CINDERELLA GIRLS×GRP TOKYO Highway XTREME RACER's M@STER 作:アマネモ
MOONSIDE AFTER 15:46
美世が正式に346プロダクション第13部署の、所属アイドル候補生となったその日の午後。
13部署に所属するアイドル達と、担当Pの黄間は事務所内のガレージに集っていた。
黄間曰く「ちょっとしたモンが一式」らしいが、明らかにその範疇を超えた充実度だ。
何故か喫茶コーナーまである。
「で、周子ちゃんはまだクルマを持っていないと」
「うん。
ライセンスは持っているからたまに奏のを運転したりはしているんけどね」
「そうね、周子の運転は意外と丁寧よ」
「ふんふん。
で、そんな周子ちゃんはどんなのが欲しいの?」
「う~ん」
唸りながら周子は目前に整列したアイドル達のクルマに指差す。
黄間の愛車、冷たい白色のA70は前期型の3.0Lエンジン仕様。
奏の愛車、ミッドナイトブルーのFC3S。
フレデリカの愛車、純正ではないイエローのFD3S。
志希の愛車、EVOⅣのクーペモデルカスタムカー”ASTI”はワイン系のツートン。
そして美世のR33、赤色が映える。
周子が指したのはA70とFCの中間だった。
「フレちゃんフラれちゃった」
「指している指が遠いにゃ~」
「あんな感じで、二人のとは違うエンジンが良いかな」
「リトラクタブルでレシプロエンジンなら候補は多いよー。」
「シューコちゃん分かんない~ん」
そこに席を外していた黄間が戻ってくる。
「ガレージ側と話は付けてきたから、荷物移動出来るぞ。」
「やった!
・・・でもここの設備で十分かも?」
「要らないのは何らかの形で処分した方が良いぞ。」
美世と黄間の会話に興味を持ったやや席から乗り出して志希が質問する。
「ちょっとした疑問だけど、美世ちゃんの荷物ってどんなモンなの?」
「そんな、たいしたことないよ。
こっちに来た時とりあえずで集めたものだから・・・」
「と、コイツは言っているがな・・・!」
黄間がテーブルの上に差し出したのは美世のガレージにある荷物のリストだった。
全員が1枚の紙に注目する。
「ちょ!」
「エンジンクレーンなんてどうやって調達したんだ?
リストの名前だけならチューニングショップと大差ないぞ」
「確かに・・・」
「ハイ!」
「何だ志希?」
手を挙げて発言権を得たのは志希だった。
全員が視線をテーブルの紙から志希へ替える。
「・・・じゃホントにやるってのは?」
全員の頭上に「?」が浮かぶ。
「やるって・・・何をなん?」
「フレデリカ的流れからだと、チューニングショップ?」
「それでもいいけどー、とにかくここを生かしたものがしたいんにゃ」
「「「「「成程・・・」」」」」」
「首都高がサーキットになって16年、C1GPも今年で10年。
だったよね、プロデューサー?」
「そのぐらいだったはずだ。
そして765プロのアイドル達が首都高レーサーだった事が発覚して以来、アイドル達には空前の走り屋ブームが到来。346でもやっている奴は多いし、何せ規模がデカいから相対的にもナ」
「今の時点で15部署あるんだっけ?」
「別な部署のアイドル達に、サービス価格でダチャーンの整備を提供するん?」
「金儲け目的じゃなくても、私も他のアイドルのクルマは気になりますね!」
「美世はR以外のクルマも出来るの?」
「知識は一応あるんで、あとは経験かな?
ロータリーとかやってみたいんです!」
「やるんなら私のはダメ、もう専属がいるから、ね」
「奏さんの弄って見たかったー!」
志希にとっては何げない一言だったかもしれないが、そういう事から物語は動く。
「ほんとにやるの!?
にゃっはー!おんもしろそぅ!」
「やるとしてもほどほどにな。
お前は一応アイドルを目指しているんだろう?」
「解っていまーす!
でもそうと決まればプロデューサー、速く私の荷物取ってきましょ!」
「オィ引っ張るなよ!?」
意気揚々とガレージを後にする美世と、彼女に引っ張られながら付いて行く黄間を見ていた他の4人は、其々にほぼ同じことを考えていた。
「あたし、いますっごく面白いトコに居る気がするん♪」
「フレデリカ的にもそう思う!すっごいフンフンフフ~ンな感じ!」
「こういう空気の匂いはとっても好き!ナニか始まるって感じがプンプンするにゃ!」
「そうね、たった今物語が始まったわ。」
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そして時に、複数の物語が同時に始まる事も、ある。
story completion movie NEXT…
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「ストーリーモード」が本格的に始まる際の最初に入るムービー。
今作のストーリーでは、美世が整備を請け負ったクルマのアイドルがメインになるストーリーが多い形を取っている。