境界線上の傾奇者 作:ホワイトバス
一歩踏み出すのを躊躇するのは何故だろう
配点《覚悟》
「お、俺さぁ、コクるなんては、初めてでよ。なにしていいかわかん、ねぇからさ。だからさ? お前らで、練習して、い、いいかよ?」
「「「「 何じれってんだよ気色悪っ!! 」」」」
「おいおい! それ言うか!? ふつー言うか!? これから告白ろうとしてる奴にそんなこと言うかよ!?」
青空の木の下、階段を舞台に梅組のメンバーが会議中であった。会議内容は "葵・トーリの告白を成功させるゾ会議"。 メンバーはトーリを中心に慶次や喜美、点蔵、シロジロやハイディといった面々だった。
「で、どうするの愚弟? アンタ、コクるのはいいけどこれからどうする気?」
んー、と顎に手を添えて数秒考えた後。
「視聴率だけ考えたらさ、俺がフラれたら面白くねえか?」
「「「「 変なフラグ立てんなよ!! 」」」」
「だってさー。俺の告白、武蔵全土に放送すんだぜ。視聴率高ければ放送権料の一部をくれるってシロジロが言うからさー」
チラっと皆の目線がシロジロへと向いた。
「じゃ、シロジロ。後は頼むぜ! 大音量の高画質でな。それと祝賀会も頼むわ!」
「契約したからな。お前の告白などには興味ないが、武蔵中が注目してる。これを利用しない手はない。金の分配は私が九割、トーリが一割で手を打とう」
「「「「 お前最低だな!! 」」」」
割りに合わない分配に皆が異議を申すが、トーリはさほど気にかけてないようだ。
「よし、ここから真剣に成功させるために頑張ろー! ということでテンゾー! 告白ってどうやんの? お前、数だけはこなしてんだろ?」
「い、いろいろ否定されて御座るな!? それに『数だけ』とは、馬鹿にしてるで御座ろう!?」
「いやいや。エロゲでも好感度上げれず、前なんか金髪巨乳のキャラに立て続けにフラれ、一時期引きこもりになったんだろ? 一応回数はこなしてるじゃん」
「やめて! 点蔵君のライフはもうゼロだよ!!」
痛いところを突かれたようでorz状態の点蔵に皆が慰める。しかしトーリはわりぃわりぃの一言で済ます。
「というわけでさ、どうコクればいいかわかんねぇから教えてくれよ」
「ふぅむ……そうで御座るな。……ここは一つ、恋文などはいかがで御座ろうか?」
と言いつつ点蔵が取り出したのは手帳と一本のペン。皆が見守る中、トーリに手帳とペンを渡した。
「いいで御座るか? 何も策を考えずに告白を成功させようなどとは、愚策である。告白時にトチらないようにこの紙にあらかじめ伝える言葉を書き写すのがよいで御座るよ」
「つまりはこの紙に相手を好きになった経緯や部分を書けってことか」
「そういうことで御座る」
「うーん、悩むなあ。だってさ、好きとか嫌いとかエロいとか、そういう感情を紙に書くなんて難しいだろ。あんま気が進まねえよ」
「フフフ、愚弟。それが出来ないなら告白も無理な話よ。いい? 別に難しい話をしてるわけじゃないのよ。相手の好きなところを紙に書けばいいの。試しにそこのエロゲ忍者の嫌いな部分を書いてみなさい」
「き、喜美殿! 何故に自分の嫌なことを―――!」
「うーん、そうだな。『いつも顔隠してるのはキャラのつもりだろうけど気持ち悪い』『御座る口調はキャラ濃いけどすぐ飽きるから気持ち悪い』『服から犬の臭いがするのは色々抜きにしてマジで気持ち悪い』
まっ。こんなものだな」
「ひ、ひどい! ほとんど悪口―――というか、マジレスはいらぬで御座るよ!? いつもそんなことを思っていたのか貴殿!」
「中々いいじゃないの愚弟。今度は彼女の良いところをいくつか抜粋すればいいのよ。ほらやってみなさい」
喜美に磨かれてか、今度は悩むことなくスラスラと書き上げることが出来た。
「よしよしよし! 出来たっと! 『顔がちょー好みでエロい』『しゃがむとインナーがパンツみたいでエロい』『身体がマジでエロい』これでいいか!」
「エロだけ!? 即物的なエロしかないで御座るよ!? 最後に至ってはもはや性欲の体現でしかないで御座る!」
「おいおい点蔵。俺ってエロ道の権威みたいじゃね? ある人は言いました、オッパイは揉むためにあると」
「全然かっこよくないで御座る! むしろ馬鹿そのもので御座るよ!」
トーリは髪が乱れるのも構わずボリボリと頭を掻き、だってよぉ。と愚図り始める。するとどうだろう。何か思い付いたのか、大きく目を見開いた。
「おい慶次。お前、女からモテるだろ!? 秘訣ねぇのかよ秘訣! イカせちゃう指技とか口説くための言い方とかさ!」
「そ、そうで御座る! 貴殿のモテっぷりは拙者の耳にも届いてるで御座るよ! な、何卒。何卒を秘訣をお教えくだされ!」
「そ、それは拙僧も気になるな。どうだ慶次。ここは一つ、情けをかけるとして教えてくれまいか?」
「なあ頼むよ慶次! 俺の古いエロゲやるからさ、コクり方教えてくれ!」
哀れな三人に思わず目を背けたくなるようだが、慶次は一笑して、微笑む。面白がって、楽しんでるようにも見えるが、どこかあきれ果ててるようにも見えた。
仕方ない。と一つ愚痴を漏らして三人に振り返り。
「解ってないなあ、テメェら。女を捕まえたかったらまず相手の心を鷲掴みにしなきゃ意味ねぇんだ。ただ上辺だけの言葉並べても本心に届かなきゃ、ダメだろうがよ」
「おお! さすがモテる男は違うで御座るな!」
余談だが、梅組内どころが武蔵で一番女癖悪いのは慶次だと、皆が口を揃えて言うだろう。女なら誰彼構わず|食ってしまうのが彼の恐ろしさと言える。だからこそ、説得力があった。
「点蔵の言うように、応用で恋文使って秘中の相手を仕留めろ。お前ならやれる。何か困ったら俺を頼りな」
「じゃあさ、今やってみてくれよ!」
「……あ?」
その一言に、場は研ぎ澄まされたように空気が張った。
「お前の口説き方ってのを見せてくれよ! 参考にしたいからさあ。んじゃ、誰にすっかな」
まさか、ここで選ぶというのか。この外道衆が渦巻くこの場で。
『トーリ君、私を!』や『愚弟、ここは賢姉を選びなさい! これは命令よ!』などと、己の欲を目で訴えかけてる女衆を一見し、トーリは誰をと見定める。
「よーし、ここは俺の独断と偏見で選ぶぞ! うーん……、直政! お前、やってもらえよ」
そうトーリが名指ししたのは鈴の横で一同を見守っていた直政だった。呼ばれた本人は、はて。と一息し、その義腕で頭を掻きつつ。
「……あたしを見世物にするってのかい。別に構わないけどさ、こういうのは他に適材がいるだろ?」
「いいからいいから。お前が慶次と絡んでるの見たくてさ。じゃねえとアイツ振り向かねえぜ?」
余計なことを……。と重いため息を一つ。事実だからこそ、余計断りづらい。
すると、隣の鈴が背中を押すように一声あげた。
「直政さん、やって、みたら?」
「……Jud. 鈴に言われたら仕方ないさね」
直政は自分がこういうガラではないと自覚している。故に他人の恋路や恋愛物の本といった類いは興味なく、もっと言えば苦手なのだ。だからこそ、今回の仮告白は遠慮させてほしかった。そりゃ、嬉しいところもあるが、自分の奥ゆかしさがどうも忌避している。
だが、鈴の一言で踏み出せた。鈴の思いを無下にしないためにも、ここは敢えて口説かれることにしよう。
「じゃ、慶次君と直政君による仮告白披露会、やってみようか。二人ともよろしく」
皆が二人を注目し、全員が慶次のこれからの言動を期待していた。
直政も彼がこれから何を言うのか、楽しみであった。
彼は目を見て、相対し、一呼吸。そして言った。
「―――綺麗だ」
「―――っ!!??」
今のが告白なのかと疑いたくなった。堪ったもんじゃない。ただ一言誉めただけじゃないか。
だがその一言で、場の女性衆を赤くさせた。その一言は率直な意見であり、心からの誉め言葉だからだ。着飾らない言い分に、直政は心身とも震えたのだ。
しかもこの時の慶次の無邪気で溌剌とした笑顔はなんともよかった。この笑顔に、大抵の女性はとろけてしまう。
直政もまた、その笑顔に魅了された。その証拠に手から煙管が放れ、地へと落下した。
「お前に惚れた。今夜にでも抱きたい」
「あ、いや……」
「これは冗談でも嘘でもない。心からお前に惹かれ、抱きたいと思った。一夜限りでも構わん。今宵にでも、その身を我が物にしたい」
「……うぅ……や、やめ―――」
「は、はいはいそこまで! 何か色々ヤバイからとりあえず中止中止!」
ナイスだネシンバラ。と皆の思いがシンクロした。
「……中々の誉め上手さね。気持ちだけは受け取っておくよ」
「何だい。面白くねぇなあ」
「期待に応えられず悪いね。あたしはこんな色事にゃ、似合わないさね」
何事もなかったように、直政は煙管を拾い踵を返す。さすがは女傑だ。と皆が納得した。
しかし、中には納得してない者もいるわけで。
「フ、フ、フフフ……。そうよ。それでこそ獣よ! さすが慶次ね! 特別に今夜は私をディナーにするといいわ!」
「あ、こら、喜美! いけませんよ! 学生の身でそ、そんな不埒なこと、巫女として許しませんから!」
「おい何だよ今のナンパ! 告白っつーか、『嬢ちゃん、俺と一晩どう?』みてぇな下ネタなエロナンパじゃねぇかヨ! けど、ちょーかっけー! お前なら抱かれてもいーい!」
「な、成る程。告白とは己の信念を伝え、心を鷲掴みする……。こ、これで自分、念願のリア充の仲間入りなれるで御座ろうか!?」
「いや、それは無理であろう」
「それは酷いで御座るよウルキアガ殿!!」
「まったく……。恥ずかしいこと言うもんさね、慶次は。慎みってもんを知らないのかい」
「で、でも、直政さん、少し嬉し、そう、だよ?」
「……鈴にはお見通し、いや。筒抜けってことかい」
そんな時、また新たな声が響いた。校舎側より複数の足音と共に、そして止まり。
「……貴方達はこんなところに座って何を―――、いえ教えなくて結構ですわ」
阿鼻叫喚の如く騒ぎ立てる一同を見て、大概のことは理解した。
その後ろに酒井学長を共にし、銀色の髪をしたネイトは半目で場の光景を眺める。
「……むむ、むむむ!? 近似のオパーイオーナー発見ッ!! よしいっちょ揉ませろネイト。大丈夫だって。痛いも恥ずいも最初のうちだってばよ!」
「フフフ愚弟。アンタ、持ち主探してんのは解るけどその発言は危なっかしいわよ?」
「おいおい姉ちゃん邪魔しないでくれよな? 俺には告白成功祈願とソムリエとしての役目のため揉んでんだからな?
さあ~ネイト! 俺のフィンガーラッシュにイっちゃいなYO!!」
もはやセクハラだ。と皆は率直に思った。
エロ姉弟と貧乳狼が乳繰り合ってる時、密かに輪から外れた者が酒井に尋ねた。
「酒井学長、これから三河ですか?」
「ああ、昔のダチから飲む誘いが来てよぉ。最近の三河は評判悪いから酒飲んだらすぐ帰ってくるさ。それとな、慶次、お前数年ぶりの三河だろ? 降りなくていいのか?」
「いや、今回はいい。今夜は花火だ。いい場所を取りに行くから、三河に降りては時間がなくなる」
「そっか。なら仕方ねぇな。三河名物、ういろうとコーチンくらいは買ってきてやるか」
そろそろ時間だわ。と一同に手を振る酒井にシンクロするように、トーリ目掛けて降り下ろそうとするネイトがいた。
「触るんじゃありませんよこのドグサレがァァァ!!」
本日、トーリは二度めの壁抜きを体験しましたとさ。
☆★☆
「―――っていうことがさっきあってさ」
「……もうどこからツッコんでいいのかわかりません」
三河へ続く関所上、山岳に囲まれた道を酒井と正純は歩いていた。たわいもない話から重要な話といった話題。とにかく着くまで間を談笑していた。
もちろんトーリの告白も話題に上がっていた。
「葵にも困ったものです。先日、アルコールランプとフラスコを使った闇鍋大会中に爆発させて……、今も実験室は工事中で使えないんですよ」
「闇鍋を光鍋にねぇ。なんだ? 闇鍋は暗くて見えないけど、光鍋は眩し過ぎて見えないってか?」
「いや、そういうことじゃなくてですね……。さらに先日、美食家で有名な商人へ乱暴を働いたことも―――。おかけで取引は白紙。武蔵アリアダスト教導院の名が地に落ちたんです。評判は急降下ですよ」
「ああ、あったあった。そんなこともあったなあ」
「事情は一応聞きました。何でも、ミトツダイラは立場上、手出し出来ないので代わりに俺らがやったとか。ですが、取引相手の尻に鰻突っ込んでクリームまみれにするのはいくらなんでも……」
やり過ぎだ。と言いたいところだが、あれはあれで良かったのかもしれない。
ミトツダイラは騎士ゆえに家柄や立場を重視する癖がある。そのせいで自分の幸せを逃してしまうのではないかと、考えていた。だがトーリ達のおかけで、その点は心配いらなかったようだ。鰻クリームまみれにしたのはちょっとアレだが……。
「鰻クリーム事件や光鍋事件に加えて、また新たに武勇伝でも残す気なんですかね葵は。しかも告白ときたら、一体誰にやるのやら」
「それはまた今度ね。それよりさ、三河に知り合いがいるんだろ? 三河まで行かないのかよ」
「無理ですよ。今、三河は過去に類を見ないほどの鎖国状態なんですよ。昔の友人に会いたいという理由で入国するのはちょっと……」
「つれないねぇ。まっ、今度あったら言っとくよ。『本多・正純は元気に楽しく馬鹿やってますよ』ってね。それと今夜は花火だって慶次言ってたな。正純は見に行く?」
「花火、ですか。となると、夜は混雑しますから遠慮しますかね。人混みは苦手ですので」
「……遠慮しがちだなあ。でもさ、話を変えるようだけど、今日は一段と変だと思わないかい?」
何が。とは聞き返せなかった。ただ解らないという意思を示すように正純は首を傾げる。
「商人から聞いたんだけど、
「え、ええ、確かにそうですね。人払いや怪異で人口が減少して物資が必要なくなったと言えど、あまりに少なすぎる。これじゃ、貿易の根底が覆りますよ」
「だよなあ。ただでさえ怪異が増えてんのに、今回の一方的な貿易か……。なーんか気味悪ぃなあ」
するとだ。足元に影が生まれた。頭上を見上げれば、通りすぎる大きな船影が複数。数隻の艦に守られるように渡航する白い巨大な船があった。
ヨルムンガンド級ガレー船、
「K.P.A.Italiaは教皇総長、インノケンティウス……。ムラサイ派のP.A.ODAの手が及ぶ前に、総長自ら出向いて武装開発の交渉しに来たようですね」
「P.A.ODAが浅井攻めしてる間に、無理矢理作らせる魂胆か。八つの
「聖連の代表国ですからね、K.P.A.Italiaは。"
とはいえ、両国の大罪武装は二つにして一つの兵器ですし、出力は極めて低い。けど、一つでも充分牽制は出来ますし、教皇もそれが狙い目なんでしょう」
「残す大罪は "
「……さっきから侮蔑してますけど、何か恨みでもあるんですか?」
いや別に。と顔で表す酒井に、正純はそれ以上のことを聞けなかった。
とにかく足を歩めるのを止めず、ただひたすら歩く。歩みに比例して、口数も多くなってきた。次の話題は。
「酒井学長、一つお願いがあるんですけど、もし向こうで忠勝公の息女に会ったらよろしく言っておいてください。私、同級生だったので」
「ああ、ダっちゃんの娘か。いたら言っとくわ。にしても、慶次も来ればよかったな。あいつらきっと喜ぶのに」
「慶次、もですか?」
何故そこで彼が出てくるのか、わからなかった。それにあいつらというのは、恐らく松平四天王だろう。どうして慶次が彼らに会う義務があるのだろうか。
酒井は頭を掻きつつ、恥ずかしがるようにして返した。
「うん。慶次ってさ、ちっちゃい頃に父親と一緒にあちこちの国を旅してたんだわ。その名残で三河にも一時期いたから、あいつらとも顔馴染みなんだよ。あ、ちっちゃい頃って小等部前ね」
「父親、というとあいつの父ですよね。しかし、よく旅出来ましたね。その頃は知りませんけど、最近は各国間の仲も悪くなるばかりですから、入国するだけでも一苦労しますし……」
「そうなんだよねえ。けど、あいつは重役扱いで入国出来たし、待遇もそれなりによかった。人気はあったし、実力もあった。ちっと嫉妬するよなあ、あそこまでいくとさ」
「襲名者なんですか? もし襲名者ならこの流れからいくと……前田・利久かと」
そう。と酒井は頷きとともに肯定した。
「名前は前田・利久。俺ら松平四天王とは同級生で特務を担当していてね。女好きで浮浪癖のある男だった。
聖譜記述じゃ、前田・利益は前田・利久の養子となるけど、慶次と利久は実の親子でさ。あいつが小さい頃、利久の奴に見せてもらった。昔の慶次はめっっっちゃ可愛かったよ」
「昔の、アイツ……」
可愛くて、目がくりくりしてて、白く柔らかそうな肌に、可愛くて、サラサラな髪、元気がいい、そんな子供像が浮かんでくるので―――頭を揺さぶって消すことにする。
変な妄想はやめよう。雑念を捨て、酒井の話へ戻る。
「利久の若い頃にそっくりだよ、慶次のやつ。……会いてぇなあ、あいつに」
「会いたい。ということは、会ってないんですか?」
「うん、十年以上はね。旅に出るって言ったまま音沙汰なし。どこにいるのやら、何をしてるのやら、検討もつかねぇ。たくっ、あの馬鹿が……」
その言葉を最後に、口を閉ざす。正純はなんて声をかけていいか解らず、ただ声を出さないほうがいいだろうという考えだけが生まれた。
だから声を発さずに、酒井の出方を待った。
「……ここらへんで見送りはいいよ。あとは自分で行けるから。ああ、それと、書証はもう送ったから後は自由にしていいからね」
「あ、はい、ありがとうございます。こっちは調べものがあるので、今日は学校を休ませてもらいます」
「調べもの? へぇ、一体なによ?」
「後悔通りです」
その一言に酒井は押し黙り、ただうん。と一つ頷いて考えた。少し空いた間を埋めるようにポリポリと頭を一掻き。そしてやや項垂れたまま。
「そっかあ……うん、そうだな。いいと思うよ。正純君はまだ知らなかったか、あそこのこと。いい機会だし、思う存分調べてきなよ」
「は、はい……」
「正純君もそろそろ武蔵の生活に馴れてきただろ? だからいい時期だと思うよ。正純は後悔通りへ、トーリは告白、皆は前夜祭や祝賀会の準備、三河は花火、世界は末世解決へ」
老年らしい眩しい笑顔、それでいて穏やかで和やかな顔を見せて。
「不揃いのようで実はどこかで繋がってる……そんな気がするんだよねえ。正純君の一歩もまた世界へ影響を与えると思うんだ。そして、トーリや慶次、俺らの側へ来ることを祈ってるよ」
ホライゾンのキャラって何気に魅力的ですよね。おかげでエロい妄想が止まりません。
それと友達から聞いたんですけど、ジョジョ4部がアニメ化されるそうで、嬉しいです。楽しみにしてます!
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