ハジメが突く【帝都群狼伝】   作:アップルトン中将

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前回までのあらすじ

とりあえずタツミ、仮採用となる。


第3話

 

 

とりあえずタツミを仮採用して様子を見てみる事にした。あの後タツミからはぐれた友人2名の捜索を依頼されたが、恐らくはもう...

 

とにかく、今夜とある金持を逮捕に向かう

罪状は『拉致・誘拐・殺人』等々叩けば埃が山ほど出てくるような輩だ、大人しく従うならそれでよし、場合によってはその場での粛清も視野にいれる。

そして恐らくはその屋敷に...

 

 

~移動中、馬車の中~

 

 

「...緊張してるのかタツミ?」

 

 

「...はい」

 

 

「誰にだって初めてはある、恥ずかしい事じゃない」

 

 

「...なれてるんですね、戦いに」

 

 

「いやがおうでもな、だが誰かがやらなくてはならん事だ」

 

 

「...殺すんですか?」

 

 

「場合によってはな」

 

「.....」

 

 

「そろそろ容疑者宅の近くだ、ここからは歩くぞ」

 

 

 

馬車を降り、ハジメ達警備隊の後を付いていくタツミの目の前には豪邸とも言うべき屋敷が目の前に表れた

 

 

「で...でかい...」

 

 

「ぼうとするな」

 

 

屋敷の大きさに驚くタツミを余所に、着々と作戦は進行

しており持ち場についた部隊からの伝令がハジメの下に到着する

 

 

「隊長、現在屋敷を三方向から取り囲み、いつでも作戦開始出来ます。」

 

 

「良し、ならば打ち合わせ通りに規定時刻になり次第この屋敷に押し入り、家族全員を逮捕する。」

 

 

「了解!!」

 

 

先程とはうってかわりシンと静まり返り、空気がピリピリとしはじめる

 

 

「...時間だ、いくぞ。」

 

ザッザッザッ

 

 

歩みを進め、門番と思わしき人物に令状を見せつける。

 

 

「な、何者だ!!」

 

 

「帝都警備隊だ、御用改めである!!」

 

 

「けっ!!警備隊だと!?」

 

 

「この屋敷の一家に対して逮捕状がでている、抵抗は無駄だ、総員掛かれ!!」

 

 

ハジメのその言葉を切っ掛けに警備隊が次々と屋敷の中に侵入していき、内部制圧にとりかかる、屋敷の中からは警備隊の叫び声が上がる

 

 

「動くな!!」

 

「抵抗すれば切り捨てるぞ!!」

 

「大人しくしろ!!」

 

 

警備隊は瞬く間に屋敷を完全に鎮圧し、一家3人を捕縛した。

捕縛した3人を横に並べ、何故自分達がこうなってしまったのか...

そう絶望した表情であった

 

 

「さて、こうしてお縄についている訳だが、心当たりはあるだろう?」

 

 

「しっ!!知らない!!私達は潔白だ、何の罪も犯してはいない!!」

 

 

「そうよ!!なぜ私達にこんなことを!?」

 

 

屋敷の主である夫婦はあくまでしらを切るつもりのようだ、そんな家族に決定的な証拠を見せつける、否、証拠なら屋敷の中に既にある、ただ警備隊がそれを既に知っていると教えればいいのだ

 

 

「ほぅ、しらを切るか...ならばつれていけばいいか?、"あの小屋"にな...」

 

 

「ま...まさか"あの小屋"を知っているのか!?」

 

 

「...あなた..」

 

 

ハジメは警備隊と家族3人を引き連れ屋敷の片隅に有る倉庫と思わしき小屋の扉を乱雑に開けた。

 

 

バンッ!!

 

 

「さて...これでもしらをきるつもりか...」

 

 

小屋の中は酷い有り様だった、手足や体の一分を切り落とされた者、髪や目玉を抉られた者、明らかに酷い拷問を受けたであろう者や遺体が目を覆わんばかりに映し出された。

 

 

「...な...なんだよコレ...」

 

 

「これがコイツらの罪だ、地方から来た身元不明の者たちを甘い言葉で巧みに誘い込み、己の快楽のために拷問にかけ死ぬまで弄ぶ、これがコイツら3人の本性だ。」

 

「さて、これだけの人間を快楽のために殺したんだ、お前達がどんな金持ちであれ最早斬首は免れんな...処刑人がお前達をまってるよ...」

 

 

 

「う.....ああああああああああっ!!、あぁ殺したさ、だからなんだ!!地方の役にも立たない田舎者なんて家畜と同じだろ!!それをどう扱おうと【ザシュッ!!】えっ?」

 

 

追い詰められた夫婦の夫が醜い本性をさらけ出し、ドス黒い本音を吐き出した、だが叫んでいるさなか、首が宙を舞った

 

 

「いい加減聞くに耐えんな...阿呆が...」

 

 

そこには腰に指した刀を引き抜き、男の首を切り落としたハジメの姿があった

 

そして夫を目の前で失った妻は呆然とし「え...嘘...」

など譫言呟くのみであった

 

 

「今更だがこいつらには尋問の余地もない、今すぐ収容所にこの二人を送り込め!!」

 

 

「了解しました!!」

 

 

 

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「サヨ...イエヤス...」

 

 

「...まさかこんな形で再会とは、すまんな...助けてやれなくて。」

 

 

「...いえ」

 

 

タツミと一緒に故郷の村から旅をしてきた仲間の二人がこの屋敷で拷問にあっていた、この現実はタツミに多大なショックを与えた。

 

タツミはイエヤスからサヨが夫婦の娘から拷問を受けた事、だが決して最後まで娘に屈しなかったことを伝え、息を引き取った。

 

「...」

 

 

「...タツミ、二人は丁重に弔ってやる、ついでに遺品と遺髪を故郷におくってやろう...」

 

 

「...お願いします...」

 

 

「それで、どうする...お前は」

 

 

「...警備隊に残るか、ですか?」

 

 

「あぁ、そうだ」

 

 

「...俺は...」

 

 

 

 

 

 

 




ブッタギリ!!

やはり筆が乗らないとここまで酷くなるとは...
お目汚し失礼しました。

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