関西の龍×狩人 作:1R1分1秒KO
ハンター協会会長、それはハンターの中でもっとも立場の高い人物であり…その人物が龍司達ハンター試験受験者の前にいた。
「か、会長…何故ここに?」
メンチは顔を青くして会長、ネテロに尋ねた。彼女が顔を青くしているのは理由がある。ハンター試験で会長が審査するのは最終試験であり、二次試験で来るような人物ではない。来るとしたら自分がヘマやらかしてしまった時くらいだろう…二次試験でムキになり本来の目的を忘れ、龍司以外全員失格させてしまったという心当たりがあり、怒られるのは目に見えていた。
「何故もクソもそこにいるブハラ君から聞いたんじゃよ。」
その瞬間、メンチはブハラを親の仇を見るような目で睨むとブハラの背筋に吹雪のような寒気が襲った。
「メンチ君は課題の料理を味で鑑定することになったんじゃな?私が満足出来るようなものを作れと。」
「ええ。それが何か…!?」
「別に味で審査することに文句は言わんよ。たかが味、されど味…馬鹿にはできん。ただ、星付きの美食ハンターを満足させるような味が素人に出せるのかね?」
「そ、それは…」
「そこの合格者は運が良く料理が出来たから良いものの…現に他の受験者はズブの素人。美食ハンターを目指しているなら別じゃがその料理が食える程度なら問題はないじゃろ?」
「…はい。その通りです。」
「という訳で、再試験を行うぞい。気球に乗ってくれ。」
ネテロが受験者に気球に乗らせるとメンチが再試験内容を伝えた。その内容はクモワシの卵を使ったゆで卵を作りメンチに渡すというものである。材料さえあれば誰でも出来るが問題はその材料であり、それは高度数百メートルの位置にいる気球の下にある。当然パラシュートなんかはこの気球にあるはずもなくパラシュートなしで飛び降りなければならないという事態が受験者達を震えさせた。しかしゴン達四十数名がメンチに卵料理を食べさせ合格した。
ちなみに最初のメンチの試験で合格した龍司は特例ということでこの試験を受けなくても次に進めるため呑気にステーキを食べていた。
「ふぅ〜…仰山出してやったわ。」
トイレから龍司が出るとその先にはゴンとキルアが話しをしていた。
「(同世代は同世代同士か…ワシはそないな時代はなかったのう…)」
それは龍司の父親、郷田仁が原因だった。郷田仁は当時から既に5代目近江連合会長という関西のヤクザ組織のトップに立っていた。その為、龍司と同級生は当初こそ龍司を避けなかったが親に言われ、同級生達は避けるようになった。
それ以降、龍司は群れるのを嫌うようになったが同級生が高校生にカツアゲされた時も一番に怒ったのは龍司であり、仕返しとしてボンタン狩りをした。もっとも当の本人は否定してムシャクシャしたからという理由にするだろうが。
「ホッホッホッ…子供は元気でええのう。」
龍司がそれを眺めていると後ろから声が聞こえ、振り向くとネテロがいた。
「会長はん…いつの間にそこにおったんや?」
龍司はネテロに尋ねると笑ってごまかされ、顎に手を添えた。
「ところでリュージ君…だったか?あのメンチ君が君の事を褒めていたぞい。」
「当たり前や。ワシはたこ焼き屋や。タコ裁くことに関しては誰にも負けん。」
「そうか、そうか。ところでリュージ君。今暇かね?」
「…?まあ暇やな。こないなところでたこ焼きつくっても火事の元になりかねんしの。」
「それじゃちょいとこの暇な老人と付き合ってくれんか?暇で暇で死にそうじゃ。」
実際には仕事をしていないだけで本来であれば机に向かって何時間も拘束される。しかしネテロは有能すぎるあまり本気でやれば自分の楽しみという名前の副会長とのじゃれ合いが減ってしまうのでやらないのが理由だ。
「(組織のトップが暇で暇で死にそうってどないな組織やねん…)」
そんなことを知らない龍司は呆れ、脱力する。組織のトップの人間ほど忙しくなるのは父親の郷田仁を間近で見て知っている。例えば当時の近江連合の本部長が東城会の嶋野に殺されるのを黙って見ていた佐川司の始末や、その後継問題の解決などを始め様々である。だがそれでも龍司は憧れた。郷田仁という伝説級の極道を超えることを…
「まあええわ。やったろうやないか。」
龍司はそれを承諾し、不敵に笑う。龍司は実の両親こそ韓国人だがその気質は大阪人でありノリもいい。
「ふむ…ここじゃ狭いから移動するぞ。構わんね?」
「問題ない。狭くて負けた言われてもおもろないわ。ゲーム言うんは最高難易度に挑戦してなんぼのもんやしな。」
「ふむ…では移動しよう。」
そしてネテロと龍司が広場へ向かうと二つの影がその後を追っていった。
〜広場〜
「でどないなゲームをするんや?まさかこないな場所で機械使うたゲームなわけないやろ?」
「ホッホッホ…面白いことを言うのう。これから行うゲームはワシのボールを奪うゲームじゃよ。」
ネテロはボールを取り出し、それを龍司に見せる。
「このボールを奪えばええんやな?」
「ルールは簡単。時間制限以内にワシのボールを奪えば勝ちじゃ。何をしてもいいぞ。殴っても蹴ってもワシのボールを奪えばオーケー。ワシは手出しはせん。時間は気球が次の目的地に着くまでじゃな。」
「会長はん…そんだけ大口叩く言うことは余程自信があるっちゅうことやな?」
龍司がここまで大口叩かれたのは久しぶりのことだ。龍司のボンタン狩りの餌食となった高校生達は報復として数人がかりで大口を叩き、龍司を襲った。ここで普通の小学生(でなくとも大人でもそうだが)ならボッコボッコにやられてしまうのだがこの時から龍司は強く、逆に大口叩いた高校生達をボッコボッコにしてやった。そのエピソードが大阪中に伝わり、龍司に大口を叩くものはいなくなった。
「こう見えてもワシめちゃくちゃ強いし。万が一ワシのボールを奪うことが出来ればそれこそハンター試験を無条件で合格にしてハンターの資格をやるぞい。」
「何だよそれ!俺もやる!」
「俺も俺も!」
ハンターの資格を取得出来ると聞いて飛びついて来たのは二つの影の正体…キルアとゴンだった。
「なんやお前ら。話聞いとったんかい。」
「面白そうだったし、リュージの実力がどんなもんか見てみたかったしさ。」
「さよか…会長はん。どうするんや?あんたがそんだけ大口叩けるんなら今更三対一になってもそないに変わるもんやないやろ?」
「もちろんいいぞ。ルールの追加をするぞ。ワシ以外誰がとってもここにいる全員合格じゃな。」
「ほう…まだ言うか。そやったら本気で行くで!」
こうして龍司、ゴン、キルアの三名とネテロがゲームを始めた。
〜おまけ〜
その頃…クラピカとレオリオは互いに食事をしていた。彼らは真逆の性格であり喧嘩することも多いのだが…互いに認めていた。2人の関係は憎まれ口を叩き会う友人といっていいだろう。
「レオリオ。」
食事が終わり、クラピカは紅茶を飲み、それを置くとレオリオの名前を呼んだ。
「あん?」
「リュージは一体何者なのだろうな?」
「そりゃ料理人じゃないのか?たこ焼き…だったけか?そんなものを作っているような奴だぜ?」
「一次試験の前にトンパという男に見せた殺意。あの時のリュージは堅気の人間じゃなかった。」
「というか見た目からして堅気じゃねえだろ?」
最もである。レオリオは茶々を入れ、龍司のマフィア姿を思い浮かべると刀でバッサリと他のマフィアの静粛をする姿が思い浮かび、天職マフィアじゃないかと思えてしまった。むしろそれ以外に思いつかない。
「だがしかし…」
その後レオリオとクラピカの会話は続いた。
0も中古で買って伝説スタイルを出したら有能過ぎてラスボス相手にノーダメクリアしました。
亜門…?音ゲーが苦手な作者にとっては出すことすら出来ず諦めました。