CINDERELLA GIRLS×GRP TOKYO Highway XTREME RACER's M@STER 作:アマネモ
『これで・・・良かったのかな・・・?』
『良くなるか悪くなるかは、私達が決めることじゃないな』
『そう・・・。
私達はまだ止まれない。止まる訳には、いかないから・・・!』
『何時になく気合入っているなリンは』
『あら、ナオだってこんなに髪の毛ぴょこぴょこさせて♪』
『やっ、やめろよカレン~!』
『ほら行くよ、ナオ、カレン。
私達が作る、蒼穹の道をね・・・!』
<<「Trancing Pulse」 The End>>
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「はぁいカット~~~~~~~~~!
以上でアガリになりまーす、おつかれさーん!」
「有り難うございましたー!」
「ふぅ――っ、終わったァ・・・」
「あとは製作スタッフ任せ、か・・・。
やり切ったね、加蓮、奈緒」
渋谷 凛、北条加蓮、神谷奈緒の3人で構成されるユニット、「トライアドプリムス」。
第12部署、通称「シンデレラ・プロジェクト」から派生する他部署に所属するアイドルとの合同プロジェクトとして最初に結成されたのがこのユニットである。
ただ、加蓮、奈緒の両名には所属している部署は無い。強いて言えば、346プロダクション本社に所属するアイドルである。
「これで私達も「シンデレラ・プロジェクト」のメンバーかな?」
「そうなるかもね。
でも、プロデューサー、その辺の事は言わないから・・・」
「コッチのプロデューサーもだよ。
ったく、そういう話がイチバン重要だってのになぁー」
先程まで3人が収録を行っていたのは、このユニット「トライアドプリムス」を最大限に売り出せる346プロダクション製作のSFアニメーションである。たった今最終話の最後のセリフ部を撮り終えた所であり、これに映像が付けば現在平均視聴率30%越えとも言われている作品が完結する。
この作品の成功はユニットの成功ともいえるモノであり、加蓮、奈緒の二人が正式に第12部署に配属されるという事になる可能性は十分にある。
「よぉー、お疲れサン!
今のでクランクアップ(撮影終了)か?」
「そーだよプロデューサー。
どうだった、私達3人は?」
3人に駆け寄ってきた男は、凛の担当プロデューサーである弐内では無かった。
「良かったぞ。
素人の俺が見ても絶対良いのが出来たって確信があるな!」
「なんだよそれー!」
好青年、という言葉を人にしたらこうなる。とでも言えそうな、そんな男。
強いて言えば、誰かさんを男にしてとても健康そうにした感じ・・・?
「もしかして見惚れちゃった?
自慢のお嫁さんが、こんな普段絶対着ない様な格好してカッコ付けているのを見・て♪」
「加蓮!?
ちょ、そういうのじゃないって!」
「マリノは分かり易いの、奈緒みたいにねっ」
「流れ弾ッ!?
ていうかいい加減に話の流れから判れよあたし!?!?」
加蓮と奈緒のプロデューサーを務めるその男の名は、北条真理乃(ホウジョウ マリノ)。
旧姓は金沢と言い、加蓮の遠い親戚であり、幼馴染であり、Pであり、そして婿でもある。
因みに彼のプロデューサーとアイドルと言う関係では、奈緒の方が長い。
「渋谷さんも、ウチの二人と組んでくれてありがとうな
まだヒヨッコだからさ、わからない所もあっただろ?」
「いいよ、私が決めた事だし。
それに、二人とはこれからも仲良く出来ると思うから・・・」
この凛の発言にリアクションを示したのは奈緒だった。
「良いのか!」
「え、そんな驚かれる・・・??」
予想外の驚かれ方に、凛も頭に疑問符が浮かぶ
「いやぁ~。
だって最初見た時とかめっちゃ”私はアイドル、何か文句ある?”ってカンジでさ。
なんか”仕事の切れ目が縁の切れ目”って~雰囲気あったんだよね・・・」
「私はそこまで思っていなかったけど、芸能界じゃやっぱり凛が一番先輩でしょ?
コレが終わって今の関係でいられるか・・・とかは思っちゃった」
二人の告白を聞いた凛には思い浮かぶ姿があった。
(私ってどうも”そういうカンジ”を放っている傾向があるのかな・・・)
卯月と未央。
「シンデレラ・プロジェクト」のスタートユニットであるニュージェネレーションズで、最後にメンバー入りした自分に対して、二人にこういう心境を抱かせていたのか・・・だから・・・?
(もう解決した、過去の話・・・”私達はまだ止まれない”)
凛は、先程自分が演じる主人公が言い放ったセリフを、心の中で自分に向けて言い放つ。
「じゃあ、もう少し仲良くなってみよう」
「イイね~。
まだ世間に放映されていない、私達のアニメの完結を祝して秘密裏に・・・へへ・・・」
ひとり勝手に浮かれている奈緒を見た加蓮は冷静に、この間の彼女の発言を思い出す。
「奈緒、まだ映像が出来ていないから完成じゃないってこの間言ってなかったっけ?」
「・・・まぁそんなこと言ったなあたし」
「渋谷さん、遅れてしまいました」
「遅いよ、プロデューサー」
絶妙な二人の掛け合いを見ていた凛の背後に、プロデューサーの弐内が現れる。
真理乃と比べるとかなり強面な風体もあり、さながら凛の守護神の如き風格を見せる。
「撮影は無事終了。
この後に予定は無かった筈だから、あの二人と付き合っても良いよね?」
「構いませんが、怪我等の無い様にお願いします」
「当然。アンタよりは自分のコンディションは解っているつもりだから」
弐内は察していた。
3人で繰り出す場所の事を。
この撮影スタジオは、平和島PAを下りてすぐの場所にある。
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「じゃちょおっと遊んで来るね、マリノっ」
「加蓮~気ィ付けろよ~、無茶すんなよ~、安全運転でな~」
「おーけ~おーけ~♪」
「行くぞ~加蓮~」
「分かった分かった~!」
3人は若干急ぐ様にPAに消えて行った。
「体力あるよなァ・・・」
「えぇ、私もそう思います」
「・・・ヌッっと現れると心臓に悪いぜ・・・?」
「善処します・・・」
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「さぁ~てやるぞー!
今日はぜってー負けないからなぁ!」
「何度聞いたセリフだか」
「奈緒はフラグを立てるのがウマいからね」
「なんだよそれー!?」
PAには3人が乗る愛車が綺麗に3台横並びで駐車されていた。
「今回こそ加蓮にランチ、奢らせてやるからなー」
「お、今回もそれやるの?
奈緒様ごちそー様でーす」
「てことは今回もあそこまで?」
「違う違う、ファスト・フードも良いけどさ。
今回あたしらはパーッとやるんだよ、ホラ」
奈緒がポケットから出したのは飲食店のクーポンチケットだった。
流行の安い、多い、美味いの定食チェーン。名前を「高槻亭」と言う。
オーナーは3人もよく知っている、765プロダクションの元トップアイドルである高槻やよい氏その人だ。
「なんだ「高槻亭」か」
「いつものバーガーと同じ値段で2倍は食えるんだぜ!?
こういうので祝わないと」
「私は構わないケド・・・」
「普段はあんまり行く店じゃないけど、イイかもね。
よしそこに行こう!」
3人はそれぞれのクルマに乗り込む。
「一番近いのは芝公園の店舗だな。
・・・SPバトル2回位か?」
奈緒のマシンはAW11。彼女がライセンスを取得するより前に購入したマシンだ。
「SPだと3回もあるんじゃない?」
凛のHCR32は変わらず。この間美世に整備してもらったばかりで調子がいい。
「さぁさ、早く行こう行こう!」
加蓮はZZT231だ。淡い水色のマシンにはスポコン仕様のエアロが組んである。
<二人ともシートベルトは締めた?>
<OK!>
<こっちもおっけ~>
<よし、じゃあ行くよ!>
Main EPISODE story movie
「ストーリームービー」が記録されました
NEXT…
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「ストーリーモード」第1章最後のメインエピソード
「Do you know venus ?」
ストーリームービーから始まるメインエピソードであり、ユニット「トライアドプリムス」の3人がバトルを開始するまでのムービーである。
このムービーの後、連続して3回のSPバトルを行う事になる。操作キャラクターは選択可能で条件は「2回以上の勝利」である。
346プロダクション所属アイドルと担当P。
詳しい紹介は「キャラクター&マシン」で行う。
北条加蓮:かつて病弱だった少女は想い人にその命を託し、今アイドルとして此処に居る。
愛車はZZT231のスポコン仕様。
神谷奈緒:漫画に影響され、ライセンス取得より先に愛車を購入した過去がある。そのクルマこそAW11。
北条真理乃:加蓮をトップアイドルにする為にPになった男。気が付けば加蓮がハンコの押された婚姻届を握っていた。