花壇に成っていたハズ!!両手で頭をガードすれば……!!)

そう思い、目前に広がるハズの花壇を見る。

ソコには冬の為、花の数は少ないが柔らかい土が有る!!

 

「良し!!これなら――ってああ!!」

希望を見つけた善が両腕で頭を守ろうとした瞬間!!

花壇の真ん中の不自然に剣山が出現する!!

まるで、突然出現した剣山!!誰かが設置したのか、針の山が善を狙っている!!

 

「だ、誰が剣山なんて置いたんじゃー!!!」

*犯人はメイド

 

「ああもう!!こんな所で死んで溜まるか!!死ぬならせめて巨乳に抱かれて死にたい!!プルンプルンの中で死にたい!!あ~、師匠に真剣に揉ませてくださいとか頼んでおけば良かった!!芳香も結構サイズ有るんだよな!!寝てる間とかやっておけば!!いや、むしろちゃんと頼めば――」

追い詰められた善!!死の危機にあるせいか!?どんどん醜い欲望が出て来る!!

驚くべきはこのセリフを発するのに0,94秒しか掛かっていない点!!

しかし空しいが、空を切る手には柔らかい感触は来てくれない!!

 

「そうだよ……この詩堂 善には夢が有る!!叶えたいと願う夢が!!有る!!

うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

足に気を流し込み脚力を強化!!

 

ダァン!!

 

時計塔の壁を蹴りこみ落下方向を変える!!

 

「いっけぇええええええ!!!」

 

目指す場所は、中庭の木!!

最善は木の中に飛び込むこと!!うまく行かなくても木に掴む事で落下の威力を落とせる!!

 

ガサガサガサ!!!

バキバキバキ!!!

 

「よ、よし!!」

善の目論見は見事成功!!

木の中に自分を飛び込ませた!!

落下の威力は抑えられ、木から落下した!!

多少の傷は仕方ないとして、安心して善が木から落ちる。

此処での不幸は、なぜか花壇の剣山が木の下へ移動していた事!!

善はそのことに気が付かない!!

*犯人はメイ――おや、誰か来た様だ。

 

グサァッ!!

 

「いぃぃぃっぃでぇええええええ!!!」

尻に剣山の刺さった善が、その場で飛び跳ねる!!

さらにそこへ!!

 

「パチェ!!善が時計塔から落ちたのよ!!あっち!!治療を!!」

 

「はぁはぁ……待って、レミィ……すぐに……はぁはぁ」

レミリアがパチェリーを連れて、やって来る!!

寝ていたのか、寝間着を来たパチュリーが魔導書を片手に息を切らせながらやって来る!!

 

「善!!無事の様ね?木で体を切ったのね?思ったより、重症でなくてよかったわ。

傷が有るなら、パチェに治して――」

 

「し、尻に剣山が!!ぬ、抜いて!!優しく抜いてください!!」

レミリアの言葉に安心した善が、尻を二人に向ける!!

二人の目前に、尻に突き刺さり血を流す剣山が!!

 

「ええ……」

 

「うわぁ……」

 

「は、早くしてください!!これ、むちゃくちゃ痛い!!」

善の容体をみて二人が絶句する。

 

「レミィ……コレ治さなきゃダメ?」

 

「ほ、本人は苦しそうだし……お願いできる?」

 

「会って、数時間しか経っていない男の尻を見ることになるなんて……」

 

「わ、私も手伝うから!!」

微妙な空気の中、3人が会話する!!

 

ズボン!!

「イギィ!?」

レミリアが善から剣山を引き抜き……

 

「えーと……部補移身(べホイミ)……」

シャララララン!!

パチュリーが回復を呪文をかける!!

 

「はぁうぅぅぅぅぅぅ…………」

善が回復の余韻に顔を緩ませる。

 

「さて、帰ろうかしら……パチェ?」

 

「ええ、そうね……レミィ」

顔を緩ませる善を置いて、二人は帰っていった!!

何かを話すには疲れ切っていた!!

 

 

 

 

 

「ぷッ!!あっはははははは!!!おし、お尻に剣山って!!!

あはッ!!あははははははは!!あ~おっかしい!!」

話を聞いたフランがベットでお腹を押さえながら笑う。

バタバタを足を動かし、おかしくてしょうがない様だった。

 

「笑わないでください。こっちは必死なんですよ?」

フランの様子に不機嫌になる善、その様子を見てフランがベットから立ち上がった。

 

「ごめんごめん、こんなにおかしいのは久しぶりだったの。

そうだ!!お詫びにレジルにすごい事教えてあげる!!」

 

「すごい事?」

悪だくみをする様な顔をするフランの言葉に、期待を込めて善が耳を傾ける。

 

「実は咲夜の胸は――」

 

グサぁ!!

 

「ぎゃぁあああ!!!」

突然空中にナイフが出現して、善の後頭部に突き刺さる!!

そのまま悲鳴を上げ、善が床に倒れる!!

 

「フラン様」

 

「あ、咲夜」

倒れた善を踏みながら、咲夜がフランの前に立つ。

 

「今夜は前々から計画されていた、使用人たちの親睦会です。

レミリアお嬢様はもちろん、パチュリー様や美鈴も参加予定です、フランお嬢様はいかがいたしますか?」

 

「私はパス、レジル以外の使用人たちに私好かれて無いもん。

私が出る訳にはいかないの」

咲夜の話につまらなそうに視線を外す。

フランはいつもこうだった、屋敷の中を動く事は有っても決して外には出ない。

使用人とも会話する事自体少なかった。

 

「そうですか……なら、彼を置いていきますね。

何かあれば()()呼んでください」

咲夜は善の頭の刺さったナイフを引き抜き、音もなく消えていった。

 

「かわいそうなレジル……私に目を付けられちゃって……きっと貴方もいつか私に壊されるのね」

尚も倒れる善を拾い上げ、フランが一人つぶやいた。

近くに有った椅子に座らせ、死んだように眠る善を眺めるフラン。

 

「あれ?」

さっき善を持ち上げた時に付いたのか、フランの手に血が少し付いていた。

半場無意識にその血を舐めとった。

 

「!!…………へぇ、人間っていうのはウソじゃなかったんだ」

善の血の味を見て、言葉にウソが無かったのを理解する。

確かに善の血はフランが良く口にする人間の味がした。

 

『なら、作り変えてしまおうか?』

 

「!?」

ゾクリと嫌な感覚がして、誰かの声が聞こえた。

その声は尚も囁き続ける。

 

『人間は脆い、100年も経たずに死んでしまう。解る?

私が生きてきた時間の5分の1以下しか生きない、それなら作り変えてしまえばいいんじゃないかな?』

 

「ダメ……きっとレジルはそれを望まない!!」

 

『けどフランドール(わたし)はそれを望んでいるよ?』

さっきから聞こえる声はフランの心の中の声だった!!

『悪意』か『狂気』かそれとも『願い』か何なのかは解らないがそれは囁き続ける。

 

「うぅ……」

その時善が、わずかに動き首筋がフランの目に飛び込んでくる!!

 

『さぁ、牙を突き立て彼を私の眷属にしよう?彼に永遠をあげよう?』

 

「ダメぇ!!そんなの!!絶対にダメ!!」

理性が抵抗するが、フランは誘蛾灯に誘き寄せられる虫の様にふらふらした足取りで善に向かっていく。

 

『さぁ、レジル。私のトモダチになろう?』

善の髪の毛を掴み、目の前に首筋を持ってくる。

口を開き、自身の牙を突き立てようとする瞬間!!

 

「よ、芳香ぁ!!噛むんじゃない!!まだ死んでないぞ!!」

突如善がフランを突き飛ばし、目を覚ました!!

 

「レジ、ル?」

突然の出来事に尻もちをつき、フランが目を白黒させる。

 

「あ、アレ?芳香じゃ……すいませんね、フランお嬢様。いつの間にか寝ていたのかな?ちょっと頭をかじられる夢を見まして……寝ぼけてたみたいです」

何時もの様に笑顔を見せ、フランを立たせる。

 

「えーと、今の時間は……やばい!!もうパーティ始まる!!」

支給された懐中時計を取り出し、時間を確認した善が慌て始める。

その言葉に、さっき咲夜がそんな事を言っていたなー、と他人事のようにフランが思う。

 

「フランお嬢様も行きましょうよ!!」

そう言って、善が手をフランに差し伸べる。

自分何をしようとしていたか知らない、その無垢な笑顔はフランを傷つけた。

 

「私、行かない」

 

「え?せっかくのパーティですよ?」

 

「行かないったら行かない!!行きたければレジル一人で行って!!」

しまった!!と思った時はもう遅い。

フランの目の前に、呆然とする善が立っていた。

 

「そうですか……わかりました。失礼します」

フランに対して頭を下げ、善が急ぎ足でその場から立ち去っていた。

 

「ま、待って――」

声を掛けようとするが、善はもうすでに扉から出て行った後だった。

 

「そうだよね……私が、選んだんだよね……この結果は私が……」

フランが力なく、ベットに横になる。

地下だというのに、中庭でのパーティの喧騒が僅かに伝わってくる。

 

「はぁー……結局私は一人か……キュッとして……」

自身の能力を使い、天井の『目』を自身の掌に移動させる。

この『目』はすべての存在に有るいわば急所、それを握りつぶせばその存在は脆く壊れてしまう。

つまり今、フランが手を閉じれば天井はいとも簡単に吹き飛ぶのだ。

 

「あーきたっと」

手の中の『目』を放り投げ、フランは布団を頭からかぶる。

何も考えたくない、ただ一人で居たかった。

けれど、なぜか少しだけ、ほんの少しだけパーティがうらやましく思えた。

 

ガチャ

自身の部屋が開く音がする、おそらく咲夜が何か持って来たのだろう。

それか、またパーティへの参加催促か。

 

「なに?私パーティには……」

 

「ええ、知ってますよフランお嬢さま」

そこに立っていたのは善だった、何かを隠す様に右手を背中に持って行っている。

 

「レジル?パーティに言ったんじゃないの?」

 

「また遊ぶって約束したじゃないですか。だから此処に来ました。

レミリアお嬢様には此処に居る事はちゃんと言ってきましたから」

 

「なんで、そんなに優しいかな?なんで、私に――」

 

「そうだ、お嬢さま。コレ」

そう言って、一体のテディベアを持ち出す善。

 

「コレ……私が壊した……」

それは、フランが善と初めて会った時に能力で壊したテディベアだった。

バラバラに成ったハズなのに、しっかりと縫合されておる。

 

「直しました。師匠から縫合を少し教えられているので……

さ、一緒に遊びましょうか」

善がフランに笑いかけた。

 

「…………うん!!」

フランもそれに負けない様な笑顔で返した。

太陽の光の射さない地下でその笑顔が、何よりの輝きだったのは説明するまでも無かった。

 

 

 

 

 

「何して、遊びます?」

 

「図書館で見つけたこの本でしてる事したい!!」

 

「こ、これは!?」

一部の妄想力豊かな読者諸君は恋愛小説のワンシーンで『恋人ごっこ』や不健全お兄さんたちは『薄い本ごっこ』などを思いうかべるだろうが、この作品は非常に健全な作品!!

そんな物は出てこない!!

フランが取り出した作品は――!!

 

「き、キン○マン!?」

某超人たちが活躍する漫画だった!!

表紙には額に『肉』の文字が書かれたキャラクターたちが技を掛け合ってる!!

 

「キン○バスターをかけて見たいの!!」

 

「ぜ、絶対にダメです!!流石にコレは洒落に――」

 

「逃がさないから!!!」

 

「つーかまえた!!」

フランから逃げる善の後ろから、再びフランの声!!

 

「え!?双子!!?双子なの?」

前を見ても、後ろを見てもフラン!!

善が混乱する!!

 

「ざんね~ん・ハ・ズ・レ」

 

「まだまだ、いるよぉ?」

更にもう二人のフランが、出現して善を取り囲む!!

 

「な、何で!?なんで四人もいるの!?」

 

「さ~ナンででしょ?」

 

「に・が・さ・な・い」

 

「どうしよっかなぁ?」

がしぃ!!と四人全員が善を掴む!!

そしてベットに向かって投げ捨てる!!

 

「「「「必殺!!フランちゃんバスター」」」」

説明しよう!!『フランちゃんバスター』とは!!

フォーオブアカインドを利用した関節技で、上は首、下は股関節まですべての急所を同時にロックしさらに相手を逃がさない!!成功率ほぼ100%の狂気の技である!!

 

「ぐえええええ!!!!」

グギィ!!ボギィ!!グチャン!!

 

「勝利のV」

 

「ひどい……ひどすぎる……」

ぴくぴくと善が痙攣する。

その時自身の右手が何かを持っている事に気が付いた。

 

「あれ?コレって……」

フランの背中に視線を送る善、結晶の様な羽が枝の様な部分から垂れてる。

 

(1、2、3、4、5、6、7……1、2、3、4、5、6?)

数を数え、指が震えだす!!

善の手の中に有るのは……!!

 

「お、お嬢様!!は、羽が!!」

フランに自身の持っていた、青い色の結晶を見せる。

 

「え?あー、取れちゃったか……大丈夫。そのうち生えるから」

そう言って、もう一つ羽の結晶を引き抜く!!

 

「はい、もう一個上げる。だからさ?もう一回コンティニューしようか?」

 

「「「ねーレジル?」」」

再び4人のフランの八本の手が善に迫る!!

 

「止めてね!!結晶一個じゃコンティニュー出来な――!!」

 

「「「「フランちゃんドライバー!!!」」」」

 

「ぎぃぃぃぃゃああああああおおおおお!!!」

 




夏休みになると、小学生の頃の事件を思い出します。

TVに影響されたのか、急に教育ママに成った母。
夏休みの宿題を目の前でやらせる。ここまでなら何処にでもいる母。
イラつきが有ったのか、計算途中でも横から消しゴムで私の書いた答えを消すんですよ。
「何で消すんだよ!!」
「消されたくなければ、消されない字を書きなさい!!」
とのこと。
仕方ないので答えをボールペンで書いてやったぜ!!

キレる母、家から追い出される私。

そのまま遊びに行って帰って来ませんでした。
夜に離れた場所の公園で無事見つかりましたが……

あの頃は若かったな~
少し反省してます。

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