IS原作にたどり着け! 『本編完結』   作:エネボル

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夢幻の中の可能性

『究極とは何ぞや?』

 それは一年ほど前。タバネサブマリンがまだ世界を放浪し、ラウラがまだそこに居なかった頃。秋斗、束、クロエの一同が揃っての夕食の席で交わされた一つの論争のテーマである。

 

「究極とは常に一つだよ! 『極』っていう字がそこにある以上、有象無象の追従を許しちゃならないのさ!」

 

 究極を論ずるにはまず根本たるテーマが必要だった。そしてこの時、食卓に居並ぶ面々にとって最もポピュラーな話題がISに関する事であった為に、議題は自然と“究極のISとは何か”という方向に移った。

 

「――“単一が保有するその性能のみで全てにおいて完結する汎用の権化”! それこそが究極のISだよ!」

 

 上座に位置する席に座る天災――篠ノ之束が一同に向けてそうドヤ顔で言った。

 束の言う究極のISとは『個が宿す性能の高さの追求』に他ならず、他の追従を許さぬ孤高の存在であり、同時にあらゆる存在を神の如き視点で見下せる最高峰の技術の化身であった。

 それを宿したISこそが究極である――――

 当時、そんな風に束は言った。

 

 そしてこの時、同じ食卓を囲んでいた少女――クロエ・クロニクルにしても同じ意見であった。

 性能を追求する事こそが究極に至る道である。それ故に己は自然に逆らう形でこの世に生を受けたのだと、クロエはそんな風に自覚していたからだ。

 しかしそれはそれ――――

 束の言う言葉のみ(・・)が唯一究極の形だとは限らないと、その場で口を挟んだ男が居た。

 

「別に単一で性能が完結しなくても、用途に合わせて際限なく変化できるならその方が重要だろ?」

「ほぅ。と、言うと?」

 

 織斑秋斗であった。

 秋斗は「確かに性能を追求する事は究極に至るに必要な要素だ」と断言した上で、そこへ更に付け加えるようにして意見を述べた。

 

「一つの時代の中で究極の技術を持って完成した代物でも、恐らくその後10年足らずで新しい技術に凌駕されると思う。スーファミが、ネオジオが、プレステが、サターンが――そしてドリキャスにしたってそうだった。だから性能を追求した結果だけが“究極”ってのは、正直ちょっとどうかと思うね。俺は」

「――――つまりあっくんはどういった形が究極だと思うんだい?」

「必要に応じて臨機応変に対応できる多様性――それを受け入れる器、かな? ローテク(・・・・)かもだが、俺はコレを更に昇華させた代物が“究極”だと思うね」

「ほほぅ」

「これは――ー―」

 

 秋斗は資料として一枚の画像をネットから検索し、束とクロエの双方に見せた。

 それはテクノロジーとして見るならば既に過ぎ去った過去の代物であったが、過去の遺物とはいえ一種の狂気のようなものが未だに強く滲み出てる様にも感じた。

 際限なく進化を遂げ、元の姿から余りに変わり果てた“機械の異形”、否、“機械の塔”――――

 

「――――なるほど。あっくんはこれ(・・)みたいなのが究極だと言うんだね?」

「正確に言うと、この()だな。俺はコイツに一種の究極を見たぜ?」

 

 束は秋斗の示した己とは別の究極を知り笑みを浮かべていた。

 

「――――さて」

 

 クロエは過去の振り返り、その時の会話こそがそもそもの発端だったのではと苦笑を漏らした。

 束と秋斗の考える究極の形はそれぞれ異なるモノであった。しかしどちらもが互いの意見を尊重し、そして互いに尊重したが故に今日のIS学園における“幽霊ISの騒動”は起こったと言える。

 『究極の性能を有する個体』か?

 『無限の可能性を持つ個体』か?

 そしてそのどちらがより究極に近いか?

 その時の議論は遂に決着が着かず、そして今日まで持ち越された。

 

「束様、本日の記録結果です」

「お、集めてくれたのかい? ありがとね、くーちゃん!」

「いえいえ、お気になさらず」

 

 クロエは仮想領域内で行われた幽霊ISの稼動記録を集め、その観察結果を束に報告した。

 

「それにしても周囲が随分と騒がしくなりましたね」

「そうだね~。潜水艦に住んでた頃には無かった喧騒だね。束さんも最近、きゃっきゃうふふと騒ぐ小娘共にはイラッとする事があるよ。今期のあいつ等の成績はオール1で決定だね♪」

「流石にそれは可哀想ですのでおやめくださいませ。それとそちらではなくて、ですね。件の“幽霊IS”の方です」

「ん? 何かあったのかい?」

「仮想訓練室の管理を勤める立場ですので仕方の無い事かもしれませんが、最近生徒達からの追及が少々――――」

「あ~」

 

 片手間に仮想空間内での記録映像を再生する束は、クロエの言わんとする事を察し視線をふと宙に向けた。

 そしてしばし考えた末に、口を開く――

 

「――でもちーちゃんも黙認してくれてるし、放っておいていいんじゃないかな?」

「そうですね。ですが――――」

「どうしたの?」

「ラウラと織斑一夏と篠ノ之箒と更識楯無の追求が最近、度を越してウザイです。そして各国の代表候補生らも」

 

 クロエのその冷静且つ端的で歯に衣の着せぬ物言いには、流石の束も不意をつかれ、思わず噴出した。

 

 

 

 

 例年行われる学園のトーナメントのイベントは、今年はタッグマッチという形式に変わった。

 その仕様変更の理由が織斑一夏が入学した所為か、それとも一年生に多くの専用機持ちが揃っていた所為か――――

 結局それについての言及は遂にされる事は無かったが、結果として催し自体は成功を収めた。

 一年生の部門の優勝は三組、四組の代表候補生、シャルロット、簪の『チーム:実弾重火力』。

 準優勝はオルコット、ラウラの『チーム:ロングレンジキャノン』。

 3位は鈴、ハミルトンの『チーム:アサルト&チャージ』。

 そして衆目の的であった織斑一夏と、第四世代機を手にした篠ノ之箒の『チーム:ブレードオンリー』は、総合成績4位であった。

 ――――ちなみに余談だが、一部生徒の間では『優勝した場合、織斑と付き合える券』が発行されると噂されていたらしいが、最終的にそれについての真偽の程は未だ不明のままである。

 閑話休題。

 タッグマッチトーナメントとは別に、この一ヶ月の間で幽霊ISの噂には幾つもの尾ひれがついていた。トーナメントに向けて仮想空間訓練を続ける生徒らを無差別に襲撃する黒いISには、件の“怪鳥”とは別の姿があるという噂である。

 対戦した生徒の目撃情報を集計すると、最も多く目撃されたのは“黒い怪鳥”の姿。次点で多いのが半人半戦車の異形だ。

 しかし不思議な事に大きなシルエットは共通していても、武装を初め、細かな形状が遭遇する度に微妙に違うという意見もあり、結果として混乱が更に加速した。

 そんな生徒間の噂は教員の間にまで広がり、その際に意見を求められた織斑千冬は『――アレに関しての事情は知っている。放っておけ』と、答えた。

 

『――不気味であるのは事実だが、所詮電子世界でしか存在しない幻だ。現実世界で実害を齎すもので無い。それに例年見るに耐えない“あの”トーナメントが、それなりに面白い物になったのは件の幽霊に叩きのめされたお陰だろう? 奴が気に入らん、もしくは怖いと思うなら、それこそ己の実力で奴を排除してみせろ。お前達にそれだけの根性が有るなら、な――――』

 

 それは挑発の混ざった言葉だったが、それを放ったのが他ならぬ世界最強(ブリュンヒルデ)であった所為か、結果的に生徒のやる気は大いに焚きつけられた。

 ――そして今日も幽霊ISの噂は既に学園中を席巻しており、その正体についての情報を求める声が其処かしこで囁かれていた。

 最近の噂によると幽霊ISは、既に中国とイギリスの代表候補生をそれぞれ負かしたという。

 そうした中、一部の生徒はその正体を知っているであろう仮想訓練室の管理人であるクロエと、仮想訓練室の生みの親の束に直接正体を尋ねた。

 しかし彼女らはどのような言葉で質問を投げかけても頑なにその答えを濁し続けた。

 

「――――直接の言及こそされていませんが、恐らく一部の生徒には気づかれている(・・・・・・・)と思います。束様、いかがなさいますか?」

「うん♪ 放っておこう。知ったこっちゃ無いぜ。それより今回はどんなのを作ってくれたのか、気にならない?」

「もちろん気になります」

「よろしい、ならば視聴しよう」

「はい!」

 

 IS学園の敷地内にある束の拠点。

 その部屋の一室では、先日行われた仮想空間での戦いを視聴する準備が行われていた。

 映像は湾曲した天井を直接使った大型スクリーンによるプロジェクターで、音声は束が趣味で開発した“椅子と一体型の64.8ch”という規模のスピーカーで臨場感たっぷりに再生され、そこはもはや並みの映画館を凌駕する視聴室と化した。

 これからその部屋で映し出されるのは幽霊ISの行った仮想空間での戦闘模様である。

 菓子とコーラを手にした束とクロエは、ふかふかの視聴用ソファに寝そべるように並んで座り、部屋の明かりを落とした。

 

 中国の第三世代IS――甲龍との戦いの中で幽霊ISは、喩えるならばA-10サンダーボルトのような対戦車グレネードとガトリングキャノンを搭載した姿であった。

 必死に食い下がる甲龍だったが、決して近接戦闘に持ち込ませない遠距離からの嵐のような砲撃の前に、攻めきれない様子だ。その様を喩えるならば、所謂“鳥葬”に近いだろう。そして開始から10分で、甲龍は撃墜された。

 次の映像はイギリスの第三世代機ブルーティアーズとの戦いであった。この時に姿を現した幽霊ISは、今までの鳥のような形状から一変し、平均よりも巨躯ではあったが一応(・・)人型であった。――――問題なのは両手と、背中から伸びる4本の長い触腕である。それらの腕の先端には、格闘戦装備のつもり(・・・)なのか、パンジャンドラムを模したであろう丸鋸に近い形状のブレードが備わっていた。

 

「――――ぶはっ! なにこれ!? なにやってんのさ!? 触手!? 気持ち悪っ!」

「なんと、面妖な―ー――」

 

 数多の生徒があの手この手を尽くして必死に戦う様を、独特で面妖な手段を用いて撃墜していく幽霊IS。その形状は映像が移り変わる度にコロコロと変わり、一体どれが本当の姿で有るのかもはや見当がつかないレベルであった。

 幽霊の二つ名に相応しい不気味な風格が既に備わっているそのISの名は“ナイトライダー”と言い、由来は黒椿の品種。花言葉は「気取らない優美さ」である。

 映像を見たクロエは、一体どこら辺がそうなのかと度々首をかしげたが、その花言葉自体は束にとっては実にらしい(・・・)と思えるそうで、件のISの名を聞かされた時に今この瞬間のように大きく笑い転げていた。

 

「――ローテクの継ぎ接ぎもここまで来ると確かに芸術的だ! 発想がアナログ過ぎるよ!」

 

 束は幽霊ISの生みの親とそれを駆る操縦者に向けて惜しみない賞賛の言葉を送った。

 次の映像の中で幽霊ISナイトライダーは、飛行ユニットの機首に大型の削岩機(ドリル)を搭載した異形――ドリルグライダー装備であった。

 

「束さんの中には絶対生まれてこない発想だね。なんかもう“メガドラタワー”みたいだよ。このIS――――」

 

 束はいつぞや秋斗が見せたゲームハードの“究極形”の姿を思い抱いた。

 そして映し出された白式対ナイトライダーの戦いは、大型ドリルを伴った瞬時加速体当たり(SLCダイブ)によって抉られる一夏の絶叫と共に終結した。

 

 

 

 

 都心から電車で40分程はなれた住宅街。ベッドタウンの中でも有数な高級マンションの一室に彼らは揃った。

 20畳のワンルーム。その壁一面をパネルにした豪勢なプロジェクターによって投影された映像には、2機のISが高速で飛び交い凌ぎを削りあう光景が映っていた。それは世間からは秘匿されるべき戦闘記録であり、そして同時に安易に世に出してよいモノですらない。

 しかし男達はソレを見ることが叶った。

 ソレを可能にする伝手を持つ男が彼らの友であったからだ。

 

「――――で、どうよ、貴重な映像を見られた感想は?」

 

 戦いの模様は次々と移ろい行き、そして場面は男達も良く知る友人のある少女との対戦の映像に移り変わる。

 この場に集った男達に件の映像を見せた張本人――織斑秋斗は缶コーヒーを片手にその場に集った男達に問うた。

 

「――鈴は相変わらずのワンダフルボディの様で安心した。それよりセシリアさんのお尻がセクシー過ぎて辛いな」

「真っ先にそこに注目するとは流石我等が五反田弾やで。まぁ、セシリアさんについては俺も同意やな。んで鈴に関しては体型は兎も角、たった一年で専用機纏って戦えるってのは相当変わったと思うわ――――後は額に“酢”って文字を書けば完璧や」

 

 映像を見守るのは秋斗を含めた4人の男達だ。

 その内、菓子を頬張りながら感想を零した五反田弾の意見に対し、コーラを片手にした御手洗数馬が答えた。

 彼ら二人が見守るのは、中学時代の友人である鳳鈴音と、織斑一夏とのクラス代表決定戦でのやり取りである。

 その映像を見た数馬の零したふとした一言に、秋斗と弾は思わず反応した。

 

「――懐かしいな。キン肉まん3世(サード)の超人募集で鈴の奴が作った双子の正義超人だっけか、それ?」

「たしか正義超人のスブタマンだな。それと力を求めて残虐超人に身を落としたパインスブタマンだったか。ちなみに師匠はラーメンマンだって言ってたな、アイツ()――」

「アイツ。どんだけ酢豚好きやねん!」

 

 懐かしき中学時代のふとした思い出を語り合いながら、秋斗はふと傍らのソファに座るこの部屋の主にして親友――青峰清十郎に問うた。

 

「――――部長はどうよ?」

 

 茶化しながら問う秋斗に対し、青峰は終始真剣な表情で映像を観察していた。

 

「――やはり秋斗殿には悪いでござるが、一夏君の白式のヘソ出しのISスーツと白式の顔出しのデザインはどうにも気に入らんでござるな。ぶっちゃけダサいでござる」

「まぁ、女性が乗るなら兎も角、男が乗っていいデザインじゃねぇとは思うな、俺も――」

「しかり」

 

 一夏の纏う白式というISのコンセプトは兎も角、その形状(・・)について不満を述べる青峰の意見には、秋斗も同意した。

 そしてその点については、この場に居る数馬と弾にしても同じであった。

 そもそもISの始祖である白騎士という機体は全身装甲で作られていた。

 ソレを大胆にデザインし直し、現代のISの女性用という礎を築いたのが第一回大会でのドイツのISである。

 

「まぁ、白式のデザインをした奴も男が乗ると思って作ってないだろうしな。微妙な感じがするのは仕方ねぇよ」

「せやな。顔出しのデザインに関しては第一回のモンドグロッソでやらかしてくれたドイツって国が全部悪いわ」

 

 弾と数馬が言った。

 

 それからしばらく4人で一夏の戦いの様子を観察し、その日は解散となった。

 

「――今日はどうもありがとうございました。青峰先輩」

「あざっした!」

「いやいや、こちらこそ楽しかったでござるよ。弾君も数馬君もまた遊びに来ると良い」

 

 久しぶりに再会した数馬と弾。その2人の去り際に、秋斗はこっそりと懐中時計(レディ)を触れさせた。

 

「秋斗も元気でな? 後、もげろ」

「まだ言ってるよ、コイツ――。もうええかげんにせぇよ。弾」

「うるせぇな数馬。一夏だけならいざ知らず! 秋斗まで天才美人巨乳女科学者と同棲中とかいうクソ羨ましい状況を楽しんでやがるんだぞ! 俺達のこの差はなんなんだよ! 顔か?」

「――――顔は関係ねぇんじゃねェか?」

「モテる奴は皆そういうんだよ。チクショウ――」

 

 一夏がIS学園に入学すると決まった際。弾は心底羨ましいという慟哭を上げたという。そして此処へ来て、中学中退で現在放浪中である秋斗の近況を聞いて弾は再び慟哭した。

 

「弾君にもそのうち春は来るでござるよ。今は耐え忍ぶでござる」

「青峰先輩――――」

 

 聖者に救いを求める貧民のように、弾は青峰の言葉を恭しく受け取った。

 秋斗と数馬は不意に眼を合わせ、此処で弾に青峰にはドイツ生まれの美人でオタクな知り合いがいると言ったらどんな顔をするだろうかという悪戯心が芽生えた。

 しかし実行に移すのはまた別の機会にする事にした。

 

「それじゃまたな。親友」

「またな、秋斗君、部長!」

「あぁ。またなお前ら」

「また」

 

 帰る方向が同じという弾と数馬を先に見送った後。

 秋斗と青峰はその2人の背中が見えなくなったところで、視線を交わした。

 

「さて――――」

「皆まで言うなでござるよ秋斗殿。例のモノは既に出来ているでござる。本日中にデータは送信しておくから、帰ったら確認するでござるよ」

「了解。で、今度の奴ももちろん期待しても?」

「いつも通り、答えはもちろん(・・・・)でござるよ」

 

 元模型部部長――青峰清十郎は不敵な笑みを浮かべた。

 

「――――“ディープブルー(高速機動用)”、“スカイネット(対電子戦用)”、“メイトリクス(対拠点用)”、“マーフィー(対暴徒制圧用)”に続く、新しいナイトライダー専用の特殊兵装外殻。通称――“アルマゲドン(対小惑星用)”パッケージでござる」

「そいつは相変わらず……なんというか実に派手そうな名前だ」

「でも好きでござろう?」

「まぁ、な」

 

 対する秋斗も青峰と同様の笑みを浮かべた。

 ISナイトライダー。

 IS学園で幽霊と称されるそれは、実は青峰と秋斗の“二人”で生み出された代物である。

 機体のコンセプトは秋斗が、そのビジュアルのデザインは青峰がそれぞれ担当し、仮想空間内でのみ存在するそのISは、彼ら2人の趣味が多分に詰まっていた。

 ――――それ故に現実世界で再現しようものなら、それこそ国が傾くレベルの莫大なコストを支払う機体に仕上がってしまったのはご愛嬌である。

 しかしそれはそれ――――

 仮想空間の中だからこそ可能ならばと、その中に“無限”という己が思い描く究極を描く事にした。

 

「――――クラウドに新しい戦闘記録を保存しといたから、そっちも後で確認しといてくれ」

「楽しみにしているでござるよ」

「それは御互い様。――それより部長もそろそろ出撃してみないか? 見てるだけじゃ楽しくないだろ?」

「そうでもないでござるよ。ゲームを脇で見ているほうが好きという人間も一定数いるもので、拙者もその類でね。秋斗殿の戦闘記録を見るほうが多分、好きでござるよ」

「そうかい。なら、まぁ――――今度の奴も期待してくれ。それじゃ、また」

「あぁ、また――でござる」

 

 軽く手を挙げ、秋斗は独り雑踏の中に消えた。




ロックマンXで例えるなら、紅椿がZERO、ナイトライダーがエックス、白式はΣな感じかと……。

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