関西の龍×狩人   作:1R1分1秒KO

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更新遅れた上に目標の4000字行きませんでした…orz


第3話 ハンター本試験開始

あれから龍司達はハプニングに巻き込まれたがゴンの活躍によりそれが案内人だと知り、暗号を教えてもらい試験会場に着いた。

「(ここが…試験会場かいな。思ったより数少ないのう。)」

龍司はその受験者の数の少なさに驚いていたがそれでも400人くらいはいる。

「やあ、君たちで406人目だ。」

龍司達の目の前に現れたのは40過ぎだと思われる中年男性だった。

「俺はトンパ。ベテランのハンター志願者だ。君達に志願者の情報を教えて…」

「ギャァァァッ!!」

トンパが話しを続けると遠くから悲鳴が聞こえ、そちらを見るとピエロらしい志願者が他の受験者の腕を切り落としていた。

「ぶつかったら謝るのは筋でしょ♠︎ちゃんと謝んないからこうなるんだよ◆」

「(物騒なピエロやな…極道でもぶつかったくらい、あないなこと滅多にせえへんで。)」

流石の龍司と言えどもそのピエロが起こした行動に頭を抱えた。極道の世界では指を切り落としてケジメをつけるというやり方があるが腕を切り落とすのは稀なケースだ。龍司もそのケースにあたるかもしれないが自主的なものだったので含まない。

「あのイカれたピエロはヒソカ。去年試験官を半殺しにして試験を落とされた奴だ。奴には関わらない方が良い…それとベテランの勘だがあそこにいる針男も同類の臭いがしやがるからヒソカと同じく近づくのは止めた方がいい。」

トンパはヒソカと針男に近づかないように警告するとバックから缶ジュースを取り出した。

「ほらおすそ分けだ。新人には優しくしないとな。」

そう言ってトンパは龍司達にジュースを渡しゴンはそれを飲んだ。

「レロ…これ腐っているよ?」

ゴンはそれを吐き出して腐っていることを指摘するとトンパは冷や汗をかいて謝ろうとしたが…そうはいかなかった。

「ほう…ようやくボロ現しよったな?」

その声は龍司だった。だがいつもの穏やかな声ではなくかつての極道として生きた龍司の声だった。

「ひっ!?」

トンパは新人潰しを生きがいとしているベテランだが所詮は表の世界の住人。ジャパニーズマフィアという裏の世界を渡り歩いていた龍司に敵うはずがないのだ。言って見れば兎が真正面から熊に立ち向かうくらい無謀なことだった。

「こないなもん飲まそうとしたんや。指二本切ってケジメつけてもらおか?」

そう言って龍司はトンパの身体と手を床に押さえ、店から持ってきたナイフを取り出し…

ドズッ!!

龍司の持っていたナイフを床に突き刺した。

「…と昔のワシなら言っとったやろが今はちゃう…これを飲めや。」

そう言って渡してきたのはトンパが龍司に渡してきた下剤ジュースだ。こんなものを飲めば間違いなく自分は下痢でリタイアするだろう。

「そ、それは…勘弁して…」

「飲めへんのか?飲めへんやったら手伝ったるわ。」

龍司はトンパの口にジュースを突っ込ませて無理やり飲ませた。その行動はかつての極道時代の龍司を少し抑えたものだがそれでも過激なことには変わりない。龍司がここまで怒っているのはトンパによってゴンが試験始まる前にリタイアしてしまう可能性があったからだ。もっともゴンはトンパのジュースの異常さに気づいて吐き出したが龍司の逆鱗に触れることには違いなかった。

「モガッ!?うぐっ…」

ブリリッ!!

それを飲んだトンパは失禁してしまい、周囲が臭くなると龍司はトンパをゴミで見るような目で見ていた。

「これに懲りて二度とすんなやアホが。」

龍司達はそのまま前へと進んでいった。受験者達は今まで嵌められたという者が多く、トンパに対する同情は全くなく、むしろこう思っていた。

 

「トンパザマァ」

嫌われ過ぎである。

 

「それでは第一次試験を開始します。これから私の後について来て下さいね。」

試験官サトツは後ろを向いて歩き出すと試験者がそれに着いていくが様子がおかしくなった。

「(なんや?このどよめきは…?)」

龍司はその異変に気付くとレオリオも気付き始めた。

「前の方は走り出してやがるぞ!」

その声に後ろの参加者達は慌てて走り始めた。

「(面倒なことしてくれるのう…せやけどたいしたスピードやない。精々一般人のマラソンやろな。)」

実際には時速20kmというスピードであり相当速いペースなのだがハンター試験に出てくるのは超人ばかり。野性児たるゴンやその気になれば世界新記録を打ち立てられる龍司からすれば何の問題もなかった。もっとも龍司の世界には大型バイクを普通に振り回す冴島がいるので龍司はまだ普通と言えるだろう。

 

「そういえばおっさん。名前は何て言うんだ?」

途中ゴンと同い年の銀髪の少年、キルアがゴンと仲良くなり、一緒に走ることになった。

「リュージ=ゴウダ。それがワシの名前や。」

龍司はキルアに自己紹介した。ちなみにレオリオとクラピカはキルアに自己紹介を終えている。

「じゃリュージのおっさん。見たところ50代に見えるけどいくつなんだ?さっきレオリオが19なんて言いやがったからさ…もしかしておっさんも19なんてオチはないよな?」

おっさんと言っている時点で怒らないのは龍司自身が慣れてしまったのに理由がある。

そう、あれはバブル絶頂期の頃龍司は12歳ながらにして既に大人と間違われる体格と老け顔でランドセルが似合わない小学生だった。その為龍司にボンタン(学ランのズボン)狩りをされた高校生はランドセルを背負った奇妙なヤクザとして認識されていた。そのくらい龍司は老け顔だったのだ。

「ワシは35や。そないに若い訳ないやろ。」

言っていることはもっともだが35という数字が妙に生々しく、その場にいた全員が信じられない顔で龍司を見つめた。何しろあのトンパよりも若いのだ。

「なんやお前ら…ワシのことそないに50以上やと思ったんかい。」

流石に龍司は全員をジト目で見るとクラピカが口を開いて誤魔化した。

「信じられないだけだ。リュージと言いレオリオと言い年齢詐称しているのではないかと思ってしまったんだ。」

「まあええわ。もう慣れたしのう…」

龍司は軽く凹んだ。

 

龍司達が話しているその影で…一人脱落しそつになっている受験者がいた。その受験者はコヒューと息遣いもめちゃくちゃになっており完全にスタミナが切れていた。

「(いやだ…僕が脱落するのか…!?)」

その受験者はニコルという少年だった。国へ帰れば超が付くほどのスーパーエリートだった。その為、ニコルは自分ならば楽にハンター試験をパスできると思い受けてみたのだが結果は御覧の通り…元々ハンター試験は龍司のような超人が争うような試験だ。たかが一般人の範囲でのエリートであるニコルが龍司達超人相手に出来るようなものではない。

「よう、信じられねえって面だな。」

龍司のせいで遅れてしまったトンパはニコルに追い付き話しかけた。  彼は脱落したかに見えたが実際は下剤を解毒する薬を持ち、それを飲んで対処していたのだ。

「てめえに素質なんてねえよ。こんなところでくたばっているようじゃな…二度と試験を受けに来るんじゃねえ。」

トンパはニコルをあっさりと追い越した。ニコルもトンパが龍司に絡み逆に下剤入りジュースを飲まされ失禁したのは知っている。それ故に糞野郎とニコルの頭の中でも馬鹿にしていたのだ。その糞野郎に追い抜かれてしまった事実がニコルの心を折らせた。

「あ…ァァ…!」

そしてニコルは膝をつき、一人脱落者が出た。

 

「おいおい冗談だろ!?」

サトツが走った道は階段でありサトツはそれを難なくかけ上がった。そのことに驚きを隠せない受験者達は思わず声を上げてしまう。そして一人目から脱落しなかった受験者達がようやく脱落し始めた。

「くそったれ…!」

レオリオも例外ではなく他の試験者同様に足がヨレヨレになり、クラピカも少し息が上がり始めた…少年二人と龍司はまだまだ余裕があるのはやはり人外だからだろう。どちらにせよここでギブアップしたい…そう考えてしまうレオリオがいた。

「俺は、俺は…絶対にハンターになったるんじゃぁぁぁっ!!」

しかしそれを根性という名前の金欲で振り切りレオリオは階段を上がり、登っていく。

「(千石やったらそないに根性ださんわ…例え近江連合の会長の首が目の前にあったとしてものう…大したもんや。)」

レオリオの気迫を見た龍司は感心した。千石のように楽をして金や権力を取るのではなく、目の前に苦しさがあってもそれをやり遂げる根性があったからだ。そんな根性を出せる人間は滅多にいない。四次の組長から直参まで成り上がった黒羽組の黒澤翼などがそれに当てはまる。

「後もう少しでゴールや…頑張り…」

自分に言い聞かせるようにレオリオを応援してゴールまで走りきった。




私は0を買っていませんが2で判明していない龍司の過去を知っているのはサブストの動画とかWikipediaとかで調べてわかりました。

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