止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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さて、レッツ投稿タイム。
この前見たら、いつの間にかお気に入りが300人越え。
読者のみなさん、いつも応援本当にありがとうございます。



危険度極大!!悪魔の住処!!

俺……じゃなかった、私の名前は詩堂 善(しどう ぜん)

ただ今、仙人目指して修行中です。

師匠の修行は厳しいけど、きっとそれも私の事を思っての事。

 

うん……そう、たぶん。おそらく、きっと……あれ?どうして涙が出るんだろ?

と、兎に角今日もがんばります……はぁ……

 

 

 

 

 

善の目の前に佇む巨大な紅い館。

濃い霧のせいで全貌を見ることは叶わないが、見える範囲だけでもかなりの大きさであることが解る。

 

「窓が少ない……昼間なのに人気がない……まさか!?」

善の脳裏に外の記憶がよみがえる。

このような建物に心当たりが有った!!

昼は人が少ない!!派手なお城の様な作り!!そして高給なバイト代!!

そこから導き出される答えは一つ!!

 

「まさか、ここは幻想郷のラブ――」

 

「あー!いたいた!!まさかもう来てたなんて、驚きましたよ」

善が非常に失礼な事を考えてる最中に隣から声をかけられた。

意識をその声の方に向ける。

 

親しみやすい笑顔に、中華風の服。

龍の文字が書かれた星のバッチ帽子をつけ紅い長髪を翻していた。

そして結構なサイズの胸が揺れる。

 

「良い……」

 

無意識に善の口から声が漏れる。

男のサガか、顔よりも揺れる胸の部分に目が行くが無意識だから仕方ない。

 

「初めまして!!アナタが来るのを待っていましたよ」

ニコニコと笑いながら女の人が手を差し出す。

 

「えっと……バイトの話を――」

ヤケにとんとん拍子に進む話に善が不振に思う。

 

「ハイ!お嬢様がもうすでにその運命は見ていた様なのでそのことはわかっています。

あ!自己紹介が遅れましたね。私の名前は紅 美鈴です。クレナイ ミスズじゃないですよ?」

自分の名前がしょっちゅう間違われるのか、クレナイの部分から目が笑っていない。

 

「美鈴さんよろしくお願いします」

 

「はい。と言っても、まだ面接があるので一緒に働くのはその後ですけどね。

そこまで私がお連れ――」

 

「その必要は無いわ」

美鈴の言葉を区切り、横から声が掛けられる。

善と美鈴がそちらの方を見ると、銀色の髪のメイドが立っていた。

足音気配共に一切なかった、まるで突然出現した様だった。

 

「あ、咲夜さん」

 

「お嬢様が言っていたのは、この子かしら?

とりあえず、こちらへ。会場に案内します」

咲夜と呼ばれたメイドに連れられ、善は紅い屋敷の門をくぐった。

 

 

 

 

 

その屋敷は外だけでなく、内部までもがすべて紅い色で染められていた。

絨毯、壁紙、家具、言葉の通りすべてが紅一色。

そしてドアも……

メイドがスカートから一本のカギを取り出し、一つの扉を開いた。

 

「ここでしばらくお待ちください。机の上にアンケートが有るのでまずはそれを」

それだけ話すと再び善の目の前から消えた。

今回も気配や足音一つなかった。

 

「行ってみますか」

自身を鼓舞する様につぶやくと、扉を開け待合室に入る。

其処も同じくすべてが紅い道具で構成されている。

 

「うわぁ……目がちかちかする……」

ガチャン!!

 

「うえ!?鍵かけられた!!しかも開かない!!」

後ろから、錠をする音が聞こえドアノブに手を掛けるがもう、開かなかった。

だんだんと善の中に嫌な予感が広がっていく。

 

「そうだよ……思い出した。

此処、紅魔館じゃん……吸血鬼の館の……

えー……妖怪の巣じゃん……生きて帰れるかな」

早速泣きそうになりながら、机の上のアンケートを手に取る。

やってないと何をされるか解らない。

 

「審査なしで食糧庫勤務とか嫌だぞ……」

そんな事を考えると、自身といつも一緒に居るキョンシーのことが脳裏によぎる。

チクリと後頭部に痛みが走る。

 

「あ……もう、食料にされてる……」

気がついては成らない事実!!なぜだか悲しく成ってくる善!!

それを振り払うようにアンケートスタート!!

 

①貴方の血液型は?

 

②一人暮らしレベルの家事は出来ますか?

 

③体力に自信はありますか?

 

④妖精と仲良くできますか?

ets、ets……

その他の質問がどんどん流れていく。

 

「よし、これで最後だ」

100問目の質問を書き終えるとほぼ同時に、カギが開きさっきのメイド(確か咲夜とか言ったか?)が顔を見せる。

 

「お待たせしました、お嬢様がお呼びです」

まるで機械の様に淡々と言葉を話し、善を別の部屋に連れていく。

 

 

 

「失礼いたします」

 

「失礼します……」

咲夜が一声かけてから、扉を開け中の住人に対して頭を下げる。

その様子を見ていた善もそれに習う。

 

「よく来た。そう緊張するな、顔をあげろ」

威厳のある声と重圧の有るセリフに恐る恐る善が顔を上げる。

 

「お前か?我が紅魔館で働きたがっている人間というのは?」

善の目の前に紅いアンティークと思われるテーブルとイス、そしてそこに座る10歳にも満たないであろう容姿の幼女、先ほどまでの言葉はすべてその幼女から発されていた。

 

「は、はい!!そうです!!」

直立不動の体制で善が気を付けをする、その様子に奥の人物が小さく笑う。

 

「ははは、そう緊張するな。

確かに此処は悪魔の住む館だが、いきなり取って食ったりはしない。

まずは座れ。話はそれからだ、いつまでも私にお前を見上げさせるないよ?」

 

「はい!!失礼します!!」

威圧する様な顔に、善が大急ぎで近くにあった椅子に腰かける。

その後、いつまでも防寒具をしているのは不味いと気が付いた善がマフラーを外し、畳んだ後足元に置く。

それを見て、満足げにその悪魔は頷いた。

いつの間にか、善の書いたアンケートの紙を手にして読み始める。

 

「では、お前の面接を開始しようか。お前の名前は?」

 

「詩堂 善です……」

 

「よし、紙に間違いはないな……

料理経験あり、か。得意料理は何だ?」

 

「えっと、厚焼き玉子と肉じゃがです」

 

「ほう、なら身体能力は――」

その後も試験官と善の問答が続いた。

 

 

 

「よし、質問はこれで終わりだ。

なるべく早く結果が欲しいんだったな?」

 

「は、はい!!」

尚も緊張しながら善が声を出す、どうしても試験官の紅い瞳と高圧的な態度がどうも苦手だった。

 

「喜べ、採用だ。早速今日の夕刻から働いてもらう」

試験官がサラサラと紙に何かを書きこみ、『合格』と書かれたハンコを押し、その紙を善に投げ渡す。

 

「ほ、本当ですか!!あ、ありがとうございます!!えーと……」

 

「レミリア、レミリア・スカーレットだ。この屋敷にいる間は、私がお前の主人だ。

私の期待に応えてもらうぞ?」

 

「は、はい!!レミリア様」

 

「うん、それでいい。小悪魔、善を使用人室に案内してやれ」

善の態度と言葉に満足気に頷くと同時に扉が開き、赤い髪をした女性が入って来る。

此方の女性も背中に小さな蝙蝠の様な羽が生えている。

 

「はぁい、新人さん!私があなたの下宿場所まで案内するから付いてきてくださいね!」

あざとい顔と声音で善を伴って歩いていく。

なるほど、『小悪魔』の呼び名は伊達ではないらしい。

 

 

 

 

 

「いやー、採用良かったですねー、男の人の採用ってあんまりないから……

『ああ、今回もダメなんだなー』って思ってましたよ」

前を歩く小悪魔がにこやかに善に笑いかける。

 

「へぇ、そうなんですか。給料とか待遇とか良いのに……」

 

「あーっと……さっき言った、『男の人の採用』って部分実はちょっと違うんですよ。

正確には妖精や妖怪以外って言うべきでしたね」

ピンと人差し指を立てながら小悪魔が説明する。

 

「???」

小悪魔の言葉に善が頭をひねらせる。

言っている意味がよくわからなかった。

 

「よくわからないって顔してますね。

じゃあ解る様に話します、第一にここは悪魔の住む館です、第二に此処に住むお嬢様の食料は人間の血液、そしてここは妖怪たちの禁猟区の人里の外。

最後にこの館の全員がグル、口裏合わせはお手の物。

此処まで言えば私の言いたい事、解りますよね」

ニタァっと嫌な笑顔を顔に張り付け、小悪魔が舌で自身の唇をぬらす。

 

「へぇ……それは怖いですね。()()()()()()とっては」

それに対して善は無表情で、小さく右手の骨を鳴らす。

その瞬間、小さく空気が弾けてパチパチと音がする。

長い紅い廊下の中で、小悪魔と善が3歩ほどの間隔を開けて立ち止まる。

 

「あはッ!冗談ですよー、冗談!!ここで人を襲ったりなんかしませんよ。

実は私、新人さんを見るとからかいたく成るクセが有りまして、脅かしてごめんね?」

 

「あー、もう!!すごい怖かったですよ?あー、未だに心臓バクバク言ってる!!

小悪魔さん脅かさないでくださいよー!!」

はははと両人がほぼ同時に笑い出す。

さっきまでの剣呑な空気は一気に吹き飛んだ。

笑い合うと同時に、小悪魔が一つの扉をひらいた。

 

「いや、だって。詩堂さんガチガチに緊張してるでしょ?

それを見てたら、いたずら心が刺激されちゃってぇ……

はい、此処が使用人室(男)です。今のところ詩堂さん以外男のスタッフは居ないので実質貸し切りですよ。

仕事着の制服は棚に畳んでありますから着替えて、待っていてください。

えーと、あとコレは屋敷の地図です。大きいと迷う事が有るので……

私に会いたくなったら、この『図書館』まで来てくださいね。

それじゃあ、詩堂さんまた後で」

 

「おお!!広い!!小悪魔さん何から何までありがとうございます」

にこやかな笑顔で、小悪魔に感謝して頭を下げる善。

それに対して小悪魔は何も言わずにニコニコと笑い手を振って仕事に戻っていった。

 

 

 

 

 

長い廊下を小悪魔が、指の爪を噛みながら歩く。

その顔は何処か恍惚としていて、それでいてなぜか冷や汗をかいてる様でもあった。

 

「ちょっかい出す相手は考えなさい、小悪魔」

通路の一角を通り過ぎた時、小悪魔の後ろから声が掛かった。

小悪魔が振り返ると、紫色の服をきた眠そうな顔をした少女が立っていた。

 

「パチュリー様、見ていたんですか?」

 

「貴女が新人にちょっかい出すのは日常茶飯事じゃない?

けど、良かったわ。何事も無くて……」

うんざりと言った様でため息を付きながら、パチュリーと呼ばれた少女が手にしていた本に目を落とす。

 

「だってあの子、なんだか美味しそうで……食べようかなーって一瞬本気で思っちゃいましたよ」

 

「美鈴の様な『気』を使かう妖怪ね。驚くほど人間に擬態してるけど、私の目はごまかせない。

貴女がからかった時、少しでも襲い掛かるそぶりを見せてたら――

いえ。それどころか後半歩立っている位置が違ったら危なかったと思うわ。

差支えなければ、後で図書館に紅茶を持ってきて頂戴」

そう言うと、そのまま図書館の方に本を読んだまま歩いてった。

 

「『後半歩』ですか……それくらい私も解ってますよ。

頼りなさげなオドオドした男かと思えば、急に剥き身の刃物のような一面を見せる……

なるほど、面白い()()ですね」

小悪魔が善を人間と判断した理由は簡単だ、自分自身に対して本気で驚いていたからだ。

妖怪や妖精は根本的な部分で『死』に対して何処か、諦めの境地が有る。

精神に重きを置いているからか、肉体が少々傷ついても自分は簡単に死なない事を理解している。

死ぬときは死ぬ、それが妖怪の多くのスタンスだ。

だが、あの少年は違った。

露骨に自身を守ろうとした、つまり『死に対する恐怖』を知り尚且つ『迫る死に抵抗しようとした』そんな生き物は、人間しかいない。

自身の口角が上がっていくのを小悪魔は自覚した。

 

「あはッ、なかなか面白い人が来たみたいですね」

上機嫌で、図書館まで歩いていった。

 

 

 

 

 

一方その頃の善は……

ある意味ピンチを迎えていた!!

 

「くぅ……小悪魔さんからもらったこの地図……

どーしてトイレの位置が書いていないんだ!!」

小悪魔からもらった地図は簡素な手書きの物!!

大まかな、部屋の場所は書かれているが日常的に使い過ぎて盲点だったのか、トイレの場所が一切書かれていない!!

執事服に着替えようとして、尿意を感じた瞬間もう遅かった!!

身体の奥からくる欲求に逆らえない!!

最悪の結果が脳裏をよぎる!!

 

「いかん……いかんぞ……それだけはいかんのじゃ……」

何処かで聞いたフレーズを口に出し、善はトイレを探すべく扉を開けた。

目指す場所は、さっきの面接会場。

今行けば、まだ誰か残っている可能性がある。

 

「うおぉぉおおおおお!!!」

怒声をあげ、地図を片手に走り出す!!

 

「ひッ!!ナニアレ!?」

 

「か、隠れなきゃ!!」

善の恐ろし気な気配を感じて、妖精のメイドたちが隠れる。

要するに結果的に自分の首を絞めているのだ。

 

 

 

 

 

「ここだぁ!!」

走り続けて、さっきの会場(案内図には第3応接間とある)の扉を開ける。

 

「あの、すいません。ト――」

 

「ねぇねぇ!!咲夜!!さっきの私のカリスマ見た!?

威厳たっぷりだったでしょ!?もうこれでカリスマ(笑)とか、500歳児とか言わせないわよ!!」

 

「流石ですお嬢様。しっかりとその勇士は私の心に刻みました!!

余りのカリスマに鼻血が――――あ」

 

「うー☆これで私の人気上昇違いな――――あ」

そこまで言って全員の時間がピタリと止まる!!

時間操作系能力者に時間を止められた訳ではない!!

目の前の状況を見て、フリーズしたのだ!!

 

カリスマ(笑)に満ちる吸血鬼!!それをヨイショするメイド(鼻から忠誠心)!!

そしていろいろ限界の近い仙人モドキ!!

気まずい、実に気まずい空気が流れる!!

 

「「「…………………」」」

キィ……パタン

気まずさに耐え兼ねた善が扉を閉める。

何というかリミット的な物も近かったし。

 

「最悪誰かに聞いてもいい……兎に角、見つけなくてはならない!!」

華麗に数秒前の事を記憶の彼方に追いやった善が、再び廊下を走り出す!!

 

 

 

 

 

「うをぉおおおお!!どこだぁああああああ!!!」

限界の近い善!!もはやまともな思考は働いていなかった!!

目についた地下への階段を跳ぶ様に降りる!!

 

「すいません!!!トイレの場所知りませんか!!」

 

「ひぅ!?何!!おにいさんダレ!?」

地下の部屋で、クマのぬいぐるみを壊していた幼女が驚き声を上げる!!

 

「いや、そんな事より、ト、トイレを――」

 

「そ、それなら、私の部屋を出て右、三つ扉を超えた突き当りのドア――」

 

「ありがとうございます!!」

幼女の言葉を聞くなり、善が駆けだした!!

 

数分後……

 

「いやー、助かりましたよ……あと数秒遅れていたらまずかった」

 

「ふぅん?緊急事態だったんだ、なら今回は特別に許してあげる。

本当ならレディの部屋に入るときはノックは絶対なんだからね!!」

礼を言いに部屋に戻って来た善に、その部屋の住人が頬を膨らませ、威嚇する様に善に右手の人差し指を突きつける。

 

「無礼は謝罪します、その、今思うとかなり礼を欠く行為でした……」

幼女の言葉に素直に善が頭を下げる。

その態度に幾分その幼女は気が紛れた様だった。

 

「全く……そう言えばおにいさん誰?新しい私のオモチャ?それとも……泥棒?」

二ヤリとこちらも笑みを浮かべ、右手をゆっくり開いていく。

そして勢いをつけて一気に何かを押しつぶす様に手を動かす!!

 

「二ヒ……」

握りつぶす寸前で右手は止まっていた。

だが尚も、狂気的な笑みは消えていない。

 

「違います……臨時のアルバイトです……

しばらくここで働かせてもらう予定です……」

話が通じにくい事を理解した善が恐る恐るといった感じで言葉を発する。

何とかい事態を回避しようと思考を巡らせる。

 

「リンジーノ・R・バイド?変な名前。

うーんと……リジーじゃなくて……レン、レジ……ル?

うん、そう!!あなたの事は『レジル』って呼ぶわ!!

仲良くしましょ、レジル」

そう言ってさっきと打って変わって人懐っこい顔を浮かべ、こちらに手を伸ばす。

 

「いや、あの……ソレ、名前じゃ……」

 

「なに?私の考えた名前は不満だっていうの?そんな事言っていいのかな~?

きゅっとして……」

先ほどの様に再び、幼女が笑い右手で何かを握りつぶす様な仕草をする。

瞬間善の第六感が一斉にアラームを成らす!!

 

「ドカーン!!」

ビリィ!!ブチブチ!!

 

「いい!?」

善のすぐ横に有った、クマのぬいぐるみが内部から弾ける様に引き裂かれる!!

触れる様子一切なかった!!不可視、不可回避、そして理解不能の攻撃!!

 

「ねぇ、私の付けた名前、気に入ったでしょ?」

再びにっこりと笑い近付いてくる。尚も右手を閉じたり開いたりしながら……

その時善が気が付く!!この幼女にも翼が有る事に、そしてさっき見たレミリアの様な小さな牙が生えている事に!!

天使の様に見える笑顔だが間違いない!!彼女も立派な悪魔だった!!

 

「は、はい!!気に入りました!!いやー、ニックネームなんて初めて付けてもらったなー!!うれしいなー!!」

 

「そんなに喜んでくれるなんて、照れちゃうなぁ。

そう言えばしこ紹介がまだだったね。

私はフラン、フランドール・スカーレット。

此処で働くんでよ?今日からよろしくね、レジル?」

そう言った善、改めレジルの腕にしがみついて無邪気に笑う。

 

「は、はは……はははは……」

レジルの口から渇いた笑いが零れる。

逃げ道は……ない!!




余談。
名前について、名前というのは人を縛る『呪い』という側面がある、と考える人がいる。
某神隠し作品でも、他者の名前を奪う事で、相手を縛る魔女が出て来る。
個人を特定し、呼ぶことが出来るのは確かに一種の魔術や呪いに近いかもしれない。

クラスや職場で、自身を指す名前を呼ばれると反応してしまうのが解りやすい。
その空間では、確かに自分は他者の知る自分の名前に縛られているという事となる。

名前とは遠巻きに自分とイコールに成る物なのだ。
ニックネームなど、正式名称以外にも『名付の呪い』は確かに存在する。
オンリーワンの名前ならなおさらそうだろう。

逆に名前の無い物は酷く、不気味に思える。
だから、人は名を付ける事で相手を縛る、または形を持たせるのだろう。



結論としては「レミリア様やフランちゃんにニックネームでよばれてーな」となる。

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