CINDERELLA GIRLS×GRP TOKYO Highway XTREME RACER's M@STER 作:アマネモ
「レイナ!
お前に悪事をさせる訳にはいかない!」
「ハッ!
アンタに止められるンなら、止めてみなさいよぉ!!」
「・・・たしか麗奈ちゃんの方が落とし穴に落ちたと記憶しているのだけど」
「私もそう思いますケド・・・」
「このノリじゃもうどうでもいいンでしょ~」
呆気にとられる美世と奏、志希に比べて晶葉は冷静だった。
否、むしろこの状況は彼女が作り上げたといって正解だろう。
「蘭子、来い」
「この混沌の中、我を呼ぶとは余程の何事か。
<<え、わっ私に何かあるのですか?>>」
「そうだ。
折角だから、次のステップに進んでもらおうと思ってな」
「我の覚醒・・・Erweckungを促すのか?
<<次の、ステップですか・・・?>>」
すると晶葉は美世と奏、そして志希も呼び、改めて研究所内を案内する事にした。
「<<ヒカル、ハカセ達はラボに行きましたよ>>」
@
「うぉっ」
「今夜は来客に備えていなかったから、少々雑然としていて済まない。
それと、一応依頼者のクルマ達だから触らんでいてくれよ」
「そう言ってもアキハちゃんの部屋っていつもコウじゃん~」
「でも多分アナタ程じゃないと思うわ」
晶葉の研究所内は様々なマシンが製作途中で放置されており、其々のパーツがあまり整えられる事無く置いてあった。幾つかのパーツは床に置いたままで、恐らく組み付けの最中だったであろう物まである。
「道中でも言ったが、これでは一般商売には通用しないだろう?
だからあくまでも”研究”の一環という体裁を繕っている、と言う訳だ」
奏が足元を見ると、エキゾーストマニホールドが無造作な姿を見せている。
「たしかに、これじゃ他の人には見せられないわね」
「そう言ってもらえると助かるよ・・・」
その奥にはタービンまであったが、奏では自分の眼を一瞬疑う程の大きさだった。
流石に理解が追い付かず、美世に話し掛ける。
「ねえ美世、見た?さっきのタービンだけど・・・」
「ん?あぁ見たよ。
恐らく1000馬力級のヤツだね。あそこまでデカいのは私もネットでしか見た事無いよ。
シャシーダイナモも見えたから、・・・1000行くんだろうね・・・」
「アイツはちょっと入手に苦労したんだが、お陰でイイのが出来そうなんだ」
「あ、聞こえていました?」
「ここは音響面で特殊な構造をしているからな。
と、コイツだ・・・」
そして、研究所の奥にそのクルマはあった。
「さて蘭子、これが次の、お前のマシンだ!」
「「「!!!」」」
掛けてあるカバーを晶葉が勢い良く取り払うと、そこに居たマシンは・・・。
@
「勝負は池袋線1本。
シンプルに行くわよ!」
「望むトコロだッ!」
麗奈と光は晶葉達が研究所内に入った後、レースで決着を付ける事にした。
2人は様々なPAで出会っては何かと喧嘩して、最後はレースをするのがお決まりである。
お決まり過ぎて、一連の流れはファンから「即席ヒーローショー」とも呼ばれているが、本人達は至って大真面目だ。
「<<ヒカル>>」
「ん、何だいRX?」
「<<ラボから一台、クルマが来ます>>」
「ほぅ」
「<<私がこれまでのデータから考えるに、このバトルの邪魔をすると思われますが?>>」
光の相棒、「FD3S ”KNIGHT RX”」にはドラマと同く晶葉謹製の人工知能が搭載されている。名前は「RX」、性別は女性だ。
流石に劇中の性能にこそ及ばないが、クルマに搭載された人工知能としてキチンと機能している時点で、池袋晶葉の技術と才能の素質を感じるには余りに十分だろう。
「博士の事だ、邪魔と言ってもこのバトルそのものを阻止する様なモノじゃないんだろ?」
「<<ええ、恐らく>>」
「まぁ、あのハカセの事だからロクなモンじゃないのは確かでしょうね・・・」
自分のクルマに人工知能は搭載されていない為、ちゃっかり麗奈も”二人”の会話に混ざる。
まったくの余談だが、ドラマの中では麗奈の方がRXと仲が良い。
「さぁ、鬼でも蛇でも出てきなさい!
このレイナ様が、コイツ共々ブッ飛ばしてあげるわ!」
「言ったな~~~~~~~~~ッ!」
「否。
このmachineは”ARMORMAIL”、我の「鎧」なり!!
<<鬼でも蛇でもありません!
このクルマは、私の「鎧」です!!>>」
先程光が登場した時の様に、今度は蘭子のマシンがライトを光らせやって来た。
「なっ、何あれ・・・!?」
「後ろが長くなっている、だと・・・!」
光の視線は鋭かった。
蘭子のニューマシンは車種こそデルソルのままであり、カラーリングもほぼ変わっていない。
だが、そのフォルムは既にEG1delの物ではなくなっていた。
@
「鎧、か・・・。
V6を縦置きにした分の延長したホイールベースとフェンダーは、確かに鎧だな」
蘭子に遅れて、晶葉達も研究所から出てきた。
「あの2台でテストする為にわざわざこのステージを繕ったわけ?
だとしたらアナタは、中々に悪人なのね」
「褒め言葉、と受け取っておこうか。
あの二人のマシンは私の中でも自信作だ。テスターとしては十二分だよ。」
「で、本当に私が蘭子ちゃんのトナリに乗るんですか?」
美世は先程、晶葉から蘭子のマシンに同乗する様に言われていた。
「そうだ。
蘭子の素質は本物だが、あのマシンに乗るのは初めてだからな。
今回は試験投入で、後はこのテストで得たデータを基に詰めていくよ」
「ねぇ、私達はどうするの?
ここで大人しくお茶するのも、私はいいけれど・・・」
奏が晶葉の前方を見ると、志希が麗奈と絡んでいた。
どうやら志希は麗奈のマシンに同乗するらしい話をしている。
「それを御望みなら生憎だが、私達も追うぞ。
蘭子に頼んで、デルソルを貸して貰った」
晶葉が見せたのは十字架、ではなくデルソルのイグニッションキーだった。
「・・・もしかして、私が運転するのかな?」
「先に言わなかった事は謝ろう。
ライセンスは持っているが、私ではアレを操れん。
一応、データ取りの為にモニターを見なければならないという言い訳付きだ」
「しょうがないわね。
でも、もし何かあっても責任は取れないよ」
「当然」
@
「うぉ!?」
「何だあのマシンは!?」
「スゲェのが来たぞ!!」
北池袋PAに4台のマシンが集う。全て池袋晶葉の作品だ。
「さて確認よ。
スタートはここを出てから、ゴールはC1外回り合流までのRSバトル。
分かったわね光、蘭子!」
「当然だ!」
「既に心得ている
<<解っていますよ!>>」
「で!
博士達のはバトルに参加しないのね」
「そうね。
邪魔が来ない様に殿を務めさせてもらうわ」
美世と晶葉はPAに止められた4台のマシンを眺めていた。
「それにしても言い表せない凄さを感じますね。この4台」
「まあどれもまだ試作だがな。
だが、私としてもかなり気に入っているよ」
「テレビで見るのとほぼ同じだからな~。
”即席ヒーローショー”は見た事あったけど、マシンまで細かくは見れなかったもの。
特にあれ、”The Wraith”!」
美世が指したのは麗奈のマシン、「SW20 ”The Wraith”」だった。
「SWの外装が一切使われていないから何がベースなのかさっぱり判らなかったよ。
SW20って聞いたから尚更ビックリでー」
「アレは中身も凄いぞ。
4気筒からツインターボで600馬力だ。
まぁ劇中の様に流体金属で銃弾も効かない、とまでは行かないがな」
今度は晶葉が光の”KNIGHT RX”を指す。
「あっちのナイトは自信作だ。
人工知能もそうだが、エンジンも良いんだぞ」
「どれ位出ているんです?」
「2ローターをブリッジポート化して、ブースト1.4キロから700を超えるぞ。
私の想定より出力が上でな」
「それはきょ、強力っすね・・・」
「アキハちゃん相変わらず機械系はホントに得意だね~。
志希ちゃん見習いたい!」
麗奈の”The Wraith”から降りた志希が2人に近づく。
「それじゃあ~。
アノ新型蘭子ちゃんはどの位なのカナ?」
志希が指したのは当然、蘭子が乗る新型のデルソルだ。
「気になりますね。
いちおー私もコ・ドライバーをやるからにはビビっていられませんし・・・」
「ああそうだな。
アイツのエンジンは以前のとほぼ同じだが、排気量とブーストの上限を上げている。
ダイナモ上では900馬力出ていたがそうだな・・・890馬力は保障しようか」
「そんな数字保障されても・・・」
「そこの人達~~~~~~。
始めるわよ!」
Main EPISODE story movie
「ストーリームービー」が記録されました
NEXT…
@
「ストーリーモード」第1章中盤のメインエピソード
「She met a ...」
メインイベント前のムービーでようやく3台が披露される。
南条 光はFD3Sがベースの”KNIGHT RX”。人工知能を搭載している。
小関麗奈はSW20ベースの”The Wraith”。外装は全て晶葉のオリジナル。
そして神崎蘭子はEG1delのニューバージョン。その名も”ARMORMAIL”。
346プロダクション第8、第9部署の所属アイドル(候補生)
詳しい紹介は「キャラクター&マシン」で行う。
第8部署
池袋晶葉:蘭子を始め、様々なアイドルのマシンを手掛ける。ライセンス所持。
南条 光:ドラマと同じマシンで首都高を走る。愛車はFD3S ”KNIGHT RX”。
小関麗奈:ドラマと同じ様に光と喧嘩している。愛車はSW20 ”The Wraith”。
第9部署
神崎蘭子:首都高最強を目指す傷付きし堕天ノ使い。愛車はEG1delのMRカスタム。