斬撃増やそうぜ!お前TSUBAMEな!   作:モブ@眼鏡

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初投稿から2年かけてセイバー召喚するSSがあるらしいッスよ?(すっとぼけ)

 

 大英雄を退けた士郎一行は、曇天の下ライダーの仔である天馬ペガサスにきちんと乗り直して慎二の住む間桐邸へと移動していた。

 

 なにせ士郎の武家屋敷は件の狂戦士との戦いで倒壊してしまったし、それ以上にまだ士郎に異様な執着を見せる白い少女があの場に居残っているとなると、余計に戻る気が失せるというものだった。

 

「それで、お祖父様との交渉は自分でやってもらうけど、そこんところは了承してね。というかあんまり僕が話したくないからさ」

 

「ああ、分かってる」

 

 そうこう言っている内に、間桐邸の入り口に辿り着いた一行は、まるで何事もなかったかのように玄関の前に立った。

 

 間桐臓硯への本格的な協力要請。馬上にて慎二が提案しつつも、決して勧めることはなかった案の一つである。しかし、意外なことに士郎本人は乗り気であるようだった。

 

 慎二の曰く、あの妖怪へ至って大真面目にそんなことをしようとする奴がいるとは思わなかったとのことである。

 

「……はぁ」

 

 知らず、士郎は重い息を吐き出した。士郎にとって、友の住む古ぼけた洋館はどうにも不気味に映った。なにやらイヤな感じがするのである。具体的には生理的嫌悪が近い。

 

 固有結界による■■■■■との同調が解かれた今、士郎の人間性(かんじょう)が僅かながら取り戻されていたが故の弊害だった。

 

 しかし、後ろでニヤニヤしている性悪どもの手前、臆するわけにもいくまい。士郎は仕方なく、重々しい木扉に手を掛けた。瞳に不満を滲ませながらちらりと振り返ると、慎二の更に後ろで控えるライダーが軽く吹き出した。慎二は慎二で半笑いのまま堪えるように黙りこくっている。

 

「慎二、とりあえずそのにやけ面をやめてくれないか」

 

「おっと、これは失敬。いやー、でも相棒の困り顔は需要あると思うよ。なぁ、ライダー?」

 

「えぇ、普段は鉄面皮の殿方がふとした拍子にそのような表情(かお)をする、というのは中々………」

 

 あぁ、ギャップ萌えと言うのでしたっけ? 惚けた様子でライダーが嘯くと、正しくその通りだと言わんばかりに慎二が笑った。年相応の、悪ガキぶった純粋な笑みだった。

 

「ええい、とりあえずは今代間桐家当主と面会する、それで良いんだな?」

 

「応ともさ。家のお祖父様の協力が取り付けられりゃ、ほぼ勝ち確っても過言じゃあないよ?」

 

「………実際に見てから判断する」

 

「うん、しっかり見ておきなよ。じゃなきゃ喰われるだけさ」

 

 道中、慎二はどこまでも軽い調子で、魔術師というものがどういうものか士郎に説明していた。勿論、実際の魔術師にはほぼ触れたことがない士郎に、その危険性を伝えておくためだ。軽い口調も、あくまで理解しやすくするためのものに過ぎない。

 

 尤も、自分が魔術師だったらこんなことはしなかったのだろうが………。そこまで考えて、慎二は思考を切った。それ以上は無駄な妄想に変わりないからだ。

 

 士郎が重厚な木製の玄関を開くと同時、待ち構えていたかの如く暗い廊下から小柄な老人が現れた。

 

 目には爛々とした火が灯り、背筋は地に突き立った鉄芯の如く真っ直ぐ。歩調は静かなれど厳粛で、五百年以上続く名家の矜持が体現されたかのようだ。これほどの存在感、なるほど正しく怪傑という言葉に相応しいだろう。

 

 翁は士郎を一瞥すると、ニタリと口に弧を描かせた。合点がいったとばかりに頷いて、口を開く。

 

「さて、お初にお目にかかる。衛宮の倅………いや、士郎君、と呼んだ方がいいかのう?」

 

 重い言葉だ。先の一瞥で、こちらの事情は見抜かれたらしい。いや、もうその以前から見ていたのか。

 

「初めまして。慎二のお爺さん、間桐臓硯さんですね。今回はよろしくお願いします」

 

「おぉ、礼儀正しい子じゃな。最近の子供たちは挨拶もろくに返してくれんでのう。ちょっとばかし寂しかったんじゃ」

 

 やっぱりこの見た目がいけないのかのぅ、と反応に困る言葉を発する老体に若干のもどかしさを覚えつつも、士郎は会話を進めた。

 

「いえ、有り難う御座います。それで────」

 

 どうにも、掴みづらい御仁だ。そんなことを頭の片隅に浮かべつつ、さっさと本題に入る。ここで時間を取られるのは、士郎の本意ではなかった。

 

 相変わらず、後ろの慎二とライダーは半笑いでこちらを見つめているだけだった。

 

「そうじゃな。しかし、こんな場所でお客人を引き留めるわけにもいくまい。応接間へ案内しよう。ついてきなさい」

 

「お心遣い感謝します」

 

 先を行く小さな背中は、まるで巨木のようだ。ゆったりとした足取りを追い、木の茶色を基調とした質素ながらどこか気品を感じさせる応接間に辿り着く。いつの間にか、慎二とライダーは消えていた。

 

「そこに座りなさい」

 

「………失礼します」

 

 対面に翁が座るのを待ってから席につく。ここからは、裏の話だ。

 

 スゥ、と深呼吸をして、静かに口火を切る。

 

 永きを生きる怪人は、そんな士郎の瞳を懐かしげに見つめていた。

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「それで、宛は当たったのかい?」

 

「あぁ。なんとかって所だ。召喚陣もとい工房の一部利用権、状況精査用に使い魔の派遣、その他魔力補助用礼装の貸し出しが主なものだな」

 

 大まかな内容を告げると、慎二は目を丸くした。これほどの支援を受けられるとは露ほどにも想定していなかったのだ。

 

「………なぁ、それマジの話なのか。対価は?」

 

「………言えん。そういう契約だ。何より、俺が言いたくない」

 

 何時にもなく真剣な表情の慎二に対し、微妙な表情で返す。道中での曰く、魔術師との契約は等価交換が絶対らしい。場合によってはその対価が『命』とされるほど重い場合もザラだとか。その上、士郎が取り付けた協力は、破格と言っても過言ではない。必然、その対価はとてつもない物へなる筈だが………。

 

「安心しろ。そう大したものじゃない」

 

「相棒、それ一番信用ならんやつだよ」

 

 思わず呆れ顔が飛び出した。無論ながら、これで信用できるはずもなく。

 

「真面目な話だよ、相棒。それで万が一、あぁそうだとも万が一だ。『お前が僕を裏切る契約を交わしていた場合』、僕は君を殺さなくちゃならない。それだけ『やらなきゃいけない事』が僕には残ってる!」

 

 鬼気、そう呼ぶに相応しい。言葉を紡ぐにつれ、怒気と決意と覚悟の入り雑じった悪鬼の如き形相がより強まる。

 

 その理由は────

 

「────桜、か。そこら辺の事情も翁から少しだけ聞いている。だが、まぁ、それは今話すべき事じゃあない」

 

 それを、軽く流した。その程度、なんでもないと言わんばかりに。それを聞いた慎二は途端に表情を渋くした。相変わらず頭の回転が速い。

 

 まぁ、つまり、絶対裏切らないし裏切れない保証が士郎にはあったので。

 

「ほら、セルフ・ギアス・スクロールだ。焦るのは解るけど、頭脳労働担当が冷静さを失っちゃ終わりだろ?」

 

 尤もである。本人が自負する所である本分を、当人が忘れ去るのでは世話もない。

 

「………あぁ、そうだね。らしくなかった」

 

 慎二は軽い頭痛を覚えながら提示された書類を見つめる。口頭で既に対価は交わされたとのことを先に士郎が言うのをどこか疲れた様子で聞き届けた慎二は、スクロールの内容に目を落とした。

 

 諸々の条件はあるが、やはり目に付くのは『衛宮士郎及びそのサーヴァント、またその協力者は間桐慎二及び間桐桜に危害を加えることが出来ない。』の一文である。

 

「とりあえず把握はしたよ。後は召喚を滞りなく行ってもらう。触媒は……相棒が持ってるわけ? 触媒になるような聖遺物を?」

 

 訝しげな様子で尋ねる慎二に、士郎は曖昧な笑みを浮かべるばかりで答えようとしない。

 

「臓硯さんに口止めされててな。こっちはホントに言えないんだ」

 

「土壇場で相性召喚とかやめてくれよ……?」

 

「そこは安心してくれ。きちんと準備してあるからな」

 

 そう言って一体どこに隠し持っていたのか懐から剣の鞘らしき華美な装飾の施された物体が取り出す。たしかに、慎二の目から見ても強烈な神秘の香りを残す代物である。

 

「これが触媒。何を呼び出すのかは教えられないけど、それなり以上に強力なサーヴァントになる予定だ。期待してくれても良いと思う」

 

「期待すんのはやめとく。どこかの誰かみたいにうっかりやら慢心やらはしたくないからね」

 

「そうか」

 

 士郎の頭に浮かぶのは、いつかの夕方にこちらを見ていた少女のこと。その時は名前どころか顔すら知らぬ赤の他人であったが、どうやら慎二とはそれなりに人付き合いがあるようで、彼の口から何度かその人となりを聞いたこともある。

 

 尤も、それは魔術と関係ない遠坂凛という少女の性格や言動のことであったのだけれど。

 

 ふと気になったので、士郎は慎二に彼女のことについて聞いてみることにした。

 

「そういえば、遠坂も聖杯戦争のマスターなんだよな?」

 

「んー、その筈だよ。少なくとも凛の奴が遠坂現当主の地位を放り投げていなければね」

 

「……流石にないな、それは」

 

「僕も言ってて思った」

 

 慎二に曰く、あかいあくま。家訓を遵守せんと猫を被りまくる優等生。素の部分はツンデレのテンプレートみたいなものらしいが、所詮は彼の私見である。普段は人をおちょくるような態度を取る慎二に対して、対応がキツくなる可能性も十分にあり得るだろう。

 

 だからといって、真冬の未遠川の川底に埋めるのもどうかと思うが。慎二でなければ死んでいたかもしれないだろうに。

 

「さて、一応は召喚のベストタイミングを逃してるワケだけど、いつやるんだい?」

 

「今だ」

 

「えっ」

 

 やるなら早めがいいだろう。御三家の一角、その本陣たるこの間桐邸もいつ襲撃されるか分かったものではない。現状、強力な戦力は喉から手が出るほど欲しいことに変わりはないのだから。

 

「ちなみに聞いておくけど、どこで召喚するつもり?」

 

「間桐邸地下────蟲倉だ」

 

 そう告げた瞬間の、慎二の露骨に嫌そうな顔が随分と印象に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 士郎への配慮だろうか、本来はこの冷たい石床に(うずたか)く積まれ蠢いていたのだろう蟲たちの姿は、影も形もない。薄暗い、底冷えするような憎悪と無念に塗れた石造りの地下室は、事実として召喚を行う場として優れていた。御三家の一角、その工房の秘中の秘に当たるに相応しい、冬木の地脈(レイライン)のマナを潤沢に蓄えた蠱毒の壺は、サーヴァントの召喚を行う絶好の場だったのだ。

 

 数え切れぬほどの非道外道、その残滓が染み込んだ悪意の坩堝。士郎はその中にありながらも、一切の情動なく静かに役目を果たした。

 

「────問おう、あなたが私のマスターか」

 

「あぁ、よろしく頼む。────アーサー王」

 

 現れたるは麗しき青銀の騎士王。聖剣の担い手、今尚楽園にて眠り続けているとされる偉大なる王者。名高き星の燐光は織り束ねられた大気によって姿を隠されているものの、その隙間などないはずの透明な鞘からは迸る生命の息吹が漏れ出している。

 

「サーヴァント・セイバー、これより我が身はあなたの楯に、そして無類の矛となりましょう。ここに契約は結ばれました」

 

「じゃあ改めて、俺は衛宮士郎。君のマスターとして全力を尽くすと誓おう」

 

 あくまでも対等な立場であることを心懸ける士郎の態度は、どうやら召喚されたばかりのセイバーには好ましいものに見えたらしい。蟲倉の様子に顔を顰めたのをすぐさま穏やかな微笑みに切り替えたセイバーは、一礼をした後、剣を持たない右手で握手を申し出てきた。騎士王の名に恥じぬ礼儀正しい所作に倣い、士郎も差し出された手を力強く握り返した。

 

 さて、親交を深めるのもいいが話も進めなければならない、と握手を解いた士郎が口を開いた。

 

「早速だがセイバー、これをお前に返そう。俺には使えそうもないからな」

 

 そう言って目の前に差し出された物を見て、セイバーは顎が落ちるような驚愕を召喚早々に抱く羽目になった。それは士郎が此度の召喚の触媒として使用した聖剣の鞘。アーサー王伝説に語られる永久の楽園、理想郷(アヴァロン)の名を冠する評価規格外の宝具である。

 

「これは、何故マスターが?」

 

「かつて、俺の命を救った男の持ち物だった。本来なら既に世界へと還っていたのだろうが………どうやら俺と相性が良かったらしくてな。今日まで俺の体内に格納されていた、というわけだ」

 

「………そう、ですか」

 

 釈然としない様子のセイバーは、しかしそれ以上の追求をすることはなかった。これから主従関係となる以上、その関係に余計な溝は残したくなかったのだろう。もしやすれば、それは彼女の参戦した前回の聖杯戦争からの教訓であったのかもしれない。

 

 ふと、なんとなく思い出したという体で士郎が問を投げかける。

 

「なぁ、セイバー。聖杯に託す願望はあるか?」

 

「どういうことでしょうか?」

 

「答えてほしい」

 

「………ありません。カムランの丘でモードレッドの剣を身に受けた、その時の私ならば何かしらの願いを持つこともあったのでしょうが、少なくとも今の私にその類いの想いはありません」

 

 士郎は清々しい表情で言い放ったセイバーに珍しい物を見る様な視線を向ける。人間とはこれほど割り切ることができるものか、と見当違いの感想を口の中に押し込める。

 

「そうか、なら話は早い」

 

「………」

 

 話は早い、つまりこれまでの会話の中に、既に問題となるものが含まれていたことを意味する。セイバーは、問題を引き起こさせない、或いは解決するために必要なことを問われたのだと理解した。思い当たることといえば一つしかない。聖杯に託す願いを持つか、否か。

 

 で、あれば。自らを召喚したこの少年の目的とは───

 

「簡単な話だよ。俺達の陣営の目的は聖杯を破壊することだからな」

 

「───なっ!?」

 

 聖杯の破壊。それはそもそもの前提を覆すものであることに相違なかった。

 

 聖杯に懸ける願いを持つからこそ選定される聖杯戦争のマスターが、よりにもよって聖杯そのものを滅ぼすことを願いとするのだから、これほどおかしなことはない。矛盾だ、矛盾であるはずだ。これ以上ないほどの、完全無欠といって差し支えない論理破綻、そうであるはずだったのだ。

 

 しかし、セイバーの持つ未来予知に匹敵する、本来は戦闘行為の際に発揮される直感スキルが訴えた。これは冗談でもホラでもなんでもない。正真正銘、眼前の若者が想う掛け値なしの本音である、と。

 

 言葉も出ない様子のセイバーに、士郎は淡白な態度のまま話を押し進めた。

 

「驚くのも無理はないだろう。だが、そうでもしなければ最低でもこの街が滅ぶ。比喩でもなんでもなく、な」

 

 脳裏に浮かぶのは己が消え行くはずの大神秘に囚われたとある夜の大火災。大火を鎮めた嵐の如き豪雨こそ、士郎の引き起こした最初の神代回帰(・・・・)。それでも、未熟な力が故に汚泥を流し浄めることは叶わず、士郎の本当の家族を含め間に合わなかった命が存在することも確かだったが。

 

 現代ではありえないほどの神秘の行使によって力尽きた士郎は、黒尽くめの草臥れた男に拾われ、そこから衛宮としての生を受けたのだ。

 

「……いえ、心当たりがあります(・・・・・・・・・)

 

 いっそ決然とした様子で応えたのはセイバーである。その顔には複雑な感情が浮かび上がり、苦虫を噛み潰したようや苦渋が隠されることもなく表れていた。

 

 このサーヴァント、十年前の出来事を知っているか。士郎には、セイバーは前回の聖杯戦争に参加したことを隠すつもりがないように見えた。サーヴァント同士の戦闘経験は貴重だ。これは中々、当たり(くじ)を引いたか。

 

 しかし、今は戦力の確認より優先すべきことがある。

 

「───そうか。できればそのことについて詳しく聞きたいが………先にこちらのことを話しきってしまおう」

 

「と、言うと?」

 

 碧い瞳が静かに士郎を見据える。セイバーはあくまでもマスターの意思を立てるタイプのサーヴァントであるらしい。いずれもっても我の強い英雄系には珍しいタイプだ。とは言っても、まだ見せていないだけでセイバーにもそういう部分はあるのだろう。出来る限り対立しないように努めなくては。そんなことを考えていることをおくびにも出さず、士郎は朗々と話を続けた。

 

「大前提だ、聖杯は汚染されている。それも、タチの悪いことに『意思を持った悪意』にな」

 

「どういうことでしょうか?」

 

 イマイチ要領を得ない説明に、セイバーが解説を求めた。些か性急過ぎたか、と士郎は頭を掻いた。

 

「意思を持つ悪意、それは拝火教の悪神(アンリ・マユ)の名を騙るただの亡霊だ。およそ70年もの間大聖杯に潜み続けている第三次聖杯戦争以来の癌だ」

 

「……続きを」

 

「あぁ。そもそも聖杯っていうのは無色の願望機だ。何物にも染まっていないが故に、希望される願いをそっくりそのまま実現する。そこまではいいな?」

 

 士郎はコクリと頷くセイバーにしっかりと目を合わせると、力強い語調で語った。

 

「じゃあ、この無色であるはずの聖杯に色が足されたとしたら、どうなると思う?」

 

「────まさか」

 

「そのまさかだ。まったく質の悪いことに、それは意思という最濃の絵の具を持っていて、挙句の果てにはその色の象徴だった(・・・・・・・・・)っていうオチだ」

 

「馬鹿な。だとすれば、もし聖杯戦争が完遂されたなら───」

 

「それが破壊か何かかは分からないけど、まず間違いなく『悪い』ことが起きる。それも、地球規模のそれとしてだ」

 

 それも、文字通り最悪の神代回帰として、彼の悪神が『生誕』する形で発生する───。士郎は、突き止めた致命の事実を敢えて口の中で留めた。これを知られれば、己の役割を果たせなくなる。

 

 愕然とする剣の英霊を横目に、士郎は再び■■■■■との同調を再開した。









 まだ死んでないから(白目)

 お久しぶりです。モブです。最近はまったく筆が進まず、いわゆるスランプ的な何かに陥っています。だからといって半年以上放置するのもどうかと思うけどネ!()

 さて、今回は早速セイバーさんのステータスに移っていきます。とはいっても、原作セイバーさんとはメンタル面と供給魔力面と最初からアヴァロン所持でとんでもない差があるため案の定インフレが酷いことになっています。今更ではありますが、受け付けない人は素直にブラウザバックを推奨いたします。

 メディアさんよりあっさり風味の紹介で今回は終わりです。これからも投稿はクッソ遅いけど頑張ります!(開き直り)


マスター:衛宮士郎
クラス:セイバー
真名:アルトリア・ペンドラゴン
身長:154cm / 体重:42kg
出典:アーサー王伝説
地域:イギリス
スリーサイズ:B73/W53/H76
属性:秩序・善 / 隠し属性:地
性別:女性
イメージカラー:青
特技:器械運動、密かに賭け事全般に強い
好きな物:きめ細かい食事、ぬいぐるみ 、民草の平穏と笑顔
苦手な物:大雑把な食事、装飾過多、救国に取り憑かれていた頃の自分
天敵:ギルガメッシュ、マーリン、ジークフリート


ステータス

筋力:A  耐久:B+
敏捷:B  魔力:A
幸運:A  宝具:EX


クラススキル

対魔力:A
魔術への耐性。ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。

騎乗:B
乗り物を乗りこなせる能力。元々馬上戦闘に秀でた騎士であるためランクは高く、魔獣・聖獣ランク以外なら乗りこなす事ができる。また、生前には存在しなかった自動車やバイクさえも「現代の乗騎」と見なせるため直感で乗りこなせてしまう。


保有スキル

直感:A
戦闘中の「自分にとっての最適の行動」を瞬時に悟る能力。ランクAにもなると、ほぼ未来予知の領域に達する。視覚・聴覚への妨害もある程度無視できる。

魔力放出:A++
魔力を自身の武器や肉体に帯びさせる事で強化する。魔力によるジェット噴射。後述のスキルによってその出力が本来のものより飛躍的に上昇している。A++ランクでは単なる棒きれが平均的なDランク宝具相当の壊れた幻想(ブロークンファンタズム)に匹敵する破壊力を発揮する驚異の能力を誇る。

カリスマ:B
軍を率いる才能。元々ブリテンの王であるため、率いる軍勢の士気は極めて高いものになる。ランクBは一国を納めるのに十分な程度。

精霊の加護:A
精霊からの祝福によって、危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる能力。その発動は武勲を立て得る戦場においてのみに限定される。アーサー王は湖の精霊(妖精)から加護を受けており、水上を歩行する能力なども獲得している。

ドラゴンハート:A++
幻想種の頂点たる竜種、その中でも上位の者の心臓その物。魔術回路を用いずとも、呼吸をするだけで魔力を生産する無尽蔵の魔力炉心。アーサー王は出生時に魔術師マーリンの計らいにより人の身ながら竜の因子を持って生まれてきた。魔力放出のスキルはこの因子に由来する。


宝具

風王結界(インビジブル・エア)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1個

アーサー王の剣を覆い隠す、風で出来た第二の鞘。厳密には宝具というより魔術に該当する。
幾重にも重なる空気の層が屈折率を変えることで覆った物を透明化させ、不可視の剣へと変える。敵は間合いを把握できないため、白兵戦では非常に有効。
ただし、あくまで視覚にうったえる効果であるため、幻覚耐性や「心眼」などのスキルを持つ相手には効果が薄い。
透明化は副次的な役割であり、その本質は彼女の余りにも有名すぎる剣を隠すためのもの。
風で覆う対象は剣に限らず、オートバイに纏わせて速力をアップさせたり、ビルをも覆う風の防御壁にしたりもしている(必要がなかったためか、透明化までは行われなかった)。
また、纏わせた風を解放することで破壊力を伴った暴風として撃ち出す「風王鉄槌(ストライク・エア)」という技ともなる。ただし、一度解放すると再び風を集束させるのに多少時間を要するため、連発はできない。

約束された勝利の剣(エクスカリバー)
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人

アーサー王の聖剣エクスカリバー。
かつてアーサー王が、一時的に妖精「湖の乙女」から授かった聖剣。アーサー王の死に際に、ベディヴィエールの手によって湖の乙女へ返還された。
人ではなく星に鍛えられた神造兵装であり、人々の「こうあって欲しい」という願いが地上に蓄えられ、星の内部で結晶・精製された「最強の幻想(ラスト・ファンタズム)」。聖剣というカテゴリーの中で頂点に位置し、「空想の身でありながら最強」とも称される光の剣。
あまりに有名であるため、普段は「風王結界」で覆って隠している。風王結界を解除した状態では通常の剣として使った際の威力も高く、風王結界をまとった状態を80〜90だとしたら、風王結界を解除した黄金バージョンのは1000ぐらい。
神霊レベルの魔術行使を可能とし、所有者の魔力を光に変換、集束・加速させることで運動量を増大させ、光の断層による「究極の斬撃」として放つ。攻撃判定があるのは光の斬撃の先端のみだが、その莫大な魔力の斬撃が通り過ぎた後には高熱が発生するため、結果的に光の帯のように見え、地上をなぎ払う光の波に取られる。その様は『騎英の手綱』が白い彗星ならばこちらは黄金のフレア、と称される。
言うならば一点集中型の指向性のエネルギー兵器。その膨大なエネルギーを正しく放つには両手での振り抜きが必要とされる。威力・攻撃範囲ともに大きい為、第四次聖杯戦争時に切嗣が大型客船を緩衝材として使ったり、第五次でビルの屋上から空へ向けて放ったりと、常に周囲への配慮を必要とする。威力に比例して扱いが難しい部分もあるが、出力は多少ならば調整可能であり、抑えた場合宝具の起動まで一秒未満に短縮することも出来る。
また、「あちら」のアーサー王が持つ「約束された勝利の剣」と同じく『心の善い者に振るってはならない』『精霊に振るってはならない』『共に戦う者は勇者でなければならない』等の誓約が複数かけられているため、それを破ると魔力放出が削られてしまう。全ての誓約が開放された状態での一撃を放ったことは一度あるかないかだという。

全て遠き理想郷(アヴァロン)
ランク:EX 種別:結界宝具 防御対象:1人

エクスカリバーの魔法の鞘。妖精モルガン(モルガン・ル・フェ)がアーサー王から奪った聖剣の鞘。アーサー王の手から奪われた後、コーンウォールから「宝具の現物」として発掘され、現代に復活する。
「不老不死」の効果を有し、持ち主の老化を抑え、呪いを跳ね除け、傷を癒す。真名解放を行なうと、数百のパーツに分解して使用者の周囲に展開され、この世界では無い「妖精郷」に使用者の身を置かせることであらゆる攻撃・交信をシャットアウトして対象者を守る。それは防御というより遮断であり、この世界最強の守り。
魔法の域にある宝具で、五つの魔法さえ寄せ付けず、多次元からの交信は六次元まで遮断する。あらゆる宝具を持っているに等しいギルガメッシュでも、この宝具を使用中の彼女には最高出力のエアを使っても傷を一つ付けることさえ不可能。しかし、世界の開闢そのものである「天の理」を防げるかは不明。
奈須氏曰く、「セイバーがこれで引き篭もったら手におえない」とのこと。だからといって本作において突破出来ないとは言っていない。おそらくインフレNOUMINの被害者となるだろう宝具。
アーサー王でなくとも所持者に加護を与え、傷を癒し、活力を与えるが、本来の持ち主である彼女から魔力を供給されないと効力は微弱なものとなる。基本的に、セイバーとの距離が近い程治癒力が高まる傾向が見られる。彼女が鞘の存在を認識していなくとも、鞘と同化した対象に触れると治癒力が大幅に高まる模様。
原作においてパスが正確に繋がった後の士郎やセイバー当人が使用している時でも、立ち上がることすら出来ない瀕死の重傷の場合はそうすぐには完治しない。しかし、治癒を阻害する呪詛による傷であっても自動的に完治させる点は極めて強力である。
衛宮士郎の体内に埋め込まれていたままだった場合、体から抜け落ち、星の内海に帰るらしい。しかし、本作の衛宮士郎はある性質から異常なまでの親和性を保有しており、もし体内に留めたままならば彼が死ぬまでは現世に残り続ける。

白亜円卓騎士団(ナイツ・オブ・キャメロット)
ランク:A+ 種別:召喚宝具/対軍宝具 レンジ:1〜99 最大補足:100

かつてアーサー王が率いた誉れ高き円卓騎士たちの連続召喚。サー・ガウェインやサー・ケイを始めとした著名な英雄たちが生前の忠義と絆を縁としてアーサー王からの召喚を是とすることで結晶した宝具。召喚された英雄たちはそれぞれが独立したサーヴァントとして確立し、各々の宝具やスキルを保有する他、単独行動スキルを平均Bランクほどで獲得する。
勿論、単独行動スキルを持つにしてもその現界維持は竜の心臓を持つアーサー王とそのマスターから補給されるため、基本的には令呪と併用することが前提の宝具となる。
もし、この宝具を十全な形で発動できるマスターがいるならば、それはとんだ魔力バカであるに違いない。だが、本当にそれができてしまったら対軍宝具がところ構わずブッパされる地獄のような蛮族戦線が再びこの世に現れることだろう。


解説

第四次聖杯戦争でランスロとなんだかんだしっかり話し合って色々精神的に拗らせてたのをサッパリ解決してしまった騎士王その人。切嗣とはビジネスライクな関係だったとか。よって、聖杯を求める心は欠片もなく、理想郷にて眠っているアーサー王の夢の現身として、『呼ばれたから応えた』という某施しの英雄みたいなノリで応じたスーパー悟りメンタルウーマン。

また、諸事情でスペックダウンすることなく参戦に成功し、魔力放出でカッ飛びエクスカリバービームを雨あられとブッパする超速人間戦車()としての能力を最大限に発揮することが出来るようになっている。しかし、周辺の被害を考えるとやはり自重せねばならないと自戒しているため、聖剣ビーム連打はあまり気が乗らない模様。尤も、民草やその居所に被害が出ないならば一切の躊躇なくビームを連発するブッパ脳になる。やっぱ魔力炉心持ちってチート(確信)

実は耐久の+部分は精神的な向上によるものであったりする。幸運は本作士郎の幸運値によって+部分が外れている。

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