姓はロロノア 名はリィナ   作:ぽんDAリング

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いくつかのフラグを粉砕しております。お許しください。


8 ・力の扱い方と制限

 

そこは聖地 マリージョアの世界政府本部 会議室。

光源は照明のみで決して明るいとはいえない部屋に人知れず五老星と呼ばれる最高権力者五人と世界政府全軍総師 コング、そして海軍本部 中将 ドリフトの七人が座して介している。

 

「なぜロロノア・リィナの脱退を認めたのかと問うておるのだ。」

 

「あれの力は世界政府で管理すべき力。貴様から進言したことを忘れたわけではあるまい?」

 

「だからこそお主の管轄化に置き、望む様に昇進させたのだ。申し開きはあるか?」

 

「左様、我らが信用を裏切る行為。道理の通らぬ言い訳は聞かぬぞ。」

 

「我々はあれと敵対したくはない。慎重に事を構えねば戦争が起こるぞ。」

 

五老星は口々に言葉を発し、コングは黙しドリフトの言葉を待つ。

総師 コングとしては、脱退者など放っておけば良いだろうと簡単に言える立場なのだが、上がそれを許そうとはしないので口にはしない。なぜなら、上の五人の心情を知っているからだ。

 

「そもそも、あの娘の意思を尊重したまでですよ。あの娘は好んで世界を壊しはしないのはご存じでしょう?

以前から兄を慕い追おうとしていました。それに拍車を掛ける切欠を作ったのは貴方達のはずです。上司ではありましたが、あの娘の心までもを管理するのは無理ですよ。

僕としては、あの娘は自由に伸び伸び育った方が魅力的だと思うのですが。それではダメですか?」

 

悪びれる様子も無くドリフトは口を開くが五人は咎めることもせず、各々考え込む。コングは天を仰ぎ深く息を吐く。

 

「アラバスタの件は仕方なかろう。あれは世界政府の威信に関わる。しかし、それで反発心を生んでしまったというも事実か。」

 

「過ぎたことを言っても仕方なかろう。今はリィナちゃんを速やかに保護する方が先じゃ。」

 

「リィナちゃんは我々の活力じゃ。どこぞの馬の骨にくれてやるものか!正当な出自の貴族ですら見合わぬわ!」

 

「それにまだ幼いリィナちゃんが海に出るのはまだ早い。せめてあと二年は海軍で保護すべきだ!」

 

「左様、今は我らが管理下に置き愛でるのが好ましい。時期が来たらば見合いくらいは許そう。」

 

五老星が白熱した討論を開始し、コングとドリフトは蚊帳の外で両極端な反応を示している。

 

「…おい、ドリフト。なんで火に油を注ぐ?」

 

「この方が面白いでしょう?五老星とリィナくんを会わせた甲斐がありました。」

 

「面白くないわ!後々の処理は俺がするんだ。…こんな事なら会わせるんじゃなかったわ。」

 

偶像(アイドル) リィナ』という異名はあながち間違いでも無いようで、実は本人の与り知らぬ所で数多の熱狂的なファンは存在している。

 

その筆頭に五老星、元帥、そして大将、中将にも孫馬鹿な老人がいるのだ。各々がひた隠しにしているので表立っていないが、それを知るコングはリィナの事を頭痛の種として認識しそれに悩んでいる。

 

ドリフトは自身の部下、主に若い海兵のリィナ信者を多く知り及んでいるので、上層部の孫馬鹿な言動を愉しげに見ている。

 

二人の喜憂を余所に五老星の討論はいつまでも収束せず、一旦の結論が出たのは一昼夜過ぎた頃だった。

 

 

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

 

 

 

「ルフィは1億ベリー。ゾロは6000万ベリーの懸賞金がかけられたわ。完全にクロコダイルとB・W(バロックワークス)の一件ね。だけどさ、リィナ!何をしたらこんな事になるのかしら!!」

 

私は赤髪海賊団と別れた後、少し手土産を買い込み麦わら海賊団の下へ訪れたのだが、挨拶もそこそこにナミさんからなぜか正座を要求され甲板に正座している。

 

「何をと言われても私にはさっぱりでして。」

 

事の発端はナミさんが定期的に購読しているニュースクーに折り込まれた手配書なのだが、タイミングの悪い時に私が訪れたらしい。

 

ナミさんの手には三枚の手配書が握られており一枚はルフィさん、もう一枚はゾロらしい。最後の一枚は予想通り私のものだ。

 

「あんたの懸賞金5億よ?!クロコダイル6人分!!し・か・も!『ALIVE ONLY』って初めて見たわよ!!あんたには驚かせられっぱなしよ!!何なのよ!!!」

 

「あ、あと誰かに666万ベリーの懸賞金が懸かれば総合賞金額(トータルバウンティ)がゾロ目になりますね。せっかくなのでゾロに上乗せしましょう。」

 

「そうね、ゾロに上乗せしましょう。ゾロ目だけに、って喧しいわっ!!」

 

ナミさんは軽快なノリツッコミの後、大きなため息をし私に向き直した。

 

「…残念だけど総合賞金額はあんた含めて7億3900万ベリーよ。」

 

ナミさんの言葉に疑問が浮かぶ。他の誰か、若しくは数人で7900万ベリーの懸賞金が出ている計算になるからだ。

 

改めて船員を見回す。ナミさん、ルフィさん、ウソップさん、サンジさん、二足歩行の動物さん、ゾロ、帽子のお姉さん。

 

「…あれ?何か増えてますね!!」

 

「「「今更かよ!!!」」」

 

ウソップさんとゾロ、サンジさんの息の合ったツッコミを久しぶりに堪能し、新たに増えた船員さんへと自己紹介をする。

 

「初めまして、ゾロの妹のリィナといいます。元海兵ですがよろしくお願いします。」

 

軽く頭を下げ笑顔で挨拶を交わす。

 

「私はロビン。アラバスタを出航後に仲間に入れて貰ったの。よろしくね。」

 

帽子のお姉さんはロビンさん。何やら見た記憶のあるお顔なのだが…

 

「それと、私の懸賞金が7900万ベリーなの。だいぶ前に掛けられた手配書だけど。」

 

記憶の中で7900万ベリーの手配書を探り、思い浮かぶものが一つだけある。同時に、いくつかある海軍の暗部である『バスターコール』にて消された『オハラ』の事件が記憶を過ぎる。

 

そして、当時8才にして世界政府に危険視されたオハラ唯一の生き残り。

『オハラの悪魔』ニコ・ロビン

その当人が目の前にいる。

 

「…元海兵の私を恨みますか?」

 

「…いいえ。あなたはあれ(・・)には関係無いでしょ?だったらそれを恨むなんて筋違いじゃない。」

 

そう言って微笑み右手を差し出すロビンさんはどこか悲しそうだったが、それ以上聞くことは出来ずこちらも右手を差し出し握手を交わした。

 

「…そう言って頂けると助かります。」

 

そしてウソップさんの後ろに隠れる動物さんの方を向く。挨拶をしたいのだが警戒されているようだ。警戒の仕方は間違っているようだが…

 

「隠れるなら身体の位置が逆だと思うんだけどな…。ねぇ、私ゾロの妹のリィナっていうの。よろしくね。」

 

腰を落とし目線を同じ高さに合わせて話掛ける。近くで見るとなかなかカワイイ顔立ちとフカフカな体毛をしているのが分かる。

 

「お、おれはチョッパー。…おれが怖くないのか?喋るトナカイだぞ。」

 

何やら怯えている様に見えるが、そのオドオドした感じが加護欲をそそる。チョッパーくんはおそらくトナカイなのに二足歩行したり人語を話したりで迫害を受けた事があるのだろうと推測出来る。

 

「…じゃあ、はい!お近付きの証にどうぞ。」

 

私は右手をクルリと回し手品師の様に棒付きキャンディーを取り出してチョッパーくんに差し出すと目をパチクリさせる。

 

「私は歩いたり話せるトナカイってカッコイイと思うけどな。だって、他のトナカイが出来ない事出来るんだよ?世界に一人?だけの存在ってカッコイイよ。」

 

「…よ、止せよ!そんなの何の自慢にもならねぇよ!ちょっと黙っててくれよコノヤロー!!」

 

そう言いながら照れた顔で小躍りしながらキャンディーを舐めるチョッパーくんはカワイイ。今度モフモフさせて貰おうと静かに決意する。

 

ロビンさん、チョッパーくんと紹介も済ませ本命の話相手に向き直る。

 

「…ルフィさん、単刀直入にお願いします。私を麦わら海賊団に入れて下さい!」

 

「おう!いいぞっ!!」

 

即答だ。

 

「まぁ、よろしくな。しかし、兄妹で同じ船たぁ恥ずかしいな。」

 

「もう仲間だってこの間言ったじゃない。しれっと紛れときゃいいのよ。」

 

「よろしくな、リィナちゃん。レディーは大歓迎さ。早速何か作ろうか?」

 

「海賊としては俺の方が先輩だからな!けど、分からない事はナミとロビンに聞けよ。」

 

ゾロ、ナミさん、サンジさん、ウソップさんからの歓迎の言葉を受けた嬉しさでつい頬が緩む。その感情のまま皆に向き直り今後の航海に思いを馳せ胸を高鳴らせた。

 

「みなさんと共に航海出来るのが嬉しいです!よろしくお願いします!!」

 

各々との再会の挨拶も程ほどに途中で買い込んで来た手土産を渡していく。

サンジさんには肉や魚介類、野菜や果物を、ナミさんには私が海軍で貰ったお給金の一部を資金の為に渡した。

ウソップさんへはスナイパーゴーグルや指貫などの消耗品、ゾロへは予備に特別製(・・・)の刀を数本とトレーニング用の鉄塊。ロビンさんとチョッパーくんには欲しいものがある時に出すと言っておいた。

最後にルフィさんへ骨付き肉を渡したのだが、あっと言う間に平らげてしまい苦笑してしまった。

 

再開ムードも良い頃合いになり、次の目的地を聞きそびれていたことに思い至ったのでナミさんの下へ向かおうとしたところで呼び止められた。

ルフィさんが皆に聞こえる様に大きな声で私に問う。

 

「なぁ、リィナ!俺が兄貴だよなっ?皆はリィナが姉貴だっつうんだ。」

 

ルフィさんの言っている事の意味がわからず首を傾げる。海賊団の船長という意味合いで言えばルフィさんが兄貴分(・・・)だろう。

 

いくら懸賞金の額が大きかろうと船長を取って変わる気は毛頭無い。なので率直な意見を言う事にした。

 

「そりゃ、ルフィさんがアニキ(・・・)ですよ。私に上なんて務まりません。」

 

言うや否やルフィさんはニシシと満足そうに笑い、ナミさんは色めき立ち、ゾロ含む男性陣は顔色を悪い方の色に変えている。

 

ロビンさんとチョッパーくんは冷静にこちらを見ている。いや、チョッパーくんは訳が分かっていないだけのようだ。

 

「リィナ、兄としておまえの意思を尊重してやりてぇ。だが、まだ早いというかなんつーか…」

 

まさかのゾロから海賊はまだ早い発言に私は動揺する。先程は歓迎してくれていた筈なのにいきなりの手の平返しなどあんまりだ。

 

「まだ早いってなんで?ルフィさんも17歳だよ!私だってやれるよ!!」

 

「なっ?!おまえ、女がヤるなんてはしたない言葉使うな!」

 

今度は女だからという理由で海賊になることを反対するのか?

それ程私と一緒に居るのが嫌なのだろうかと考えてしまいついぞ目頭が熱くなる。

 

私はゾロとああでもないこうでもないと口喧嘩が白熱しだす。自分でも何言っているのか分からない様な言葉の応酬を晒しているが気にする余裕は無い。

 

「あの、ちょっといいかしら?」

 

私とゾロの今にも掴み掛かりそうな雰囲気にロビンさんが割って入る。

 

「リィナさんと剣士さんで話が噛み合って無いと思うのだけど…」

 

話が噛み合って無いとはどういう意味だろう。そもそもルフィさんの質問の意味が分からなかった事もある。

 

「いや、まずですね。ルフィさんは船長なんだから私にとっては兄貴分な訳で。そしたら、ゾロには年の事や女だからと海賊になるのを急に反対されるしで…」

 

「…あぁ、そういうことか。済まねぇ!おまえが海賊になるのを反対するつもりは無ぇ。兄貴として歓迎するさ。」

 

ゾロは顔を茹で蛸の様にして顔を背ける。しかし、ゾロは何の話と勘違いしていたのだろうか。

 

「?…一体何を勘違いしてるの?どういう事なの?」

 

私に背を向け頑なに口を開こうとしないゾロ。そういう態度では逆に聞きたくなるのが人の性だろう。

 

私がゾロの正面に回り込むとゾロは反転して背を向ける。再び私はゾロの正面へと回り込み、再度ゾロは反転し私に背を向ける。そんな事を数回繰り返したところでナミさんが折れた。

 

「あぁ、もう!ルフィの聞き方が悪いのよ!ゾロ?私から説明するわよ!良いわね?」

 

ゾロは渋い表情をしつつ力無く頷いた。

各々事情を知る者は一様に頷き、知らない私とロビンさんだけが静かに次の言葉を待つ。

 

「まず、アラバスタ王国のナノハナ沿岸でルフィのお兄さん、エースさんと会ったの。リィナが手引きしてくれたお陰で楽だったわ。」

 

なるほど。あの時は直接確認出来なかったが、ちゃんとポートガスと再会出来ていたようで良かった。だが、それと何の関係があるのだろう。

 

ナミさんは蛇足だけど、と継ぎ足しロビンさんを向く。

 

「ロビンには悪いけど、私たちを追って来たB・Wの船を拿捕したのがリィナたちの部隊ってわけ。それとリィナ、後腐れの無いように先に言っておくわ。ロビンは元B・Wの副社長でミスオールサンデーよ。クロコダイルに利用されてただけだからもう恨みっこ無しで良いわよね?」

 

アラバスタにて起きた事は報告を受けており、たしぎさんが惨敗した相手がミスオールサンデーだと聞き及んでいる。

 

「えぇ、今更です。眼鏡を掛けた女性の剣士、たしぎさんという方ですが、単にロビンさんが強くて彼女が弱かっただけですから。でも、そのお陰で彼女はもっと強くなれます。なのでロビンさんには感謝していますよ。」

 

酷い言い方かもしれないがアラバスタにて海軍が惨敗した事は良い方へ転ぶはずだ。ヒナさん、モクモクさん、たしぎさんは特に強さを求め、より鍛えるだろう。

 

「裏で海軍が動いて国王軍、反乱軍のB・W社員を捕縛してくれたから内乱が起きなかったわけね。今は素直に感謝するわ。」

 

私の本心としては、たしぎさんへの暴行を見過ごすことは少し癪なのだが、今それを言ったところで意味は無い。おそらくロビンさんも似たようなものだと感じ取れる。だが、共に表面上は感謝で取り繕いナミさんへ話の続きを促す。

 

「それで話を戻すわね。エースさんと再会した時に白ひげ海賊団に誘われたんだけどそれはルフィが断ったの。

問題はそのあと!リィナを嫁に欲しいからゾロからも許可が欲しいって。あわよくば、ゾロもリィナと一緒に白ひげ海賊団に来ないかって。

ゾロは本人の意思を尊重してやりたいからリィナ本人に聞けって返してその話は一旦終わったのね。

まぁ、私たちとしてはエースさんとリィナの間で恋仲の話があっての事だろうから温かく見守ろうって話になったんだけど、もしリィナが嫁いだらルフィ、エースさんとゾロ、リィナは義兄妹になるんだなって。

あ、ゾロは妹が取られたのが気に入らなくて不貞寝してたけど。

そんなこんなで、年齢的にエースさんが長兄、ゾロが次兄でしょ?ルフィとリィナは同じ年だからどっちが末っ子なのかって話で盛り上がったの。

それで私たちはリィナが姉で満場一致。ルフィは自分が兄だって譲らなくて。それが事の顛末よ。」

 

「…へぇ。何だかとても意味が分からないです。」

 

本当に意味が分からない。会ったのは二度だけ、話をしたのは時間にして一刻にも満たない程である。そういえば最後に宿で別れる時、また海賊に誘うと言っていたのを思い出す。あれは次会った時に求婚するという意味で言ったのだろうか。そもそも本人の了承も無く、勝手に兄に身請け話をするのはどうだろうか。そんな話をしたら私とポートガスが既に恋仲の様な誤解を受けて当然だろう。沸々とあの半裸男に怒りが込み上げる。

 

「…はぁ、私とポートガスは何もありません。単にルフィさんと会えるように手引きしただけで碌に話もしてないんですから、そう成りようも無いです!」

 

これ以上その話はするな、という意味を込めて語尾を強める。ここで覚えたばかりの覇気を使い威圧してもいいのだがこんな事で無駄使いする気は無いので抑える。

 

ルフィさんはつまんねぇ、と呟きつまらなさそうにしているが船首の方に視線を向け目を輝かせ大きく声を上げた。

 

「おおぉ!!!なんかいい感じの町が見えるぞ!急げメリー!!」

 

どうやら次の島が見えたらしく皆一様に先の島を向き声を張り上げる。良いタイミングで話題を切り替えるることが出来そうだ。

 

一応、島へ到着する前に私は現状確認を行った。一旦の目的地はジャヤだそうだ。アラバスタを出立したのならば順当であろう。しかし、ジャヤへは情報収集の為に寄るだけだと言う。何の情報かと聞くと『空島』へ行く為だとロビンさんが答える。

 

確かに空島は存在する。海軍の一部の者ならば知っている事実だ。だが、空島へは偉大なる航路(グランドライン)のずいぶん先にある山から登ると聞いている。もちろん私は行った事は無い。

 

記録指針(ログポース)が空を指しているのだから次は空島へ行く、と船長が決めたのなら従うのが海賊団らしい。私は野暮な事は言わず追従したいところだが、ココで得られる情報など無いはずだ。かといってここから空島へは行けませんよ、なんて言って夢を壊すことなど出来まい。助言で留めた程度のことだけは許されるはずだ。

 

「ここで聞き込みをしても何も出てこないですよ?次のモックタウンは海賊くらいしか居ない町ですから。上陸するなら買い出しくらいですかね。」

 

私の知っている事をすべて話しては皆さんの楽しみを奪う事はしないよう気を付ける。

 

「モックタウンは政府の介入していない町です。言わば海賊が集う町、略奪や殺人なんて日常茶飯事で危険な所です。なので一つ提案があります。」

 

ルフィさん、ゾロ、私の三人。最近手配書が出回った三人は比較的目に入りやすい。つまり、私たちを狙い寄ってくる者か私たちを見て逃げる者かで騒ぎになり易いということだ。

 

だから、あえて三人で行動し寄ってくる者は撃退しようと提案する。

 

単純に私が覇気を試したいという思惑と、ルフィさんとゾロの実力を見たいというのが本音である。

 

建前として、三人が騒ぎ立てている間にナミさんたちはゆっくり買い出しを済ませる事が出来ると言い包める。私が手土産に食材を大量に買い込んでいたので、買い出しの必要が無いサンジさんが船の留守を申し出てくれた。

買い出し組はロビンさんナミさんで行くらしいので、ウソップさんとチョッパーくんはサンジさんと船に残るそうだ。港に船を着け上陸し、早速二手に別れて町へ繰り出す。楽しい愉しい時間を始めよう。

 

「ゾロ?ルフィさん?少し身体を動かしたくないですか?」

 

「やだ!俺は腹減った!!」

 

「…俺ぁ構わねぇが。何する気だ?」

 

「いえ、二人の実力を見たいというのと、私の実力を見て欲しい感じかな。もしかして私に負けるのが怖いですか?」

 

昔ゾロの仕事を見て以来なのでどれ程強くなったのか知りたい。私はどれ程強くなれたのかも知りたい。

単に剣の腕前だけで言えばゾロに軍配が上がるだろう。だが、海軍の訓練で得た身体の動かし方や特殊な戦闘法を扱えば悪魔の実の能力を使わずともゾロに勝てると自負している。

ルフィさんに至ってはゴム人間だということは知っているものの、どんな戦い方なのか知らないので見てみたいのだ。

 

「わかった!でも終わったらメシ食いに行くぞっ!」

 

「…兄貴の威厳を見せなきゃな。」

 

「ふふ。では、行きますよ♪」

 

私は周囲10m程の円をイメージし覇王色の覇気を放出する。

レイさんの時は思い切り出すイメージだったので今回は範囲指定と敵味方の判別調整を試みる。

意識を集中し、自身を中心に半径5mの波紋を思い描く。隣に居るゾロとルフィさんを避け、放射状に拡散するイメージ。

すると周囲を行き交う人達が次々と泡を吹いて倒れていく。二度目でこうも上手くいくとは自分でも驚いてしまう。

 

「皆さーん!ちゅーもく!!賞金首がここに居ますよー!!」

 

私たちの周囲で倒れ伏した人達が僅かに注目を誘い、私の大声で更に注目を浴びる。

 

「…おまえ何した?てか、やり方がルフィより質悪りぃぞ!」

 

「さっきのどうやるんだ?なんかすげぇビリビリしたぞ。」

 

「ふふ。秘密です♪さて、周りが逃げ惑う中で何人かこっちに来ますよ?準備は良いですか?」

 

「「おう!」」

 

私とルフィさんの顔を見て億超えの賞金首だと気付いた人間が、それを触れ回りながら逃げ惑っているお陰で腕に自信のある者だけがこちらへ向かって来る。

 

次いで私は見聞色の覇気で周囲の気配を察知する。能力を使わずとも広範囲で展開出来るようだ。レイさんに教示して貰ってから常に意識する様に心掛けていたので少し扱い成れてきた。こちらも指向性を維持することで知りたい方向だけを読み取れる。

 

武装色の覇気も衣服と外套で隠れている箇所で繰り返し反復練習しているので短時間ならば問題なく扱えそうだ。

 

程なくして私たちの前に現れた数組の海賊団らしき人達。顔を見て分かるのはべラミー海賊団とロシオ海賊団くらいであとは無名か記憶にも残らない小物である。

 

「ゾロ、ルフィさん。あっちのロン毛が3800万、額傷が5500万、こっちのドレッドバンダナが4200万です。後は手配書が出てても小物か無名ですね。周りの雑魚は私がやりますから後はお二人でどうぞ?」

 

「おう!任せろ!」

 

「いや、ルフィがやれ。俺とリィナで雑魚狩りの競争だ。」

 

「…じゃあ、お兄ちゃんの良いトコ見せてね?」

 

※ ※ ※ ※

 

結論から言うと実力を見るまでも無くルフィさんの圧勝。足をバネの様に変化させて高速で飛び掛るべラミーを避け様に一撃で圧倒した。残りのロシオが激昂して襲い掛かるも瞬時にロン毛を盾にして、共に殴り飛ばしてあっさり終了した。

 

私とゾロは逃げる取り巻きには手を出さず、向かってくる者のみを薙ぎ払い、斬り伏せあっという間に立っている者が居なくなった。

 

「…ねぇ、ゾロ。私十八人しか相手に出来なかった。」

 

「俺ぁ十六人だ。負けたチクショー!」

 

「なぁ、終わったから飯行くぞ!」

 

偉大なる航路(グランドライン)の前半の海ではあるがこうも実力差が激しいとは思わなかった。

海兵の時、私自身が戦闘して捕縛した海賊にも1億や2億クラスはいたが、体感としてはルフィさんは2億クラスでいけそうだと思う。

ゾロは以前よりも力みの抜けた自然体で刀を振っているように見えて、力と技が研ぎ澄まされているのがわかった。

 

辺りは静まり返り、これ以上仕掛けてくる者は居なさそうだ。憶測としては懸賞金5500万ベリーのベラミーがこの町の筆頭だったのだろう。それが一撃で沈むようなより強き者が現れたのならば、他の者はただ過ぎ去るのを待つしかないのだろう。

 

力試しのつもりが思った以上に肩透かしで終えてしまったので、お詫びに近くの酒場でご飯をご馳走しようと移動することにした。

 

騒ぎを起こした張本人が言うのは間違っていると思うが、お客さんが誰も居ない酒場は寂しいと感じる。私たち三人の貸切状態なのだからお店としては致命的だろう。

 

ルフィさんは色んなものを注文してはうまい、まずいと一人で大騒ぎしていて、戦闘の時と表情や印象がガラリと変わる。このメリハリも魅力なのだと思う。いわゆる『ギャップ萌え』というやつなのだろう。

 

私はコーヒーを、ゾロはビールを飲みながらルフィさんに呆れつつ話を進める。

 

「いつの間にか剣士として俺より上たぁ、兄貴の立場が無ぇな。世界一の剣豪の座はまだまだ遠いと突き付けられる。」

 

「剣の腕は全然ゾロが上だよ。でも身体捌きは海軍の時にうんと鍛えたからそのおかげでゾロより動けるよ。」

 

先の戦闘では剣技の一つも出さずに終えた程なのだが、それでも互いの力を計ることくらいは出来るのだ。予想していたように剣ではゾロの方が数段格上だと実感出来た。

 

斬るという動作には実力が如実に現れる。

刃物は引く事で刃と接した部分を断裂するのだが、その所作は刀へ伝える力の加減、刀を引く速さ、刀の振り幅や引き幅などの複雑な条件を斬る対象の状態に合わせて調整、加減しなければならない。

 

私は力が無いので早さで押し切る使い方なのだが、ゾロは力の加減に加え所作に磨きが掛かっている。これだけで私は負けを認めざるを得ないのだ。

 

初めてゾロの剣技を見たあの日から、私が網膜から消す事の出来ないゾロの背中は常に成長し、私の先を歩み続けている事実が誇らしくも悔しくもある。自然と緩む頬の状況から察するに大よそが嬉しいという感情なのだと理解する。

 

「やっぱりお兄ちゃんは強くて頼りになって妹は嬉しいよ♪」

 

ゾロに身体を寄せ、肩に頭を置き悪戯っぽく笑いかけるとうるせぇ、と照れた笑顔で返すのでそれがまた嬉しくて堪らない。血の繋がりは無い兄妹で独自の甘い空間を作り上げている最中だというのに、それを邪魔する輩を私の覇気が察知する。

 

数拍置いてドタバタとした足音と酒場の扉を荒々しく開く音が店内に響く。

 

「ゼハハハハ!邪魔するぜ、麦わらぁ!!」

 

現れたのは汚い髭を生やした太い身体とは不釣合いな短い手足のオジサンだ。シャツの前を開き醜い体毛を晒し恥ずかしくないのだろうか。

 

「こっちは久々の兄との触れ合いを満喫しているというのに邪魔されて機嫌が悪くなりそうなんですけど、これで謝罪すらなければ本気で怒りますよ?オジサン?」

 

「ゼハハハハハ!オメェが5億かぁ?まだガキじゃねぇか。まだ世界政府を敵に回す時じゃぁねぇ!今は1億の方の首貰っていくぜ!!」

 

このオジサンは人の話を聞いていないようだ。汚らしい見た目が不快、下品な笑い声も不快で、纏う雰囲気すらも不快だ。もう視界に入れたくないと思えるほど存在が不快だ。

 

「…これが最後です。せめて名前くらい名乗らせてあげますよ?オジサン?」

 

「おぅ?生意気なガキだな!オメェに用は無ぇ!そっちのとどっか行ってろ!!」

 

このオジサンは人の話を聞かない事に加え礼儀すらも持ち合わせていないようだ。こういう人を何と言うのだったか。唯我独尊、傍若無人、厚顔無恥、傲岸不遜…切りが無い。

 

「ルフィさん、この喧嘩私に買わせて下さい。“隔絶(アイソレーション)”」

 

私たち三人とオジサンの計四人の境界を世界と切り離し、今の世界へは干渉することの出来ない別の世界を造り出す。ロードとの一戦で得た教訓を元に私は同化せずに実体のまま本来の世界から隔絶する。これで私が任意で能力を解除する、若しくは負ける以外には元の世界へは戻れないはずだ。

 

まず先手で覇王色の覇気をオジサンに向かって全力で放つ。格下相手ならばこれで無力化出来るはず。

 

「私とゾロの邪魔をしたことを謝罪しろと言いましたよね?尚且つ私たちを邪魔だと言い放ったことは万死に値します。アナタの存在自体が不快なのでココで楽にしてあげましょう。」

 

「う…ぐぅ、これは…白ひげの、親父と…」

 

なんとか意識はあるようだ。ルフィさんの首を取りに来る気概はあるようだが、私が共に居たことが誤算だっただろう。

 

私は強者の態度を取り繕ってはいるが、実は内心は心臓が異常な程早く脈打っている。

 

過信や慢心をしてはいないつもりだ。相手よりも格上の態度を保ちつつ、気持ちは冷静に何が起こっても対処出来る様に心掛ける。

 

それでも覇気使いとの戦いとなれば能力の優劣は簡単に覆ることに恐怖が湧き上がるのだ。

 

「覇気を覚えたてのガキになんてザマでしょうね?ルフィさんは私たちの船長ですから。船長の首が欲しいなら私を倒すしか無いですよ?」

 

「…クソガキッ!!……ク…ソォ……」

 

このオジサンも覇気使いかもしれないと仮定して全力を出さなければ、気を抜いた瞬間に負けるのは私だ。

 

「そうです。残念なことにアナタはそのクソガキに手も足も出ず敗北するんですよ。」

 

私は左手だけに武装色の覇気を纏い、能力で大気と同化させる。すると、左手は黒い霧の様になり自在に動く。

 

武装色の黒い鉄の色を帯びた大気はオジサンを包み込み捕らえる。これならば自然系(ロギア)であっても抑え込む事が出来るだろう。ついでにオジサンと同調し情報を引き出す。

 

名前と仲間の有無などだけ情報を引き出そうと思ったが、以外なほど有益情報を引き出せた。だが、それを知ってしまったからには生かしておく訳にはいかない。

 

「“同化(アリシエイション)”」

 

なので、オジサンの人としての境界線を強制的に無くして世界を構成する元素へと還元する。

 

言葉を発する暇も与えず肉体はその場で塵になり世界へと流転し始めた。

 

私が造りだした異世界の一部へと同化したので、本来の世界へ戻ることも無い。魂という概念があるとすれば、この隔絶された世界で永遠に彷徨う事になるだろう。

 

オジサンの全てが塵と消えた後にポトッと何かの実が落ちたがオジサンの食べた悪魔の実だとすぐに理解し拾い上げる。

 

「さぁ、終わりました。戻りましょうか?」

 

二人を振り返り声をかけたが返事も無く顔色の悪いまま私を見詰めている。

 

「…リィナ、さっきの奴に何した?」

 

ゾロが恐る恐る口を開くが微妙に声が擦れている。ルフィさんは何度も首を縦に振りゾロの疑問に同意する仕草をしている。

 

「…まぁ、まずは船に戻ってからお話します。」

 

一先ず話は船に戻ってからと断りを入れ、能力を解除する。

 

突然目の前から消え、再び現れた私たちに酒場のマスターは腰を抜かして驚いていたが、飲食代をカウンターに置きその場を後にする。

 

静まり返る町を歩き、船へと戻る途中もゾロは浮かない顔色で私の後を歩く。ルフィさんは私の能力と覇気に興味があるようでソワソワしていた。

 

船へと戻るとウソップさんたちが既に出航の準備を整えていたので言う通りにすぐに船を出す。

 

急な出航の理由を聞くと、私が合流する前に諍いを起こした海賊がこの島へ戻ってきたらしい。

 

それと、ナミさんとロビンさんは買い物と空島に関する人物の情報を得てきたそうだ。

 

なので、再びいざこざが起こる前にモックタウンを離れ、その人物を訪ねようという話になったそうだ。

 

ナミさんが購入してきたジャヤの地図を広げ、島の東側に付いた×印を指差す。

 

「島の西にある町がさっきまで居たモックタウン。対岸にある×印がモンブラン・クリケットという人が居る場所よ。今からそこへ向かうわ。…それと、ルフィとゾロが気味悪いくらい大人しいけど何かあったの?」

 

「えっとですね、私が少しやり過ぎたようでして…」

 

私の返答に若干気まずい雰囲気になり居たたまれなくなる。

 

「…折角なので皆さんに私の悪魔の実の能力の説明をしておこうと思います。」

 

以前会った時は表向きの能力しか説明してなかったので、本来の能力を教えておかなければゾロの様に怯えさせてしまうかもしれない。

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

「と、いう訳で私の本来の能力は同化する能力です。ドウドウの実とでもいいますかね。前例が無いので名前は無いんですが。」

 

説明を終えるとナミさん、ロビンさん、チョッパーくんが頭を抑えてうなだれていた。

 

「同化って、境界線って…悪魔の実って言うよりも神様の実じゃない…」

 

「世界の何処へでも…歴史の本文(ポーネグリフ)…いえ、自分で…」

 

「おれの…医者の立場って…」

 

ルフィさんは私が手品師ではないことにショックを受けていたが今は別の事を考えているようだ。おそらく能力の説明に理解が追い付いていないのだろう。

 

ゾロ、サンジさん、ウソップさんは顔を青ざめて黙り込んでいる。特に先程オジサンを元素へと分解したという件あたりで青みが増した。それほど普通の人間からすると常識外れた能力だということだ。

 

「あの、各々感じることはあると思いますが、話を続けますね。」

 

続けて先程のオジサンを左手で捕らえた時に同調して得た情報を話した。

 

完結にまとめると、マーシャル・D・ティーチという名前らしいのだが、ポートガスが追っていた仲間殺しの犯人がこの人らしい。確かに汚いひげが生えてはいたが、あれで黒ひげと名乗るのは如何せん無理がありそうに感じる。

 

億超えの賞金首を手土産にクロコダイルが抜けて席の空いている七武海へ加入しようと目論み、タイミング良く現れたルフィさんを狙ったらしい。七武海へ加入後に白ひげ エドワード・ニューゲートを討ち取り、グラグラの実を奪い取る事が目下の最終目的だった様だが、その為の計画を立てている途中だったらしく詳細なことは分からなかった。

 

しかし、強固な意志で遂行しようとする長年の計画だったらしく生け捕りにしておくには危険だと判断し私が文字通り消したのだ。もし、生け捕りにしてポートガス、若しくは海軍に引き渡したとしても如何なる手段を用いても生き延びようと足掻いただろう。そうなれば私にとっても今後の大きな障害になるはずだ。

 

そう説明し終えるとその計画の危険性を理解する数人が更に顔色を悪くし、蒼白から土気色になっていた。

 

「エースが探してたのあいつか!あ、でもリィナが倒しちまったな。」

 

「世界最強といわれる白ひげを倒そうなんてとんでもない野望家ね。」

 

「俺ぁそんなヤツに手も足も出させないリィナちゃんに驚いたな。」

 

ともあれ、事前に防げた事に安堵しつつも他人の命をいとも容易く奪ってしまえる事に不安を感じる。以前よりそうだったが、やはり悪魔の実の能力が強大過ぎて気付かない内に命を軽視し、力を過信してしまっている。

ここは一つ腹を括らなければいけない。

 

「皆さん、前から考えていたことなんですけど、私は能力に頼り過ぎる節があるので今後能力を制限しようと思うんですが…いいですか?」

 

私の問い掛けに皆がそれぞれ顔を見合わせ強い決意の目で私を見詰めゾロが口を開く。

 

「おまえが能力を使う必要が無いくらい、俺たちが強くなれば良いだけの話だ。リィナの好きにすりゃいいさ。」

 

「確かに便利な物に頼り過ぎるのは良くねぇな。料理だっておんなじさ。」

 

「おれはどんな怪我や病気でも治せる医者を目指すんだ。リィナの力に頼るだけじゃダメだと思う!」

 

サンジさんとチョッパーくんが暖かい言葉を投げかけてくれる。

 

「俺は手先が器用だ!リィナが出来ねぇことは俺がやってやる!ドンドン頼れ!!」

 

「そうよ。どんな便利な力があっても海に居る以上は私の航海術に頼るしかないんだからね。」

 

「うふふ。戦うだけが海賊じゃないんだから良いんじゃないかしら。苦労するのも経験よ。」

 

ウソップさんとナミさんは頼り甲斐のあることを言ってくれて、ロビンさんは笑いながら正論を語る。

 

「えぇ…もう手品しねぇのか?じゃあ!最後に肉いっぱい出してくれっ!!」

 

「「「「空気読めバカタレッ!!!!」」」」

 

相変わらずのルフィさんに、お決まりの息の合ったツッコミで雰囲気が和らぐ。

 

「とりあえず、モンブランって人の所へ着く前にポートガスに黒ひげの事を伝えておきましょうか。あ、能力は使わないのではなく制限するだけですから。主に急な移動や物の出し入れ、緊急時には使わせていただきます。」

 

ルフィさんは手品を封印した訳ではないと知り楽しそうに肉、肉と連呼してナミさんに殴られている。それを見て呆れたり、笑ったりと皆は各々私のことを気にしすぎないようにしてくれている。

 

ふと、モックタウン到着前の会話が思い浮かび少し気まずく感じているが、一先ずは報告の為だと割り切り、変に拗れた話にならない様に願いながらポートガスを呼び出すことにする。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

今回重要なフラグが無くなった気がしますが、今後別の形で…


書くのも進行も遅くて申し訳ありません。

時間は掛かりますがプロットだけは『二年後』まで書き留めてますので、そこまでは必ず書き上げます。

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