何か今年は嬉しいこと尽くしでよくよく舞い上がってるなぁと感じます。その分、悲しいことも多いんですけどね……
さて今回から女性限定大会編だ!
リメイクだけど、頑張っていきますかね!
『ワァァァァァァァァァァ!!』
歓声が勢い良く会場に鳴り響いた。
ここは
なんでも「ガンプラバトル専用に造られた大型施設」らしい。
その為、休憩スペース等にバトルシステムが設置されていて、容易にガンプラバトルを楽しめる場だ。
そんな大型施設「グランド・アリーナ」では、今日ここで、今までにない大会が開かれようとしていた。
――女性限定。つまり参加者全てが女性の大会。
ここで各部門毎に分かれ、その各部門にて一位になれた者だけが、ガンプラの聖地静岡市の駿府アリーナにて全国大会に出場出来る……と言うのだ。
部門はそれぞれ、
部門の説明としては、最初の二つの部門はそれぞれ名前の通り。
一方、
その大会の名は……「全国レディースガンプラバトルコンテスト」。
その大会に、二人の女子高生が挑もうとしていた。私立聖蘭学園高等科模型部の鷹野月母と七種真幸の二人である。
ひょんな事から生徒会長の不躾な命令で、二人戦部門に出場する事になっていた。
「やっぱりガンプラバトルの大会となると活気が違うわ。特に女性限定ってだけあってか男どもが五月蝿いわね」
「あわわわわわわわ、こ、こんなに人が多いなんて聞いてませんよぉ!」
ツクモは陽気にグランド・アリーナを見上げているが、打って変わって隣のマサキは怯えていた。「対軍恐怖症」は伊達じゃない。
「途中倒れそうで怖いです……」
「そんな落ち込まないの。さ、エントリーは先に済ませてあるから行きましょう?」
「は、はい!」
心配するツクモに背中を押され、マサキは戸惑いつつもアリーナの中に足を踏み入れた。
中は無駄に広く、様々な人で賑わっていた。外国人なども稀に見える。そんな内部を見てマサキは大層驚いていた。
「中ってこうなってるんですね、すごいです」
「私もこの会場には数回しか来たことないけど、ホントここは無駄に広いのよね〜」
ツクモと歩きながら天井を見ると、絶対に届かないだろうなと思う程高く造られていた。
「ねぇ、知ってる? このアリーナの高さって、丁度十八メートルで造られてるんだって」
「……え? それって、ガンダムと同じ高さですよね?」
「そうなの! 本当に凄いとしか言いようがないわよね!」
キラキラとした目でマサキを見ながら、控室まで歩くツクモ。その足取りは何故か若干速くなっていた。それを体感で感じていたマサキは、ふと疑問に思ってしまう。
「あれ? 歩く速度速くないですか?」
「ちょっと急いでるのよ」
「何でですか?」
「……ほら、私今日変装してないでしょ?」
「ですね」
そこまで言った時にマサキは察してしまう。
「成る程、ファンですか」
「そうなのよ! こんな所で押し問答なんてやってたら完全に遅れちゃうわ!」
仕事柄、時間には正確でいなければいけないツクモは急ぎ足で歩いていた。無論、ファンに囲まれるのが面倒臭いというのもあるが。
結局は早歩きで辿り着いた頃には肩で息をしていた二人である。このアリーナ内が異常に広いことだけあってか、迷い易かった為だ。途中、警備員のおじさんに会っていなければ、今頃二人共迷子だろう。……高校生の迷子とはこれ如何に。
「はぁ、はぁ、何とか間に合ったわ!」
「こ、こんなに走ったのは久しぶりですよ……はぁ、はぁ、はぁ」
走ってきた所為もあって夏でもないのに汗を掻いてしまった二人は、置かれてあったタオルで身体中を拭いた。
「服がこんなになっちゃった……」
「まあ走ったのが悪かったわよね……少し時間も余ってるし、乾かしちゃいましょう」
「え? どうやってですか?」
ツクモはどこからともなくドライヤーを取り出しては、コンセントに繋いでから服を脱ぐ。
「……って、何やってるんですか?!」
「え? 乾かすのよ。これが一番手っ取り早いでしょ?」
「いやこんな時に誰か来たらどうするんですか!」
「う~んと、セクハラって叫びましょうかしら」
「あ、そうですね」
何気に納得してしまったマサキも服を脱ぐが、自身の体付きを妙に呪うこととなった。
(ツクモ先輩、良いなぁ……私もあれぐらい大きかったら……)
でもそこは成長期、これから大きくなるのです。身長も、胸も。
取り敢えず下着まで乾かし終えて、リ○ッシュで消臭した後、まさに服を着ようとしたその時――
「おーい、様子はどう……だ?」
ユウキが笑顔で入ってくるも、余りにも場違いなテンションである。当の女子二人は生まれたままの姿であり、ユウキはそれを目撃してしまった。となれば、結末はただ一つ。
「「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
■
ユウキは今、完全完璧に拘束されていた。手錠に麻縄、鎖に南京錠と、何故そこにあったかは置いといて、かなり厳重に拘束していた。
「ユー、異議はあるかしら?」
未だ顔を赤くしているツクモは、引き攣った笑顔で言った。当然ユウキは死にたくない訳で、首を横に振って「NO」と答える。ツクモは「そう」と短く答えた後に、身構える。それはまさしくどこぞの格闘家の如き構え。
「昇○拳!!!」
そして謎の回転力を伴ったあの技で、ユウキを天井に打ち付けたのだった。
結果それでユウキは半殺しになったものの、何とか解放される。
マサキは顔を真っ赤どころか、顔から湯気が沸き立つ程に真っ赤にさせて
「マサキちゃん、ゴメンね。私があんな乾かし方さえしなければ……」
「いえ、だ、大丈夫です……私が取り乱さなければ……ひっぐ、見られちゃったよぉ……!」
「よしよし、全部ユーが悪いのよ。ユーがタイミング悪く来なければ、ね」
「理不尽だッ!」
ツクモの睨みを利かせる視線に対して、ユウキは嘆きながら復活する。
「俺は別にお前達の裸なんぞ見に来たわけじゃない! ただガンプラの不備が無いか再確認しに来ただけだ!」
「ユーってもしかして女の子の身体って気にならないタイプ?」
「何分ガンプラ一筋で生きてきた男ですから」
キッパリと言い切ったユウキに程々呆れる二人だったが、そんな時に空気も読まないアナウンスが流れた。
『さぁ! 今年から始まった全国レディースガンプラバトルコンテスト! まずは個人戦と二人戦から行くとしましょう!』
どうやら対戦相手の決定はくじ引き方式で、ランダムで決まる様子。実況係らしきお姉さんがまず最初の個人戦と二人戦の組み合わせをくじで決めた。――結果は、
『――個人戦は意外な結果になりましたが、二人戦はどうでしょう! ……じゃかじゃんっ! おおっ!? まさかまさかの、歌手業界きっての若手歌手! 今や世界中に知らない人はいない!
『ワァァァァァァァァァ!』
『そしてそのお相手は……っとお! じゃかじゃんっ! うへぇっ!? ななななんとこちらも若手で大人気の二人組アイドルユニット「ShineeS」の2人だぁぁぁ!!』
『ウォォォォォォォォォ!』
この結果に、ツクモが若干
「ウソ……初戦から私達って……しかもあの二人と!?」
「知り合いなんですか?」
マサキの質問にユウキがツクモに代わって答える。
「先輩とShineeSの二人は、片方が同期で、片方が後輩なんだよ。俺は二人を知ってるけど……赤い方には気をつけろ。猪突猛進な一撃離脱戦法を取ってくるからな」
「……う、うん。分かった」
マサキは赤い方と言われてツクモを見る。そう言えばツクモも赤いな、と。
時間も迫り、二人は会場へと赴く。ユウキも途中まで付いてきてくれ、「後ろから見守っててやる」と言ってくれた。
『さぁさこっちは
対面に立つ二人を見て、マサキはこっちも綺麗だなぁと思ってしまう。そう思うと自分が恥ずかしくて仕方なかった。
「さぁツクモちゃん! 今日こそ勝たせてもらうわよ!」
ビシィッと、人差し指で勢い良くツクモを指す少女。
「勝てると思ってるの? 私だって伊達にガンプラバトルはやってないし、それに貴女に教えたのはこの私だってことを忘れないでよね!」
《Press set your GP-Base》
照明が消え、周囲が暗くなる。それと同時四人はGPベースをセットする。
《Beginning [Plavsky Particle] dispersal. field4, base》
プラフスキー粒子が散布され、青い粒子が空気中に舞い始め、ファイター達をホログラムが包み込む。そしてフィールドが形成される。
《Press set your GUNPLA》
それぞれが各々のガンプラを台座にセットして、準備は完了。
『それでは! 全国レディースガンプラバトルコンテスト! 二人戦第一回戦第一試合! ……ガンプラバトルゥゥ、レディ? ゴー!!』
《BATTLE START》
「
「
「灯月母、ガンダムアストレアType-F! 出るわよ!」
「七種真幸、ガンダムアテナ! 勝利を切り拓く!」
一斉に飛び出した四人が戦う場所は――
「トリントン基地……?」
そう、機動戦士ガンダム0083 Stardust Memoriesの最初に出てきた連邦軍基地、トリントン基地だった。
「さぁ! 切り刻んであげるわ!」
そして、目の前から飛んでくるピンクと白のエクシアRⅡが、GNソード改を構えて突撃を仕掛けてくるのだった。