ゆっくり魔理沙「ホント待たせ過ぎたなホント;」
「この度は、当鎮守府の
前回からしばらくしてマーベラスへと向けて戦治郎は土下座して謝罪していた。
その隣には、戦治郎に頭を押さえつけられながら、戦治郎同様土下座する空の姿があった
土下座する理由は先程の戦いは空の勝利となったのだが、その過程でガレオンが中破してしまったからだ。
「まぁ、気にするな……んでハカセ、状況教えろ」
「なかにいたひとたちはぜんいんよってグロッキーです~なんとかうごかせるからもとのせかいにはもどれるのはもどれますけど、しゅうりしないとこのままほうちしてたらかえれなくなるです~」
そんな謝罪を軽く返した後にマーベラスは隣に来ていたドン・ドッコイヤーの服を着た妖精さんに話しかけて報告された事に成程な……と呟く。
「そうか、ハーケンの方はどうだ?」
「はーけんさんのほうはごたいまんぞくにかいふくしてますがようすをみてあんていにねといたほうがいいですね」
続けてアイム・ド・ファミーユの服を着た妖精さんが答える。
「すぐに帰らねえといけねぇ訳か」
ふうとマーベラスは息を吐く。
と、マーベラスがぼやいたその直後、戦治郎と空の通信機に通信が入り、それに戦治郎と空が出た途端、2人はマーベラスに断りを入れるのも忘れて、血相を変えて医務室があると言う入渠施設の方へと駆け出していくのであった
「やれやれ、あっちもこっちもめんどくせぇ状況だな」
「どうしたんですか?マーベラス提督?」
そんな2人を見てぼやいたマーベラスに天龍達が来る。
「なんでもねえよ。船の修理がめんどくせぇってだけだ」
「あー……確かにそうですね;」
「ん、そう言えば戦治郎提督たちは?」
そう返したマーベラスに赤城はボロボロなゴーカイガレオンを見てなんとも言えない顔をした後に天龍が先ほどまでいた戦治郎たちについて聞く。
「ああ、あいつ等、どうやら今回の事をどう纏めるかで行っちまったよ。どうもここは几帳面にやらねえといけねえようだな」
「普通だと思いますが?」
肩を竦めるマーベラスに加賀はそう返す隣でマーベラスさんだしなと天龍は半笑いする。
「(ま、嘘だけどな。あっちの問題だしな)」
そんな天龍達にマーベラスは内心そう呟く。
「翔殿。すいませんが頼みがあります」
「え、僕にですか?」
「何の用っスか?」
片付けの準備をしていた翔とデータ整理の傍ら手伝っていた護にアレディが話しかける。
「先ほどの剛殿との戦いで増幅された私の中にある力を増えた分吸収して欲しいのです」
「力を……ですか?」
「どうしてッスか?」
頼みの内容に首を傾げる2人にアレディが説明しようとしたその直後……
「大方、今自身に宿る力が自分達の世界では過ぎた力だと言う事に、剛と戦ってようやく実感出来たってところンゴ?」
護のパーカーのポケットから聞き慣れない声がし、天龍達が声がした護の方へ視線を注ぐと、護のポケットから先程の声の主と思わしき、ポケモンのロトムの様なのが飛び出して来る。
「先程光太郎が言ったはずンゴ、今のこいつには昨日鎮守府に襲撃を仕掛けて来たあの化物……、ヘモジーだったンゴ?あれ以上の力が宿っているンゴ。あの時護の件でワイもあいつと対峙したけれど、あれは間違いなく外なる神クラス……、っと言っても下級の異形連中程度の力はあったンゴ。つまりそれ以上となると、咲作の爺さんや糞ニャルレベルの力になるンゴ」
「待て待て待てっ!咲作さんって正蔵さんのとこにいるって言う外なる神だったよなっ!?」
「シャチョーの話によると、確か咲作さんは事実を分解して死人を蘇らせたって話だったッスよね……?」
「それレベルの力って、どう考えてもオーバースペックも甚だしいんだよなぁ……」
護の周囲をフヨフヨと漂いながら、ロトムの様なものがアレディを見てこの様な事を言うと、シゲは激しく慌てた様子で、護は明らかにドン引きしながら、翔は唖然としながら、それぞれこの様な言葉を口にするのであった
「ヘモジーって奴はわからねえけど凄くヤバいって事が分かる解説どうも、で、誰?」
「流れ的に神話生物かな?」
「翔殿、護殿。この方は?」
説明したロトムの様な存在に天龍と響が呟いた後にアレディの問いで誰もが翔と護を見る。
「あー……御察しの通りこいつはッスね……」
「ワイは旧支配者イオド、今は長門屋鎮守府の皆からはイオッチと呼ばれているンゴ」
名乗り上げたイオッチにアレディはなんと!?と驚く。
「『魂を狩りたてる者』または『輝く追跡者』と呼ばれる旧支配者のイオドとも交友を持たれてるとは、凄いですねお2人とも」
「あー……とある事件の時に知り合って、今は鎮守府で保護しているんですよ」
「その時は本当に大変だったッス……あぁ……思い出したくもないッス……」
感嘆するアレディに翔は苦笑しながら、護は憔悴し切った表情を浮かべながら、この様に返事をする。
込み入った事情があると察したアレディの隣で面々は聞かない方が良いよなと自分達のSAN値的な意味でそう思うのであった。
「わぁ~可愛いです~」
「むむ、ワイはこれでもゾアの親父のクトゥルフと同世代、億単位で歳をとってる野郎ンゴ。可愛いはちょっと心外ンゴ」
頭を撫でようとする五月雨に避けながらイオッチはそう返す。
「その見た目だと、可愛いって形容詞からは逃れられないんだよなぁ……」
「ワイは人間換算だと剛と同世代ンゴ!せめて可愛い以外の形容詞を使って欲しいンゴ!」
そのやり取りを見ていたシゲが、何となしにこの様な事を口にすると、耳聡くそれを聞いていたイオッチは、蒸気機関車よろしく頭から湯気を発しながらこの様な言葉を口にする。
「ちなみに剛さんの年齢ってどれ位なんだ?」
「47ッスね」
「因みに我の場合は翔達と同じ26歳だ!」
「ほへーそうなのか……見た目によらないな……」
年齢について聞く天龍に護が答えた後にゾアが自身の人間換算された年齢を述べて、神話生物マジすげぇなと涼風は感嘆する。
「それにしても、アレディ殿はどうして余分な力を取り除いて欲しいと頼んだのだ?そのまま戻れば良かったのではないだろうか?その力があれば、アレディ殿が1つ深海棲艦を滅ぼすと決心するだけで、深海棲艦は何処にいようとその場で自壊し始め、そちらの戦争を一瞬で終らせる事も出来るのだぞ?」
「いえゾア殿。あの姿で溢れ出る力はこの世界にある脅威をこのベルトの石が感じ取った事で流れ込んだ電撃を元に増幅させたのです。元の世界では今の状態では危険過ぎます」
気になったので聞くゾアにアレディはベルトを出しつつ己の手を見てそう返す。
この世界の脅威と言う言葉に翔とゾアは成程と納得する。
「分かりました。力の取り除くのを手伝いますよ」
「感謝します翔殿」
「翔がそう言うのならば、ワイもLピザセット1つで協力するンゴ。只まあ、見た限りワイとゾアの容量だけではアレディから完全に力を取り除けそうになさそうンゴ、だから容量拡張の為にあの労働ジャンキーも呼ぶンゴ」
了承する翔にアレディが頭を下げた後にイオッチがそう言って集中する。
「他にもいるんですか?」
「ええまぁ……」
「凄い働き者の奴っス。けど来るっスかねぇ……」
イオッチの言葉から聞く加賀に翔は困った様に返し、護も同じ顔をする中で呟く。
「問題無いンゴ、ちょっとあいつにこの間タイムカードをチィトカアに定時に打刻させておきながら、自分は6時間ほどサービス残業していた事を、空に報告すると脅しかけておいたンゴ」
「ああ、確かにそう言われたら来るしかないッスよね~。実際にそれを
「如何やら彼には、余罪があったのですね。私は巡回中に休日の楽しみなどと言いながら、有給消化中に現場に入って行く彼の姿を目撃していますので、ついでにその事も空さんに報告しておきますね」
サムズアップして言うイオッチに、護はニヤニヤしながらこの様に返答し、特警隊の副隊長として鎮守府の風紀を正す任務を帯びている通は、無情にもこの様な事を口にする。
すると地面が揺れだす。
「うお!?地震か!?」
「いえ、イオッチが呼んだもう1人の旧支配者が地中から来てるんですよ」
驚く天龍に翔がそう返す。
ドパーン!!
「こりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
すると地面から陽炎のペーガソスによく似た、蜘蛛の様な何かが飛び出して来る。
それが轟音を立てながら翔達の傍に着地すると、バカン!と言う音を立てながら砲塔の上部が勢いよく開き、中からポケモンのイトマルの姿をした何かが出てくると、ピョンピョンと跳ねながら来て護の頭に飛び乗る。
「お前ら何おっそろしい事言ってるでぃしゅかっ!!!そんな事されたらショーシェーの命が幾つあっても足りないでぃしゅっ!!!」
「だったら労基に従って働くンゴ、この間もお前のところの織り手達が、3万匹ほど悟達の世話になってるンゴ。過労で倒れるまで働くとか、お前ら採掘班はイカレてるとしか言えないンゴ。いい加減お前らは、仕事以外の楽しみを見つけるンゴ」
余程空からの制裁が恐ろしいのか、イトマルの様な存在が抗議する様に叫び散らかすと、イオッチは呆れた様子で左右に首を振りながらこの様な言葉を口にする。
「はぁ!?出撃以外で特に働いてないでネトゲばっかしてるヤツに言われたくないでぃしゅ!出撃以外でも働く事をしてみるでぃしゅ!!」
「休みなく土日含めて毎日仕事を貰う為に働くワーホリの言葉で働く馬鹿がいるンゴ?そんな自分からブラックになる物好きさんになんてなりたくないンゴ。ワイはしっかりした報酬が無い限り、仕事をするつもりは無いンゴ~」
ぎゃあぎゃあとお互いをディスりあう旧支配者の2匹に同じ旧支配者のゾアはやれやれと肩を竦める。
「彼はアトラク=ナクアのエイブラムスです。見て貰った様に食事よりも仕事を優先する程の極度のワーカーホリックなんですよ」
「休め休めとは言ってるッスけど、仕事を邪魔されると怒るッスよね。あいつを休ませられる事が出来るのが空さんとシャチょーだけなんッスよね(と言うか頭の上で喧嘩は止めて欲しいッスけど)」
「アトラク=ナチャ、又はアトラナートと呼ばれる御仁もいるとは……」
「さっきの姿より可愛らしくて良いですね」
「(と言うか、ロトム以外進化前縛りでもあるのかな……)」
イトマルの様な存在がどんな存在下について変わって紹介する翔と護のを聞きながらアレディはまた感嘆する隣で赤城はそう言い、響はそう思った。
ガタノトーアのゾア
イオドのイオッチ
アトラク=ナクアのエイブラムス
集まった旧支配者達の3柱と縁を持ってるのに感嘆してるアレディの隣で普通に発狂もんだよなこれ……と天龍は冷や汗掻きながら思ってる間も2匹は喧嘩をし続ける。
「だぁぁぁぁ!頭でケンカしないで欲しいっス!!」
「でぃっしゅっ!?」
「ンゴ!?」
ぎゃあぎゃあ言い合ってるのがうっとおしくなったので護は頭をイオッチの方へと勢い良く振ってエイブラムスをイオッチに向けて飛ばし、急だったので2匹ともぶつかって地面を転がる。
「痛いじゃないでぃっしゅか!!?」
「お前が飛んで来たンゴが!」
むきぃぃぃと互いに口を引っ張りあってから再び口喧嘩に入る。
「騒がしくてすいませんね;」
「いえ、賑やかで良いと思いますよ」
そんな2匹を見て謝罪する翔にアレディはそう返す。
「ちなみに舞鶴には旧支配者のグラーキ、佐世保にはヴルトゥーム、横須賀やドイツ、イギリスにハワイ、ガダルカナル島には、ゾアの実家であるルルイエから供給される種によって栽培されている養殖ショゴスが、陸軍には旧神ヴォルヴァドスと外なる神イブ=ツトゥルが、オーストラリアには外なる神サクサクルースもとい咲作さんがいて、南方海域では現在旧支配者のグッハナイが辺りに被害を出しまくりながら彷徨ってるッス。実際、近所の鹿屋基地の提督さんは、基地に所属する山風がグッハナイの被害を受けて行方不明になった事が原因で、今は碌に鎮守府の運営をやっていないらしいッス」
「後はルルイエにクトゥルフさん、ムナガラーさん、オトゥームさん、ダゴンさん、ハイドラさん、イダー=ヤアーさん、カソグサさん、ゾアの兄弟のイソグサさん、ゾス=オムモグさん、クティーラちゃんに最近ルルイエに所属する事になったらしいジャニャンゴさんがいて、ハスターさんとその眷属の皆さんも、クトゥルフさんの口から存在が確認されて、ドリームランドのクタニドさんとバステトさんもいますね。他にもクトゥグアさんにアフーム=ザーちゃんにルリム・シャイコースさん、フサッグァさんにヨグ=ソトースさん、シュブ=ニグラスさんに咲作さんのご兄弟のダークネスさん、ネームレス・ミストさん、咲作さん達のお母さんであるアザトースさんにそのいとこのイアルダゴルスさん、咲作さんのお孫さんのツァトゥグアさん、鎮守府の地下にある納骨堂にいらっしゃるモルディギアンさんとか、何処にいるかは分からないゴル=ゴロスさんもいらっしゃいますよ」
「おう、おめぇら呪文の詠唱やめぇや」
「神話生物のオンパレード過ぎやしませんかねぇ;」
そう返しながら多すぎ……と護からの補足、翔からの補足の補足に天龍は呻き、シゲも内容のに思わずツッコミを入れてしまうのであった
戦治郎側の面々は慣れてる感じだが、流石にそう言うのに縁がない天龍達で一部(特に深雪とか涼風にレ級)は考えを捨てて呆けた顔ですげぇとしか言葉が出なかった。
その反応にそうなるよねと漣はうんうん頷き、いやホント話聞いたけど養殖ってと霞も呆れ顔になる。
「ほら2人とも、そろそろ始めますから喧嘩は止めてください!」
そんな面々に苦笑してから手をパンパンさせて仲裁に入った翔にエイブラムスとイオッチは不満げながらも言われた通りにするのであった。
☆
模擬戦の場所となった島でクウガライジングアルティメットに変身したアレディと翔と護にゾアとイオッチ、エイブラムスはいた。
クウガを中心に翔が作り上げた魔法陣が作り出されていた。
魔法陣はもしも溢れ出した力で周囲の面々に怪我がない様にする為である。
「すいません翔殿。お願いを聞いてくださって感謝します」
「いえいえ」
頼みを聞いてくれた翔へ頭を下げるクウガに本人はそう返した後に真剣な顔をする。
「では、行きますよアレディさん」
「お願いします翔殿」
その言葉と共に翔は鼓翼を構えると魔法陣が強く輝く。
集中しながら翔はある疑問が頭を過る。
なぜ剛は模擬戦を続けたかについてだ。
翔が知る剛は状況を見極めて戦う必要性がない事や対峙した相手が自分では敵わないと感じたら自ら引く男だ。
アレディの真剣な心構えとはいえあの剛が最後まで続けた事に違和感を感じていた。
翔はどうしてだろうかと考え、ある可能性に考えが至ると、その白い背中に冷たい汗が流れるのを感じ取るのであった。
何故剛が敵わないと分かっていながらも、クウガライジングアルティメットとなったアレディと戦い続けたか……、それはアレディの意思が
今のクウガライジングアルティメットは、翔から見てもかつてルルイエにあるクトゥルフの居城にて対峙したニャルラトホテプや、ニャルラトホテプが互角に渡り合えると噂される白痴の魔王と名高い創造神アザトース、更にはその右腕とされている最高神ヨグ=ソトースにその宿敵であるミゼーア、そして戦治郎の祖父の茶飲み友達となったサクサクルースや、その兄弟のダークネスとネームレス・ミストに、サクサクルースの口から存在する事が明らかとなったルー=クトゥなどと言った、上位の外なる神クラスの実力を持っている様に見えるのである。
そんな本物の神クラスの実力を持ってしまった事で、強き意思を持つアレディは無意識にだが因果を捻じ曲げると言うのを成してしまったと言う事だ。
ならば今、彼から力を抜くと言う判断は間違ってないと思いながらさらに集中する。
輝きだして少しするとベルトから電撃が漏れ出し、漏れ出した電気が魔力へ変換されてゾア達に吸収されていく。
だが少しして吸っていたゾア達は慌て出す。
「な、なんなのだこの魔力の量!?」
「む、むりでぃっしゅ!?このままだとショーシェー達のお腹が破裂するでぃっしゅ!?」
「どんだけため込んでるンゴ!?ヘルプ!ヘルプンゴォォォォォォ!?」
え!?と護と翔が驚く中で流石にこれは自分達だけでは処理出来ないと判断したゾアとエイブラムスはウップウップ言いながら長門屋鎮守府にいる自分の眷属達へとSOSを出して召喚する。
するとゾアの周囲に出現した光球から変化して姿を現した、彼の眷属であるロイガー族5万匹と共に、エイブラムスが来る時に掘った穴からエイブラムスの眷属である従属神チィトカアとその眷属の灰色の織り手が200万匹がワラワラと湧き出て来る。
到着して目に入った自分達の主達の様子と状況から察すると慌てて自分達も参加し始め、クウガから魔力の吸収に入る。
が、クウガから流れ込んで来る魔力を眷属達は吸収しきれずに次々と倒れて行き、リタイアして動けなくなった眷属達は山の様に積み上げられて行く。
「え、エイブラムス様……、流石に我々の身体では……、この膨大過ぎる魔力は吸い尽くせそうには……」
「黙らっしゃいでぃしゅっ!!……ってうっぶ……っ!叫んだら魔力を吐き出すところだったでぃしゅ……。っとそれは兎も角でぃしゅ……、こうなったらゲボォッ!所謂人海作戦ゴブゥッ!で何とかすゴボォッ!するでぃしゅ……っ!!げぶっ!う"ぉ"ぇ"……っ!!」
呻きながら言うチィトカアを怒鳴り返そうとしてエイブラムスは何度もゲップをしながら指示する。
「まだげふ……っ!終わらない……うっぷ……!のだ!?」
「これならごうふ……っ!地下で作業をしゅてる方が……ごぶっ!マシでぃっしゅ!?うおぉう」
「ちょ……、ちょっと魔力を放出してくるンゴ……」
そんな彼らをバックに作業を続けなきゃいけないのにひぃぃぃとなるゾア達の阿鼻叫喚の地獄絵図に護や遠くで見ている天龍達はうわぁ……となる。
特に戦治郎側の艦娘達も神話生物達の初めて見るであろう必死な様子を、それはそれは気の毒そうに見ていた。
ちなみにこれは後に判明する事だが、その時のゾア達は計算上では面積は中国並、深さは400mくらいの湖の貯水量と同量の水を各自に与えられ、それを何とか飲み干そうとしていたのと同じ事をしているのだとか……
そりゃあ吐きそうになるに決まってると天龍達は想像して口を抑える。
しばらくするとクウガのベルトのアマダムが明滅を始め、クウガも倒れない様に踏ん張る中で輪郭がぼやけて行き……その姿を白い鎧で角も短くなったグローイングフォームへと変える。
終わったと感じて翔は防御を止めてふうと息を吐き、ゾア達もグッタリと地面に倒れ伏す。
「うぷ、終わったのだ……」
「こ、こいしゅ、ぶふ……!どうなっているてぃしゅげふ……!溜め過ぎにも程があるげっぷ……!でぃしゅ……!」
「ホントンゴふ……!見るンゴ……!ゾアやこいつの眷属達がんぐ……!天に腹見せてダウンしてるンゴ……!」
呻くゾア達や声は出せないがんげー、死ぬーな感じにお腹を押さえて悶えている眷属達の様子に翔は増幅され過ぎですよと冷や汗を流す。
「はあはあ……翔殿に皆さん。ありが……!?」
ドパーン!
次の瞬間、海から何かが飛び出す。
それにより膝を付いていたがお礼を言おうと立ち上がったクウガの体に海から飛び出した存在が放った鎖付きの鉄球が巻き付く。
「なっ!?」
「え……?大五郎……?けど、腕や頭の数が違う……?あれは一体……?」
「んげぇっ!?何で此処にメタル大五郎がいるんッスかぁっ!!!??」
あまりにも唐突過ぎる出来事にシゲが驚き、海中から姿を現した物を目の当たりにした翔が動揺しながらこの様な事を零し、それが何なのかを知る護が驚愕の叫びを上げる中、ソレに捕縛されてしまったクウガは瞬く間の内に海に引きずり込まれ、そのままどこかに連れ去られてしまう。
それから間もなく、我に返ったシゲは先程の謎の巨人の姿を、静かに思い返す……
6本の大きな腕と3つの頭を持ち、両肩に巨大な砲を備えた人型艤装のような存在……何よりも目を引くのはその大きさ、先程のソレは全高8.8mある戦治郎の艤装となった戦治郎のペット、ヒグマの大五郎と同等の大きさだったのである……
思い返したソレの姿は、自分の記憶の中には一切存在しない……
恐らく自分と同じ反応をしていた翔も、先程のソレの事は知らないのだろうと思った直後、護がソレの事をメタル大五郎などと言った事を、明らかにソレの事を知っているかの様な口振りであった事を思い出し、護の方へと視線を向け……
「おいマモ、お前はさっきの奴の事何か知ってんのか?」
「ああ~……あの時シゲと翔はあの場にいなかったッスからね~……取り敢えずこれだけは言えるッス、超極絶ヤベェ人が武力介入して来たッス……多分理由は……剛さんしか無いッスね……」
「剛さん関連でそこまでやべぇ奴って……まさか……っ!!?」
「アレディ!?」
「何事!?」
「なんだ!?いきなりアレディさんが!?」
シゲがこの様に尋ねると、護はその表情を引き攣らせながらこの様に返答し、護の返事で相手が誰であるかを察したシゲは、顔面蒼白になりながら、掠れた声でこの様に呟く中で終わったのを見て近づこうとしていた天龍達はいきなりの出来事に驚く事しか出来なかった。
「どうやらとんでも展開は続くっぽいね」
「みてぇだな……やれやれ」
呟く響のにマーベラスはぼやく。
終われば帰る筈だったのに起こった事件。
一体だれが……
次回を待て
ゆっくり霊夢「あとがきだよ~作者代行のゆっくり霊夢だよ~」
ゆっくり魔理沙「助手のゆっくり魔理沙だぜ☆って馬鹿ッ!!」作者代行の天龍にタックルする。
天龍(作者代行)「げふっ!?」
ゆっくり魔理沙「待たせ過ぎだよ!!あっち側ニックネーム変わってすっごく進んでる中でこっちは半年以上も更新されてなかったじゃねえか!!?」
天龍「リアルの仕事以外に凄く、凄く地の文とか稲荷童子さんの入れてくださいと言う展開をどう取り入れるかで考えるのに時間かかって待たせてしまいましたm(_ _;)m」
ゆっくり霊夢「しかも稲荷童子さんのキャラのセリフや一部の地の文のをチェックので稲荷童子さんに修正して貰ったりダメ出し食らったりしてるしね」
ゆっくり魔理沙「知ってるか、作者、稲荷童子さんにチェックして貰ってなかったら本文の文字数が半分以下だったんだぜ?」
天龍「本当に稲荷童子さん。ありがとうございます!!m(_ _;)m」
ゆっくり霊夢「次回には完結?するかもしれないので待っててください;」