止めてください!!師匠!!   作:ホワイト・ラム

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書いてたらなんか長くなりました。
次回からは気を付けます。
読み切りから連載にするか検討中です。


凶悪!!師匠の仲間現る!!

俺……じゃなかった、私は詩堂 善(しどう ぜん)

仙人を嫌々……ではない、心から仙人目指して頑張ってます!うん……そう、たぶん。

 

 

秋も深まる今日この頃。

舞い落ちる紅葉を眺めながら師匠が一言。

「そうだ、太子様に会いに行きましょう!」

何時の様に修行(という名の雑用)を終えた善に対して師匠がつぶやいた。

「あ……いい…ですね。んん!かた……い……」

「んん……もっと……強くシて……」

善はただ今青空の下、芳香と絶賛!!揉み相中!!

「むううう……これで……どうだ……!!」

「おお……善!すごく……いいぞ!!」

二人の行為を縁側でお茶をすすりながら見る師匠。

別にコレは善が積り積もった欲望を「ひゃは!!たまんね~ゼ!!キョンシーでもかまわねぇ!!ヤっちまえ!!!さあ!!服を脱げぇい!!」と解放したわけではない。

「あらあら、二人とも精が出るわね?でもその位にしておきなさい、()()()()()は」

ニコニコと笑みを絶やさずに二人をねぎらう。

そう、二人はストレッチ中だった!!超健全!!ノープログレム!!

「おー。善手伝ってくれて、ありがとな!!」

心なしか柔らかくなった関節でその場でぴょんぴょん飛び跳ねる。

「ああ、気にするなよ。それにしても芳香の身体曲げるのって結構力使うな~」

自身の腕や腰を適当に捻る。

スト〇ッチパワーが溜まってきている!!気がしないでもない……

「お疲れさま善。ハイ、タオルよ」

師匠がやってきてタオルを渡してくれる。

「あ、ありがとうございます師匠」

タオルで顔に付いた汗をぬぐう。

運動後のタオルの包容力ってやばい。

「芳香の触り心地はどうだった?胸とおしりどっち今日のオカズはどっち?それともどっちもかしら?若いから」

善の耳元で楽しそうにささやく悪魔(師匠)

 

「師匠がやれって言ったんですよ!?芳香のストレッチを手伝ってやれって!!」

あまりの理不尽!!

タオルの包容力から顔を上げ咄嗟の抗議!!

「あら?あなたは私が『キョンシーに成れ』って言ったら成るの?」

すっと服の胸の所から札を取り出す師匠!!

何処に入れてんだ!!という突っ込みは無しの方向で!!

「イヤですよ!!やめてください!!」

慌てて後退する。

余談だが善は過去に何度か頭に札を張られ、キョンシー体験をしている。

「あれ、すごく怖いんですよ!?なんか無理やり意識持ってかれて夢も見ない深い眠りに強制的に連れて行かれる感じなんです!!」

必死に訴える善。経験者は語る!!

しかし現実は非常である。

「あら、そうなの?なら今度は意識が有りながら私のいう事を聴くしかない状態でキョンシーになるようにしようかしら?」

師匠が非常に楽しそうな顔をする。

おもわず惚れそうねなるステキな笑顔、しかし騙されてはいけない!!

見た目にだまされた結果が善の様な目に合うのだ!!

「今から楽しみだわ。どんなことやらせようかしら?私の足を舐めさせるのと服従の言葉を言わせるのと、人里に全裸コートで『俺のお稲荷さんを見ろ』は絶対として……あとは何をやらせようかしら?」

非常にイキイキした師匠!!邪仙と呼ばれるのも納得の貫録!!

「すみません、ごめんなさい!!もう口答えしないからそれだけはやめてください!」

ガバッと土下座のポーズをする。

「どうしようかしら?」

非常にイキイキした師匠の下衆顔!!本音が漏れかかっている!!

「?善、何をしてるんだ?」

土下座する善に興味を持った芳香がトタトタと寄ってくる。

「あら、だいぶぎこちないけど歩けるレベルなのねすごいわ、よしよしよし」

芳香を捕まえなでる師匠。

「今ね?善が『俺、今まで女性体験無いからさせてください』って土下座して頼んできたのよ?チェリーボーイにあるまじきアグレッシブさね」

「言ってない!!そんなの事一言も言ってませんよ!!」

善が頭を上げ、抗議する!!

風評被害です!!男の子にそんな事言っちゃダメ!!

「善……いつか良い事有るぞ?」

僅かに動くようになった腕でなでてくれる芳香。

善に突き刺さるのは憐みの視線!!

「芳香……気持ちだけもらっておくよ」

なぜか少し心が温かくなる善。

師匠のムチと芳香のアメで善の精神は何とか持っている。

ある意味では無限に地獄が続いているのだが!

 

 

 

「さてと、早く着替えてきなさい。太子様にあなたを紹介しなくちゃいけないから」

師匠が靴を履いて外に出る。

長く待たせると、修行の名目で何をさせられるかわからない。

最悪の場合、無限耐久弾幕戦とかもあり得る。

善は急いで着替えを済ませて、再び師匠の目の前に飛び出した。

「はぁはぁ……師匠。準備できました……」

「さあ、行きましょう?」

「おー!太子様に会うのは久しぶりだなー」

歩き出した師匠の後を付いていく善。

空を飛ばないのは飛べない善を配慮しての事である。

「師匠、一つ聞いても良いですか?」

前を歩く師匠に対し質問を投げかる。

「ん?なぁに?」

視線だけをこちらに向ける。

「師匠の言う『太子様』ってどんな人なんですか?話には何度か聞いたことが有るけど、実際に会ったことは無いんですよね」

過去に数度『太子様』なる人物が師匠の口から語られたが詳しい内容は教えてもらっていない。

話を聞く限りでは、自分と同じ師匠の弟子。善の知っている言葉だけなら兄弟子に近いか。

「うーん、なんて説明すればいいのかしら?私が術を教えた対象で、封印されたり、最近復活して、居る人よ」

あごに指を当てながら、太子に付いて語る師匠。

「あの?師匠?ますますワケわかんないんですけど?」

「あら?善ったら今ので理解できなかったの?解りにくく説明した甲斐が有ったわ~」

楽しそうにそう笑う。

「わざとですか!?」

「本人に聞いてみるのが一番よ?前持って知らせて固定概念が付くよりずっと良いわ」

そう言いながら足を少し早める。

「解りましたよ、本人に会って自分で理解します」

「ああ、そうそう。善?太子様があまりに好みのタイプでも襲っちゃあダメよ?返り討ちに会うだけだから」

うふふふと楽しそうに笑う。

(師匠って太子って人と仲良いんだな……)

善は相も変わらず師匠について行く。

「それはそうと……芳香」

「ん?なんだ?」

「いい加減、ずっと後ろからくっ付くのはやめてくれないか?凄まじく歩きにくいのだが……」

実は師匠と善の会話が始まる前から芳香はずっと善の後ろをぴったり歩いていたのだ。

前に突き出した芳香の両腕が視界をチラチラとさまよっている。

「ん?ごめん……でもやめない」

「なんでだよ!?」

「せっかく腕が少し動くようになったんだ。善を……えと?あれ?捕まえてみたくなったんだ!」

勢いよく話す芳香。

非常に楽しそうである。

(キョンシーの癖に良い目をしてやがる……)

「ああ、おれ……じゃなくて私の邪魔をしてたワケではないのね……けど危ないからやめてくれ」

「りょーかい」

後ろから離れ横に並んで歩く。

「おとと……」

足がもつれ芳香が転びかける。

「よっと、危ないぞ?気を付けろよ?」

手早く善が芳香を支える。

「おー、助かった。礼を言うぞ」

そうしてまた歩き出す芳香。

「なあ、何時もみたいに跳んだ方が良いんじゃないか?」

善は心配なので跳んでほしいのだが……

「いやだ。善がほぐしてくれたんだ、歩きたい」

芳香かがんとして聞いてくれない。

「師匠~」

自分の師に助けを求めるが。

「芳香は本当に善が好きなのね、思わず妬けちゃうわ」

ニコニコとするだけでまともに、とりあってくれない。

「はあ、まあいいか……」

善は芳香を心配しつつも目的てまで歩いた。

 

 

「おお!久しぶりではないか!!元気にしておったか?」

目的地の建物(師匠は神霊廟と呼んでいた)に入った時幼女が姿を現した。

師匠ととても親しそうに話している事から、知人であることがうかがえる。

「物部様ご無沙汰しております、太子様は御在宅ですか?」

非常に珍しい事に師匠が敬語を使っている。

「すまぬな、太子様なら今朝から屠自古と出かけておるぞ?」

どうやら『太子様』とやらは居ないらしい。

「時に、あそこにいる方は?」

物部と呼ばれた幼女が善を視界に収める。

「あれは私が最近飼いはじめた弟子ですわ」

ニコリと紹介する。

(俺いま、飼いはじめたって言われたぞ……)

「はじめまして。師匠の元で仙人を目指して修行させていただいてます。詩堂 善です」

「おお、仙人見習いか!!我と近しいモノを感じるな!我は物部 布都!!戸解仙にして道士!!おぬしの先輩にあたる訳じゃな!!」

ドヤっとした顔をして胸を張る。

「は、はあ……」

正直言って付いていけない……

「おぬし気に入ったぞ!!特別に我の船に乗せてやろう!!」

そう言ってこちらの返事も聞かず建物の奥に飛んで行った。

「師匠?アレって?」

「物部様ね。せっかくだし遠慮せずに乗せてもらいなさい」

「はい……」

気が進まない……すさまじく嫌な予感がするのだ。

「待たせたな!!さあ、乗るがいい!!」

 

戻ってきた布都は木の船に乗っていた。

「失礼します……」

「乗ったな?行くぞ!」

善と布都を乗せた船は音もなく空に浮かび上がる。

「お……おお!!すごい!!」

善はまだ空を飛ぶことが出来ない、そのため空の景色というのがとても新鮮なのだ。

「すごいですよ!!物部様!!わぁ!!もうこんなに高い!!」

「ふっふっふ、我の凄さがわかった様じゃな?これからは我の事は布都様と呼ぶがいい!!」

「はい!!布都様!!」

再びドヤ顔をするが今回はなぜか感動が有った。

「これからどこに行かれるのですか?」

すっかり敬語の善。

現金な物である。

「これから太子様の敵の寺を焼きに行くのだ!!」

再びドヤ顔。

「うおっぉお!!これから毎日寺を焼こうぜ!!」

興奮が続きすっかりテンションがおかしくなった善。

布都の言葉に疑問を持たない!!

 

「ここじゃ!!命連寺、ここを燃やすぞ!!」

一つの寺の上空で止まった。

「ちょっと待ってください?今どこって言いました?」

寺の名前を聞いて冷静さを取り戻す善。

急速に頭が覚めていく。

「命連寺だが?何か問題でも?」

「布都様やめましょう、こんな事不毛です」

駄々っ子をあやすように布都を止める。

「なぜじゃ?ここに知りあいでもおるのか?」

「いいえ、幻想郷自体に知り合いは殆どいません」

「ならなぜじゃ!!」

布都が問い詰める。

「理由は……です……」

もごもごと何か語る。

「何?はっきりせんか!聞き取れんぞ!!」

「ですから……住……きょ……です」

再び小さな声。

「ええい!!しっかり話さんか!!」

「ここの住職が巨乳だからです!!」

善がはっきり言い切った!!

「な、何?きょ?」

キョトンとする布都。

「そうですよ!!巨乳は全人類の宝!!里の守護者なり竹林の医者なり巨乳は正義なんです!!」

凄まじく熱く語る!!

「お主はタワケか!!女性の価値は胸ではない!!この変態め!!」

「そういう事は胸盛ってから言ってください!!」

船の上で激しく言い合う!

「ええい!!巨乳など燃えてしまえ!!」

布都の両手に炎が発生する!!

「させるか!!この下には巨乳の住職だけじゃない!!巨乳の毘沙門天代理や、たまに来る巨乳の尻尾がもふもふしたお姉さんもいるんだ!!」

布都の腕を掴む!!

「離せ!!」

「離しません!!」

激しくもみ合う二人!!

ついには……

ぐらり!!「「あ”」」

船が傾く、二人は重力に従い落下し始めた!!

「「いやぁぁぁああああ!!」」

この後運よく命連寺の池に落ちて事なきを得た。

 

 

 

 

 

後日

「ぜーん!!この新聞にあなたの事、載ってるわよ?」

師匠が風邪を引いた俺に文々。新聞というゴシップまみれの新聞を渡した。

見出しはこうだ。

 

宿敵の住居の上で!?仙人見習い達が野外プレイ!!

新聞写真には善と布都が激しくもみ合う姿がとられている。

関係者の言葉などが大量に乗っている。

「あ、頭が痛くなってきた……」

頭を押さえる善。

「あら?なら楽にしてあげる……芳香を裏切った罪は重いわ」

にこやかな師匠。

善に死神が迫る!!

「お願いです……誤解なんです……許してください!!」

必死で土下座を咄嗟に敢行する!!

「死体はちゃんとキョンシーにしてあげるから安心してね?」

冷酷な死刑判決!!

「止めてください、師匠!!」

「うふ、だ~め」




作中で善くんが巨乳に付いて熱く語ってますが作者はロリの方が好きです。
貧乳はステータス。むしろ保護対象。

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