姓はロロノア 名はリィナ   作:ぽんDAリング

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前話の投稿から約1年。色々あって遅れに遅れました。字数も少なくてスイマセン……orz


27・重なる問題 続く不運

『ポートガス・D・エースを救ってほしい』

 

メレフィアが俺へ頼んだ事。強制はしないとは言っていたが、俺としては受けてやりたいと思っている。

 

しかし、一味の皆に何と説明しよう。

 

転生者集団はローグタウンで塵殺した黒ひげを復活させて何やら策略を立てている。

その策略の結果、ポートガスが捕縛され投獄・処刑となる未来は確定的だそうだ。

 

ある転生者からそういう情報が届いた、と素直に伝えるべきか悩むところだ。

 

現時点ではポートガスは白ひげの下で健在らしいが、それ(・・)が何時起こるのかは不明だそうで、出来るだけ早く俺に行動してほしいと言われた。

 

そう言われても正直困る。

 

回収した“悪魔の実”はポートガスに渡したので、黒ひげが復活しているとしても今は無能力者のはずである。黒ひげがポートガスをどうこうしようとも、白ひげの下に居るのならソコが一番安全だろうと思うが。

 

ポートガス自身も含め“億単位”賞金首の隊長が数人と、それを纏めている“白ひげ”は『世界最強の男』なのだ。

 

普通に考えれば、ソコからポートガスを無力化し捕縛するのは不可能だ。

 

…普通なら、だけど。

 

メレフィアの話が確かならば、転生者集団六人と海軍大将クザンさんを合わせた七人……いや、他にも協力者がいるだろうな。

 

戦力的に見ればこちらの優位性はほぼ無いと言って良いだろう。最悪の場合『白ひげ海賊団』が壊滅するかもしれないと密かに戦慄する。

 

“原作重視”の転生者集団からすればポートガスの投獄が目的なので本当に秘密裏に動くそうだが、実際のところどうなるのか原作知識の無い俺には判らない。

 

こちらにとって幸いなことは転生者集団が『俺』の存在を知らない事と、メレフィアが密かに情報を提供してくれる事を約束してくれたのみ。

 

転生者集団の裏をかけるのが俺だけだという状況が吉と出るか凶と出るか……

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

メレフィアとの邂逅が済み、俺はメリー号に戻ったていでゾロと話をしていた。メリー号の修理査定の場に俺は居なかったものとして扱われているからだ。

 

メリー号の修理は不可能だと俺は既に知ってる。だけど、それが記憶にないゾロは言い辛そうに口籠もっているので、言わなくていいよと察したフリをした。

 

一度感情的になった後なので二度目を聞いても俺は冷静でいられるが、一味の皆はどんな反応を示すだろう。

 

やっぱり、俺がリィナの時に能力である程度復元出来ていれば…と思ってしまう。実際に言葉で罵られる事は無いだろうけど、内心でそう思われてしまうのではないかと少し不安になる。

 

まぁ、一応だがメレフィアの能力でメリー号の復元を頼んでみたがすげなく断られた。

 

メリー号の“運命(原作)”を知る身として、それは変えてはいけない(・・・・・・・・)モノなのだと。

 

メリー号は元々海賊船として造られた船では無い。そんな船がココまで保った気持ちを君なら、メリー号に宿るクラバウターマンの存在を知る君ならば汲んであげるべきだ、とも。

 

皆が皆、理性で割り切る事が出来るとは思わないでくれよ。感情がそれを許してはくれない時もあるんだから。

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

「…どういうこと?」

 

メリー号の修理依頼に行っていたルフィさんたちと買い出しに行っていたサンジさんが共に岬へと戻って来たのだが、メリー号の修理依頼は不可能だという話と共にロビンさんが迷子になったと聞かされた。

 

いや、迷子って。ロビンさんは子供じゃないんだから。

 

「まあ、待ってればその内戻って来るんじゃないですか?」

 

「いや、ちっとばかし様子がへんなんだ。チョッパーに匂いで追ってもらったんだが、水路で匂いが途絶えてた。態々ヤガラに乗ったり水路を越えて何処かに行くんなら俺たちに一言告げてからでも良いだろ?つまり…」

 

「攫われた。若しくは、自ら姿を隠したって事ですか。」

 

あの(・・)ロビンちゃんだぞ。そう易々と誘拐なんて出来ると思うか?こんなこと言いたくねぇが……何らかの理由で、後者なんだろうよ」

 

サンジさんなりの葛藤が若干言葉を濁らせているのが理解出来た。普段よりも荒く煙草の煙を燻らせている。

 

何か理由があるのだろうけどロビンさんが誰にも何も告げずに居なくなってしまった。

そして、ゴーイング・メリー号の修理不能問題。

 

尚且つ、未だ伝えられていないがエースの投獄・処刑問題もある。

 

タイミング悪過ぎだろっ!!何でこのタイミングで次から次へと!デービーバックファイトの時も良いところで襲撃される、し……メレフィアが、分離して、能力、無く、なる、し?……?!……っ!!

 

「そーだったっ!つい?うっかり!忘れてた!?失念だ?!うわっ?どうしよー!どーする?!」

 

「なっ、なに?どうしたのよ?!」

 

突然慌てだした俺に一同ビクリと肩を揺らすが、一味のまとめ役でもあるナミさんが問うてくる。

 

「……クザンさんがデービーバックファイトを仕掛けた意味が無くなったってのと、もしかするとロビンさんが消息不明な理由が分かったかも……なんて♪」

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

ロングリングロングランドでのデービーバックファイト。あれには一味の船長であるルフィさんの器と気概を計る目的と、副次的にロビンさんの『仲間意識』を高める効果も期待されていた。と、俺は推測していた。

 

二勝された時点でロビンさんの移籍が確定してしまう条件で、予定通り一戦目は敗北してしまい後が無い状況に晒された。

 

二戦目、三戦目共に一敗も出来ない状況で死力を尽くし『ニコ・ロビンは仲間だ』と奮闘する姿を当人に見せ付ける事で暗い過去を少しでも払拭させようとした。と、俺は考えていた。

 

しかしだ、ロロノア・リィナ襲撃のせいで三戦目を丸々見ていない。

 

ボロボロになりながらも勝利した後のルフィさんを見ただけでは伝わらない雰囲気や言葉、思いはロビンさんへ届いていないのだ。

 

クザンさん本人がメレフィアと共に転移してしまい最後はグダグダと終わってしまったので尚更だろう。

 

よって、ロビンさんの暗い過去は払拭されていないだろうとわかる。

 

ロビンさんが麦わら海賊団を好ましく思えば思う程に、過去の暗い記憶・経験が『尚更ココに居てはいけない』と考えさせてしまう呪い。

 

これが一つ目の情報。

 

そして二つ目は俺だからこそ知り得た“CP9”の情報。

 

以前会ったスパ…ス、素パスタ?とかいう長官が得意気に言っていたウォーターセブンへの潜伏任務の事だ。

 

『古代兵器の設計図』なる代物の奪取。その為にガレーラカンパニーの船大工として二人と秘書として一人、あとの一人は一般市民としての潜伏任務に就いているらしい。

 

その二つの情報を掛け合わせると……『古代文字を読める“悪魔の子”ニコ・ロビン』と『古代兵器の設計図』が『世界政府直轄機関“CP9”』の潜伏している『ウォーターセブン』に集っている。

 

ロビンさんが麦わら一味に属しているのは周知の事実。その麦わら一味が船の修理の為ウォーターセブンに訪れたとなると潜伏中であるCP9としても好都合ってことだ。

 

CP9は『麦わら一味』を見逃す事を条件にロビンさんの拘束を交渉。ロビンさんは自分一人で済むのならとそれに承諾って感じかな。

 

悲しい事だが、ロビンさんは過去の不幸は自分のせいだと感じている。だからこそ、麦わら一味の為に自分一人が犠牲になろうとしているんだろう。

 

と、一味の皆に俺の考えた推測を話した。

 

「……っ、なんだよそれ!!」

 

当然、皆一様に憤慨の声をあげる。

 

ルフィさんとサンジサンジはガレーラに今すぐ乗り込みそうな勢いだったのでロープで簀巻きにしてある。

 

「取り敢えず、さっきのは推測でしかありません。だから落ち着いてこれからの事を考えましょう。」

 

一味の頭脳であるナミさんすら今は冷静ではない。少し時間を置いて幾つかの事を同時進行で考えた方が良いだろう。

 

 

 


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