前回コラボがしたいとつぶやいたらさっそくお誘いが……
こりゃあ覆面作家気取ってる自体じゃねぇ!!となりまして。
今回から名前バレ。
コラボを正式に募集します!!
駄文ですが「していいよ!!」という奇特な方。
私までメッセージをくだされば幸いです。
ブウゥゥゥン、ブワァァァァンン!!
一台のバイクが荒野を走っている!!
バゴォオォォオン!!!
高台を飛び越えると同時に背後で爆発!!
チャチャチャチャッチャ♪チャチャチャチャチャチャ~♪
チャララン♪チャララン♪チャララン♪
仙人ライダーV3こと詩堂 善は改造人間である!!
彼は悪の軍団 デスト蓮寺の怪人フットォウォ!!に致命傷を負わされる!!
しかし仙人ライダー一号、二号の改造手術によって仙人ライダーV3へと生まれ変わった!!
戦え善!!負けるな善!!悪が滅びるその日まで!!
「変ッ……身!!仙人ライダーVスリャア!!」
あれ?なんか違う……どころか前の面影全くねーよ!!
…………大丈夫かな、このOP?……
あ、仙人志望の詩堂 善(しどう ぜん)です。よろしくお願いします。
「善が居ないと意外と暇ねー」
そう言いながら善の師匠が炬燵から頭を出す。
芳香がそれを見下ろしながらコクリと頷く。
最近冷えてきたため炬燵を出したのだが、炬燵布団からは頭だけを出し体はすべて炬燵の中だ。
正直な話をするとあまりにも俗っぽい姿!!仙人たるものもう少し私生活もしっかりして欲しいモノである。
「仙丹も作ったし……前に善に話した『意識を持ったままキョンシー化させる札』も完成させたし……何か面白い事は無いかしら?」
ごろりと寝返りを打ちながら一人つぶやく。
その姿はまさに暇を持て余した自宅警備員を思わせる!!
しかしそんな日常は突然部屋にドタドタと入り込んできた布都によって破壊された。
「あら、物部様。突然どうしました?善ならここにはいませんよ?」
炬燵から這い出しながらけだるそうに答える。
「そ、その善の事で来たのだ!!善が死にそうなのだ!!助けてくれ!!」
その言葉に師匠の顔がガラリと変わる。
気だるげな様子が消え去り、熟練の仙人と言われても誰も疑う事のないであろう顔に。
「善の今の状態を教えてください」
「えっと……屠自古の電撃を我が受けてだな?我の船から落ちて、その上に我が落ちてだな?その上燃えて雲山殿に助けられ、最後に池に落とされたのだ!!水は吐かせたのだが吐血が止まらず意識もないのだ……!!」
布都自体相当慌てているのか、要点を得ていないがその支離滅裂とした言葉の中から適格に善の今の状況を予測させる言葉を選び抜いて行く。
(「吐血」「火傷」「落下」……少しばかり拙い状況の様ね……)
「もういいです、大体わかりました。今しがた準備しますので物部様は船の準備をお願いします」
「私も行くぞー」
「ああ!!芳香殿!?」
師匠の言葉に芳香が反応し、玄関の方へ向かっていく。
布都が止めようと後ろから声を掛けるが一切足を止める様子はない。
「芳香も善を心配してるんですよ、黙って待ってるなんて出来ない程に……」
仙丹や札などの保存と開発をしている部屋から、使えそうな道具を一式持って来た師匠が布都にそうつぶやく。
「さぁ、かわいい愛弟子の元に向かいましょうか?」
そう言って三人は布都の乗ってきた船に向かう。
「コレはまた……ずいぶん手酷くやられましたわね……」
部屋に寝かされた善を見ながら、師匠がため息を漏らす。
(別にここはそんな危険な場所じゃ無いのに……運が極端に悪いのか、厄でも溜まってるのかしら……)
嘆いてばかりいても状況は良くはならない。
手早く部屋全体に簡易の結界を張り無菌状態を作る、すでにこの寺の者たちに頼んでアルコールと熱湯を沸かしてもらっている。
「それじゃあ始めましょうか……芳香以外をこのレベルで
そう言って服を肌蹴させ触診する。
(拙いわね……たぶん肺に何本か折れた肋骨が刺さってる……死なない様にするのが最優先、なら!!)
自身の持って来た札をカバンから取り出す。
コレは芳香にも使っている防腐用の札を改良したものだ。
(脳に酸素がいかなくなるとダメージが残るわ、脳だけでも保護する!!)
パシッと札を頭に張ると同時に術を起動させる。
(これで時間はある程度稼げるハズ……さて、患部はどうなってるのかしら?)
麻酔をかけると同時にメスで善の胸を開く。
やはり折れた肋骨が右の肺に突き刺さっている。その数3本。
(運が良いわね、刺さってるのは右だけで左は無傷……けど損傷が激しいわ……)
折れた骨の数が思ったより多く右肺の機能をほぼ完全に停止させていた。
予想よりもはるかに重大な事態に師匠は歯噛みする。
(どうする?多少なら左肺の機能を上げる、または右肺の機能を補助するつもりで来たけど……手に負えるかしら……)
弱気になった瞬間一気に負のイメージが連鎖する!!
不安は更なる不安を呼び、思考の停止を招く。
(考えろ……考えるのよ!善をここで失う訳にはいかないわ、こんな子滅多に居ないもの……考えろ!考えるのよ!!私は不老長寿の仙人!!これ位の窮地……)
「善、苦しいのか?」
突如響いた声にハッとそちらを振り向く。
「芳香……何時の間に居たの?」
それは結界を張った時に外に出したハズの芳香だった。
「近くに居てやりたかったんだなー」
そう言って血色の悪い顔で、今や自分より血色の悪くなった善を見下ろす。
「ありがと、芳香。けど悪いけど今取り込み中で……」
「ここが悪いのかー?」
骨の刺さった善の肺をジッと見下ろす。
「そうね……芳香と違って替えが効かないから……死んでれば幾らでも変えは効くのにね?」
自身の作った芳香の手前だからだろうか?師匠は先ほどまでの不安そうな態度をひそめ、あたかも余裕が有るような態度を取り始める。
「替えが無いのか?なら、私のを使ってくれ!」
そう言って善の横に寝る。
「芳香?」
意味が解らないと言った師匠が芳香を見る。
「態度を見ればわかるぞ、善がピンチなんだろ?足りないなら私のを使えー」
師匠本人は芳香に自分の焦りを隠せていると思っていた、しかし実際には違ったらしい。すっかり芳香には師匠の感じている焦りが伝わっていたようだった。
「善が絡むと余裕が無いなー」
「あら、私としたことが……ありがとう芳香……使わせてもらうわ」
そう言って芳香の服を肌蹴させ、先ほどとは違うメスで胸を開く。
「じゃあ借りるわね?」
そう言って芳香の身体から肺を取り出す。芳香は師匠の作ったキョンシー、怪我などが有ると他の死体から部品を取って直していたりするため、その体には前もって拒絶反応を起こりにくくする術がかけられている、それでも死体から生者への移植は初めての為不安が残ったがそこは経過観察が必要だろう。
肺を入れ替え折れた肋骨はボルトで固定した。
必要な作業は基本的にはすべて完了した。
「終わったのか?」
胸を開かれたままの芳香が首を動かし師匠に聞く。
「ええ、芳香のお陰でね……正直今回は危なかったわ……」
タオルを熱湯に付け血で濡れた両手を拭く。
「さて、次はアナタの番ね。いつまでも胸を出したままじゃ善に襲われるわよ?家に帰ったらスペアの入れてあげるから」
善の作業をいったん中断し芳香の開いた胸を縫って閉じる。
「うーん……なんか変な感じだぞぉ……」
芳香がその場でピョンピョン跳ねる。
そんな芳香をしり目に師匠は善の胸を縫い合わせようとするが……
「そうだわ!せっかくだから善の生存祝いしましょうか?」
そう言って作業を止めカバンからビデオカメラを取り出した。
「ほ、本当に撮るのか?」
布都がビデオ片手に震える。
「ええ、ひょっとしたら善は……うぅ……もう助からないかもしれません……最後の思い出に、ひっく……せめてまだ生きてるうちに最後の姿を撮っておきたいのです……ああ、可哀想な善……私が未熟なばかりに……」
涙を流しながら布都に訴える。
先ほどのやり取りからわかる様にもうすでに善の手術は終わっており、後は目覚めるのを待つばかりなのだが……これは明らかに師匠なりの遊び!!
胸を開かれた弟子の前で記念?のビデオを撮るという暴挙に出た!!
「はーい、芳香笑ってー」
「笑うぞー」
善を囲むように二人でビデオを撮ったり。
「あら?良く見ると善の薬指折れてるわね、こっちも変えましょうか?芳香ー、指一本頂戴ー」
「解ったぞー」
指を取り替えたりなど人体で遊ぶ!!というまともな精神では不可能な事を始めた!!
邪仙の所業ここに極まり!!
善は泣いても良いと激しく思う!!
暫くして人里に出ていた聖と星が寺に帰宅した。
最初に異変に気が付いたのは虎の妖怪であった星であった。
「この匂いは、人の血の匂いです!!まさか寺で何かが!?」
その言葉に聖が血相を変える。
「寺のみんなは……!!」
焦る気持ちを抑え寺の中に聖と星が入ると……
「はぁ~お茶がおいしいわ~」
「おー!落ち葉がいっぱいだなー!!」
縁側でお茶を啜る邪仙(大量の返り血付)と中庭の落ち葉を集めるキョンシー(大量の血痕付)!!
平和な命蓮寺の庭にあまりに似つかわしくない二人!!
しかし!!そんな二人よりもずっと目を引く存在が庭の中央に有った!!
「ひ、聖殿!!助けてくれ!!ふ、二人に殺される!!」
それは必死の形相で泣きわめき助けを求める布都!!
木で出来た簡素な十字架に縛りつけられ、その足元にはせっせと芳香が落ち葉を集めている!!
「あ、あの……ウチの庭で何をなさっているんですか?」
若干頬をひきつらせながら聖が師匠に尋ねる。
「何って……ただの火あぶりですわ?」
『この人は見て解らないのか?』と言いたげに師匠が答える。
「いえ、そうでなく。何故布都さんを火あぶりに?」
「ああ、そういう意味でしたの、簡単ですわ。私のかわいい弟子を事故とはいえ燃やそうとしたので簡単な仕返しです」
とても楽しそうににこやかに笑う邪仙!!
処刑をこんなに楽しそうに見る人はいないだろう!!
「準備できたぞー」
布都の足元に大量の落ち葉を用意した芳香が、師匠の元にやってくる!!
「あら、お疲れ様」
そう言って縁側から立ち上がりゆっくりと布都の元へ向かう。
「いやだぁ!!助けてくれ!!今回は我の不注意だ!!頼む!!許してくれ!!」
「あら、嫌ですわ。『ごめん』で済んだら博麗の巫女は必要ないんですよ?」
泣きわめく布都に対して、あくまでにこやかな笑みを崩さずに話す師匠。
そして……
「ねぇ?知ってます?建物の火事で死ぬ人って基本的に煙で窒息してから焼かれるんですよ、けど火あぶりは違います、足元からじっくりじっくり炙って焼死させるんですよ?」
そう言い放ってマッチを擦って布都の足元に放り投げた!!!
「うわぁあああ!!!熱い!!熱い!!熱い!!!」
「大げさですね。まだ煙が少し出たでけです、焼けるのはこれからですわ、うふふふふ」
燃えていく落ち葉を見ながら邪仙は嗤った。
「という事が有ったのよ?」
目覚めた善に対して師匠がにこやかに説明する!!
「いやいやいや……突っ込みが追い付かないというか……笑顔でナニしてるんですか!?」
戦々恐々としながら話す善!!
それに対しやはりどこまでも微笑んだままで答える師匠!!
「火あぶり?」
「知ってますよ!!」
必至に叫ぶ善!!
「ねぇ善。今回の事で学んだでしょ?仙人よりキョンシーにならない?」
懐からそう言って札を取り出す。
「実はこの前外のニュースを見て知ったんだけど、自分の飼い猫をラジコンヘリに改造した人がいるらしいの!!」
善自身このニュースを知っている、そして猛烈に嫌な予感がした!!
「細かい所は河童に協力してもらうとして……善、空飛びたくない?」
キラキラと子供の様に目を輝かせる!!
「絶対に止めてください!!師匠!!」
え?なぜ布都に厳しく当たるかって?
好きな子にはイジワルしたくなるんですよ。
24時間ストーキング!!家の前で待ち続ける!!匿名で手紙を出す!!
その結果相手が眠れなく成ったとしても「ああ、僕の事を考えてるんだな……」と思ったり、相手が最悪自殺したとしても「僕の事を思いながら死んだんだ!!」と喜びます。
まさに究極のプラトニックラブ!!
……嘘です。さすがに……怖すぎますね。
ストーカーダメ絶対!!
私はサイコパスではありませんよ?