ロングリングロングランドにてフォクシー等との諍いは終結した。次の島への
言わずもがな青雉は謎の女と共に何処かへ消え去っているので探す必要も待つ必要も無い。そもそも、仲間では無いのだから。
デービーバックファイトではルフィが勝利したことで
青雉監修の特別ルールも二勝一敗でロビンは麦わら一味に残留、三勝が獲得条件だったリィナに関しては…青雉預かりになるはずだったが当人不在の為、結局特別ルール自体が無効と相成った。
色々と込み入った事件も起こったが直ぐさまの解決の糸口が見出せない事もあり現段階では保留という他無いだろう。
~一部、見過ごしてしまった事や語るべきであった話もあるが、有耶無耶になったまま誰も気付いていない。それは後に『後悔』へと繋がるのだが、その時になるまで誰にも分からない~
そういう事柄からさっさと次の島を目指そうと言う船長の言葉に皆が頷いたのは至極当然である。
そして、ゴーイング・メリー号に乗り込み出航準備を整える一同。皆が皆、慌ただしく右へ左へ駆け回る中、男性へと
粗方説明も終わり先の理由から船へと移動をしようとする麦わら一味が目の当たりにしたのは、よもや立つことすらままならないリィナの姿。
曰く、今の身体は見た目こそ青年手前まで成長しているが、その実、生まれたての赤子の様なもので単純に筋力が無いので立つ事すら出来ないのだそうだ。
仕方ないと兄であるゾロが肩に担ぎ上げて船まで運ぶ様は正に『荷物』であり、“妹”だった頃にはやらないだろう扱いに皆頬を引き攣らせた。
そんな珍事もあったが今は船室のベッドへと寝かせている。今後は徐々に筋力を付けてゆくトレーニング、所謂リハビリテーションを進めていくとリィナ自身が語っていたので大丈夫なのだろう。
出航準備を終え、ナミの指示の元に帆を張り海原を船が走り出す。気候や風向きも安定し、平穏な航海へと移り変わったところでナミが誰に問わずと口を開く。
「ねぇ、どうだった?」
主語も無い、特定の誰かに向けた言葉でも無い疑問に皆口を閉ざしたままだ。ナミはその沈黙の意図を読み取りすかさず訂正の異を唱える。
「あ、リィナの事が信じられないとか説明に納得出来ないって意味じゃ無いの。ただ、私は常識外過ぎて理解するのに疲れただけ。そりゃあ、信じられない話ではあったけど、“リィナ”だったら何があっても仕方ないって納得しちゃったわ。そういう意味で…皆はどう?」
そう言って肩を諫めるナミに同調したのはウソップだった。共に常識人を自負している身としては似た感想を抱いても仕方ない。
「まぁ、確かに常識的に考えてみたらあり得ねぇ事だけどよぉ。“リィナ”がってんなら自然と納得しちまえるんだよな。説明は憶測込みだとしても十分納得は出来たし。分からねぇ事は分からねぇと割り切って、分かる部分を繋ぎ合わせたって話だったけど説得力はあったからな。あぁ…それと、疲れたってのに激しく同意だな。」
ウソップが首と肩を落とし疲労を表す仕草をとる頃には、自然と皆が歩み寄り輪になって腰を降ろしている。
リィナに対して口を閉ざし疑問を出さなかった一同ではあったが、誰が言うまでもなくこうして話合いの場が出来上がるという事はやはり消化不良だったのだろう。
そんな中で微笑みを浮かべ、ウフフと声を漏らすロビンが口を開く。
「私はとても興味深いと思ったわ。考古学者として今まで多くの古文書や文献を調べていたけれど『魂』という単語って実は少なくないの。多少、意味合いに差異はあるけど。
リィナさんは、本来ならば何処かの赤ん坊へと転生…つまり、母体内の胎児に魂が宿るはずだったと言ってたわ。それがどういう理由かは不明だけど、謎の女性へと魂が
身体が『器』となって魂が注がれる。…これって今では滅びた文明や都市で幾つも発見されている古文書や文献に度々記載されている『生命の概念』に符合するわ。
それらの記述の中には“死者”の身体を器とした黄泉還りや魔術的な呪詛が主でしかない少数のものも在るけれど…コレ等は関係の無い話だから省くわね。
関連高い話としては、“巫女”や“神官”と呼ばれる聖者を
結局何が言いたいかというと、
それから、リィナさんが重傷を負った時に深層意識下…意識はあるのに身体が動かない状態、つまり
それはつまり、謎の女性は常に深層意識下でリィナさんを視ていたという事で、リィナさんの記憶を共有出来ていた。だから青雉の事も知っていたという事。
だけど、リィナさんは謎の女性の魂を認識していなかった、出来ていなかった。
それは後から割り込んでしまった魂だからだと仮定すれば説明がつくわ。故に最初から魂が
だったら謎の女性はいつでも
そういう性格か、それとも性質なのか途中から自身の考察を垂れ流しながら黙々と熟考を続けるロビンに引き気味の一同。それぞれが普段見る事のないロビンの姿に頬を引き攣らせ、内容に理解が及ばず首を傾げ、話が長いと睡魔に身を任せ船を漕ぎ、空腹の音を腹から奏でる。
「…まぁ、俺としてはリィナちゃんの能力に任せてた食材の保管・保存が無くなったのは痛いな。つか、生鮮食料品の殆どはリィナちゃんに預けてたから船の冷蔵庫は保存食ばっかだ。早いとこどっかで買い出ししないと死活問題だな。しくったぜ。
んでもって、リィナちゃんが野郎になっちまったのは残念でならねぇ。
あ、ナミすゎんとロビンちゅゎんはこの船で咲く大輪の向日葵と一輪の薔薇!俺はそれだけでも満足だよぉ~♪」
と、サンジはサンジで己の芯はブレない。
料理の質を、味を、栄養バランスを落とさぬ為に常に新鮮な野菜や肉、魚と果物を調理したいというのは当然の事である。その為、リィナに協力してもらい能力で日持ちの効かない生鮮食材は『境界線を隔てた世界で保管』して貰っていたのだ。
日持ちのする保存食や、冷蔵庫保管で十分日持ちする食材等は一定数以上キッチンに常備してあるので数日食い繋ぐくらいは出来るだろう。しかし、そうなるとやはり質も味も落ちてしまう。
ましてや、量を確保出来ぬとなれば大食いの
女性関連では可笑しな言動を度々見せるが有能な一流
「あのさ、リィナが“能力は元々謎の女の能力だ”って言ってただろ?それって良く分かんないんだけど…『転生者』はそれぞれ反則級の悪魔の実の能力者だって前言ってたのに、リィナが今まで使ってた『
チョッパーは短い腕を組みながら左右に頭を傾けながら、リィナの説明では理解出来なかった部分を素直に問う。
「あ、確かにそうよね。アノ能力は謎の女が元々能力者だったから憑依していた自分にも扱えた、って言ってたわね。初めて能力を使って見えない刀を出したのも無意識だったって話は、能力の扱い方を“身体が覚えていた”ってことで理屈は通るわ。
だったら、今のリィナ…本来の転生者に備わるはずだった能力は別にあって、今までの『
それじゃあ、なぜ転生者でも無い謎の女が転生者並の能力者だったのかも気になるわね…って、『ドリフトの相棒』だって言ってたんなら転生者だったのかもしれないって事じゃない。
…うーん、結局分かんない事だらけね。だから、リィナも現状で分かってる事だけを『推測』で説明するしかない訳か。」
未だに自身の考察を垂れ流すロビンを除き、一味の
それでも、己の記憶や要人の何気ない言葉を拾い集めて一つに纏め、真相に近付く為の道筋を導き出すリィナを改めて末恐ろしく感じている。
それでも、結局は『重要』な事柄は不明なままだという事実にこれ以上悩んでも致し方ない、と諦念を憶える数名。
いつの間に我に返ったのかロビンは思考の垂れ流しを辞めて次の発言を待つ姿勢を取っていた。だが、誰も口を開かない為、シンと静まり返る船上に海の波音だけが木霊する。
しかし、その静寂が醸し出す雰囲気に対して些か場違いな言葉が飛び出す。
「なぁ、よく分かんねぇけど、その謎の女って敵じゃ無ぇと思うぞ?」
難しい事は分からない、とロビンが長々と語り始めたあたりから興味無さ気にしていたルフィは鼻をほじりながらあっけらかんと呟いた。
「はぁ?!…何言ってんだルフィ?リィナだって“あの女は敵だ”って言ってたじゃねぇか。それに「いや、ルフィの言う通りだと俺は思う。」
ルフィの言葉にウソップが慌てて質そうとするが、ゾロは至って真面目に賛同の意を挙げて続ける。
「多分、ルフィが言いたいのはその女が“男のリィナ”を生かした理由だ。」
元々の身体の持ち主、謎の
なれど、自身の
あの能力であれば容易い事なのかもしれないが、わざわざそんな事する必要は無いだろう。
謎の女からすればそんな義理は無いはずなのだ。自分がそうされた様に、自分の
その理由を考えれば『敵では無い』と理由付けられるはずだ、と静かに語った。
「そっか…わざわさ『ドリフトの相棒だ』なんてこっちに敵意を表したのなら、自分の相棒と敵対関係にある
「そう考えれば確かに『敵では無い』のでしょうね。まぁ、味方とも言えないけれど…」
「…ルフィってたまに、ホント極稀に核心突く事言うわよね。」
ほとほと呆れた様にナミは額に手を当てたまま天を仰ぎ息を吐き出す。
「それでも、結局その女が何者か分からねえってのは変わりねぇ。つか、姿は同じでも中身がリィナじゃ無いってんなら興味も無ぇが…キッチリ
獰猛な笑みを浮かべて腰の刀を爪弾くゾロに
((コイツ…
※ ※ ※ ※
『転生者』として『ONE PIECE』の世界に再び生を受けた者には『特典』として強力無比と言える様な『悪魔の実の能力』を授けられる。
そして、その強大な
当然『特典』に付随した『
元々の『特典』は“悪魔の実の能力”なのだが、オマケとして『心・技・体』まで付いてくるという仕様。正にチート。
それぞれの世界の神の嗜好や裁量にも依るのだろうが『かみがかんがえたさいきょうのてんせいしゃ』とでも言えば良いのだろうか…
まぁ、つまり『転生者』とは多少の違いはあっても“完成を約束された者”であると言えるだろう。
新たに男の身体と成った俺はロードやシールとの会話で得た言葉を繋ぎ併せてそう結論付けた。
「って事で、まずは身体を鍛えないとな…」
シールの言葉に『我々はこの世界の母親から生まれた』というものがあった。
それは転生者と言えども生まれたばかりは赤ん坊だった事を意味する。当たり前の事象ではあるが大事な事だ。
転生者は『悪魔の実の能力』を得て生まれて来るだけであり、年を重ね身体が成長していくものであると裏付ける話なのだから。
『心・技・体』の“体”の部分は端的に言えば“成長した身体”なのだから母親から生まれた瞬間から“成長した身体”だったなら…それはホラーだ。
腹を痛めて生んだ子が生まれた時には見た目が成熟していたなんて母親はショック死してしまうだろう。
…てか、母体が保たないな。お産の時点でスプラッターだよ。下手したら母親のお腹が大きくなり過ぎて産まれる前にスプラッターだ。
閑話休題
身体が女だった時の年齢は17才だったはずなのだが、男に成った今の身体は筋肉量が極めて少なくもっと幼く見えるらしい。
とは言っても女であった時も記憶が無いので見た目年齢で17才だと自称していただけだが…
ともあれ、まずはリハビリを始めて歩ける様にしてから身体を鍛える。そうすれば『転生者』としての肉体は
精神的なものは未熟ながらも『ロロノア・リィナ』として成長し『俺』として育まれているし、技術的な面は『ロロノア・リィナ』として生きた二年間を元に再度この身体に叩き込めば良い。
あの女と分離されてしまったので“世界と同化する能力”は使えなくなったが、俺にも何かしらの『特典』はあるはずなのでコレも探らなければならないが…まずは身体だ。自由に動けなければ何も出来ない。
※ ※ ※ ※
あれから二週間、以前と変わらない程度に“六式”と“覇気”を苦も無く扱える様になった俺は『転生者』としての恩恵を多大に実感していた。
リハビリを始めた初日は四つん這いでの移動練習。つまりは赤ん坊の“ハイハイ”の練習だったが、あまりの筋力の無さに途中から芋虫の如く這い擦るリハビリになった。
その翌日には全身を襲う強烈な筋肉痛に泣き喚きつつも立ち上がり、更に補助有りでの歩行を可能としたことに俺も含めた一味全員で驚愕する事となる。
普通では有り得ないリハビリの速度に自分自身が信じられない程であったが、転生者としての『恩恵』だと割り切りリハビリを重ねた。
数日で歩・走を難無く出来る程になったので次は肉体の性能向上へとトレーニングを切り替えて押し進めた。
毎日苛烈な筋肉痛に悩まされながらも、それは筋肉量が増えている証だと思えば楽しくて仕方なかった。
途中、それをゾロへ語ると顔を引き攣らせたが甲板で俺がやっているトレーニングを隠れてやり始めたのを見かけて精神的により一層楽しく感じる様になった。
因みに、一日の大半は一人で黙々とトレーニングをしているか座禅を組んでいるので基本的に誰も寄って来ない。
単に誰も近寄らないだけなのか、集中していて近付いた事に気付けていないだけなのかは定かではない。
今回のロロノア・リィナに起こった事は分からない事が多く、一味の皆が納得する程の説明を出来た自信は無い。
なので、少し距離を取られていたとしても仕方ないと思っている。とある部分で俺にも皆と顔を合わせ辛いという面が有るので、冷静に考える時間や気持ちを落ち着かせる為の時間と割り切って一人の時間を意味有るものにするべく身体を動かしつつ頭も働かせているのだ。
とは言っても二週間という時間を費やしてしまったので考える事がほぼ無い状況だった。
…だったのだが、定期的に発行されるニュース・クー販売の為に空を飛ぶカモメが視界の端に入ったので、すぐさま呼び止め一部購入したのが発端となり俺は深く考える事を放棄するハメになる。
《ロロノア・リィナ大佐 海軍復帰!》
《涙の会見 その訳とは?》
そんな見出しと会見時の写真が一面を飾る記事。瞬間的に意識が飛びそうになったがなんとか読み進めていく。
先ず目に付くのが、ロロノア・リィナが流れる涙をハンカチで拭う場面の写真。自分では無いと理解はしているが、自分と同じ顔をした人間が写っている違和感に眩暈がする。いや、今は男に成っているので同じ顔と言うのは可笑しいが仕方ない。
たしぎさんも似た顔だけど“この人はたしぎさんだ”と認識していたから向かい合っていても違和感は無かった。これは世の双子にも同じ様に言える事だと思う。
しかし、これはそういう問題では無く“ロロノア・リィナ本人”として新聞に載っているからこその違和感だ。
さて、それは置いといて…記事の方を読んでみよう。
『ロロノア・リィナ大佐には兄が居る。兄と言っても本当の兄ではなく共に育った義理の兄である。その兄、ロロノア・ゾロは『麦わら海賊団』の一味として手配書が出回っている事は周知されている事実である。
今回の退役・復帰騒動にはその兄が大きく関わっていたと涙ながらに語るロロノア・リィナ大佐に我ら記者団も感涙を禁じ得なかった。
それは遡ること数ヶ月前。彼女は海軍本部の諜報部よりある報告を受けてた。それは『白ひげ海賊団』に関する報告だった。
誰もが知る世界最強の男が統べる白ひげ海賊団。その白ひげ海賊団から一人の男が仲間を殺害し離叛したという、ただそれだけの事。
しかし、そのまた数ヶ月後、離叛した男の続報に彼女は頭を抱える事となる。
白ひげ海賊団を離叛した男の名は『マーシャル・D・ティーチ』。
ティーチは自ら『黒ひげ海賊団』を結成し、王家七武海へと成り上がる画策をしているという内容だった。当時、王家七武海であったサー・クロコダイルはアラバスタ王国にて国家転覆を企てた罪状で捕縛されているが、続報を受けたのはクロコダイル捕縛から然程間も無かったという。
つまり、ティーチはクロコダイルが抜けて空いた七武海の一席に直ぐさま狙いを付けたのだ。本来ならば多くの中小海賊団への抑止力とする為に海軍本部より選抜・打診される七武海の座を自ら売り込もうと画策した。その功績の為に新進気鋭の海賊団として名が売れ始めた『麦わら海賊団』の船長『モンキー・D・ルフィ』と副船長『ロロノア・ゾロ』の首を手土産にするつもりで目をつけたのである。
『モンキー・D・ルフィ』とは、
『ロロノア・ゾロ』とは、先にも紹介したがロロノア・リィナ大佐の義理の兄である。現在の懸賞金は6000万ベリー。
そんな賞金首の二名を手土産にするならば王家七武海入りも確実であろうと我々であっても理解は容易い。
当時ティーチはジャヤ モックタウンに居留しており、尚且つ麦わら海賊団の進路は同じくジャヤ モックタウン。これにはティーチも、自身に追い風が吹いていると捉えて当然だったろう。
だが、ロロノア・リィナ大佐はその報告を見過ごす訳にはいかなかった。
彼女は報告を受けて直ぐに上官へと退役を申し出た。彼女は既に佐官に就いており、自分勝手に単独で出向する事も表立って海賊である兄を助ける事も出来無いからだ。それは海軍本部 大佐としてでは無く、家族として、兄妹として譲れない確固たる想いからだった。
しかし、その申し出が通る事はなかった。そも彼女は実力、名声共に海軍には無くてはならない存在とまで成っており、自身の都合ひいては海賊を救う為に海軍本部 大佐の退役を簡単に認めるなど出来るはずもないだろう。
しかし、彼女は涙ながらに上官へ訴えたそうだ。
「家族を守る為に海兵へとなったにも関わらず、海兵だからこそ家族を守れないならば海軍を辞してでも兄の元へ赴く」と。
彼女の語る『家族』には兄と別にもう一人、血の繋がりこそ無いが彼女を育てた義理の父親がおり今も医師を勤しんでいる。ロロノア・ゾロとロロノア・リィナへ実子の様に愛情を注いでおり、その絆は実の親子以上と言っても過言ではないようである。
そんな養父が住まうのは
彼女はその島を、養父を守る為海兵を志したのだと言う。海兵となるやいなや見る見るうちに頭角を現した彼女は養父の住む島へ海軍の駐在所設立を申請し、上層部も彼女の実績を評価し設立を認めた。これにより、彼女は間接的にだが養父の住む島を守る事を成した。それからも彼女は海兵として業務に尽力し、弱冠17才にして海軍本部 大佐まで登り詰めたのだ。その名は威光となって養父の住む島だけでは無く、近隣諸島の安全へと今も繋がっている。
彼女の海兵としての根幹に基づくものは『大切な家族を守りたい』という気持ちであるとよく分かる一件である。
そんな彼女の強い想いをよく知る上官とは、かの『海軍の英雄』ガープ中将である。一目でロロノア・リィナの才を見出し自ら出向き声をかけて自身の部隊へと招いた人物でもある。海軍内での彼女の師でもあり、第二の父親と言える程彼女から信頼を寄せられている。
ガープ中将は彼女の熱意に心を打たれ彼女の背を押した。責任は自分が持つ、兄を救えと。自身への叱責よりも彼女の辛苦に歪む顔を見る方が余程辛いと。
上官としてでは無く、もう一人の父親としての言葉に彼女は温かな涙を流し感謝したという。
一連の解決を迎えたら必ず海軍へと戻ると固く約束を交わし、誰にも気付かれぬ様に単身で出向。無事麦わら海賊団と合流し事態の説明の後にジャヤ モックタウンへ向かったそうだ。
彼女が麦わら海賊団の一味と取り決めた作戦は『黒ひげ海賊団全員の捕縛』。捕縛し海軍へ黒ひげ一味の身柄を引き渡す事で今件の麦わら海賊団の危機を無くし、更に海軍の功績として帰依する事で少しでもガープ中将の責任を軽くしたいという彼女の申し出だ。
何より白ひげ海賊団が離叛したティーチに対する粛清行動へ出ないとも限らない。万が一それに一般市民が巻き込まれようものならば大惨事へとなるだろう。そう懸念した結果、捕縛し海軍へと引き渡した方が良いと結論付けた。
その後、彼女と麦わら一味の共闘にて無事黒ひげ海賊団全員の捕縛に成功。彼女は麦わら海賊団と別れて海軍への引き渡しを済ませた。
そして、海軍本部 大将 クザンに迎えられ共に帰還するに至る。
その間に発行された彼女の手配書だが、5億ベリーという超高額懸賞金と共に“ALIVE ONLY”の一文が添えてある。これは、海軍の立場上“規律違反”は罰しなければならないという苦渋の決断の表れであると同時に、高額懸賞金を懸ける事で彼女を畏怖の対象とすれば要らぬ襲撃を避けられるからだと考えての事だろう。また、件の一文は
それ程彼女の家族への愛情・絆は大きく熱く、上官であるガープ中将も彼女の熱き想いに応えた。ガープ中将は師として第二の父として彼女を支持し、叱責をものともせず上層部の説得に奔走した。そんな『海軍の英雄』の姿に、上層部が海軍という立場を保ちつつも彼女の助けになる行動を影ながら起こした事は必然だったと言えるだろう。
彼女が家族を愛するように、立場や役職に関係なく多くの海兵もまた
やはり彼女はその異名通り
………なんだ、この記事。ツッコミ所満載なんだが。
あ、ダメだ…頭痛くなってきた。もう無理。………寝よう。
読んでいただきありがとうございます。
説明がグダグダでこれで良いのか悩みましたが、語学力の無さを言い訳にさせて下さい。