関西の龍×狩人   作:1R1分1秒KO

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更新ようやく出来ました…というかこれからもノロノロペースですがよろしくお願いします!


第7話 トリックタワー攻略1

龍司達受験者はトリックタワーと呼ばれるところの屋上にいた。第三次試験は至って単純だ。現在いる屋上から下まで降りてこいというものだ。ただしトリックタワーは高さ数キロにも及び、まともに外から降りようものなら周りにいる巨大な鳥が襲いかかってくる。それで犠牲になった者もおりガトリングガンがあればせめて助けてやったかもしれないがないものは仕方ない。龍司は見捨てて内部に入る為コツコツと歩いて調べた。

「うおっ!?」

すると龍司の床が抜け、トリックタワーの内部に入ることに成功した。それを見た受験者達は我も我もと床を調べ龍司と同じようにトリックタワーの内部へと入っていった。

 

「…ここは?」

そんな中、龍司は尻餅をついた状態で立ち上がると、龍司よりも綺麗な金髪が見えた。

「どうやら成功したようだな…」

そう言って立ち上がる声は龍司が聞いたことのある声だった。

「クラピカ…!」

クラピカだ。彼は消えた龍司と数人落ちた受験者を見て規則性を見出し穴を見つけることが出来た。

「その声、リュージか?」

そして幼い声が聞こえそちらを見ると光り輝く銀髪が龍司の視界に映った。

「せや…キルアもここにおったんかい。」

「っだーっ!!痛でーっ!!」

そしてまた聞いたことのある声が聞こえた。しかしあたりは暗く周りがよく見えない…そう思った時、いきなり視界が明るくなった。そして声が聞こえた方に向くとそこには尻をさすりながら痛みを我慢しているレオリオが見えた。

「レオリオ…我慢しろや。」

龍司が呆れ、そう声を出す。

「あ、皆ここにいたんだ!」

そして見当違いなところから声をかけてきたのはゴンだった。そしてゴンの手元にはスイッチがあり、現在その場所に手を置いていることからゴンがそのスイッチを押したと考えられる。

『5人揃ったようだな。』

スピーカーの音とともに男の声が聞こえ、龍司達はそれを聞く。その男の声はトリックタワーの責任者、リッポーという男だ。龍司達がトリックタワーの屋上にいた時も説明し、内部に入る様子を実践したのも彼だ。

『ではこれからは我々のルールに従って貰う。5人1組で君たちは道に沿って移動して貰おう。ただしこの先には別れ道がある。その道に遭遇した時は腕時計を渡すから○か×か多数決で決めて進みたまえ…またある特定の場所に着いたらその都度説明する。では諸君グッドラック。』

ブチッ!

そんな音を聞いて龍司達は移動することにした。

 

左右どちらかを選択する時は龍司は右に押し、それに同意したのはキルアとクラピカ。そして残り二人が左を選択し、多数決で右に行くことになった。

 

次に階段を降りるか上るかを尋ねられた時は龍司とレオリオが降りる方を選び、他の三人は上るを選び階段を上る。

 

更に冷麺か冷やし中華のどちらかを食べなければいけないかを尋ねられた時はレオリオとキルアが冷麺、その他3名が冷やし中華を選び全員が冷やし中華を食べることになった。某冷麺好きの東城会若頭が龍司の代わりにそこにいたら冷麺を即選んでいただろうが現実はそんなものである。

 

何度もそんな選択肢を選び…5人は広場についた。

「今度はどんな多数決なんだ?」

レオリオは不機嫌そうに呟く。これまでレオリオは何の因果か満場一致以外は少数派の意見に回ることが多く、不満が溜まっていた。

「そうでもなさそうやな。」

龍司は向こうから人影が見え、それを遠目で確認した。

『諸君、ボーナスチャンスだ。』

そして龍司達と同じ人数…フードを被って来た五人が向こうの穴の前に止まるとリッポーが説明し始めた。

「ボーナスチャンス…?」

『そうだ。諸君には残り時間をかけてこのトリックタワーの住民と勝負してもらう。テーマは囚人が決める…ベッドは最小1時間。賭ける人はこれから勝負する人。もちろん何も賭けず降参するもよし…だがこの勝負している時間も残り時間を消費することになるだけでなく、3勝しなければペナルティがあるから気をつけろ。それじゃ。』

リッポーは説明し終えると放送を切った。

 

「ほならワシが最初にいこか。」

龍司が拳の骨を鳴らし、前へと出る。最初に勝ち星を挙げればそれだけ心理的に有利になる…当然誰も反対しなかった。

「ほう…それじゃあこっちは俺が相手だ。」

囚人のチームの一人がそう言ってフードを外す。するとそこには剛力とも言える肉体があった。

 

「あれは…強盗殺人で逮捕されたベンドットだな。」

レオリオはその顔を見たことがあったのか解説し始めた。

「レオリオ、知っているの?」

レオリオが解説するとゴンが反応し、質問する。

「ああ、勉強の息抜きに偶々ベンドットのことがバラエティ特集でやっていたんだ。確か懲役199年だったけか?まさかここにいるとは思わなかったぜ…」

「レオリオらしいと言えばレオリオらしいな…何はともあれ、あの男油断出来ないな。そうだろう?」

クラピカはレオリオがどうでも良さそうなところから情報を入手したことに呆れるが、龍司の対戦相手であるベンドットに注視する。

「まあ確かに動きからして元軍人…あるいは傭兵だと思うけどリュージと比べたら大したことないぜ。」

「…そこまでリュージは強いのか?」

「あのおっさんはアマチュアだけどリュージは何て言や良いのかわかんねえけど…とにかくやばい。俺からしても相当な修羅場を乗り越えてきたって感じだ。」

キルアの言うことは間違いではない。右腕を失ったとはいえ近江連合の追っ手を振り切ったのだ。真島にして執着心の塊と言われた佐川司ですらも追っ手から逃れることは出来なかった。もちろん龍司を崇拝している二階堂の工作もあっただろうがいくら巨大な組とは言え所詮一つの組がやれることはたかが知れている。相手は構成員2万を超える近江連合組織全体なのだ。

 

組織全体を相手にして勝てる組と言えば東城会でいうと全盛期堂島組、あるいは二代目錦山組くらいのものでこの二つの組は例外中の例外だ。何しろ二つとも組織内で一強状態であり、二代目錦山組に至っては堂島組、嶋野組、真島組と次々と組を吸収していったおかげで約半数の東城会の構成員がその組員という有様だった。

 

その話はともかく、組織からの追っ手から狙われるという修羅場を毎日のように過ごした龍司にさらなる修羅場が襲いかかる。…ゾンビ事件だ。

龍司は追っ手から逃れ、平和にたこ焼き屋としておやっさんの元で修行していたが、ゾンビが現れおやっさんもゾンビにされた。それだけでなくかつての部下である林や二階堂もゾンビとなり龍司の中ではかなりの修羅場だった。普通なら発狂してもおかしくないほどの壮絶な人生を過ごしてきた。それでも尚龍司は立ち直ってたこ焼き屋として過ごして来た。

しかし追い打ちをかけるかの如く、今度はどこかもわからないような場所に流されるという修羅場を迎えた。ここまでくれば、もはや龍司の人生は呪われていると言っても過言ではない。

そんな修羅場を乗り越え、龍司は強くなったのだ。

 

「ルールはデスマッチ…生きるか死ぬか…どちらかが決着つくまで殺り合う。いいな。それでいくら賭けるんだ?」

ベンドットがそういって一応確認する。

「賭ける時間は全額や。それで文句あらへんな?」

「…俺を舐めたこと後悔するなよ!」

そしてベンドットが憤怒し、龍司に襲いかかる。

 

vs囚人ベンドット

 

龍司はベンドットの攻撃を腕で防御し、すぐさま反撃へと繋げる。

「らあっ!」

龍司の右拳がベンドットの顔を捉え、ベンドットは顔を退け、ダメージを減らす。

「甘いわ!」

すると龍司はベンドットを掴んで舞台の向こう…つまり、崖へと落とした。それは崖落としの極みと呼ばれるヒートアクションでどんな敵もそれを受けたら即死するという極悪極まりないヒートアクションだ。龍司は以前、大阪で桐生と飲む前にその技を見ていた。龍司とは違い二階から投げて落とすというものだったがそれでも部下達を戦闘不能にしたのは違いない。他にも峰打ちならぬ峰刺し等ということもやっているのだ。

「まあ、こんなもんやな。」

 

「容赦ないな…リュージ。」

龍司が真顔でベンドットを落としたことにレオリオは戦慄する。普通なら誰でもそう思うだろう。だが神室町や蒼天堀はそのくらいのことをやらなければ逆にやられてしまう程治安が悪い。この世界でもそのくらい治安が悪いところといえば流星街くらいのものだ。

「レオリオ、初めてお前と意見があったよ。」

クラピカだけでなくゴンもそう思った。意外に龍司は過激なのだと。

「(なるほど…ああやって物理的に無力化するのもありか。)」

その一方キルアは龍司の攻撃方法から何かヒントを得ていた。

「ほな、次誰が行くんや?」

そうこうしているうちに龍司が戻り、帰ってきた。すると次はゴンが前に出て、試合をする。その内容はどちらのロウソクが長い時間まで持つかというものだったが対戦相手のイカサマを見破られ、ゴンも見事に勝利した。

 

〜没案〜

 

「まさかここで貴方に会えるなんて思いもしませんでしたよ。」

その男はフードを外し、その姿を見せると日本人の顔立ちが龍司の目を光らせる。

「…あ?誰や?」

「元東城会直系白峯会会長、峯義孝と申します。貴方の噂はかねがね…聞いています。」

その男、峯は龍司のことを知っていた。それもそのはず、極道に生きるものならば桐生一馬と郷田龍司、そして冴島大河の三人の名前はいやというほど聞くことになる。峯も例外ではない。

「白峯会…聞いたことあらへんな。」

「私が6代目と盃を交わしたのは貴方が桐生さんと戦ってから数年も後のことです。渡世から足を洗った貴方が知らないのは当たり前のことです。」

もっとも峯はその後、桐生と戦い、敗北しリチャードソンと運命を共にした。そのはずだった。しかしどういうことか何故かここにいたのだ。

「まあええ…ワシはワレがどないな経歴持っとんのかは知ったこっちゃない。せやけど真剣でいくで…!」

そして龍司は上着を脱ぎ、上半身半裸という状態になる。するとゴン達は龍司の背中の黄龍を見てしまった。

「なっ…!?」

その黄龍はまるで生きているかのような刺青だった。その刺青が龍司に力を貸し、峯を凌駕する。

「ぬぅっ!」

だが峯とて黙っていられるほど弱くない。峯は龍司の力を技で封じ、対抗する。峯の背中には麒麟がおり、その力を引き出していた。力の龍司と技の峯。どちらも一歩も引かない戦いだった。




峯と龍司の戦いを没案にした理由はいろいろあります。
・峯と龍司がどちらかが上にならなきゃ話が進まない
・決着がついたとしてもどちらか(峯厨と龍司厨)の批判が面倒
・そもそも峯がトリックタワーにいるのは不自然すぎる

他にも理由はありますが上の三つが主な理由です。

では次回もお楽しみに。

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