ただ、読んでくれてら嬉しいなぁ。
いつもの日常、いつも通りに仕事を終えたブロリーはソーナに呼ばれ、生徒会室に赴く。そこにはオカルト研究部の部長のリアス=グレモリーも同席していた。
「────出張?」
ソーナとリアスから言い渡されるその言葉にブロリーは不思議に首を傾げる。
「えぇ、ちょっととある学園の用務員の方が退職されて、手を空いている職員がいたら貸してくれって先方から依頼があったのよ」
「別に構わないが、いいのか? 俺がいなくなったら結構大変なんじゃ……」
「匙も大分使える様になったし、向こうにいるのはせいぜい1ヶ月位だからそれくらいの合間なら何とかなるわ」
「そうか、なら俺からは別に何も言うことはないな。……それで、なんて所なんだ?」
「そうね、確かその学園の名は──────川神学園」
駒王学園とは別の新たな地で、新たなブロリー伝説が幕を上げる!
「フハハハ!! 九鬼英雄、降臨である!」
「きゃー! 英雄様、お素敵ですぅぅ!! オラオラどけどけぇ! ひき殺されてぇかぁ!」
「なぁ大和、なんか学校の用務員の中にエラいデカい兄ちゃんがいるの知ってっか?」
「あぁ、見た見た。凄い体格だった。岳人より筋肉ありそうだった」
「ダニィっ!? そいつは聞き捨てならねぇな!」
いつもと変わらない川神に、一つの変化が訪れる。
「では、ブロリー君。短い間じゃが宜しく頼むぞい」
「はい、頑張ります」
文を学び、武を競う、他の学園はない独特の学び舎でブロリーは何を学び、何を得るのか?
「あ、あああのあのあのわ、わたたわたわた……」
「頑張れまゆっちー、オイラがついてるぜー、たとえブロっちの体がデカいとて、このオイラを超えることはできぬぅ!」
「アンタが噂のブロリーさんだな! 俺は風間翔一ってんだ。よろしくな!」
「ぬぅ、た、確かにコイツはすげぇ筋肉してやがる……師匠と呼ばせてくれ!」
「むむ! この人かなり強そうだわ! そうね、私と勝負……」
「こら犬、いきなり職員に決闘を申し込むのは些か失礼だろ?」
「うむ、これも良い機会じゃろ。特別に許可しよう」
「って学園長!?」
「いつの間に……」
「相変わらず神出鬼没」
「ブロリー君。いきなりで悪いが……いいかの?」
「大丈夫だ。問題ない」
赴任初日から始まる職員と生徒による異例な決闘。その日を境にブロリーの日々は劇的に変わる。
「貴方が噂の用務員ね。このプレ~ミアムな私がプレ~ミアムに倒してあげるわ!」
「ホーッホッホッホ! やはり山猿じゃな。雅な此方の技に手も足もでんとは……って、なんじゃその岩の塊は? まさかそれを投げ飛ばすのではなかろうな!?」
「私の名はマルギッテ=エーベルバッハです。覚えなさい。そして中将の命により、貴方をお嬢様に近付く害虫と見なし……排除します」
次々と挑んでくる強者達。中には理不尽な理由で勝負を挑んでくる者がいるものの、ブロリーは何とか撃退し、日々を過ごしていく。
─────そして。
「やっとアンタと戦える。初めて見たときからずっと思ってたんだ。コイツとなら心おきなく戦える。私の全力を受け止めてくれるって! こんな気持ちは初めてだ。これが恋ってヤツなら私はアンタに溺れそうだよ!」
最強の武神が最凶の伝説へと挑む。
「ほう、コイツが例の……中々面白い」
「ヒュームよ。あまり驚かすでない。こやつはこの紋白がスカウトするのだからな!」
ブロリーの噂は武神との戦いを経て益々広がり、遂に世界最大企業にも目を付けられる。
そして、その噂に吊られて────。
「ブロリーさん。悪いことは言わない。私達の下へ来るといい」
「ウホッ、中々いい男じゃねぇか! 掘りがいがあるぜ!」
「たく、楽しいなぁ、戦いはやっぱこうてねぇとなぁ、なぁ、アンタもそう思うだろう!?」
善と悪問わず、世界中からブロリーを狙う輩が川神に集う。
蹂躙される街。脅える人々。最悪の事態に差し掛かった─────その時。
「いい加減にしロットォォォオオォッ!!」
ブロリーの堪忍袋の緒が……ブチ切れる。
たった1ヶ月の出張期間。それによってもたらすのは……破滅か、破界か。
ただ一つ、言えることは………。
「彼、何も問題を起こさなければいいのだけど……」
駒王学園の生徒会とオカルト研究部の面々に掛かる心労は、計り知れないということだ。
ただの嘘予告です。
読んでくれてありがとうございます。