止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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今回からまた普通の作品なります。
そして今回も最初から謝罪デス。

今回いつもよりキャラ崩壊が激しいです。
橙ファンの皆さんごめんなさい。


帰還不能!!神秘のマヨヒガ!!

俺……じゃなかった、私の名前は詩堂 善(しどう ぜん)

ただ今、とあるお家に厄介になっています。

御主人様の躾は厳しいけど、きっとそれも私の事を思っての事。

 

うん……そう、たぶん。おそらく、きっと……あれ?どうして涙が出るんだろ?

と、兎に角今日もがんばります……はぁ……

 

……あれ?

 

 

 

 

 

「うぉおおお!!芳香ぁあああ!!」

 

「うぉおおお!!ぜぇんんんん!!」

キョンシーと邪仙の弟子が強く抱き合う!!

訳あって喧嘩別れ気味だったのだが、再会して以来ずっとこの調子なのだ。

 

「……昨日からずっとよ?そろそろ飽きないの?」

最早何度も繰り返されて二人の抱擁にさすがの師匠も少し呆れ気味である。

苦々しい顔で目の前の緑茶に口を付ける。

 

「いやぁ、だってぇ……悪い事しちゃったなって思って……」

 

「それは私の方もだぞ?私はもう怒ってないからな?」

 

「芳香ぁ……なんていい子なんだぁ!!」

 

「うぇへへへ~褒められたぞ~」

そう言って再びお互いにじゃれ合う。

見ている側からすれば非常に不愉快である!!

 

「……いい加減にしないと……消すわよ?」

 

「ふひぃ!?すいませんでしたぁ!!」

額に青筋を立てながら師匠がポケットから、札を取り出す!!

師匠がそのモーションを取る最中に善は素早く芳香を離し、土下座の姿勢に移行する!!

その滑らかな姿は熟練の土下座リストだけが出来る、スピードと美しいフォルム!!

言うまでも無いが!!全く必要の無い、匠の技である!!

 

「まったく、勝手に何処かに行ったと思ったら……落ち着きの無い子ね?まぁ、良いわ

修行も怠けている訳じゃないみたいだし、手の方ももう殆ど回復したみたいね」

そう言って師匠は善の右手を掴む。

火傷も裂傷もすっかり治っている様だった。

 

「人体の構造を理解した縫合痕……すごく綺麗、正に神業と呼べる代物ね」

うっとりとした顔で善の回復した手に頬ずりをする。

 

「し、師匠!?」

予期せぬ柔らかい感触に善が声を上げる。

しかし師匠は気に止めもしない!!

 

「ああ、会ってみたかったわぁ。コレだけの技術が有ればすごいキョンシーが作れそうなのに……ねぇ、コレ()、分解して中を見て良いかしら?」

 

「そのオファー通ると思ってます!?絶対に嫌ですからね!!」

これ以上ここに居ると碌でもない事にならないと理解した善!!

逃げる様にその場を後にする。

 

 

 

たたたと足音をたてながら家の前の墓場を歩く。

もうランニングも終わったし何時もしている修行自体も終了している。

此処からは自主練習の時間だ。

 

「さて、今日もやってみるかな」

適当な墓石の上にみかんを置き、その場から3歩ほど距離を取る。

深呼吸をし、体に気を纏い目の前のみかんに狙いを定める。

 

「気功拳!!遠当て!!」

その言葉と当時に地面を拳で殴る!!

一瞬何かが弾ける様な音する!!

しかし……

みかんには何の変化も見られない!!

 

「……失敗かぁ……師匠はもっと上手くやったのにな」

自身の悪い所を考えながら、その後も何度かトライし続ける。

 

「にぃ~」

 

「ん?おお、猫麻呂。久しぶりだな」

何時から居たのか足元に真っ黒な猫が、善の足に身体を擦りつける。

この猫は妖怪の山に居た野生の猫で、何か理由が有るのか善に懐き偶に墓場まで遊びに来ているのだ。

 

「久しぶりだなぁ、冬の寒い間どうしてたんだ?まぁいい、ちょっと待ってろ」

それだけ言い残すと、家に戻り煮干しを持って帰ってくる。

 

「よ~しよしよし、先ずは復習だな。お手!!」

 

「にゃー!」

ポン

猫麻呂は非常に賢い猫で、善が遊びで芸を教えたらドンドン覚えて行ったのだ。

犬の芸だが善はそんな事気にしない!!

というかそこは突っ込まないでください!!

 

「よぉし!ドンドン行くぞ?おかわり!お回り!お座り!バーン!」

連続で善が猫麻呂に指示を出す、その度に猫麻呂は右手でお手をしたり、左手でお手をしたりその場で回ったり、座ったり死んだふりをしたりする!!

 

「よぉしよしよし!!煮干しだぞぉ?たくさん食べろ」

掌から煮干しを差し出すとワンオクターブ高い声をだし猫麻呂が煮干しにがっつく。

ごろごろと喉を鳴らし尻尾をゆっくり揺らす。

 

「ふっふっふ、お次はコレだ。じゃじゃ~ん猫のオモチャ~」

某国民的ロボットアニメのキャラクター風のボイスを出しながら、ポケットから猫のおもちゃを取り出す。

コレは少し前師匠達と一緒に行った地獄で買った物だった。

 

針金の先にプラスチックの蜂が付いている。

笑いながら猫麻呂の前でそれを何度も振る!!

 

「どうだ?お前こういうの好きだろ?」

ヒュンヒュンと猫麻呂の前で振りまわす!!

眼はオモチャに釘付けで首を振っている!!

そして遂に……!!

 

「ニャー!!」

 

猫麻呂がオモチャに喰らいつく!!

だがその瞬間!!

猫麻呂が口を開いた!!

 

「……他の(メス)の匂いがする……」

 

「ウェィ!?」

突然聞こえたヤンデレ風な声に善が固まる!!

にわかに状況が理解出来ず、周囲に人が居ないか確かめはじめる!!

 

「え!?何?何が有ったの!?」

 

「……浮気ですか?……いい度胸ですね」

善は自身の目を擦った!!

その声は明らかに、目の前の猫麻呂から聞こえている!!

 

「少し目を離したらコレだから……オスはちゃんと見ておかないと」

一瞬煙が上がり目の前に橙色のワンピースを着た幼女が現れる。

頭には猫の様な耳とスカートから覗く2本の尻尾。

 

「えーと……お燐さんの知り合いです……か?」

自身の記憶のある最も姿の近い妖怪の名前を出す。

彼女の同種なら、この姿も納得できる。

 

「にゅふふふ、違いますよ?そんな人、知りません」

猫じゃらしを構えたまましゃがんだ体勢の善と、幼女の視線はほぼ同じ位置だ。

ゆっくり近寄ってきて善の頬に両手を添える。

 

「えーと……猫麻呂……であって……る?」

 

「合ってますよ?けど私の本当の名前は、(ちぇん)って言うんです」

 

「へ~そうな……ん、ピィ!?」

善が応答した瞬間首に激しい痛みが襲う!!

一瞬遅れて理解する!!

橙が自分の首を捻ったのだと!!

 

 

 

 

 

「ん……何処だここ……」

暫くしてまたもや見た事ない天井が目に入る。

 

「はぁ、またこのパターンか……なんだ?幻想郷の奴らは揃いもそろって、とりあえず気絶させるスタンスを取っているのか!?一歩間違えば拉致だぞ!!良いのかコレェ!!」

自身の中に湧いた怒りに身を任せその場で立ち上がる!!

だが、ガクンと体が引っ張られる!!

 

「え……マジで……」

いつの間にか善の首に首輪が巻かれており、そこから伸びる鎖は柱に厳重にくくりつけられている!!

あきらかな拉致監禁!!

詩堂 善まさかまさかの拉致監禁初体験である!!

 

「やばくね?……怖くね?」

誰に話すでもなく、目の前に伸びる鎖をまじまじ見つめる。

1カメ、2カメ、3カメ……

どの方向から見てもコレは間違いなくチェーン!!

 

「ちぇ、ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

無闇やたらと目の前の鎖を引っ張る!!

もちろん自身にこんな事をしたヤツが帰ってくる前に逃げる為である!!

ガチャガチャガチャ!!

 

「呼びました?」

善の横に有る障子が開き、橙が姿を現す!!

正直言って、今一番会いたくない相手!!

 

「猫ま、じゃ無かった。橙さん?悪いけどコレ外してくれませんか?」

成るべく相手を刺激しない様に、優しく好意的に提案をする。

相手はいきなりこっちの首を捻り、更に拉致監禁までセットでプレゼントしてくる妖怪だ。

いきなり指からビームを撃ってきてもおかしくない!!

*少なくとも善にはそう見えています。

 

「ダメです、善さんは放っておいたら何処に行くかわかりませんからね?ココ、マヨイガでずぅぅぅぅぅぅぅと私が飼ってあげますね?」

濁りの無いきれいな目をしながら善を覗き込む!!

『ずぅぅぅぅぅぅぅと』の部分は冗談や比喩などではなさそうだった。

 

「えっと……私こう見えても、仙人目指してるんで……その、飼われるのは困るなーって……修行出来ないし……ね?」

ガシッっと善の首筋の鎖が捕まれて、見た目からは想像できない力で引っ張られる!!そしてそのまま橙の目の前に、善の顔が突きだされる!!

 

「……そう言って逃げる気なんでしょ?逃がさないから……」

目先の一センチ前で橙の瞳が善を覗き込む!!

この瞬間!!善は理解する!!

 

(あ、だめだコレ。話聴かないタイプだ……)

サーッと背中に冷たい物が走る。

 

「さぁ、ごはんにしましょうか」

そう言って目の前に銀色の食器(明らかに犬用)に猫まんまが盛られる。

 

「あの……箸かスプーンが欲しいんですけど……」

 

「ペットにはいりませんよね?」

笑顔の返事、思わず撫でたくなるような無垢な笑顔なのだが内容は……

 

「素手で食えと?」

 

「ハイ!」

再び向けられる笑顔!!しかし!!内容は悪魔その物!!

非人道的&理解不能!!

尚もその瞳で『早く食え』との無言の圧力!!

 

「い、いまお腹いっぱいなんだよね……」

流石に人権までは失いたくない善(師匠のもとで9割以上失っているのだが……)

 

「……そうですか……なら、また後で来ますから」

そう言って橙は部屋から出て行った。

出ていく直前、こちらに向き直り。

 

「言っておきますけど、ここ結界が在って簡単には出れませんよ?」

善の心の中を見透かしたように話出て行った。

 

 

 

「やばいやばいやばいぞ……落ち着け、落ち着け詩堂 善。俺は仙人志望の男、何時も冷静沈着なクールガイだ……落ち着いて考えれば何かいい案が……」

全身の震えを何とか抑え込みながら、思案していると障子が僅かに開いているのを目にする!!

そのまま、視界を上にあげると明らかに橙の物でない瞳と目が合う!!

 

「……えっと、コンニチハ」

 

「ああ。こんにちは、入っても構わないな?」

無音で障子の向こうから今度は女性が姿を現す。

 

「アリだ……」

善がぼそりと無意識に言葉を漏らす。

目の前に現れたのは、暴力的なまでの美女!!

知的な雰囲気に、思わず目を疑うルックス!!

そして善的に無視できない豊満なバスト!!

そのすべてが善の好みだった!!

 

「お前が、詩堂か?」

目を細めながら目の前の女性が声を掛ける。

 

「は、はい!!詩堂 善です!!よろしくお願いします!!」

 

「そうか……お前が……お前が『シドウ ゼン』か!!会いたかった、会いたかったぞ!!」

非常に強い力が善の首を掴む!!

ゴキゴキと危険な音が善の首から鳴り響く!!

 

「……ッ?……!か、ハァ……!」

 

「お前が私のかわいい橙をたぶらかした男だな!?橙に手を出した罪は重いぞ……生まれてきた事を後悔させながら、死んだ方がマシと思わせる様な拷問をたっぷり味わわせてやろう……!!」

目の前の美女が更に善の首に力を掛ける!!

善の意識がもうろうとし始める!!

 

「藍様!?何をしているんですか!?」

部屋に入り込んでくるのは橙だった!!

勢いよく女性に跳びかかり、善の首からその手を払いのけさせる!!

 

「ゴホッ!?……ゲホ、ゴホ……なんなんですか?次から次へと……」

咳き込みながら二人に視線を這わす善。

無理もないが善の頭の中は混乱の極みだ。

 

「この人は藍様です、私の主人です」

 

「橙は私の式だ」

藍と呼ばれた女性が誇らしげに橙を、撫ようとする。

しかし……

「触んな」パシィ

 

容赦なく橙はその手を払いのける!!

みるみるうちに藍の顔が暗くなっていく!!

 

「ちぇ、ちぇぇぇぇぇん!?反抗期なのか?反抗期なんだな!?」

さっきまでの殺気の籠った態度は一変しあわあわとし始める。

正直テンションの変化について行けない!!

 

「何の茶番ですか?」

 

「お前のせいだ!!お前が橙を誑かしたんだろ!?調べはついて居るぞ!!橙が純粋で人を疑う事を知らないのを良い事に、魚で橙を家まで連れ去り更にそこで日々食料と引き換えに調教を施して行ったんだろ!!ああ……かわいそうな橙、こんな酷い男に見つかったばっかりに……」

そう言って善をそれだけで呪殺できそうな瞳で睨む!!

 

「藍様……違いますよ、私が善さんと遊んであげてるんですよ!!」

そこに入るのは橙にフォロー!!……フォロー?

本人はその積りだが、藍には全く無意味だった!!

 

「橙!!こんな男今すぐ捨ててきなさい!!人間が欲しいなら、紫様が冬眠から覚めた時に連れてきてもらうから!!」

 

「いやです!!私は善さんを飼いたいんです!!」

目の前で繰り広げられる、善の意見と人権を無視した言い争い!!

 

「いや……アンタら俺の話も聞けよ……」

遂に善が口を出すが二人は一切興味は無い!!

ひたすら口論を続けるのみ!!

そして善が出す答えは……!!

 

(逃げるか)

そう決め付け首の鎖を調べ始める!!

太くて頑丈な鎖だが特殊な術等は掛けられていない様だ……

 

(師匠が俺を縛る奴より脆そうだな、これなら……)

床に寝転がり、鎖を捻ってゆく。

鎖とは一見頑丈な道具のイメージはついて回るが実は強いのは引っ張る力に対してで、横に捻る力に対しては非常に弱いのだ。

 

(こんなモンか……)

ある程度捻ると鎖自身が軋みだす。

頃合いと見た善は懐から札を取り出し額に貼り付ける。

 

(筋力解放……!)

両手で鎖を捻り上げる!!

僅かな音が響いた後、鉄が変形し鎖が千切れる!!

 

「さて、行くか!!」

善がその場から立ち上がり、障子を開け隣の部屋に逃げ込む!!

一瞬遅れ藍と橙がほぼ同時に善の逃亡に気が付く!!

逃げる善に対してとにかく『追う』事を選択する!!

 

(さぁて、ドコ行くかな?)

障子を開けてどこでもいいから滅茶苦茶に移動しようとする!!

追手はすぐそこ!!ヤンデレ猫と殺人狐どちらにも捕まる訳にもいかない!!

1枚2枚3枚と障子を開けていく!!

成るべく多く、成るべく早く!!

そんな中、目の前に矢鱈装飾が豪華な扉を発見する。

 

「ああもう!!出口は何処だよ!?」

半分やけくそにいなり、その扉に手を掛ける!!

僅かな抵抗感が有りその後何とか開く。

 

「ウエッ!?この人誰だ?」

そこに居たのはまたしても美女、寝返りを打つたび金髪の髪が煽情的に揺れる!!

普通なら目の前に眠る美女が居れば、善はイタズラしてしまう健全な男性なのだが今回ばかりは違った!!

拉致監禁系幼女と見敵必殺美女の二人組から「この屋敷の人物=危険」の方程式が善の頭の中で成り立っていた!!

音をたてないように部屋から出ようとするが……

 

『おのれ……あの仙人モドキめ、何処に行った!!見つけ次第殺す!!』

 

『藍様やめてください!!善さんは私が飼います!!』

すぐそこから聞こえてくる、二人の声!!

善はこの部屋から出るに出れなくなった。

そっと耳を澄ませ相手の出方を伺う!!

 

『この辺に来たハズだが……紫様の部屋か……もしや』

その言葉と同時に藍がこちらに近付いてくる気配がする!!

善の心臓の鼓動が激しく鳴り始める!!

 

『……いや、この部屋には結界が張ってある。入れる訳ないか……』

その言葉と同時に足音が遠のいて行く。

 

「ふぅ……助かって――」

 

「無いわよ?」

 

「むぐっ!?」

突如後ろから善の口が手で塞がれる!!

必死で後ろを見るとさっきまで眠っていた美女が起きて善の口をふさいでいた。

 

「シーッ……静かに、藍たちに見つかるわよ?コレから手を離すけど静かに出来る?」

こくこくと善が首を振る。

それを見て美女がゆっくり手を離す。

 

 

 

「ふぅん……災難ね」

あれから、善の話を聞いた美女(紫と名乗った)が布団に座りながら面白そうに呟く。

 

「いや、笑い事じゃ……」

 

「分かってるわ、家の式たちが迷惑かけたわね……後は何とかしておくから、あなたは帰りなさい」

 

「え?帰るって……わぁ!?」

一瞬の浮遊感が善を襲う!!

その瞬間謎の空間に投げ出される!!

黒く複数の瞳が善を見ている。

 

「この、この空間は……!?」

何かを叫ぼうとした時、善はもういつも居る墓場の真ん中に居た。

はじめてここに来たときあの空間は見た事が有った。

数度だけ噂に聞いた事が有る『妖怪の賢者の一人』について……

 

「八雲 紫……あの妖怪が……俺をここに()()()()妖怪……」

 

そんな事を呟き地面から立とうとする!!

 

(ん?この地面柔らかい……弾力が……)

 

「ふぇ!?し、失礼しましたー!!」

いつの間にか居た小傘が善の姿を見るなり走って逃げていく。

その態度に疑問を覚える善。

そしてさらに地面が喋る!!

 

「ぜ、善?気持ちはうれしいんだが……いきなり外では……困るぞ?」

何時も聞きなれた芳香の声がする。

 

(あ、コレ不味くないか?)

ゆっくりと地面から体を起こす。

 

「よう、芳香……気分はドウだ?」

錆びた機械人形の様な声を出す。

芳香は善の下にいた、というか今善が地面だと思って手を付いている部分は……

 

「体は固いけど……()()は柔らかいな……はははは……」

次の瞬間地面と空が入れ替わる!!

容赦なく地面に善が叩きつけられる!!

 

「ハァイ、善。最近芳香と仲良く成って来たと思ったら……あなたって本当に油断できないのね?」

にっこり笑いながら師匠が近付いてくる。

ドス黒い気が師匠の体から放たれている。

一歩、歩くたびに、死が迫ってくるのを確信させられる!!

 

「師匠?……違うんです、偶然なんです!!落ちた所に芳香が……」

 

「遺言はそれだけ?私のかわいい芳香に手を出した罪は重いわよ?」

ついさっき同じような台詞を聞いた気がする善!!

逃げた先でも結局同じ!!

 

「止めて……止めてください!!師匠!!あぐぅあ!??!?!!」

 

「次はもっとムードを大切にしてほしいぞ……」

 




引っ張りに引っ張った猫麻呂を遂に回収。
まぁ、特に何か有った訳ではないんですが……

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