CINDERELLA GIRLS×GRP TOKYO Highway XTREME RACER's M@STER   作:アマネモ

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川島瑞樹:A ah yeah i know i know ! 0

 

 川島瑞樹。

 

「午前6:30の皆さん、おはようございます。

 「モーニング・ワイド・ニュース's」

 さぁっ、今日も1日が始まるわよっ」

 

 朝から昼は、ニュース・ワイドショー番組のアナウンサー。

 

「次のコーナーは各地のお天気予報ね。

 小山さ~ん今日は予報、当たります?」

「ボクの予報が当たらなかったのは昔の話でしょ!?」

 

 ゴールデン・タイムでは雛壇を彩るアイドル。

 

「今夜の「ミュージック・スターアリオン」

 ゲストにはこの方、川島瑞樹さんです~」

「こんばんは~ミズキの登場よ~」

 

 そして首都高では、346プロダクション第7部署のアイドルが集まって出来たチーム

「V・d!・D・b・s・s.」のリーダーである。

 

@

 

「尤も、チームがまともに活動しているわけじゃないのよね」

「ハナっから寄せ集めって言うか、とりあえずチームで括っといたってカンジだもんね~」

「結局何時でも集まるのは私と早苗だけ。

 はぁ~・・・」

 

 溜め息を吐きながら瑞樹はグラスをあおる。確認だが、中に入っているのはノンアルコールだ。

 

「コイツ以外に誰か居ないのかしら私って」

「第7部署はみんな忙しいからね~私達も含めて」

「そう言ってヒマな奴は地方局時代から結構見てきたけど、早苗はホントに忙しいハズだから言い返せないのがシャクだわ」

「ヒマは造るモノよ!」

 

 瑞樹から早苗と呼ばれた隣の女性、片桐早苗はそう言いながら右手に握ったジョッキを掲げる。くどい様だが、こちらも中身はノンアルコール。

 

 何しろ二人が飲んでいる場所は大井PAに設備されたノンアルコール専売の居酒屋である。

 

「あぁ~っ、いい時代になったものね!

 二日酔いの心配も無し!おまけに車まで運転出来るノンアルのビール!!」

 

@

 

「さっき

 「ヒマは造るモノよ!」

 とは言ってみたものの、確かに何時も2人だと寂しいわね~」

「・・・ねえ早苗、いいこと思いついたわ」

「お?」

 

 瑞樹は隣の席に置いていたカバンから手帳を取り出す。

 携帯端末全盛の世の中だが、ペンで紙に書く行為は中々に人間から排斥される事は無く、今日でもメモ帳や手帳がカバンの中に入っている人は少なくない。

 

「さて・・・。

 早苗、アンタの記憶力を試させてもらうわ」

「なにを突然!?」

「今夜、私達と同じ時間に此処を走れるヤツを探すのよ」

「あ~~、おっけぇ~」

 

 瑞樹と早苗が何時になく真剣な表情になっているが、やっているのは”絡み酒”ならぬ”絡み車”の餌食探しだ。

 

「留美!」

「経理関係でちひろサンのとこに出向いたわ。酒代増やしたければ自由にさせないと」

「瞳子!」

「トレンディードラマの撮影。夜景のシーンは夜にやらないとダメってね」

「真奈美サン!」

「ラジオのゲスト。今月の木場さんはもう埋まっているわ」

「シュガハ!」

「”センチュリオン21”へ出張ライブ。帰ってくるのは3週間後ってあったわ」

「ぐぬぬ・・・」

 

 チームのメンバーやワンダラーで仲のいいトコを出してみたが、ものの見事に全滅。

 

 因みに、シュガーハート(佐藤 心)の出張先で出た「センチュリオン21」とは1996年に経済水域内で出土した油田を中心に建設された海上人工都市である。2001年に完成し、翌年から一般市民の入植が開始された。現在では170万人が住む「首都」の一つである。

 

「楓!」

「礼子サンと志乃サンに連れて行かれる姿を目撃しております」

「てことは礼子さんと志乃さんもダメね・・・」

「あの人達はアルコールで動いているからね~」

「・・・東郷ちゃん!」

「薫ちゃん家に行ったわ」

「レナ!」

「マカオのカジノイベントに招待されたわ。今頃飛行機の中よ」

「うぅぅ~ん・・・」

 

 いよいよ瑞樹の脳内メンバーのストックが無くなって来た。

 早苗も考えてみるが、ここまでで思い当たる人がほぼ出揃っている。

 

「わかったわ。

 今回はダメみたいね」

「イイ提案だったとは思うんだけど・・・出した日にちが悪かった感じかな?」

「・・・えぇいっ。

 次は必ず、3人以上を集めるわよ~!」

「やっぱ人数は多い方が、って~っ!」

 

 そして、二人は居酒屋を後にした。今夜の会計は瑞樹持ちだ。

 

@

 

 

【挿絵表示】

 

 

「おぉっ!」

「川島瑞樹と片桐早苗だ・・・!」

「ヴィーディーディービーエスエスの2トップだ!」

「カッケ~」

 

「・・・アイドル時代より声援が多い気がするのは気のせいよね!」

「まあ悪い気はしないでしょ」

「えぇ!」

 

 PA居酒屋から二人のマシンまでは20mも無い距離だが、生憎二人とも知名度が高い。

 それでもサイン攻めの様な事が起こらないのは、首都高サーキットを利用する走り屋達が定める暗黙の了解に他ならない。どんな役職の人でも、ここでは一人の首都高ランナーである。

 

「さてと」

 

 早苗が胸ポケットから取り出したのは首都高では珍しい愛車のキーレス・エントリーだった。

 

「今夜もハジケるわよ」

 

 早苗がキーレスのボタンを押すと、「ピッ」と言う音の後に目の前から爆音が鳴り響く。

 3.4Lまで排気量の上がった直列6気筒ビッグシングルターボの、破壊的だが整ったアイドリングがそのマシンの調子を主張する。良好、と言う主張だ。

 

「「「おぉっ!」」」

 

 その音に観客もつられてこの場に居る者達の視線が集中する。

 視線の先に在ったのは、冗談なまでに改造の施された二人の愛車。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「片桐早苗の「S900 "MADCOP"」と川島瑞樹の「SN95'00RSM」だぜ!」

「ドっ派手!」

「”あの”「S900」を更に弄った早苗さんSPLと、元純レーシングカーを首都高用にモディファイした川島さんSPLだもんな~スゲェよ・・・」

 

「相変わらずね」

「パーキングで目立たないでドコで目立てと?」

「はいはい、わかったわ」

 

 瑞樹も自らのマシンに乗り込み、ミサイルスイッチ式のスターターを押す。

 珍しくDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)方式が採用されている4.6LのV8、レース用に弄られたスーパーチャージドエンジンは日本では余り聞く事の無い独特なサウンドを奏でる。

 

<さ、て、と。

 どう行こうかしら?>

<今夜は、そうね・・・西!>

<おっけ~>

 

 そして、瑞樹と早苗は今夜の大井PAから姿を消した。




Non chapter EPISODE story movie

「ストーリームービー」が記録されました

NEXT…

@

「ノンチャプターエピソード」川島瑞樹(片桐早苗)編

「A ah yeah i know i know !」

瑞樹と早苗が346プロに所属する20歳以上のアイドル達をメインターゲットに”絡み車”をするエピソードシリーズとなっている。

346プロダクション所属アイドル。
詳しい紹介は「キャラクター&マシン」で行う。

川島瑞樹:所属する第7部署のアイドル達で結成されたチーム「V・d!・D・b・s・s.」のリーダーだが、メンバーが滅多に集まらない状況を何とかしようとしている。
愛車のSN95'00RSMは、元純レーシングカー。
片桐早苗:「V・d!・D・b・s・s.」の結成以前から瑞樹とつるんで首都高を走っている。シリーズドラマ「MAD COP/28」の主奴を務めており、本来とてつもなく忙しいハズ。
愛車はS900のオリジナルカスタムカー"MADCOP"。

@

作中の世界観は所謂パラレルワールドであり、幾つか現実とは違う歴史を歩んでいる。
その中でも特筆の出来事は、1996年に経済水域内で出土した大規模な「油田」であり、ここからこの世界は現実との世界観の剥離が濃くなったと言ってもいい。

これ以上の詳しい説明は「用語集」で行う。

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